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『サイボーグ009』完結編(1話)の感想

 『サイボーグ009』完結編「conclusion GOD'S WAR」のweb連載がついに開始されました。サンデーうぇぶり | 完全無料! 毎日更新!の方で観れます。ダーターですよ、ダーター。

『サイボーグ009』の完結編が始まるとかなんとか - 北区の帰宅部

 先日、現在発表されてる『サイボーグ009』完結編の全体についてブログに書いたんですが、ちょっと書きこぼれがありました。
 石ノ森章太郎の全集12期の特典として、完結編の構想ノートのコピーが発表されてるんですね。図書館で借りられました。正直読みとれない部分が多いんですが、それでも全体像や章題くらいは読みとれます。興味あったら探してみるといいですよ。

石ノ森章太郎 萬画大全集 第12期セット

石ノ森章太郎 萬画大全集 第12期セット

 では、1話「天使の羽音」。web連載なのでネタバレもクソもないんで、ざっと流れを書きますね。

  • セミの扉絵
  • 石ノ森章太郎作品のキャラが登場
  • 石ノ森章太郎作品、『サイボーグ009』、その完結編についての説明
  • 石ノ森章太郎登場
  • 描いている萬画の中の001が絵から飛び出し話しかける
  • 1997年
  • 石ノ森章太郎「なんだ 夢か・・・・・」(in 病床)
  • ギルモア登場
  • サイボーグ009』は未来のイワンがテレパシーでアイディアを送ってきた事実を元に描かれたものだった
  • 2011年
  • イワンが天使の羽音をテレパシーでキャッチ
  • 天使と会い、最後の闘いを予感
  • 1997年
  • 完結編について聞き出せなかったギルモア帰還
  • 扉絵のセミ死亡

 てな流れですかね。冒頭に石ノ森章太郎作品のキャラたちが描かれたのは、「本作の萬画はこんな感じの絵ですよ〜」という比較させる意図があったのではないでしょうか。
 他にも『サイボーグ009』の完結編についての説明もあったりして、「conclusion GOD'S WAR」という複雑な構造の企画のガイダンスとして丁寧な作りだったと思います。00ナンバーサイボーグの能力説明までご丁寧にあったのが特徴的かと。

 扉絵とラストページのセミですが、あれはなんなんですかね。
 「天使の羽音」ということで、羽音繋がりでセミを持ってきたとも考えられますが。「セミ=天使」だとすると、ラストにセミが死にアリに喰われてる絵があることを考えると、天使が遙かに小さな存在の集団に殺されるということを意味してるのかもしれませんね。アリはサイボーグたち(人類)のことではないかと。
 もしくは、ラストページに死んだことを考えると「セミ=石ノ森章太郎」と捉えることも出来ますね。
 この扉絵&ラストページの一枚絵って連載を通じてやるのかな。だとしたら、次回が気になりますね。

 さて、内容について。小説版でいう「プロローグ」と「001 天使の羽音」をミックスしたような内容でした。今回のサブタイが「001 天使の羽音」ではなく、「天使の羽音」だったのはこのような意味だったんですね。
 ということで、石ノ森章太郎御大が登場。最初に登場したのが病床でなかったのは平成アニメ版「conclusion GOD'S WAR 序章」に近いですね。その後、病床に移動し、小説版とほぼ同じギルモアとの会話。

 話の内容、セリフなど小説版とほぼ変わってないんですが、ところどころ変わってる部分もありまして。わかりやすいトコでいうと、001の本名が「イワン ウイスキー」ではなく「イワン トルスキー」だった点。フランソワーズ アルヌールは女優の名前、ジェット リンクは映画からのもじり、という風に小説版よりもさらにメタな話にいったのがおもしろいです。他のメンバーの本名が楽しみですね。各話ごとに1人ずつ発表するのかな。
 ただ、設定としては実にうまくてですね。今までの『サイボーグ009』の作品で語られたのは未来の001が送ったテレパシーと石ノ森章太郎のアイディアがミックスされたもので、石ノ森章太郎がその時代にあわせてアレンジしたものだと言及。これによって最後の闘いに向けた00ナンバーたちの設定変更が自然になりましたね。今までとの矛盾を華麗に回避してます。わかりやすいのだと、004がサイボーグにされたキッカケとベルリンの壁は無関係となるワケですが(サイボーグプロジェクトが開始されたのは2005年)、なんの問題もないですね。非常にうまいアイディアだと思います。

