北区の帰宅部

映画の感想を書きます(嘘&希望)

テレビアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の感想

 MXでの再放送が終わったということで、せっかくなんで感想です。
 観たのは、今年の頭なんですけどね。放送から1年くらい遅いです。評判は聞いていたんですが、結果的にドハマリですよ。

 今更ですけど、ネタバレはあるんで観ようと思ってる人は読まない方がいいですよ。

 ワタクシは普段アニメ映画は割と観るけど、テレビアニメは観ないんですよ。そんな人にとっては敷居の高い作品なんじゃないでしょうか。絵がねぇ・・・・女の子女の子してて・・・・ぬるたい女のホモソーシャル見てもおもしろくないし・・・・。あと、顔が横長ですね。横顔が映るシーンでは縦横比が普通になってておもしろかったです。
 まぁ、そんな女のホモソーシャルについてですが。主人公周辺だけでなく、作品世界全体が女だらけ。魔法少女vs魔女というのは女の戦いですし。先生や母親という風に頼りになる大人というのも女でした。父親専業主夫で家から1歩も出ないという徹底ぶりですからね。
 そんな女のホモソーシャルの話なんですが、初めの2〜3話は相当ぬるたいです。女同士でキャッキャやってるだけにしか見えない。まぁ、そんなぬるま湯な空気を例の「マミる」シーンがブチ壊すんですよね。初見時のこのシーンの高揚感はかなりのものでした。急に『エヴァ』的なハードコア描写ですからね。

 そんな巴マミですが、ワタクシはかなり好きでしたね。暁美ほむらは殿堂入りでノーカンだとすると一番好き。
 1話イントロのほむらvsワルプルギスの夜はあの段階では鹿目まどかの夢という認識だったので、それを除くと本作に最初に戦った魔法少女がマミさんですよね。主人公のピンチに駆けつけ、変身&バトル。フツーの戦闘モノのノリですが、意外だったのがその武器。巻き巻きの金髪が、フリフリの格好の魔法少女に変身して、取り出したるはマスケット銃・・・・・・「えっ 魔法少女銃火器!?」っていう。この段階でかなり心奪われました。ほむらとマミが好きな理由の1つでしょうけど、美少女が銃持ってる姿が好きなんですよねぇ。剣や槍もいいけど、銃のがグッと来ます。
 魔法少女のバトル描写、殺陣的にもマミさんが一番好きです。ワルプル戦のほむらは別として。無数に召還したマスケット銃がマミさんの周辺の地面に刺さってる姿がカッコよすぎて惚れ惚れします。この戦闘スタイルは後に美樹さやかが模倣(継承)するのでより顕著になるんですが、『十三人の刺客』の伊原剛志みたいですよね。さやかちゃんを実写化したらきっとあんな感じになるはず。
 また、ホモソーシャル内におけるマミさんの位置づけでいうと、先輩感というのもまた魅力。なんて言うんですかね、女子校での憧れの先輩って感じですかね。一人暮らししてたり、部屋で紅茶飲んだり、バイト紹介してくれたり。キャラデザでいうと、魔法少女の中で断トツに巨乳なのも女として成長していることの表現だと思いますよ。まぁ、乳袋を愛でる趣味はないんでやりすぎだとは思いましたが。
 そんなマミさんがリタイヤするのが3話の「マミる」シーン。マミったところで主人公たちが絶望に陥り、エンディング曲がかかるんですが、エンディング曲がかかるのって3話が初でしたよね。おそらく「こっから『まどマギ』の本編ですよー」的な意味合いなのだと思います。

 逆に、オープニング曲でいうと、魔法少女姿のまどかがブサイクに走ってるシーンがたまらなく好きですね。アニメに限らず映像作品でキャラクターが全力疾走してるシーンは好きなんですが、本作はまどかの走り慣れてない感じが余計にグッと来ました。あの弱者が必死にがんばってる感じ。
 本作のオープニングは曲、映像共に素晴らしい出来だとは思うんですが、まどかの魔法少女モードを出してしまうのはどうなんですかね。10話や12話でお披露目された時の衝撃が弱まってしまった気がしないではないです。まぁ、タイトルがタイトルなだけに魔法少女姿を出さないワケにはいかなかったのかもしれませんが。

