北区の帰宅部

映画の感想を書きます(嘘&希望)

映画『スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜』の感想


↑今年のベストポスター(暫定)


 『スーパーチューズデー』『ドライヴ』と主演作が同日公開のライアン ゴズリング。「オスカーWノミネートか!?」なんて言われてたもののどちらも入りませんでしたね。
 『シェイム』のマイケル ファスベンダーを入れなかったりガッカリが多い主演男優賞でした。視聴率が欲しいなら男前を入れればいいと思うんだけどね。

 タイトル。本作のタイトルを見れば政治映画なのは一目瞭然!・・・と言いたいところなのですが、いまいちピンとこなかったのは秘密です。政治関係は疎いもので・・・・。
 ただ、闇に落ちるのが直接的にわかっちゃうと思うので、この副題はあまりよくないと思います。
 原題は『The Ides of March』。知らなかったんですが、この並びだとローマ帝国のシーザー暗殺の日のことを表してるそうです。あぁーこっちもわかんねーや。要するに、「ブルータスお前もか・・・」的なことを言いたいのかな?

 あらすじ
アメリカ大統領戦
オハイオ州の選挙が事実上の大統領を決める
ゴズリングは選挙参謀、クルーニーが大統領候補

 アメリカで最も大統領に望まれる男、ジョージ クルーニーが自身の監督作で大統領候補を演じるということで話題になりましたね。
 政治ということで、「話についていけるだろうか・・・」と不安視してたんですが、まったく問題なかったです。政治的な要素はほとんど関係ないです。政治の中心に行こうとする人の話なんですが、ほとんど政治関係ないってのがおもしろいですね。

 本作を観ながら「『三国志』っぽいなー」と思いました。選挙は1対1なんですが、本作には重要な政治家が3人出てきまして。AがBに勝つために敵であるCに協力を要請しないと・・・・・みたいな葛藤は『三国志』の核の部分。
 戦いを実際に行うのはリーダーではなく参謀の人たちって部分も似てます。強大な敵に勝つため、相手の仲間割れを誘発するよう策を講じたりするのも『三国志』でお馴染みの光景ですね。

 ・・・と、ワタクシは『三国志』が好きなんですけども、マンガしか読んだことないんですよね。横山光輝の。なので、ここで言う『三国志』というのは、いわゆる「げえっ 関羽!!(ジャーンジャーン)」っていう『三国志』ですのでご了承を。

 才能豊かな選挙参謀である主人公は大統領候補であるジョージ クルーニーのことを心酔してるんですよ。「彼ならアメリカを変えられる!」みたいなことを本気で言っちゃったりする。青臭さが見えるので「才能があって努力もするイケメン」というキャラクターながら応援したくなります。
 この心酔具合を表すシーンとして個人的に大好きなのが、女性とのセックスシーン。事務所のインターンの女性と良い仲になってセックスするようになります。そこで、主人公はセックスしながらテレビを見るんですよ。セックスの最中、ニュース番組に映ってるジョージ クルーニーのことを見ている。アッー!!
 まぁ、要するに、「女<ジョージ クルーニー」というのを端的に表してるシーンなんですが。さすがにこんなヤツはいないだろうけど、映像にするとおもしろいから映画って楽しいですね。恋人とセックスしながら好きなアイドルのポスターを見るというプレイは聞いたことあったんですが・・・・。

 と、下衆い話になりましたが、本作のうまいのはそれだけじゃない。このセックスシーンは主人公のジョージ クルーニーへの思いを表してるだけでなく、この女性が彼らの関係を狂わせるターニングポイントになってるんですよ。最終的にこの女性をめぐってジョージ クルーニーと対立するようにまでなってしまう。
 そして、この女性を2人の間に放り込んだのは主人公の上司であるフィリップ シーモア ホフマンであることが終盤明らかになるんですよね。主人公の才能を恐れたそうなんだけど。

 ・・・これ、連環の計ですよね。赤壁じゃない方、美女連環の計。『三国志』のかなり前半部ですかね。董卓という極悪人が国を支配。呂布という世界最強の男が配下にいて誰も手を出せない。それを憂えた王允が絶世の美女である貂蝉を2人の間に送り込み、董卓呂布の仲違いをさせる。結果、後の三国の主要人物たちでさえ討てなかった董卓の殺害に成功するっていうエピソード。美女連環の計。貂蝉はフィクション上の人物だそうですが、フィクションとしての『三国志』ではかなり有名なエピソードだと思います。なにを隠そうワタクシはこの連環の計のくだりが『三国志』の中で一番好きなんですよ。
 本作だと、董卓ジョージ クルーニー呂布=ライアン ゴズリング(主人公)、王允=フィリップ シーモア ホフマン、ということですね。貂蝉に当たる女性はエヴァン レイチェル ウッドという方なんですが、個人的にそんな好みじゃなかったのは残念です。ともかく、連環の計をそのままやってるんですよ。
 また、主人公が選挙参謀で知力最強、そして上司のことを心酔って部分から孔明劉備を思わせる関係性でもあって。さしずめ、2人の関係に嫉妬したフィリップ シーモア ホフマンは関羽or張飛と言ったところですかね。
 てなワケで本作は、ワタクシが『三国志』で一番好きな連環の計を孔明を主人公に描いてるんですよ。こんなもん、アガるに決まってるじゃんかよ! 『レッドクリフ』よりも『三国志』的な駆け引きが楽しめるじゃねぇかコノヤロー!!!


 今回は『三国志』知らない人にとってはワケわからない感想になってしまいましたね。申し訳ないです。要するに、政治要素はなく人間同士の駆け引きが楽しい映画ですので、政治ワケワケメな人も大丈夫ですよー、ってことで。
 駆け引きの様子がそっくりなので、『三国志』が好きな人は絶対にハマると思います。逆に、本作ハマった人は『三国志』にもハマると思いますよ。
 80点。


Ides of March

Ides of March