北区の帰宅部

映画の感想を書きます(嘘&希望)

映画『カーズ2』の感想


3D映画としては、フツー(←ヒドイのが多いのでホメ言葉ですよ)


  えぇーーっと、ブログの順番としては『カンフーパンダ2』のが先なんですが、観たのは今回の『カーズ2』のが先です。

 有楽町のTOHOシネマズ日劇にて、3D吹替版を鑑賞。1日に観たのでファーストデイ料金で安かったです(←半月以上前かよ)。ファーストデイ料金1000円、ネット予約割引で100円引き、3D料金がプラス400円ということで、計1300円で観ました。3Dが1300円とかスゴイね。TOHOシネマズがんばってるよ。ありがとう。

 『メーターの東京レース』という短編がありましたね。『ボルト』のおまけ短編として上映された作品。『ワイルドスピード3』のパロディーみたいな作品でした。
 この時、既にメーターとマックイーンは東京に来てるんですよね(あれがどこまでホントの出来事かはさておき)。だから、本作の予告で、「物語はトーキョーから始まる(キリッ)」みたいな煽られ方をしてもピンと来ないんですよ。
 Perfumeの曲聴ける方が重要です。あれは間違いなくアガる。

 そして、本作のおまけ短編。『トイストーリー3』の後日談である『ハワイアン バケーション』。
 実質ケンが主人公の話です。これは、『トイストーリー3』に対する違和感なんだけど・・・
 オレ、まだケンのこと認めてないから!!!
 なんでロッツォがあんなにヒドイ目にあってるのに、ケンはのこのこと寝返ってんだよ。ロッツォの手下になる前からバービーと恋仲だったならまだ納得いくけど。敵の下っ端の女にホレて寝返っただけだろ?って思ってしまう。
 まぁ、このロッツォの話をし出すとピクサーの悪役全般に対する話になってしまうので、やめます。後で。ケンのことは、いまいち腑に落ちてないです。
 ただ、バズのスペイン語モードが出てきたのは爆笑でしたね。人の体で遊ぶんじゃないよ(笑)

 ただ、本作『カーズ2』自体がピクサーでは結構異例の続編なんだから、おまけ短編にもシリーズモノを持ってくるのはどうなのかな?とは思う。どんだけ人気が欲しいんだよ。そんなんしなくたってピクサー作品には客集まるよ! 『トイストーリー3』のおまけ短編『デイ&ナイト』は3D映画史上に残る大傑作だと思っているだけに少し残念。

 んで、いよいよ『カーズ2』について。

・あらすじ
マックイーンの世界レースについていくメーター
ひたすら迷惑をかける
嫌われる
なんかスパイになって、結果仲直り

 なによりも特筆すべきなのが、主役。本作の主役はメーターですからね。「カッチャウ!」と謎の奇声を上げる赤い車は脇役です(←あの決めゼリフ、日本語吹替だとクソ寒いです)。エンドクレジットで一番頭に来るキャラは、メーターです。
 メーターと言えばボケ役ですね。スター扱いされることが当たり前のマックイーンにとってその自由すぎる言動が魅力的であったり、時に迷惑だったり。
 そんなメーターがワタクシは、大嫌いなんですね。超うぜぇよ。自由な人で済まされないレベルですよ。本作は「変わらなくたっていい」というテーマだけど、人に迷惑かけない程度には変われよ!!と説教してやりたい。

 このメーター、『ハングオーバー』のザック ガリフィアナキスみたいなもんなんですよ。キテレツすぎて、誰にも想像がつかない行動を取る困った人。いつの間にかその場の中心になっている不思議な人。
 実際、『ハングオーバー』のザック ガリフィアナキスも嫌いなんですよ。あんなん近くにいたら、酒に溺れた勢いで殺害してもおかしくないですよ。ただ、『ハングオーバー』という映画を観る上では、魅力的なキャラクターなんですね。なぜなら、おもしろいから。笑えるから。
 が、困ったことにメーターはあんまり笑えない。単なる笑いのツボだけのせいにはしたくない。『ハングオーバー』と違ってメーターは狂人じゃない。正常な頭なはずです。そして、心はキレイみたいな扱い受けてるでしょ。んで、最終的に甘やかされるでしょ。こーゆーのが本当に嫌いなんですよ。『ブラックジャック』のピノコ然り、『となりのトトロ』のメイちゃん然り、観てると本気でイライラしてくる。
 そんなメーターが主役なので、どーしても好きになりきれない印象でした。つまんない、というよりは個人的に嫌い。

 ただ、おもしろかったトコもありまして。新キャラのスパイ。イギリスのMI6の敏腕スパイ。どー考えてもボンドカーですね。
 このボンドカーのアクションは、本当に楽しい。本作のイントロはボンドカー無双なんですよ。胸弾み、心躍る素晴らしいシークエンスだったと思います。人間でもなく、動物でもない、「車」によるスパイアクションというのは本作でしか堪能できない魅力だと思います。メーターは嫌いだけど、こーゆーのがあれば、アニメはもう及第点ですよ。
 また、最新のテクノロジーを搭載した若手女スパイという弟子がいるのもよかったですね。「最近のもんは空も飛べるのか・・・・・」みたいなリアクションがかわいかったです。

