北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

映画『とらわれて夏』の感想

ハムスターの走る夏

 ジェイソン ライトマン監督最新作ということで気になってはいたんですが、予告を観た段階では「同姓同名‥‥?」とマジで思うほどに興味をそそられなかったです。正直つまんなそうでした。‥‥がしかし! いざ観てみたらー!?という定番のアレ。

  • あらすじ
    • 母親「料理できて夫になってくれる人募集します」
    • 息子「ぐぬぬ
    • 囚人「両方おk」

 冒頭、主人公母子のワケアリな感じが見せられるんですが、どことなく様子が変。母の助けになろうと奮闘する息子、というのは感動的なんだけど、「僕だと夫にはなれない」とか言い出して不気味です。ヤレるもんならヤッてしまおうか、みたいな雰囲気を感じてしまいました。すごく不穏。
 本作は息子目線で語られるため、息子が思春期真っ盛りなことがものすごく反映されてるんですよね。とにかく、映画のいろんなトコに性的な匂わせがありました。
 そんな思春期を示すシーンがあるんですけど、それが学校で前の席の女の子のブラヒモを透けてるのを凝視するシーン。あーはいはい思春期だわコイツw 「衣替えと梅雨到来でブラ透け最強コンボだぜ!!」とか考えてた頃が自分にもありました(別に今でも見れるもんなら見たいですが)。
 そんなブラヒモ。とても生々しいです。日常の中に潜むエロです。なんだけど、この息子が劇中で出会い、とある性的な体験をする女の子ってのは別の子なんですよね。この子が生々しさとは真逆の存在でして。イマジナリー(セックス)フレンドなんじゃね?とか考えたくなるレベル。思春期の頃に考えた「ある日突然エロそうな女の子から声かけられねーかなー」ってヤツ。最終的にその子とキスを交わすことになるんですが、キス1回して終わりってのが何とも嘘臭いと言いますか。
 ワタクシの話になるんですが、中学の頃、少しだけ明晰夢が見れたんですよ。夢の中で夢だと自覚して夢の中を自由に動き回れるアレ。それでエロい夢を見たことが何度かあるんですけど、エロい行動の限界がおっぱい揉むとかキスするなんですよね。セックスの知識はありましたよ。知ってたけど、未知のことすぎて想像が出来ないから夢の中ですら体験できなかったのです。なので、この映画の主人公がエロそうな女の子とキスして終わってしまったのも、ワタクシの明晰夢と同じなんではないかと思ってしまいました。大変失礼な話ですけどw
 思い返してみれば、その女の子と話した内容ってのも、「ウチになんか変な男が来て居場所ないんだよねぇ」「そいつ家を奪い取る気だよ」「違う!彼はいい人なんだよ」みたいな感じで、典型的な「天使と悪魔」っぽいですよね。最終的に、その天使と悪魔が折り合いをつけて対消滅、って考えるとますますイマジナリーフレンドっぽいです。つまり、息子はまだキスしたことない!! やーいやーい。

 そんな息子と対照的なのが脱獄囚。すごい速度で母とロマンスになります。演じるのはジョシュ ブローリン。む、むさい‥‥。あっ、『アベンジャーズ』シリーズでサノス役(声)に決まったですね。顔で決めただろ!!
 コイツがとにかく完璧なんですよね。この母子が必要としているものをすべて兼ね備えてる。父として、夫として最強すぎる。料理で2人を懐柔して、いつの間にか一家の一員になっていってしまう。その間によその子供預かったりするんだけど、その扱いも完璧っていうね。
 んで、本作の見せ場、ピーチパイですよ。どう考えてもセックス。セックスの代替品、メタファーとかそういうの通り越してセックスそのものにしか見えない。手つきがいやらしい。音もいやらしい。
 セックスの行き着く先には子供がいるワケですけど、この一家には既に子供がいるんですよね。んで、その子供(主人公)は段々気まずくなっていくという。そして、ラスト。数年後、大人になった主人公は例のピーチパイを売り物にして店開いちゃってる。要するに、あのピーチパイ作りというセックスによってあの脱獄囚の遺伝子が既に生まれてる子供の中に入り込んだってことだと思うんですよね。やべぇ、ピーチパイまじえろい。
 「俺邪魔なのかなぁ?」と思ってしまう主人公。母に必要なもの、主人公があげることの出来なかったものをすべて与えてますからね。んで、主人公はボニー&クライドに憧れて、それを実行する。やっぱり母子の関係ではなく男女の関係を匂わす感じがまだあるんですよね。不気味。んで、ボニー&クライドごっこして帰ってみると、一家は崩壊してしまう、という。一線越えてしまった、という感じだったんですかね。
 まぁ、ラストにはすべてが救われるようなエンディングがあるんで、良しとしましょうか。


 ということで、予告ではナメてたけどメチャクチャおもしろかったです。囚人が一家を懐柔していく様は無双アクションを見るような気持ちよさがありましたし、少年のエロに触れてく様は他人事とは思えなくて、ケイト ウィンスレットはめずらしく脱がないけどピーチパイがそれ以上にエロくて、一家崩壊(てか囚人逮捕)のくだりは緊張感たっぷり、という盛り沢山な映画でした。
 うまく言い表せなくてアレなんですけど、とにかくおもしろかったんですよ。こういう時点数つけててよかったと思いますw
 90点。

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映画『ヤング≒アダルト』の感想 - 北区の帰宅部
 監督の前作。これも好きだけど『とらわれて夏』のがハマりました。

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 テレビブロスだったかで見たんですけど、監督のベスト恋愛映画だそうです。
 イヴちゃんの尻に敷かれたい‥‥。

フラッシュバック、夏。

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