北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

感想を書き忘れてたアニメ『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』

Panty&Stocking with Garterbelt 特装版 第1巻 [Blu-ray]

Panty&Stocking with Garterbelt 特装版 第1巻 [Blu-ray]

 去年の暮れに放送されてたアニメ。映画好きの間でも評判になってたので観てみたら、これが超おもしろい! 下ネタと映画小ネタが詰まって「俺のための作品!」と思ってしまう作りでした。放送の後、2、3周は観てしまいましたよ。未だに観たいですよ。

 カートゥーン調のかわいらしい絵から飛び出す下ネタの数々が本当に気持ちいい。性的な下ネタにとどまらず、クソもしっかりあるのが楽しいですな。クソ、鼻クソ、ゲロがそれぞれ別個にフィーチャーされてるアニメなんてないですよ。素晴らしい。
 あと、汚いコトといえば言葉。キャラクターたちが悪態をつきまくるんですね。日本語の悪態もあるだけで素晴らしいのに、英語の悪態まで完備してあるという親切設計。ハリウッド映画でお馴染みの「ファック」「シット」「マザファカ」「サノバビッチ」が盛り沢山。日本人が日本語の中に英語の悪態を挟み込むとどうしてもダサくなっちゃうじゃないですか。それが声優陣の好演により実に自然。カートゥーン調の絵柄のおかげもあるんだろうけど、違和感がございません。

 あとは、曲。サントラについては後述しますが、BGMも素晴らしい。☆Taku Takahashi総合プロデュースによるサントラがカッコよすぎます。アニメに合わせて曲作ってんだか、曲に合わせてアニメ作ってんだかわかんなくなるくらいハマってる。

 あとは、やはりキャラクターの魅力ですね。各キャラについて説明するだけで下ネタだらけになってしまう、というようなキャラクターです。
 まぁ、中でもストッキングですね。これはかわいい。久々に二次元キャラに本格的に萌えた。ストッキングちゃんマジ天使。666コに切り刻まれたい。
 そんなストッキングと姉のパンティーの武器はそれぞれ、ストッキングとパンティーなんですよ。脱ぐとそれが武器になる。ストッキングは剣に、パンティーは銃に。戦闘パートが始まる時に変身シーンがあるんですけど、これがただのポールダンスしながら脱ぐだけ、っていうね。
なぜか作画崩壊したり、BGMがカッコよすぎたり、多幸感溢れる名シーンです。

 以下、好きなエピソードについて。各エピソード名が映画の名作(極一部を除く)のタイトルになぞらえてあって、そこらへんも楽しいです。

 12話「トランスホーム」
 当然『トランスフォーマー』オマージュ。映画のタイトルって言ったばかりだけど、ここでの『トランスフォーマー』はアニメ版の方ですね。ぶっちゃけマイケル ベイ師匠の作った映画よりも『トランスフォーマー』らしさが再現されてると思います。

 14話「… オブ ザ デッド」
 当然、ゾンビ映画オマージュ。ロメロアンドカーペンタウンにてゾンビが大量発生するという話。ゾンビが大量発生した時、『ゾンビ』ではショッピングモールに、『ショーンオブザデッド』ではパブに籠城しますが、本作で籠城するトコというのがぁ・・・・・・・実に酷い。

 17話「ゴースト 〜ダテンシティの幻〜」
 ラブストーリー回です。恋するストッキングちゃんを見ているだけで幸せになれます。ゴス衣装じゃないストッキングもサイコーです。なにげにパンティーの姉としての優しさがかいま見れるという意味でパンティー萌えも感じられますね。

 7話「ダイエット シンドローム
 ストッキングが太る回。ストッキングちゃんの百面相が楽しめます。『あしたのジョー』パロディーで力石徹になりきるストッキングちゃんサイコーです。定番の変身シーンが変速的になっていて爆笑しました。

 10話「ヴォミッティング ポイント」
 主人公がパンストじゃないという超変則回。もはや別作品なんじゃないか?というレベル。第三者視点で主人公たちを描くことで、「よっ! 待ってました!!」的なカタルシスが得られます。例の変身シーンのテーマ曲の使い方が見事。パンティーたちを抜きにしても見応えのある作品。

 26話「パンティ+ブリーフ」
 最終回へと繋がるエピソードなんだけど、ビッチが処女になるという意外すぎる展開。処女になったパンティーが女々しくてかわいいです。オタクで童貞(掘られてしまったので処女ではない)というモテない男のギークボーイに感情移入していると死にたくなります。

 11話「悪魔のような女たち」
 「神回」という言葉はあんま好きじゃないんだけど、これは神回と言わざるを得ない。主人公たちのライバルとなる悪魔姉妹、スキャンティー&ニーソックスの初登場回。パンストの戦闘力がフルに発揮されて見応えありすぎです。
 ・・・・・なによりも、ストッキングちゃんがパンツ脱ぐよ!!!(パンティーが二丁拳銃になるという意味です)
 他にも、カーアクションまであって超眼福。

 6話「パルプ アディクション
 個人的なベストエピソード。簡単に言うと、「製紙工場で精子と生死をかけた戦いをする」という話。まぁ、こんな感じでオヤジギャグに近い言葉遊びが詰まってるんですよ。セリフの端々に下ネタを挟み込むというウルトラC。
 他にも、本話のイントロで描かれる「白い世界」は一体ドコなんだ?という引っ張りも利いていて、それが明らかになった時に脱力感、さらにはその世界の最後に描かれるとあるモノ、「えっ、それ映していいの?」というドキドキが味わえます。
 あと、本話に出てくるゴーストは超かわいいよ。精子だけど。

