北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

映画『デンジャラス・ラン』の感想

ライアン レイノルズ結婚記念作品(違)

 デンゼル ワシントン主演、と言っておきながら主役はライアン レイノルズだった本作。アメリカではヒットしたので続編が決定したそうです。観る前に「続編があるってことはどうせデンゼルは死なないってことかー」なんて思っておりました。思いこみ、イクナイ。

 あらすじ
悪いデンゼルさんを連れて逃げます

 まぁ、ネタバレすると、最後にデンゼルさんは死ぬんですよ。ビックリしましたね。「続編大丈夫!?」っていう意味で。それだけライアン レイノルズの人気がアメリカでは信頼されてるということでしょう。よく考えれば、オープニングで意味なく彼の裸体が披露されたのも人気の現れなのかもしれませんね。
 たしかに本作のライアン レイノルズはよかったです。出演作を追っかけてるワケではないけど、個人的には彼のベスト作ですね。デッドプールもグリーン ランタンもピンと来ませんでしたので。

 主人公はCIAの下っ端。仕事はたまぁ〜に使われるCIA秘密の拷問部屋「セーフハウス(=原題)」の管理人。毎日電話番するだけの簡単で退屈なお仕事だったんだけど、ある日デンゼルさんを拷問するためにセーフハウスが使われることに。そこにデンゼルさんの命を狙う謎のテロ組織が襲撃してきて、現場のCIAは主人公を残して全滅。やむなくデンゼルさんを連れて逃げ出すことに。ということで、邦題が『デンジャラス ラン』。セーフハウスを抜け出して、デンジャラスなランを始めるのが冒頭なので、時間としてはセーフハウスよりもランしてる方が長いです。最後にセーフハウスがもっかい出てくるとはいえ、これは悪くない邦題ですね。

 そんな主人公がライアン レイノルズ。本作のなにがよかったかと言うと、「いじめたくなる後輩」キャラですね。ついついちょっかい出したくなる感じ。
 思わぬ形でデンゼルさんと2人きりになってビビりまくりのライアンくん。あたふたしてると、デンゼルさん、「早く逃げないと殺されちゃうよ〜時間ないよ〜チクタクチクタク」ってプレッシャーをかける。ライアンくん、パニクってアタフタ。もうなんかかわいい。パニクった挙げ句デンゼルさんの言う通りになっちゃうからたまりませんね。このシーンでライアンくんは拳銃持ち、デンゼルさんは拘束中、なのにイニシアティブは完全にデンゼルさん。ライアンくんは口では強く言うものの、結局デンゼルさんのなすがまま。
 その後、デンゼルさんは楽々ライアンくんから逃げ出すんだけど、ライアンくんは諦めずに追い続ける。すると、しつこいからデンゼルさんに反撃される。拳銃をこめかみに突きつけられ、絶体絶命。そこでデンゼルさん、こめかみを外し耳元で銃声を聞かせる。ビビりまくるライアンくん。「お前なんか殺さないよーん」と逃げるデンゼルさん。この直後の、傷心モード(ショボーンとしてる)で地下鉄に乗るライアンくんはかわいかったですねぇ。オレもいじめたい。

 そんなかわいい後輩キャラのライアンくんだけど、いつの間にかデンゼルさんの弟子になってる。というかほぼ洗脳。最終的に「置いてかないで〜」って泣きつくように。かわいいのぅ。
 とはいえ、映画冒頭、CIAの下っ端の頃と比べたら格段と成長を遂げているライアンくん。CIAが汚職やらで黒い存在だとも知って、自分のなすべきことを考える(デンゼルさんの手の上で)。そして、ラスト、舞台は別のセーフハウス。ここでライアンくんはそこのセーフハウス管理人に襲われる。死闘の末勝利し、管理人を殺す。
 これは過去の自分を越えたことの暗示ですわな。「昨日の俺殺し」という成長。本作は丁寧に日時が明記されるから比喩でなくてホントに昨日なんだけど。最初はデンゼルさんの口車に乗せられてアタフタしてるだけのライアンくんの成長を見せつけられ、ちょっとグッときましたね。まぁ、その直後に「置いてかないで〜」って泣きつくシーンがあるんですが。
 
 ライアン レイノルズの話しかしてませんが、デンゼル ワシントンもよかったです。まぁ、予告とかでもお馴染みですが、デンゼル ワシントンのレアな悪役史に新たに1人加わったって感じですね。ただ、今回のキャラは明確な悪役ってワケではないトコが特徴ですかね。人殺しまくるし悪人なのは間違いないんですが、「あれ ひょっとして・・・・」みたいなのが中盤あたりからチラホラし出すのがおもしろいバランスですね。また、そのグラグラした感覚が主人公のキャラクターや心情とリンクしているので楽しい。

 あとは、アクションですか。映画始まったらすぐにアクションがあって、終わるまで矢継ぎ早ですよ。どれも迫力あってアクションだけでも満足できるんじゃないですかね。
 肉弾戦というのもあるんですが、本作は終始オニゴッコしてるんで、カーチェイスもよかったですね。舞台のほとんどが日常社会で人混みの中だったりもするので、その中でどうやって逃げるのか、みたいなアイディアもおもしろかったです。


 まぁ、とにもかくにもライアン レイノルズの魅力に気づいた作品でしたね。続編では誰と共演するのか、気になるところです。デンゼル ワシントンの後がまってのがハードル高いですね。開き直ってデンゼル枠をなくしてしまったら、ライアン レイノルズがただカッコつけてるだけの映画になりそうで不安。やっぱいじめる人がいないと。
 75点。

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予告しか知らないけど、ライアン レイノルズが上司にいじめられる映画なはず。

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ライアン レイノルズの(今度の)嫁さんとの共演作。おめでとうございます。