北区の帰宅部

映画の感想を書きます(嘘&希望)

映画『指輪をはめたい』の感想


はめたくなりました


 おそらく今年最後の邦画。映画秘宝に載っていた二階堂ふみのインタビュー記事に惹かれて観に行きました。作品自体もすげぇホメられてたし。
 結果、観てよかったです。個人的には今年のベスト邦画でした。『探偵はBARにいる』よりもハマった。粗がない傑作とは言わない。ただ、ワタクシの心を鷲掴みにする程度の魅力は兼ね備えてました。

 あらすじ
主人公は一過性の記憶喪失
カバンには婚約指輪
誰かにプロポーズするつもりだったらしい
すると、主人公の前に3人のカノジョが現れる

 設定とか宣伝を聞くと、「それなんて『モテキ』?」って感じになるんですよ。複数の女性からモテるって構図は完全に一致ですし。女性が3人、そして距離を置いたところにもう1人、というのはドラマ版の『モテキ』に近いですね。
 ところが、ですよ。全然違います。てか、原作あるし。原作こっちのが古いし。「久保ミツロウがパクった」というのが正しいです(大嘘)。
 記憶喪失というミステリーが利いてまして、この謎が明らかになると同時に作品の趣が『モテキ』的なものから完全に逸脱します。この急転換が本作のミソです。「ブヒヒ、美女が3人もいるぜぇ〜」 というニヤケ面に冷や水ぶっかけられます。

 ということで、美女3人に迫られるラブコメを本作に期待するのはやめましょう。冷や水ぶっかけられます。その美女3人は小西真奈美真木よう子池脇千鶴なんですが、この3人を目当てで観に行っても驚きますよ。驚くほどに役がショボいです。最終的に、3人を踏み台にして二階堂ふみがすべてをかっさっていきます。
 まぁ、3人はショボいと言っても、映画『モテキ』の仲里依紗真木よう子程ではないです。仲里依紗に至ってはおっぱい揉まれるために登場しただけでした。ナイスおっぱい!!

 小西真奈美。主人公の同僚。カノジョその1。職場でマドンナ的存在。キャスト欄でも女性陣で一番前なので、「どうせ小西真奈美とくっつんだろ」 と思えそうですが、そう思わせるフリです。
 逆に、メインヒロインに見せかけるため、キャラクターとしては月並みで実においしくない役。小西真奈美ファンには同情します。
 小西真奈美がメインだと思った? 残念! 二階堂ふみちゃんでした!!

 真木よう子。風俗嬢。カノジョその2。真木よう子は映画『モテキ』に出てたくせにキスの1つもなかったですね。その点ではまだ本作のがマシ。根明の巨乳ちゃん。性格のいい風俗嬢ってなんかイイですね。
 本作では中盤、カノジョ3人が一堂に会する修羅場があるんですが、そこでの真木よう子の存在感がスゴイ。小西真奈美vs池脇千鶴 はまだなんとかなりそうじゃないですか。それでもオロオロしてる主人公の前に、満を持して真木よう子登場。「詰んだ・・・・・」という気持ちになります。修羅場で期待通りの大暴れをして、最終的には主人公に「チンコ切れ!!」とシャウト。今年は、『SP 革命篇』『モテキ』と真木よう子の活躍を観てきましたが、この「チンコ切れ!!」の時が一番輝いてました。

 池脇千鶴。ヒロインその3。収入源不明で、公園で人形劇をやってる。役抜きで考えると3人の中で池脇千鶴が一番ワタクシの好み。
 本作のカノジョ3人というのはそれぞれ男の求める女性像がデフォルメされてまして、小西真奈美は仕事の出来る女性、真木よう子はエロ、そして池脇千鶴は年下萌えと言ったところでしょうかね。頼りないコで、ドジで、家の中では三つ編みで、(なぜか)主人公にとことんホレてる。「萌え」という言葉が非常にしっくりくるんですが、とにかくやりすぎ。デフォルメした姿というのはさておいても笑ってしまいそうでした。池脇千鶴は声が甘ったるいので、結果的にほぼ限りなく二次元キャラでした。
 カノジョ3人が勢揃いする修羅場では、小西真奈美に「こんなのに浮気してたの?」 と言われ、「・・・・浮気はそっちだと思います」 と口答え。それまでは 「ほとんど二次元じゃねぇか。ワロタワロタ」 とヘラヘラしてたんですが、この口答えはかわいかったです。

