北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

映画『G.I.ジョー バック2リベンジ』の感想

戦闘地帯は裸厳禁

 久々に映画の感想。ブログねぇ、最近ジャンプの感想書く労力が大変で週の終わりから始めにかけてブログ書く気力をすべて持ってかれてしまうのですよ。困ったもんです‥‥、というただのいいわけ。

 前作『G.I.ジョー』は大して好きな作品ではなかったです。数あるハリウッド大作の中の凡庸な1つ、って感じ。何度も何度も挟まれる回想シーンがうざくて仕方ないです。
 なんだけど、続編に対する期待は結構高かった。まぁ、予告がバカっぽくてツボ、というのが大きいですかね。急遽公開が延期されたり、3D化するとか、追加撮影するとなった時は、「大コケフラグ揃いすぎだろ」と思ったものですがー。

 3D字幕にて観ました。どうでもいいけど、TOHOシネマズで3D作品観ると、ピクミンが見れるからイイよね。あのショートムービー超好きです。
 ピクミンじゃなくて、本作の3D。まぁ、普通。普通によかった、という方が正しいですかね。超大作ではないハリウッドの後付け3D、というと嫌な思い出もあるんですが、最近は後付け3Dの平均点が上がってるんですかね。普通に3D作品だったと思います。こういうのだったら普通に3D版を選択するレベル。

 あらすじ
ビョンホン「服着てればよかった‥‥」

 前作では主役だったチャニング テイタムの出番が減り(てか死ぬ)、主役はロック様ことドウェイン ジョンソンに交代。コレは観る前から知ってました。なんだけど、事実上の主役はイ ビョンホンといっても過言ではないんでしょうか。少なくとも実写映画「G.I.ジョーシリーズ」を象徴する人物は間違いなくビョンホン。
 前作からの続投組の中でメインなのはビョンホンとレイ パーク、ニンジャ2人。なんだけど、レイ パークは顔を隠しちゃってますからね。その上、本作では前作とマスクのデザインが違うので、なんとなく別人感が否めない。
 一方ビョンホンは出番増えまくりですかね。おまけに、本作ではまさかの善玉サイドへお引っ越し。死に直面し、善に目覚める。なにこの主人公感。

 ビョンホンといえば、裸。なぜでしょうか、とりあえず脱いでます。前作の主役チャニング テイタムが脱ぐのはわかります。マッチョ系の主人公は意味なく脱ぐものです。けど、ビョンホンは悪役。
 なのにビョンホンは本作でも冒頭から脱ぎまくる。いつも裸のビョンホンが全身の肌を隠していたら、そら誰も正体に気づけないでしょうよ。マスクを取ったらビョンホン。正体を明かしたらいそいそと脱ぎます。前作のアクションシーンであった「服なんか着てたらうまく動けねぇ!」的なロジックはありません。
 その直後。予告でも決めシーンとして使われていた「Welcome to hell」。本編観て驚いたんですが、あのセリフ、ビョンホンが初出じゃないんですね。監獄長が言ったセリフにイラッときたビョンホンが言い返しているのです。「ムキになってたのかw」と思うとショボいですが、やっぱりカッコイイのは事実。けど、なんだけど。この監獄長、小者かと思いきや結構がんばるんですね。例の「Welcome to hell」のシーンの直後、監獄長は電気ショックでビョンホンに仕返し。普通に成功します。ビョンホン裸で失神。
 とはいえ、あんなヤツにビョンホンが負けるワケはありません。計画通りに動いてるのはビョンホンの方です。警備員たちをバッタバタを斬っていき、カッコよく逃亡‥‥だと思った。監獄長まだがんばる。爆弾のスイッチを押します。これにはビョンホンはもちろんコブラコマンダーも焦ります。それどころか、ビョンホンはこの爆風をもろに浴びてしまう。「ビョンホンなら爆弾も華麗に交わしてくれるに違いない‥‥」と期待してたのは内緒です。
 ‥‥さて、ここで覚えているでしょうか。ビョンホンの格好を。そうです、裸です。
 上半身裸の状態で後方から爆風をモロで浴びました。ビョンホン大火傷。てか、瀕死です。コブラコマンダー直々に治療法を指定しないと対処できないレベル。ビョンホン、カッコイイのか悪いのかよくわからないよ。服を脱いだばっかりに‥‥。

