北区の帰宅部

映画の感想を書きます(嘘&希望)

映画『ドラゴン・タトゥーの女』の感想


↑このコピーはどうかと思う


 話題の映画ですね。初日に観に行ってきました。
 超ちなみに、ワタクシは辰年生まれでして。年男でございます。同い年の友人と観に行ったので、「ドラゴンイヤーの男たち」ということで。
 ・・・・・つまらないですね。自覚してます。

 デヴィッド フィンチャー作品について。そもそも監督単位であまり映画を観ない(観れない)のでナンセンスなんですが。全部は観てない上で、『セブン』『ファイトクラブ』あたりは好きですね。近年だと『ベンジャミンバトン』『ゾディアック』は微妙、『ソーシャルネットワーク』そこそこ、といった感じで。少々世間との温度差を感じて寂しい次第です。

 『ミレニアム』シリーズについて。原作小説もスウェーデン版の映画も未読&未見です。まぁ、映画のリメイクというか、原作小説の再映画化なんでスウェーデンの映画と直接の関係はないんですけどね。
 三部作って言われてますけど、別に3作で完結したってワケじゃないみたいですね。原作者が4作目を執筆中に亡くなられたとか。
 本作の続編はどうなるんですかね。フィンチャーは続投するのでしょうか。キャスト陣は続投するとか聞きますが。さすがにリスベットのキャスト変更は厳しいでしょうね。

 あらすじ
スウェーデンの孤島で殺人事件(?)
記者が探偵役
ハッカードラゴンタトゥーの女が相棒

 まず、映画観て文句なく素晴らしかったのがオープニングクレジット。観ながら声出しそうなくらいにアガった。
 本作は予告が素晴らしかったんですよね。物語がまったくわからないながらも滅茶苦茶カッコイイ予告が去年から劇場でよくかかっていて。その予告で流れるのが「移民の歌」。洋楽に疎いので誰だか知りませんがカバーというのはわかります。
 そんな予告で何度も聴いてきたお馴染みの曲が映画のオープニングで流れるんですよね。「♪デッデデデンデッデデデン」と曲のイントロが流れてきた段階で鳥肌級の興奮です。それに合わせて出てくる映像というのも素晴らしくて。ダニエル クレイグ主演だからってワケじゃないけど、007映画っぽかったですね。映像の内容もリスベッドの悪夢を描いたものらしく、意味がちゃんとあってイイです。
 iTunesストアで売ってたので買っちゃいましたよ。ヘビーローテーションです。150円でいい買い物をしました。

 そんなボンドことダニエル クレイグ。本作ではボンドと違ってスーパーマンじゃないのがよかったですね。事件を追及してると、脅しとして銃撃されるんだけど、「怖いよー怖いよー」って怯えちゃって。あらやだかわいい。とはいえ、直後にセックスにもつれ込むので、万が一にもあれが計算だとしたらボンド顔負けのジゴロっぷりですね。
 ボンドとの似てる点と言えば、実にどうでもいいことなんだけど、拷問時に責める場所が当然のようにチンコでしたね。笑いそうでした。『カジノロワイヤル』ではスケベイスに座らされてチンコをボッコボコにされてたけど、本作では吊されて刃物で刈り取られそうになってました。ヒュンとしたよ。チンコ責めるのは勘弁して下さい。


↑ボンドのチンコをボコボコにしたル シッフルさん。が、ボンドは翌朝元気に1発かまします

 物語としては、1つの橋によって孤立した島で起きた殺人(失踪)事件の謎を解くものでして。実にオーソドックスなミステリーですね。金田一(孫でも可)がやってきてもおかしくないような舞台です。
 とはいえ、事件が起きたのは昔で、主人公は過去の事件の真相を調べるよう依頼されてるだけなので、『セブン』や金田一シリーズのようにトンデモ死体は出てきません。猟奇殺人モノとは大分違う味わいですね。
 ミステリーということで、人物が結構な数出てきます。容疑者なので名前を把握しないといけないんですが、困ったことに名前が覚えづらい。アメリカ映画はよく観るのですが、スウェーデン人の名前というのは耳馴染みがなくて困りましたね。まぁ、これは完全にワタクシの方の問題ですが。

 タイトルロールのリスベットちゃん。オスカーにもノミネートされましたね。受賞はないだろうけど。とにかくパンチの利いたキャラでした。
 「ドラゴンタトゥー」という言葉のカッコよさや、ポスター等のイメージからスーパーなヒロインをイメージしてたんですが、全然違うんですね。もちろんハッカーや調査員としての腕は一流なんですが、常に危うさが付きまとってるというか。彼女自身不完全な感じなんですよね。弱々しく、自信がないような雰囲気すら漂ってました。この路線のヒロイン像というのは逆に新鮮でしたね。超人系なヒロインばかりに目が行きがちなので。