 そんな3人が主人公の前に現れます。主人公が指輪をはめようとしてた正解は誰なのか?
 ・・・・勘のいい人、疑り深い人ならすぐにわかるんですが、この中にはいません。3択を出されたら、4つ目を疑いましょう。その4つ目が「誰とも結ばれない」だったりする場合がありますね。ドラマ版『モテキ』はこれでした。
 そんな4人目を演じるのが二階堂ふみ。入江悠監督の『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』に出てたことで注目された人で。園子温監督の『ヒミズ』に主演して、ヴェネチア国際映画祭で新人賞取りましたね。絶好調すぎて怖い女優さんです。てか、入江悠と園子温に挟まれた本作の立場がないぜ。ただ、本作の岩田ユキ監督は以前にも二階堂ふみを起用したことがあるようなので、二階堂ふみに先にツバ付けたという意味で入江悠、園子温に勝ってますよ。

 そんな岩田ユキ監督の作風なのかもしれないんですが、本作はかなりファンタジックに描かれてます。記憶を失った主人公は転んだ場所、スケートリンクに向かうんですが、この向かう道中が超ファンタジー。クモの巣が張った薄暗い入り口に通ると、リンクではコスチュームに身を包んだシンクロナイズドスケーティングをしてる人たち。フィギュアスケート版のシンクロね。この人たちの実在感のなさ、生活感のなさが異常でして、マジで「妖精さん」という表現がピッタリ。そして、その妖精たちのリーダーというのが、二階堂ふみ。彼女は主人公に指輪を与え、不思議の世界へ誘う。その後も、記憶を取り戻せず戸惑う主人公に助言を授ける。非日常の世界への入り口であり、ガイド役。まさに妖精。
 んで、先ほどの4択目の話に戻りますが、3人から選べない主人公はいつも親身になってくれた二階堂ふみに恋に落ちたことに気づきます。この気づくまでの課程が見事でしたね。「あれっ・・・・またあの人のこと考えてる・・・・・」っていう。
 ・・・・・で、これが本作の大オチで、ネタバレだと思うでしょ? この後にももう1捻りあるので安心して下さい。ココまだ中盤です。


↑ここらへんはマジ眼福

 二階堂ふみについて。スーパーかわいかったです。ホレました。今度、出演作観てみます。『ヒミズ』も絶対観に行きます。
 初登場時は前述の通り、妖精然とした雰囲気で基本無表情。それが主人公の相談に乗っているうちに表情が豊かになっていき、主人公が自分の恋心に気づき、相談ではなく彼女に会うためにスケートリンクに通うようになると、笑顔を見せるようになり、最終的に一緒にスケートやるようになるんですね。もうね、この次第に表情が豊かになっていく過程だけで完全に持ってかれました。超かわいい。
 そんで、一緒にスケートするシーンなんだけど、この時、初登場時にはしていたはずのコスチュームの手袋をいつの間にか外してる。これは、おそらく妖精という立場から人間に歩み寄ってくれたことを意味してるんでしょうかね。素手を主人公に差し伸べてくれた瞬間、昇天しました。
 そして、この後、物語はウルトラC級の捻りを見せ、スケートリンク以外の二階堂ふみが現れます。私服姿だとまた雰囲気がガラッと変わってかわいいぜチクショー。