 ・・・・一番好きなエピソードが下ネタの極みというのはどうかと思いますけどね。まぁ、他の回もおもしろいので、興味があったら是非。

Panty & Stocking with Garterbelt The Original Soundtrack

Panty & Stocking with Garterbelt The Original Soundtrack

Panty & Stocking with Garterbelt THE WORST ALBUM

Panty & Stocking with Garterbelt THE WORST ALBUM

 そして、サントラ。現在2枚のサントラが出ていてどちらも素晴らしい作品となっております。作中BGMはもちろん変身のテーマ、ED曲、さらにはストッキングちゃん歌う曲までありますからね。
 そして、2枚目のサントラにはオーディオドラマが収録されていて、これがスゴイ。長さ的にも内容的にも1つのエピソードとして充分な出来。キャラクターたちの会話劇をただやる、というのではなく、オーディオドラマでしか出来ない仕掛けが入っているのが心憎いところ。聴いたら絶対に「ストッキングの食事シーンをアニメで観たい!!」という衝動にかられます。他にも絶対にアニメ化(映像化)不可能というラストも素晴らしいですな。簡単に言うと、「史上最大の敵」が出てきます。

 ・・・・オーディオドラマは素晴らしすぎるんですが、CDを何度も聴くにあたっては少し邪魔かなぁ・・・って気も。プレイリストでも作ってろ!って話ですが。

 マンガ版もチェックしました。TAGRO版の方。今石監督版は未読です。

 本作が好きすぎたので手を伸ばしたものの、冷静に考えれば、音なし、声なし、色なしのマンガではワタクシが『パンスト』に魅了された要素が全然足りないんじゃないか・・・・・ということに気づきました。
 まぁ、結論としては、ファンとしては充分に楽しかったです。

 『パンスト』らしさの表現をマンガでしようという気概に満ちてましたし、なにより『パンスト』愛に溢れていたと思います。
 アニメ表現が出来ないんだけど、英語のオノマトペや『パンスト』らしいセリフ回しがあったりしてそこらへんは素直に楽しかったです。

 巻末の作者コメントにも書いてあったんですが、『パンスト』の持つ様々な魅力をすべて再現するのは不可能と諦めた作者が力を注いだのが、下ネタ。下っ衆い下ネタが満載で楽しいです。アニメ版のレベルを想定していると、それを超えるえげつなさに思わず吹いてしまいました。
 「オカズ」(エロの方)が消え、「オカズ」(食事の方)がザーメンまみれになる回とか酷すぎです。それがビニ本販売機のゴーストだった、ってのが見事ですね。他にも、ディルドー体温計のギャグとか、月の話もホント酷かった。下ネタは思わず本能的に拒絶反応を示してしまうレベル。つまり、大好き。

 下ネタ以外で本作で感動したのが、6話「完全な御遊戯」。まぁ、下ネタは相変わらず酷いんですが。
 「青少年健全補完条例」のせいで下ネタ規制が過剰になりすぎた某所が舞台。パンストの2人は主役でない。あらゆる発言が伏せ字になり、至る所にモザイクが施される世界。世界名作劇場の再放送しかしないはずのテレビからアニメ『パンスト』が流れてくる。中で、パンストの2人が新宿の某建築物によく似たゴースト「SEASON OF SUNSHINE」を退治する。条例がなくなり、下ネタのある普段の生活に戻る。
 まず、ゴーストの名前が素晴らしすぎますね。爆笑した。断末魔が「パ…パーフェクトプレイィィ!!!」 でまた笑える。
 巻末を読んで知ったんですが、この話に出てくる舞台、キャラクターは作者TAGROの代表作『変ゼミ』のものらしいんですね。それを踏まえると、この話で描かれる『パンスト』賛歌がまぶしすぎる。TAGROが自身の代表作のキャラクターたちに「アニメ『パンスト』サイコー!!」って言わせるんですよ。作者の『パンスト』愛がまぶしすぎます。好感しか湧きません。『変ゼミ』も読みたくなっちゃったよ。

 と、作者のアニメへのリスペクトに詰まった作品なので、『パンスト』ファンとしては喜ばしいことこの上ないです。しかし、下ネタが酷かったなぁ。


PIXARぴあ (ぴあMOOK)

PIXARぴあ (ぴあMOOK)

 ・・・・・最後に、ちょっと脱線。
 先日発売のムック『PIXARぴあ』について。世界最強のアニメスタジオ、ピクサーについて徹底特集した楽しい1冊なんですが、その中で、日本のアニメスタジオからピクサーへメッセージイラストが紹介されてます。
 ガイナックスの雨宮哲のイラスト。『カーズ』を描いたものなんですが、なんとパンストのお2人が!!
 マックイーンとレースしてるようなんだけど。2人の乗ってるシースルーがしっかり『カーズ』ナイズされてるのがステキすぎる。シースルーの顔初めて見たぜ。マジ眼福。
 ラジエータースプリングスとダテンシティーの夢の共演が眩しすぎます。映画でマックイーンが目指してるのが「ピストンカップ」なんですが、『パンスト』関連だともはや下ネタにしか思えない!