 そんなリスベットちゃんに現在進行形でトラウマを植え付けるのが彼女の新しい後見人ビュルマン。ヒゲデブレイプ。通称レイピストピッグ。
 被後見人であるリスベットちゃんにことあるごとに「ものには頼み方ってもんがあるだろう」とか抜かしてオープンザ社会の窓。「用事があったら次からはうちに来いよ(ブヒブヒ)」と言って手錠で拘束。「こっちは処女かな?(ブヒブヒ)」と言ってノッキンオンバックドア
 ワタクシね、レイプが嫌いなんですよ(当たり前だ)。レイプ描写というのが苦手でフィクションとかAVとかでも気持ち悪くなっちゃう。そんなワケでビュルマンが出てくるともう吐き気がする。このブタヤロー!早く死にやがれ!!とか思ってました。そしたらやってくるのがリスベットちゃん。ドラゴンタトゥーの女は自らレイプリベンジに向かいます。スタンガン持ってブタに先制かまします。拘束します。ボコボコにします。持参したぶっとい棒をビュルマンのバックドアに挿入します。ローションやワセリンなんてないですよ。もう映画観ながらケツ押さえたくなりました。挙げ句、ぶっ挿したその棒をありったけの力で蹴る。
 ギャアアァァァァァァ!! 痛いぃぃぃぃぃっっ!!!! もうやめたげて!! もっとやれ!!! やりすぎ!! けどやったれ!! ・・・・・・・・と、無駄にテンション上がりまくりでしたよ。リスベットちゃんマジ男前。泣き寝入りなんてしないんですね。
 リスベットちゃんがビュルマンにトドメを刺すために「アイアム レイピストピッグ」というタトゥーを入れるんですが、タイトルに関連した手段でサイコーですね。また、リスベットがビュルマンを脅す時、彼女は棒状のもの(スタンガン、ディルドー、入れ墨器)を持っているというのが素晴らしかったです。男根への反逆、棒を以て棒を制す。
 ちなみにこのレイプシーン、絶望を表すかのように扉のアップからカメラが引いていきます。すごい効果的ですよね。扉の向こうで行われる悪魔的な出来事を想像してしまう。んで、普通は画面は別の場所に移ると思うんだけど、この扉のショットの次にまた部屋の中に戻るんですよね。まだレイプ続いてる。あぁ意地悪だ。見たくないのに。

 レイプシーンと対になるのがダニエル クレイグとのセックスシーン。本作を観た人の99%が度肝を抜かれたであろうシーン。というのもモザイクが酷いですね。まぁ、まず「チンコ映るんかい」という驚きも少なからずあるんですが、それよりも驚くのがモザイクの荒さ。モザイク処理が超雑なんですよ。でかいんですよ。モザイクの1コマ1コマがでかいってのもあるけど、なによりもモザイク処理する範囲がでかいんですよ。「チンコ隠すはずなのにケツまで見えないよ!」ってレベル。
 まず、モザイクが入ることで映画の没入感が削がれました。しかし、まぁ日本でチンコが見えないのは承知しているのでそこは我慢できる。ただ、あそこまでモザイクが酷いと、映像がチープに感じてしまうんですよ。なにより、AVを見てるような気分になってしまう。モザイクかけたのは別人だけど、デヴィッド フィンチャー映画ですよ。完璧主義者で有名な監督なのに、急に1ヶ所だけチープの極みでしたよ。モザイク処理もフィンチャー監修にすればよかったのに。フィンチャーに頼まなくても、日本のモザイク技術ってもっと進んでるでしょ? もっとレベルの高いモザイクはよく見ますよ。AV業界をバカにする意味じゃないけど、あのシーンはAV以下でした。モザイクかけるならもっとちゃんとやって。
 本作でリスベットちゃんは何人かとセックスするんだけど、画面にチンコが移るのはダニエル クレイグだけなんですよ。ビュルマンのチンコは映らない。これは大事ですね。リスベットちゃんがチンコを受け入れるんですよ。そんな重要な部分にきたねぇモザイクかけちゃって。ホントやぁねぇ。

 ちなみに、ダニエル クレイグのチンコは見たかったです。ジェームズ ボンドの黄金銃なんてなかなか見れるもんじゃないですからね。R18指定にしてモザイクなしで公開してほしかったです。百歩譲ってぼかしだよ。モザイクじゃダメだよ。ぼかし入れて自然にしよう。千歩譲ってギリモザだよ。やれば出来るんだから。
 超ちなみに、本作のモザイク事情に詳しくないんですけど、あのモザイクってチンコNGな国全部で共通なのかな? だとしたら日本以外がモザイクかけたとも考えられるけど。

 チンコの話はここらへんにしまして。本編。正直前半はちょっと退屈でした。レイプリベンジは燃えたけど。というのも、ダニエル クレイグとドラゴンタトゥーの女がなかなか出会わないんですよ。出会わないどころか知り合わない。2人のコンビっぷりが早く見たかったです。
 代わりに、2人が出会ってからは盛り上がりましたね。絵的にも映えるシーンが多くなるし。なにより2人の関係を見てるのが楽しい。
 リスベットちゃんと出会うまではダニエル クレイグは家で猫を飼うんですよ。ちょっとした相棒感覚で楽しいんだけど、リスベットちゃんと仲良くなったと思ったら猫が・・・・・・・・・・っていうのは泣けた。本作は猟奇殺人映画じゃないけど、本作唯一の猟奇的な死体でした。

 んで、2人が出会ってから映像的に盛り上がるシーンが増えるんだけど、その究極が犯人を追いつめるシーン。バイクでのチェイスとかあって超燃える。リスベットちゃんの「あいつ殺していい?」もかわいかったですね。
 事件解決後、エピローグが結構な時間かけて描かれるんですけど、これがワタクシは退屈に思えました。長くね? 直前に盛り上がり切っちゃったから蛇足にしか感じられませんでした。リスベットちゃんの変身はよかったんですけどね。
 あと、本作のラストが監督の前作『ソーシャル ネットワーク』とよく似ていてそこらへんも味わい深かったです。ただ、『ソーシャル ネットワーク』のが好きかな。あっちは円環構造だし。


 というワケで、ハマりきらなかったとはいえ、好きなシーン、好きなキャラもたくさんありましたよ。ただ、最終的に映画を思い返して真っ先に出てくるのはビュルマンとモザイクの2つでしたね。どんな映画だ。
 65点。