 『SOMEWHERE』のエル ファニングもそうだけど、2011年の映画ヒロインのトレンドはフィギュアスケートですかね。

 二階堂ふみとくっついてオシマイ・・・・・・・かと思ったら、女性陣3人の修羅場シーンをキッカケにすべてが変わる。それまでのゆるふわ恋愛映画のようなぬるさは消え、時間軸グラッグラの謎解きパートが始まる。ゆるふわパートから一転、鬱展開まであります。ゆるふわ展開に頭が慣れてると、話についていけなくなりますよ。陰鬱すぎる展開があるんですが、最後の最後には主人公の心の成長を描き、エンドクレジット時には清々しい気持ちになってしまう、というね。素晴らしいですよ。

 まぁ、ベタボメしましたが、粗はある作品でして。二階堂ふみの役はさながら妖精で、彼女が非日常の世界に主人公を誘うんですが、困ったことに二階堂ふみ以外のシーンでもすげぇファンタジックなんですよね。先述の通り、池脇千鶴はまんま二次元だし。他にもゆるふわギャグとかもあって、良く言えば幻想的、悪く言えばクソすべってる。二階堂ふみの妖精性を際立たせるためにも他のシーンはフィクション性を抑えた方がいいと思うんですけどね。(・・・・・・・まぁ、「二階堂ふみ=妖精」というのは劇中語られるワケではなくワタクシが勝手に思ってるだけなんですが)
 あとね、主人公の山田孝之。日本の俳優の中ではかなり好きなんですよ。個人的に記憶に新しいのがドラマ版『荒川アンダーザブリッジ』でして、山田孝之徳永えりの活躍がなかったら深夜にテレビ見ながらゲロ吐いてました。そんな山田孝之。本作では、オロオロした女々しい野郎でして、終始猫なで声みたいなしゃべり方で気持ち悪かったです。猫なで声というか、そのまんまネコなんじゃねぇの?って感じ。男の主要キャラは山田孝之以外いないので、ネコっぽさを出しても誰も得しないよ!
 それと、謎が解ける怒濤の展開がひと段落してから、少しダラダラした印象ですね。もうちょっと、「謎が明らかに!→鬱展開!→心の成長!」 という流れをサクサク進んでほしかったです。成長までの部分で少しだれました。

 超ちなみに。超脱線します。ただ、個人的には大事なコトです。
 ワタクシ、「北区の帰宅部」なんてダジャレネームで映画の感想をネットにまき散らしていますが、本作を観て目を疑いました。
 劇中、池脇千鶴が人形劇をするとある公園。・・・・・・あれっ? この東京23区内とは思えないような前時代的なクソ寂れた雰囲気は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・げえっ! 飛鳥山公園!!(ジャーンジャーン)
 まさかまさかの北区キタコレ!!! 飛鳥山公園とか徒歩20分だぜコノヤロー。映画館からの帰宅時、ロケ地に寄り道しました。


↑コンセプトは「ディズニーランドに憧れて」(笑えないけどマジ)


↑劇中、山田孝之が座ってコケたアザラシ。あ、あそこに山田孝之のツーケーが・・・・・(ハァハァ)


 という、超どうでもいい意味で思い出深い作品でしたよ。北区は抜きにしても、これは良いどんでん返し映画だと思いますよ。
 ・・・・・まぁ、というのは建前で、二階堂ふみが超かわいくてそれどころじゃなかったです。二階堂ふみを魅力的に映す、二階堂ふみのいろんな顔を撮る、というトコが本作の魅力であり、それが物語上意味を持つので作品としては大成功だと思います。見事に心を持ってかれました。
 90点。

追記。
池脇千鶴のことを年下と紹介してしまったんですが、よく思い返してみると同い年だったと思います。間違えました。すいません。修正するのめんどくさいので追記しときます。
小西真奈美が年上、真木よう子が年下、そして池脇千鶴が同い年。付き合う女性の年齢を3タイプに分けてあるという設定ですね。とんだ誤解してました。・・・池脇千鶴が童顔すぎるのが悪いんや!(いいわけ)
ホントすいませんでした。