 美少女が銃持ってる姿が好きなんて言いましたけど、前に宇多丸がテレビで、「銃や剣は男根のメタファー」 「女性が武器を持つ姿は両性具有的なもの」みたいなことを言ってたのを思い出しました。
 マミの銃、さやかの剣、佐倉杏子の槍、ほむらの拳銃(及び兵器)、まどかの弓矢ってどれもチンコっぽいですよねぇ。チンコっぽいという見方をすると、マミのティロ フィナーレとか、杏子の伸びる槍なんかはそのまんまに見えてくるから笑えます。まぁ、最終的にワルプル戦のほむらの武器(チンコ)が最強なのは言うまでもありませんが。
 まぁ、バトルヒロイン全般に通じる話なんでしょうね。

 宇多丸関連ってワケじゃないですが、アニメにおける食事描写について。いわゆる「フード理論」(まるしー福田里香)。まぁ、素人の真似事。
 一番インパクトのあるフードシーンというと、やはり「マミる」とこですかね。「喰われる=死ぬ」可能性をこれでもかと見せつけることで作品の空気が一転するターニングポイントになってますね。
 食事というと佐倉杏子。『オーシャンズ11』のブラピかってくらい登場シーンのほとんどでなんか喰ってる。中でもフードシーン的には杏子がさやかに心を許してリンゴを差し出すも断られるシーンがイイですね。さやかの堕ちっぷりもさることながら、2人の相容れなさが決定的に示されるので泣けます。
 食事によってその者の正体が見える、という意味ではキュゥべえのフードシーン。まどかとの契約にありついたと思われた瞬間にほむらに銃撃されたトコ。まどかが去った後に新たに現れたキュゥべえが銃撃された死体を自ら食べる。「インキュベーター」という名前が発表されるシーンでもあり、ほむらとキュゥべえの対立が明示される。今までしゃべる時にも口を動かさなかったキュゥべえが自らの死体を食べることで、異常性が露わになるいう名シーンだったと思います。

 さてさて、本題。暁美ほむらについて。まぁ、どう考えたってほむらちゃんだよね〜。
 MXでの再放送を観始めて(2周目)思ったのが、やっぱ1〜2話は退屈。もちろん映像的な見応えはあるんだけど、中〜終盤のあの展開を知ってしまうと余計にぬるま湯展開が退屈に思えてしまう。けど、改めて観ると、作品内に仕掛けられた布石が周到さに驚きました。ふとした何気ないセリフなどが、後の展開を知ってると腑に落ちるように出来てるんですよね。そんな中でも時をかける少女であるほむらちゃんは事情をすべて把握しているので、行動原理がすべて辻褄通ってるんですよ。なにも知らないまどかが、「みんなで協力すればきっと安全でやれるはず」とか言うのも「協力したら最終的に殺し合いになったんだよバカタレが!!」って思えるワケで。ほむらちゃんの絶望具合がより深刻に伝わってきます。