 ビョンホンといえば、本シリーズの大きな魅力の1つ、トンデモジャパン描写があります。前作での日本描写は確信犯だとしてもあそこまで知性を欠いた描写は難しいと専らの評判です。
 その続編。結論からいえば、ちとイマイチでしたね。もちろん、常識で考えれば十二分にアウトなんですが、「G.I.ジョー」の看板を背負った作品としては大人しいもんです。
 どうでもいいけど、目隠しした状態でのチャンバラって元ネタあるんでしょうか。『アニマトリックス』でも同じことやってた記憶があります。

 トンデモニンジャ軍団。今回出てきたその親分みたいな人はRZAですね。アフロの黒人サムライが活躍するアニメ映画『アフロサムライ』の音楽を担当してました。趣味丸出しで仕事選んでますね。今度、カンフー映画『アイアンフィスト』で監督デビューするそうです。
 今回、ニンジャ軍団の名前が「嵐影」だと判明しました(前作で出てないよね?)。字幕で観てたワタクシはこれをなんと読むのかがよくわかりませねんでした。英語で発音されるとなんて言ってるのか全然わからなかったのです。しかし、困った時に頼りになるのがビョンホンです。英語ゼリフの中で発音される「嵐影」。完全に「アラシカゲ」でした。さすがビョンホン、日本語も上手だぜ!!

 本作は数あるハリウッド大作の中の1つに過ぎず、特別新しいことはないんですよ。潔くエンタメに徹してるから楽しかったんですが。
 ということで、どっかで見たことあるような展開もチラホラありました。前作からのテコ入れとして登場した引退した方のハゲ、ブルース ウィリス。一行がブルース ウィリスの家に行くシーンは完全に『RED』です。家に入るのが敵か否か、というだけで大した違いはありませんでした。年取ったけど、アクション映画から重宝されてるブルース ウィリスの扱い方として『RED』は優れていたのでしょうね。
 前作からのテコ入れ。現役の方のハゲ、ドウェイン ジョンソン。ラストバトルの直前、その準備としてブルース ウィリスから1台の車を譲り受けます。そして作戦会議の際、「ここには戦車が3台もいて厄介だ」と言われる。ここで名乗りを上げるのがロック様。「俺(の車)ならいけるぜ」。『ワイルドスピード5』でも同じこと言ってましたね。ハゲとハゲがぶつかり合う大好きな映画です。
 そして、ラストバトル。もらった車のおかげで戦車は一掃。残るは、本作におけるラスボス、ファイヤーフライです。一度負けた因縁もあります。いざタイマン。2人とも拳銃を持ったまま近接戦闘。ガンカタです。『リベリオン』でお馴染み、みんな大好きガンカタです。近距離で殴る代わりに銃口を向ける、相手はその銃口をそらし防ぐ。
 本家のガンカタと違い、2人ともスゴイ筋肉量なので見たことない重厚感です。「ロック様くらいの筋肉あったら撃つより殴った方が強いんじゃね?」と考えてしまったのは内緒です。

 雑念抜きに楽しかったのは雪山のシーンですね。ニンジャvsニンジャの追いかけっこ。3D効果と相まって多幸感溢れる見せ場になってたと思います。途中のしょーもないトコで落下していく雑魚ニンジャの断末魔がなんともおかしくて笑ってしまいました。

 個人的なツボで言いますと、核発射描写。というか核発射ギャグ。
 「よし!核発射!」「こっちこそ!」「なにをぉ!」「うちだって!」と各国の首相が一斉に核を発射していく様は腹抱えて笑いました。
 ワタクシね、ああいう核発射ギャグが大好きなんですよ。多分コレは、子供の時に読んだ『サイボーグクロちゃん』の影響だと思うんですが、それ以降「軽々しく核を発射する」というギャグがたまらく好きなのです。たしか『モンスターVSエイリアン』にもあったっけか。
 そんな核発射ギャグの歴史において本作は金字塔となったのではないでしょうか。だって先人たちに比べて数が違うもの。現存するすべての核を一斉に発射しちゃってますからね。「やっぱやーめた」じゃねぇよw それとですね、「核のない世界へようこそ」ってセリフあったけど、「xxxxへようこそ」ってセリフでカッコつけるの気を付けないと結構ダサくなりがちですよ。ビョンホンの悪口を言っているワケではないですよ。


 ということで、清々しいエンタメ作品でした。なんでこんな作品に結構な大金を注いじゃうのかねぇ、イイ国だねぇ、という感じ。前作で「大統領のあらゆるクセは把握した」とか変装の達人が言ってたのに、「組んだ指が逆さまよ」だって。簡単すぎるわw
 85点。

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