北区の帰宅部

映画の感想を書きます(嘘&希望)

映画『世界侵略:ロサンゼルス決戦』の感想


↑こんなシーンないです


 米軍が地球に攻めてきた宇宙人と戦う映画。
 原題は『Battle:Los Angels』。まぁ、そのまんまの邦題ですかね。カッコイイとは思いませんが。

 3.11の震災で公開が延期したことでも有名な作品です。別に地震があったり、津波的な映像があるワケでもないんで関係ないと思うんですけどね。単純にあの時期に公開しても客が集まらないから、という噂も聞きますし。

 あらすじ
エイリアンが地球に攻めてきた
主人公へのミッション、警察署に避難してる市民を救助せよ
定時に爆撃を行うので、それがタイムリミット

 ものっそいわかりやすい映画。「大体こんなんが観たいんでしょ?」という供給と、「大体こんなんが観たい」という需要が合致した作品。
 映画館に、「ハリウッド映画って所詮どれも同じだよね〜」って言ってる人がいましたけど、片腹痛いですね。こんな映画観に来といて、ハリウッド全般を語ろうとするなよ。
 ハリウッドで大ヒットしてる第一線の作品のことを指してるとしても間違いですからね。本作は特別なヒットはしてませんから。大ヒットしてる作品がどれも同じって意味では邦画のが深刻なんじゃないでしょうかね(←まぁ、これまた偏見ですが)。

 VSエイリアン映画として目新しいものはなにか、というとゲームっぽさなんだと思います。
 本作のアクションシーンはFPSっぽいですし。ミッションを説明されるシーンの簡素さとかもゲームっぽい。
 物語は主人公(チーム)の視点で一貫してるのはおもしろかったです。フツー、エイリアンが攻めてきたっていうと、もっと全体を見渡せる人が主人公だと思うんですよ。主人公でないにしても、世界全体を見渡すシーンが入る。けど、本作にはほとんどないんだよね。それゆえ、「軍の本部はどうなってるんだ・・・・」っていうサスペンスが生まれて。定時に絨毯爆撃を行うという作戦が機械的すぎるあたりもゲームっぽいんだけど、そこがちゃんとサスペンスになってるから楽しいですね。

 おそらく、主観視点で一貫させるためなんでしょうけど、本作は手持ちカメラのブレブレ映像が多用されてるんですね。戦闘シーンはおもしろいんですよ。エイリアンモノ、ゲームっぽさ、手持ちカメラ、という3つが合わさり、本作独自の魅力になってたと思います。
 なんだけど、冒頭に描かれる日常パートもブレブレ映像で語られるのはカンベンしてもらえないですかね? 酔っちゃうよ。気持ち悪かったです。別に緊張感のあることが行われてないのに、カメラがブレブレで物語のテンションとの乖離がスゴイ。
 ウィキペディアの情報だから詳細は知らないんだけど、監督は手持ちカメラを使うことを理由に本作の3D撮影を拒否したそうなんですよ。3Dで手持ちにしちゃうと酔っちゃうから。手持ちにすると、酔っちゃうっていう理解があるならば、そんなに多用しないでくんちぇー。
 疑似ドキュメンタリー、モキュメンタリーを目指したのかもしれないけど、それは『第9地区』という偉大すぎる先輩がいるからなぁ・・・・。

 そんな手持ちカメラで語られる冒頭の日常パート。これが、ものっそい淡泊なんですよ。必要最低限だけ、死亡フラグを立てるだけで、すぐにエイリアンたちが攻めてくる。『孫文の義士団』はクソ丁寧に死亡フラグを立ててたんですが、それとは対照的ですね。まぁ、アレはちょっと丁寧すぎて長すぎる、という気もするんで、どっちが上だとは言わないですが。

 本作には、紅一点の兵士としてミシェル ロドリゲスが出てきます。コレが、いつも通りのミシェル ロドリゲスで、実にミシェル ロドリゲスしてる。「アタイ」という一人称が世界一似合う女を演じておられます。ありがたや〜。
 本作のミシェル ロドリゲスで特筆すべきなのは、途中参加するという点。主人公たちは、日常が描かれ、エイリアンに攻められ、ミッションスタート、なんだけど。ミシェル ロドリゲスはミッションの途中で出会うから、侵略前の日常が描かれない。そして過去もまったく語られない。ていうか、本作で彼女は軍服オンリーですからね。スゴイ、潔すぎるぜ。
 そんなミシェル ロドリゲスが、ミッションに成功した時に、「HAHAHA」と豪快に笑ってくれるだけでなんかカタルシスが2割増し。宇宙人に対して「サノバビッチ」という罵声を浴びせるのはもはやデフォルト。本作では、「ぶっかけられちゃった」 という彼女ならではの女らしさもかいま見れて、なんだかんだで大満足の活躍。どの映画に出ても同じ役なんじゃないか?なんて考えてはいけない。

 ミシェル ロドリゲスに象徴されるようなマッチョイズムも本作の楽しみどころ。ミッション開始直後は勝ち目もなく、仲間を信頼していなかったのでギスギスしていたチームだが、ミッションを進めるうちに宇宙人を倒すこともスムースになり、仲間との信頼関係が構築され、汗くさい友情が見ることができる。
 市民を救助ヘリに乗せ、基地に戻る最中、敵の本拠地を発見する。すると、主人公は、「俺1人で行く。お前たちは市民を守ってくれ」 と言う。ヘリからしゅるしゅるとロープで降りると・・・・・後ろからしゅるしゅると聞こえ、「俺たちも行きますよ」 と全員集合。「俺1人で行く」はもはやダチョウ倶楽部の「押すな押すな」の領域ですな。(・・・・・・わかっていても感動しちゃったんですけどね)

 本作との類似点やら諸々が裁判沙汰にもなってる『スカイライン』という映画があるけど、それとの決定的な違いはこんなマッチョイズムですね。
 本作ですごい好きなセリフがある。敵の本拠地に車で乗り込むシーン。宇宙人に見つかり、道をふさがれる。すると、

「ヤバイ、見つかった。どうする?」
「クイズだ。運転中にシカが飛び出してきたら、どうする?」
「「スピードアップ!!!」」

 うわぁ、超マッチョ。てか、マッチョとか通り越してただのアドレナリンジャンキーですね、はい。


 まぁ、テンションで押し切るタイプの映画ですよ。こーゆーのが見たかったんですから、満足です。残念なことを言うならば、エイリアンが超人間っぽかったことですね。見た目はヘンなのに、能力が、兵器が地球人とほとんど同じ。このことから、エイリアンはアメリカが戦ってきた国のメタファー、という解釈も考え出したら出来るんでしょうが、ワタクシ頭が悪いのでわかりませんでした。そんなこと微塵も思いつきませんでした。いろんなブログ見て、知りました。意外と深いテーマを秘めた映画なのかも・・・・・・・・?
 65点。