 個人的に一番気になっていたのが、時代設定。最後の闘いは何年の出来事なのか。ちゃんと言及されましたね。すべてのシーンが何年なのかハッキリと描かれてました。
 最後の闘い、神々との闘い、天使との闘いは、2012年。これがハッキリと言及されました。天使さんによると、人間を作ったのは間違い、2012年が収穫の時、だそうです。
 現実世界で現在は2012年になっちゃったので、設定変更とかあるかと思ってたんですが、思い過ごしでした。石ノ森章太郎の設定を尊重したんですね。
 また、なぜ2012年なのかという話の時にマヤ暦について言及されました。その時に「マヤ暦は2012年12月に終わる」と月にまで細かく語られたのが気になります。出来れば2012年12月に完結編最終話を掲載したらカンペキなんですが・・・(月一のペースだと不可能)。

 萬画ということで、天使さんの姿がアッサリと描かれます。ちょっと拍子抜けなくらい呆気なく登場しましたね。まぁ、「天使編」のヤツと同じデザインですよ。
 今回の天使は神々の使いという立ち位置。人間を作ったのが天使なのか神々なのかはわかりませんが、「天使編」と「神々との闘い編」のミックスという感じなのでしょう。地球外からやってきた超能力者なのか、それともそれよりも遙か高次元の存在なのか、気になりますね。

 今回の話で個人的に一番グッときたのは石ノ森章太郎のくだり。ギルモアは最後の闘いのヒントを得るために1997年にやってくるんですが(石ノ森章太郎は1998年没)。完結編の内容を聞きに過去にタイムスリップする、というのは作者である小野寺丈(石ノ森息子)や完結編制作スタッフの痛烈な願いですよね。可能ならば聞きに行きたい、という思いが描かれてるようで感動してしまいました。自らの死を知らない石ノ森章太郎が「完結編が販売された時代に行けば?」とのんきに言うと、ギルモアが聞き出すことを諦めるシーンなんて制作陣と重なってしまい、泣きそうです。

作者にとって、完結編を仕上げるという執念が、生き抜こうとする最後の力のように思えてならなかった。――だから僕は、それ以上は詳しくは聞けませんでした。

 と、息子が書いているんですが(小説版あとがき)、作中未来に帰るギルモアはこの心境と同じだったのではないでしょうか。


 そんなワケで、個人的にはカンペキとも言える完成度でしたよ。この連載ならば期待できます、期待してしまいます。正直今までは「完結編の内容が知れれば満足だからとっとと小説で終わらせてくれよ」とか思ってたんですが、いざ萬画という形で見せられると「やっぱコレだよね!」と高揚してしまいました。
 萬画だと石ノ森章太郎が001やギルモアと出会うシーンのインパクトがより強く感じられますね。他にも時代設定を背景のカレンダーでさりげなく提示したり、萬画らしい描写も多くて楽しかったです。
 今回の一番の収穫は最後の闘いが2012年だと名言されたことです。こうなると、秋に公開される映画の設定が2013年であることが気になってきますね。完結編後の世界ということなのでしょうか。
 ともかく、このクオリティーならば、次回「摩天楼の底 前編」が楽しみでならないぜコノヤロー!! 待ち切れねぇよバカヤロー!!!
 「摩天楼の底」は石ノ森章太郎が真っ先に書き上げた章であり、石ノ森章太郎のアイディアがほぼそのまま使われると思われるので、楽しみでなりません。002はニューヨークで探偵やってるはずです。本名や生い立ちが語れるのか、気になりますね。また、扉絵がどのように描かれるのか、という点もありますね。002のことを暗示するような扉絵だった場合、今回の扉絵は「セミ=石ノ森章太郎」という考えが有力になるのではないでしょうか。

2012 009 conclusion GOD’S WAR―サイボーグ009完結編〈1(first)〉

2012 009 conclusion GOD’S WAR―サイボーグ009完結編〈1(first)〉

追記
 小説版の続巻が秋に発売されるそうです。「そうか 小説版は忘れて萬画に集中すればいいんだな」と気持ちを切り替えていたら・・・・・。「小説なら完成しとったんかぁーいっ!」という気持ちは拭いきれませんが、まぁ、楽しみじゃないですか。期待しましょう。web連載より先に小説で完結編の内容が明らかになるんですね。秋の映画に合わせたとしか思えないタイミングですが、映画公開の影響力ってスゴイんすね。

追記の追記
 続き書きました。

マンガ『サイボーグ009』完結編(2話)の感想 - 北区の帰宅部