北区の帰宅部

映画の感想を書きます(嘘&希望)

映画『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』の感想


キャットファイトもあるよ


 シリーズ最新作。本作は表記が安定しないから困りますね。4作目はナンバリングがなくなっちゃったし。

 シリーズに対するスタンスを少々。テレビ版は観たことないです。映画版に関しては、『3』>『1』>『2』 の順です。
 シリーズ全作を見返したんですが、イマイチだと思ってた『2』もおもしろかったですね。「味方だと思った? 残念、ハントちゃんでした!」って言いながらマスク脱ぐシーンが一番多いのは『2』なんですね。『1』だと思ってましたが。『2』ではマスク脱ぎがハイパーインフレしてます。
 『3』が一番好きな理由としては、一番チームプレイ感が強いからですね。バチカンの潜入シーンはウットリしてしまいました。それに悪役。フィリップ シーモア ホフマンの憎まれ演技が素晴らしすぎて観る度に魅了されます。

 そんな『3』推しのワタクシとしては、J J エイブラムスが製作に参加している『4』は期待してました。

 あらすじ
離婚しました
そんなことより、IMFからのサポートがなくなっちゃったよ!!

 J J エイブラムス製作なので『3』との繋がりについて。『3』ではチョイ役だったサイモン ペグが現場に昇格してチームに参加、ってのはあるんですが、『3』との繋がりと言ったらやはり嫁さんですよ。前作で結婚しちゃったからねぇ。
 ココらへんの扱いが実に素晴らしかったです。映画前半で、サイモン ペグに「ジュリアと別れたんだってな」とアッサリ言われる。観ながら「はいはい『トランスフォーマー3』と同じパターンねw」って思いました。嫁さんいたら嫁さん中心の話しか作れないから、なかったことにするのもアリなのかな、なんて。
 ところが、中盤。ジェレミー レナーが過去を語る場面で、話の中でとある夫婦が登場する。ここで、「そ、その夫婦ってまさかぁぁ・・・・・・・!」ってなるんですね。超アガりました。だが、そこで嫁が死んだことが明らかになり、ジェレミー レナーはそのことを心の傷にしているとわかる。
 そしてラスト。ジェレミー レナーは嫁を死なせてしまったことをトムクルに打ち明ける。すると、トムクルから衝撃の事実を告げられてぇ〜〜ってなるんですが。この一連の嫁さんの扱いが実に巧みでした。なかったことにされたと思ったが、実は物語の根底に嫁さんは常に関わっていたんですね。そして、嫁さん問題が解決して物語は終結する、という。素晴らしかったです。アッパレです。

 本作のアクションについてですが、これまたよかった。アクションだけで言ったら間違いなくシリーズ随一なのではないでしょうか。まぁ、『2』みたいなタイマン格闘技対決、みたいなのはないけど。予告でもお馴染みのドバイでのスタントとかマジとんでもないですよ。予告では使われてないラストのとある争奪戦がありまして。これまたスゴイ。ロボットアームが管理する立体駐車場という場所がスゴイ。あのアイディアは誰が考えたんですかね。マジ天才だと思いますよ。超楽しかった。
 他にも、スパイガジェットが続々出てきて、それをどう使うか?みたいなワクワクもありました。超ハイテクな「だるまさんが転んだ」とかヤバかったですね。サイモン ペグのギャグも超笑いました。

 トムクルについて。本作ではドバイのトンデモスタントとかを自らやって、スタッフに迷惑はかけてるんですが、控えめな印象でしたね。イケイケドンドンな感じではなかったです。というのも、本作でのトムクルは結構ミスをするんですよ。完璧超人でない。『3』ばりの空中ブランコをするんだけど、頭を強打しちゃう。他にも、サイモン ペグに「窓よじ登って潜入しよう」って提案された時にも「いやいやいや、常識で考えろよ。無理だろww」 とか言っちゃう。この「全盛期は過ぎちゃいました」感をしっかり描いてたのは好印象でしたね。
 控えめと言えば、例の宙吊りシーン。数々のパロディーのネタにされる程有名なあの宙吊り。当然本作でもあるんですが、驚くことにトムクルじゃない。ジェレミー レナーなんですね。信じられなかったです。ここらへんの「見せ場は若いもんに譲りますよ」的な感じ、トムクル大人ですなぁ。しかも、この宙吊り、原理的にはには宙吊りじゃないんですよね。ここでもスパイガジェットが使われていて、超楽しいシーンになってました。しかも、ジェレミー レナーが宙吊り前の飛び込みを躊躇するシーンがあったりしてこれまた楽しい。んで、ウダウダやってるとトムクルに「はよ跳べや!!」って怒られちゃったりして。