 そんな絶望少女の絶望が描かれるのが10話なワケで、大好物でございます。
 10話は少年マンガ的な盛り上がりも多い回でして。簡単に言うと努力、友情、勝利が詰まってる。特に努力の部分、魔法少女デビューしたメガネほむらがまどかたちの役に立とうと四苦八苦するとこは修行ですよね。修行パートってのは本作で唯一なんじゃないでしょうか。そんなほむらちゃんが非力故の創意工夫でたどり着いたのがボム。ネットで調べて手榴弾を手作り、っていう物騒な行為があんなにも応援できるのはほむらちゃんだけですよ。力がないから知恵絞ってなんとか、ってのは『アイアンマン』的な高揚感に近い気がしました。
 10話が始まると暁美ほむらを名乗る少女が転校してくる。見たことあるようで見たことないシーン。まぁ、(ほむら的に)過去ということが後々わかるんだけど、髪型がおもしろいですよね。長い髪を三つ編みで2つに結ってる。9話までの段階で我々が知ってるほむらちゃんの髪型は黒髪ストレー・・・・トじゃない。髪の毛の端が二股に分かれている少し変な髪型。まぁ、要するに現世(?)でのあの二股は三つ編み時代の名残だというワケですね。キャラデザでこういう物語を語るのはアニメならではだし、髪型に意味を持たせるのは女の子ならではでして、新鮮で感動しました。しかも、思い返せば、ほむらちゃんは事あるごとに髪をはらう仕草を見せていたんだけど、あれは過去に囚われている、ケジメが付いていないことを示していたと。そういうことを踏まえると、最終回でほむらちゃんがまどかからリボンをもらうシーンがより泣けるワケで・・・。
 まぁ、そんな脱三つ編みするキッカケというのがまどほむの約束でして。「キュゥべえに騙される前の私を助けてあげてくれないかな?」ってヤツ。そっからレーシック&脱三つ編みで守られるだけの自分から変身。女性キャラは覚悟の現れとしての髪型チェンジというシーンが作れるから楽しいです。男だとバリカンで頭丸めるくらいしかレパートリーがないですからね。
 なんだかんだあって毎回絶望しかないほむらちゃん。そして10話の最後に行き着くのが、見たことある世界。1話のイントロですね。まどかが夢だと思ってたシーン。ちなみにあの時夢から覚めたまどかのセリフ「夢オチ〜?」と、タイムリープ1回目ほむらの開口一番のセリフ「夢じゃない」は呼応してるんですね。芸が細かいっすわー。そんな1話イントロシーン。ワルプルに負けるほむらちゃんを見たまどかにキュゥべえが悪魔の一言「僕と契約して魔法少女になってよ」。本作を代表するようなキラーフレーズを最も効果的に使ったうまいシーンなんですが、まぁ要約すると、「QB死ね」と。結局契約しちゃって、究極の絶望。1話に繋がり、それまでのすべての謎が明らかになる。初見の時は、この段階で呆然としてたんですよ。おもしろすぎて。そしたら最後にオープニング曲「コネクト」でして。すべてが始まりに繋がりましたよー、というキレイすぎる着地。もう全身鳥肌ですよ。しかも、歌詞をよく聞くと、「交わした約束忘れないよ 目を閉じ確かめる」・・・・・・ってこれ、ほむらちゃんのことやないかーいっ!! うわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!! 号泣メーン!!!!

 ・・・・と、泣き疲れた次第です。いやぁ、9話までの間何回も聞いてきたはずのあのオープニング曲にあんな仕掛けがあるとはねぇ・・・・負けたわ。
 そんな10話が大好きです。あと、11話でどっからか持ってきた兵器で大暴れするワルプル戦もサイコーですよね。そっちも超好き。

 んで。最後の最後にアレなんですが、ワタクシ12話、最終回があまり好きじゃないですよね。なんか突然宇宙が云々とか言い出しちゃって、「HA? なに言ってんの・・・・?」って急に冷めてしまいました。突然観念的な話始められても・・・・ねぇ?って感じ。いきなり壮大になりすぎちゃってるんですよね。まどほむの2人だけでよかった。まぁ、さっきも言ったけど、リボンのくだりは大好きなんですけども。
 あとは、キュゥべえが泣きながら命乞いしてくるような展開は欲しかったですね。本当に憎たらしい。


 まぁ、そんなこんなで最終話を除けばこの上ないほどおもしろかったです。大満足。出来ることならもっと観たい。
 ・・・ということで映画やるらしいですよ。劇場でほむらちゃんが拝めるということでそれ自体は歓喜すべきなんですが、テレビ放送したヤツの再編集版らしいじゃないですか。とりあえず再編集で2作公開するとか。なんかスゴイ不安なんですけども・・・・。劇場3作目もあるかもしれないとかなんとかなんで、そっちは純粋に楽しみなんですけどね・・・・。
 まぁ、しばらくはテレビ版の思い出に浸ってればいいんじゃない?ということで。

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おまけ。

 『まどマギ』関連。おぎはやぎのラジオ番組『メガネびいき』で行われたパロディー企画がおもしろすぎたんで、その件。「魔法小木おぎか」が「オギプルギスの夜」と戦う話なんですけども、おもしろすぎて本編が霞む勢いでした。実際の声優を呼んで、小木と演技するんだけど、そのギャップがありすぎて腹痛い。
 ラジオドラマ以外の部分でもゲストの山ちゃん(南海キャンディーズ)が嫌いな人(青なんとかさん)を「アオプルギスの夜」と称し、カミングアウトするか否かってパートもおもしろかったですね。放送の最後の最後に「アオプルギスの下の名前は魔法少女の中にいる」と締めたのがあまりにキレイすぎて感動しました。伏線の張り方が本編並みにうまかったですね。
 ということで、興味あったら、動画サイトとか探してみるといいですよ。ワタクシは録音データを持ってるんで、残ってるのかは知りません。
 最後になぜラジオを話になってしまって申し訳ないですね・・・・。

映画『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語』の感想 - 北区の帰宅部