 それと、日本人として気になるのは、やっぱり日本描写。
 『メーターの東京レース』で既に街並み自体は見たことあるので、ハリウッド映画でお馴染みのトンデモジャパンになってないことは知ってましたよ。もちろん『カーズ』の世界観で描かれると十分にトンデモなんだけど。それでも、「お前根本的に勘違いしてるだろ!!」みたいなことはないです。さすがはピクサーです。
 中でもおもしろかったのが、トイレ。まず、ハリウッドが日本を描く時に「トイレ」という切り口自体がスゴイ。超ハイテクでウォシュレットの付いたトイレにメーターが驚くってシーンなんだけど。この後、トイレの個室の中で、顔の前にディスプレイがあってそこに萌え絵と思われるかわいい女の子が現れてメーターのトイレをサポートしてくれる。・・・・って、やりすぎだろ!! バカかと。男子トイレでかわいい女の子、ってなんかヘンなニュアンスが加わっちゃうよ。日本のスーパーなトイレを描きたかったのはわかるし、そこに着眼するのはおもしろいんだけど、そこにいわゆるオタク文化みたいなのをプラスするのはイカンでしょう。
 見てる間は笑ってたからいいんだけど、それまで「やっぱピクサーは日本描写がしっかりしてるなぁ」とか感心していただけにかなりズッコケました。

 あとは、悪役について。
 ピクサーにおける悪役描写の特徴として、「感情移入できる程のドラマ」、「意外なほどの悪行」そして「無慈悲なラスト」というのがあると思うんです。
 主人公以上にかわいそうなヤツだったりして、好きになりかけると、「ディズニー映画なのに・・・」みたくギョッとするような極悪ぶりを発揮して、そしてラストに救いようのない地獄を見せる。基本的に悪役は許してあげませんね。そこで少し嫌いなのが、悪役は「なにされても文句言えない」みたな考えが見え隠れするような気がするトコ。

 『カールじいさん』では、主人公は悪役を殺して、巨大戦艦を奪って、我が物顔して乗りこなす、というオチでしたからね。ちょっと容赦なさすぎるし、悪役の船奪ったら主人公海賊じゃん・・・・・みたいな疑問がありました。この悪役、実は主人公が子供の頃から憧れていた英雄で・・・・・みたいなドラマがあって胸熱なんですね。かと思うと、中盤に明らかに人を殺してることが示されたりして、複雑な気持ちになるんですが。それでも、やっぱり嫌いになりきれないんですよ。単なる悪人と切り捨てることはできない、けど、作品上ではしっかり殺す。『カールじいさん』の悪役描写で嫌いなのは、この悪役を殺す時に、罪悪感を濁す描写があるんですね。空中の船から落として殺すんだけど、この時に風船を2、3コ体に巻き付けたまま画面から消える。あんな上空から落ちるんだから風船があったって死にますよ。けど、主人公たちが見える範囲ではゆっくりと落ちていくんですね。なんか欺瞞を感じて好きになれないです。
 あと、『トイストーリー3』は、ロッツォのトラウマ体験を超感動的に描いたのに、オチは大した理屈もなく地獄を見せるんですね。ロッツォにあの仕打ちは死ぬ以上の苦痛だよ! かわいそうすぎる!!
 『トイストーリー2』は、悪役描写はピクサー史上一番嫌い。ロッツォと同じでかわいそうな過去が描かれるんだけど。『トイストーリー2』の問題点は、主人公と悪役の価値観の違いをぶつけておきながら、なんの理屈もなく「主人公は正義!」と乱暴に価値観を押しつけるんですね。かなり乱暴だと思いますよ。また、その仕打ちってのがちゃんと悪役が最も忌み嫌うようなものを用意してあってね・・・・・・悪役の犯した行為の残虐さと、それに対する制裁の残虐さのバランスが悪すぎます。

 そんなこんなで、『カーズ2』の悪役。
 これまた素晴らしい悪役なんですね。車を主人公にしたアニメとして避けては通れないような問題をテーマにしている。それでいて、主人公になったメーターともリンクするテーマになっていて、ここらへんは「さすがピクサー!」と言いたくなるような感じなんですが。「お前の言い分はわかるけど、お前悪人だからお仕置きな!!」と乱暴に済まされてしまった印象です。悪役の訴えていた問題というのはうやむやにされてしまったような気がする。悪役の犯した罪は許しがたいことだけど、悪役を動かした考え、問題というのは別に間違ったことじゃないですからね。主張自体は悪とはかけ離れたものだったと思います。そこらへんにもう少し納得できるオチが用意されてあったらよかったのに。

 続編映画としての考えると、ポール ニューマンの死が大きいですね。
 前作でマックイーンの師匠になる老車の声を亡くなられたポール ニューマンが担当していたんだけど、本作ではそのキャラも他界した設定になっていて。
 それでも、「砂場でハンドルが取れない時は、ハンドルを逆に切れ」という前作で教わったことをマックイーンが実践してレースで優位に立つ、というシーンではグッときました。

 このマックイーンのレースなんだけど。イタリアのレーシングカーがライバルとして出てくるんですね。コイツ、前半ではガンガン出てくるくせにラストでないがしろにされてませんかね?
 最終的にメーターにブチ抜かれる、というマックイーン関係ないラスト・・・・。メーターのその場限りのスーパーパワーだったらいいんだけど、最後に常設パワーになってたし。あれあったら、マックイーンより余裕で速いでしょ? また仲悪くなっちゃうぜ。


 ・・・・あれっ、なんか悪口ばっかり言ってる気がする。
 そんなに嫌いじゃないですよ。もちろんここ近年におけるピクサー作品の異常なクオリティーを考えると、本作は相当な落ちこぼれだけど、そーゆーの抜きにしたら普通に楽しい映画ですよ。まぁ、「ピクサーなのに『普通に楽しい映画』止まりかよ」って思っちゃうのは事実ですが。
 逆に考えると、来年がイイ感じのハードルで楽しめるじゃないですか。今度は人間の女の子が主人公ですよ。どんな作品か想像つきませんが、「去年は『トイストーリー3』」というよりも、「去年は『カーズ2』」だとなんか気楽に観れるってもんですよ。
 75点。


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