 今までのシリーズとの絡みについて。
 「このテープは5秒後に自動的に消滅する」ってヤツ。『1』は飛行機内の映画、『2』はグラサン、『3』は写ルンです。そして本作では公衆電話。一見スゴイ地味じゃないですか。「ちょっと地味だなぁ・・・・」って思ってると、このシーン、外しのギャグなんですよ。自動消滅が故障で作動しなくてトムクルが自ら壊すっていうギャグになってる。緊張と緩和が利いてました。
 宙吊りはトムクルがジェレミー レナーに譲るというサプライズ。ココで同時に「刺さっちゃう〜〜」って定番も押さえてました。
 ドバイの窓をスパイダーマンするトコ。計画を提案したサイモン ペグに「いやいや無理っしょww」とトムクルは難色を示す。すると、ペグは「換気ダクトからもエレベーターシャフトからも不可能。窓から行くっきゃないっしょ」 と反論。このセリフはシリーズの過去作を意識したセリフだよね。ペグはイーサン ハントの武勇伝をよく知ってるんすね。
 「味方だと思った? 残念、ハントちゃんでした!」っていうマスク脱ぐシーン。驚くことに本作にはほとんど出てこない。一応マスクを使ってる人は出てくるけど、今までみたいな「ジャジャーン」って脱ぐシーンがない。また、現場に昇格したサイモン ペグはあのマスクに憧れていて、「変装・・・・ってことはマスクだな!!」ってワクワクしてる。だけど、その期待はことごとくすかされるってギャグになってて。これは過去作ありきのギャグでおもしろいですね。
 シリーズ皆勤賞のルーサー。パソコン担当の座をサイモン ペグに奪われ、本作では御役御免・・・・・かと思いきやラストにカメオ程度に出てくる。映画の最後にトムクルとビール飲んでる、っていうのは『1』と同じですね。そして、皆勤賞のルーサーに対して本作での新チームを紹介する、っていうのは引継式みたいでイイですね。

 という風にイイところだらけなんですが、1つだけ不満がありまして。悪役が弱い。「コバルト」って二つ名があるのはカッコイイんだけど、悪役としての魅力が全然足りなかった。
 『1』では「まさかお前が・・・・・!!」っていう悪役。『2』ではイーサン ハントに変装して悪事を働く裏イーサン ハント的な悪役。『3』ではフィリップ シーモア ホフマンが憎まれ演技を見せて魅力たっぷりだったんですが。本作の悪役は特別特徴がないんだよね。今までの強烈な悪役たちと比較すると、マクガフィンなんじゃないかと思える程に中身がなかった。これはかなり残念。まぁ、今回はチームプレイやチーム自体に重きが置かれた物語なので悪役に焦点を当てたくなかった、という意図があるのかもしれませんが。

 本編とあまり関係ないですが、劇中に出てくる殺し屋のネエチャンがめちゃんこかわいかったですね。童顔の殺し屋とか反則ですよ。大好物に決まってるじゃないですか。ここらへんの「わかってる」感がハンパない。支払いはダイヤモンドで、って決まりもキャラが立っててイイ。
 『ハンナ』が殺し屋として立派に成長したらあんな感じかなぁ、なんて思っちゃいましたよ(←ハンナちゃんは殺し屋でない)。


↑「お前はもう死んでいる」なシーン


 とにかくおもしろかったですよ。アクションは目を見張るものばかりでしたし、シリーズファンへの小ネタも詰まってますし、トムクルの独り舞台じゃないってのもかなりよかった。そういや、本作は『1』以来のセックスレスな作品でしたね。キスはあったけど。トムクルがかなり硬派な印象でした。戦うのは女のためじゃないんですね。
 まだハッキリとはわからないですが、売り上げも好調そうで、『3』を越えそうな感じですね。この調子だとひょっとして『5』とかやりかねないですよ。もし、やるんだったらチームはそのままでお願いします。
 90点。

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