北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

映画『ウォール街』の感想

ワタクシが生まれる直前の映画


 『ウォール街』観ました。続編の公開にあわせてレンタルが困難になってるみたいですけど、なんとか借りられました。
 恥ずかしながら初見です。

 本作『ウォール街』はいいんだけど。今公開されてる続編の邦題がヒドイ。

 1作目。原題『Wall Street』 邦題『ウォール街
 2作目。原題『Wall Street:Money Never Sleeps』 邦題『ウォール ストリート』

 1作目の原題と2作目の邦題が完全に一致という異常事態。マジでバカでしょ。この邦題つけた人。

 そういや、1作目で「Money Never Sleeps」ってセリフが出てきましたね。ニヤッとしちゃいました。

 ちなみに、今回はいつも以上にネタバレ気にしてないんで、そこらへん御了承下さい。

 まぁ、続編の予告でゲッコーが出所するとこから始まるんで、彼が捕まるってことは既にネタバレなんですけど。



   あらすじ
主人公は貧乏証券マン
ある日、大物投資家ゴードン ゲッコーに出会う
仲良くなる
金も女も手にし、完全にon the 調子
ゴードン ゲッコーに裏切られる
逆襲



 ゴードン ゲッコー役のマイケル ダグラスは本作の演技でアカデミー賞をゲットしたんですね。主演男優賞。脇役だから助演だと思うんですけど。まぁ、大人の事情でよくあることだけど。今度のオスカーでも『トゥルー グリット』のヘンリー スタインフェルドが主役なのに助演女優賞ノミネートだし。まぁ、たしかに助演女優だけ本命が不在だからそこに入れたい気持ちはわかるよ。
 ・・・・・あぁ、アカデミー賞の予想はどうでもいいですね。楽しいからこの話もしたいんだけど。

 とにかくマイケル ダグラスがオスカーをゲットした役なんですよ。つまりスゴイ。ゴードン ゲッコーがスゴイ。カッコよすぎる。カリスマとはこのことですよ。主人公が魅了されたのもよくわかる。悪人ってのはわかってるけど、そんなのを超越した魅力がある。
 ゴードン ゲッコーの魅力が爆発するシーン。終盤、株主総会でゲッコーが演説するシーン。「Greed is good」 強欲こそ善であると演説するんだよね。もうこのゲッコーがカッコよすぎてたまんない。

 そして、主人公はチャーリー シーンですね。セックス狂でお馴染みの。本作では実の父が父親役やってたりしておもしろい。
 続編にもチャーリー シーンちょっと出てくるみたいですね。そちらも楽しみ。

 物語としては、貧乏→金持ち→貧乏という流れで。ただ、金じゃないものを手にする。
 まぁ、あれだ。調子コいたヤツが一回死んで、甦る話ですね。個人的には、最近観た『17歳の肖像』を連想した。まぁ、それだけ基本的な物語ということですね。
 そんな『17歳の肖像』の主演キャリー マリガンが続編でゲッコーの娘役をやるってのも味わい深い。

 それでも、本作が名作と言われているのはおそらくゴードン ゲッコーというキャラの魅力によるところが多いのではないかと。
 それに、金融界という映画ではめずらしい舞台というのも魅力なのかもしれないですね。

 本作の肝。ゴードン ゲッコーの圧倒的なカリスマ性。観客だけでなく、主人公を魅了する。
 物語が進むにつれて、主人公がゲッコーに染まっていくのがわかる。ゲッコーに「もうちょっとマシな服を着ろ」と言われたら、父親に対してまったく同じセリフを言ってみたり。父親は自分のルーツということなんですかね。
 ゲッコーが「男は黙って、孫子の『兵法』」と言ったら、次会う時までに読了してたり。
 ゲッコーが「男は黙って、オールバック」と言えば、いつの間にか髪型まで真似てる。

 主人公のゲッコー化演出で笑えたのが、主人公がホレる女。主人公がホレた女ってのが実はゲッコーの愛人だった、っていう。女の趣味まで一緒!
 しかも、「なんだ、アイツが好きなのか。今、彼氏と仲悪いからチャンスだぞ」とゲッコー氏。まさかゲッコーの愛人とは知らない主人公。不憫すぎるぜ。しかも、劇中主人公がそのことを知ることはないからね。理由もわからずフラレてる。嗚呼不憫。「彼女は俺のことを選んでくれたんだ・・・・」と勘違いしてたバットマン級に不憫(『ダークナイト』)。

 父親との関係というのが本作ではテーマになってるような気がして。
 序盤では、主人公は父親と仲イイ。
 父親から聞いた情報がキッカケでゲッコーに気に入られる。
 ゲッコーが主人公の師匠、父親のような存在になる。すると、実の父親を小馬鹿にするようになる。
 主人公とゲッコーの計画に対して父親が猛反対。父親とケンカ。
 ゲッコーが主人公をハメる。主人公は父親が言っていたことを理解する。
 ゲッコーに復讐を果たし、父親の元へ帰る。
 と、常に父親が物語に絡んでくる。ラストシーンで父親と一緒にいたのもそんな理由があるんじゃないかなぁ、と思ったりしました。

 父親といえば、劇中、ゲッコーの息子が出てくるんだけど。こいつがクソのつくバカで笑えた。息子といる時だけゲッコーのカリスマ性が消えるんだよね。ただの親バカになる。
 そういや、続編ではゲッコーの娘が出てくるんだけど。あのバカ息子はどうなったんですかね。



 まぁ、そんなこんなでおもしろかったですよ。これで心置きなく続編『ウォール ストリート』が観れます。ゴードン ゲッコーにまた会えるワケですね。それに、キャリー マリガンも出ますから。シャイア ラブーフは・・・いらないかな。本作の共演で付き合ってたみたいですけど、別れたらしいですね。よかったよかった。
 ともかく、ゴードン ゲッコーのカリスマ性がサイコーでした。
 75点。