北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

映画『バイオハザードV リトリビューション』の感想

SMみたいな格好した俺の嫁

 実は映画館では初鑑賞となる本シリーズ。1作目はレンタルで観てハマったものの、『2』以降がどれも微妙で、内容がバカ丸出しだったので、シリーズ全体に対しては半笑いのテンションを禁じ得なかったです。
 なんで観たかというと、先日テレ朝の日曜洋画劇場で『4』を地上波初放送するに当たっての予告があまりにバカバカしくて笑い転げてしまったからです。「美女ジョボビッチ」とか言ってたヤツです。テレビ放送の予告を観てなぜかテンションが暴騰しまして、そのまま「よっしゃ! テレビも最新作も観てやんよ!」という勢いで映画館に向かいました。
 そんなワケで内容に特別な期待はしてませんでした。「どーせバカな迷走を続けるんでしょう?」って感じ。ところが、観てみたら、意外とよかったです。ごめんなさい。

 ということで、シリーズに関しては『1』は大好き、他はダメ。尻下がりにダメになってる印象ですかね。多分、ウェスカーの悪役としての魅力がなさすぎるのが問題だと思うんだ。
 ゲームはまったくやったことないです。

 あらすじ
ウェスカー「アリス 今回の任務を説明する」
アリス  「はっ? なんであんたが?」
ウェスカー「いや〜 レッドクイーンちゃんにアンブレラ乗っ取られちゃってさぁ〜」

 ということで、個人的な最大のツボがこのあらすじです。ラスボスの座からウェスカーを降板、レッドクイーンの再登板。
 そもそも「ウェスカーの悪役としての造形って古臭くね?」と思ってたワタクシとしては、ウェスカーがボスじゃなくなっただけで親指おっ立ててしまいました。「昨日の敵は今日の友」展開だったらウェスカーのこと、なんとか受け入れられそうです。
 そして、レッドクイーンちゃん。そもそも『3』以降の本シリーズには「人類絶滅させたらアンブレラ金儲けできないじゃんwww」って根本的な欠陥があったんですよ。アンブレラ社が地球を滅ぼす理由が1つもない。そんなシリーズの危機を救ったレッドクイーンちゃん。「人間嫌い ミナゴロシ」っていうわかったようで全然わからない理屈も、『1』観てるので「レッドクイーンちゃんは怖いからそんくらいしそうだよね」程度の理解は出来ました。
 ・・・・まぁ、『1』のレッドクイーンは「Tウイルスが漏れるくらいなら施設ごと潰す」という合理的すぎて怖い、という機械らしさがあったんだけどね。けど、レッドクイーンちゃんは好きだからもっとホログラムが見たかったよ。

 シミュレーション用に作られた街が舞台になった件。地上はほとんど壊滅状態なので、どこを舞台にしても『3』か『4』みたいなことになっちゃうので、再現世界が舞台なのはよかったと思います。「再現された街にゾンビが湧いてしまう」ってのを体験することはゲームのメタファーなのかな、なんて考えちゃいました。それに、ステージごとに区切られた舞台、ってのはもろゲームですね。
 なによりも、本シリーズ全体に漂うチープ感を逆手に取っていたのが素晴らしいですよ。ダメな映画の表現として「CGがゲームみたい」ってのがテンプレみたく存在してるけど、本作は「映像が陳腐? ゲームだからいいんだよ!」と開き直ってるようで個人的には好感です。
 ゲームっぽさの中でダメだったのが、ウェスカー初登場時の任務の説明パート。本作は飽きるほどずっとアクションしてるんだけど、ここだけだらだらと話を聞くだけで突っ立ってるだけで超だれました。ゲームの説明パートみたくAボタン連打したかったです。

 「ダメな方」呼ばわりされてるアンダーソン監督の嫁さんが主演の美女ジョボビッチなワケでして、本作は「俺の嫁」映画です。
 捕らえられた嫁が前後に布切れ1枚でいたぶられるシーンはよかったですね。監督の「横乳たまんねー! ほらほら見えちゃうよ見えちゃうよ あー見えない!」みたいな心の声が聞こえた気がします。ただ、『1』では嫁のおけけが見えたので、そういう意味ではスケールダウンしてる気もします。
 それともう1つ、クローンのアリスが幸せな一般家庭を過ごしてるシーン。「こんなキレイな嫁さんもらいやがって羨ましいぞコノヤロー!・・・・って俺だったー!!」って監督が観客に言いたかったんだと思います。うん、幸せそうでなによりです。『1』の時の嫁さんだったら太股で首をヘシ折られたいです。

 ただ、個人的に本作の女性キャラとしては、美女ジョボビッチよりもミシェル ロドリゲスの方がよかったです。立ちションしてても驚かない女性ランキング第1位のミシェロド姐さん。
 クローン技術というウルトラCのおかげで、過去作で死んだミシェロド姐さんも再登場できました。もちろんシリーズファンへのサービスという意味なんだけど、だからといって本作のラスボスにしちゃうとは思い切ったことしましたね。ジルとのタイマンがラストバトルだと思ってました。「アタイに銃なんていらないよ」と言わんばかりの肉弾戦には心躍りまくりですよ。銃ばっかりだと飽きちゃいますからね。
 それと、クローンということでミシェロド姐さんがもう1人。クローンアリスのご近所さん。これがなんと非戦闘員。銃も撃ったことない小市民。ギャップってヤツですかね、ミシェロドさんが戦わないだけで滅茶苦茶かわいく見えました。「戦いにくそうな服着てる」ってだけで萌える。

 ・・・・と、ホメてばっかりだけど、それは期待値が低かったからなのかなぁ、って気もしないではないです。というのも、これといって特別好きなシーンも、好きなキャラもないんですよね。
 あとは、偽アリスの娘。耳が不自由って設定がお飾りすぎてちゃんちゃらおかしかったです。「かわいそう→母性爆発」以外の意味はなかったような。補聴器の電池が切れそう、ってのは伏線じゃなかったのが残念ですし。補聴器が切れちゃって音が聞こえない→どこからゾンビがやってくるかわからなくて怖い、くらいのなにかはあると期待してました。まぁ、監督は嫁にしか興味がないってことなんですかね。
 しかし、『アメイジング スパイダーマン』のスタン リーの場面みたいなギャグも出来ただろうに。ぐぬぬ


 ということで、観てる最中は「サイコー!Fooooo!!」、観終わったら「けどアレって・・・・」という典型的な映画でした。まぁ、本シリーズとしてはそれで充分というか、ファストフード感覚と考えれば傑作の部類なんじゃないですかね。
 それと、やはりウェスカー→レッドクイーンのラスボス交代劇ですね。迷走に迷走を重ね、ゴールがまったく見えなかったシリーズに一筋の光が見えた思いです。シリーズ全体への貢献度という意味では『1』よりも上なんじゃないですかね。ラスボスが『1』に原点回帰したと考えれば収まりがいい・・・・気もします。
 80点。

おけけ、赤ドレス、サイコロカット、ワンちゃんキック、太ももで首をヘシ折る、ってシーンが大好きです。

アリスさんが段々強くなってきたけど、まだ序の口。

テレキネシス解禁。なぜかコレだけ感想書いてました。

やっぱ超能力とかナシね(次作で復活するよ)。