北区の帰宅部

映画の感想を書きます(嘘&希望)

『ANNIE/アニー』の感想

我慢がならねぇ平井堅

 トゥモロートゥモロー歌ってる予告でお馴染みです。観てきました。
 ウィル スミスが制作に絡んでいるので、娘キャスティングしてエンドクレジットで家族写真ズラァァァってやるんだろ?という『ベストキッド』の悪夢再び‥‥にはなりませんでした。どうやら娘が年を取りすぎたためにキャスト変更したそうです。やるじゃん(偉そう)。
 物語の関係上、アニーの実の父親役としてウィル スミスがカメオ出演、というのも確信レベルで予想してましたが、外れました。実の父親とか出てきません。ウィル スミスやるやん。『Suicide Squad』楽しみやで!

  • あらすじ
    • 孤児が持ち前のマイクパフォーマンスを武器にゲットーから抜け出します

 字幕で観たんですけど、エンドクレジットで平井堅が歌っていたのが最大のマイナスです。マジで我慢がならねぇ。
 まず、作品にマッチしてようがしてまいが日本版限定の歌とか付けないで、というのが基本的なスタンスです。なんですが、本作はそういうの抜きにしても酷かった。
 細かい文句から言えば、明るいラストなのに平井堅が厳かに歌いすぎ、というのもありますかね。本作の“Tomorrow”って『アナと雪の女王』における“Let It Go”と似てる部分があるんと思うんですよ。序盤に主人公が精神的にドン底になった時に歌った曲をエンドクレジットでもう一度やる、という点が。ただ、あれはエンドクレジット版では明るい曲調にアレンジされてて「同じ曲なのに印象が全然違う!」みたいな感じじゃないですか。けど、平井堅の方は暗いよ。‥‥まぁ、これは些細な点です。
 平井堅の曲が終わると、本来の流れていたであろう曲が始まるんですが、この曲が途中からなんですよ。「無理矢理差し込みましたー」感がハンパないです。エンドクレジットとはいえ、わざわざ映画の内容変更するんだから、そこらへんの調整は頑張れよ‥‥。
 そんな平井堅の曲が終わった後に途中から流れる曲って、本作の劇中に出てくる映画「Moon Quake Lake」の主題歌なんですね。本編観た直後だったら笑っちゃうような選曲だと思うんですよ。あの映画超バカらしかったですからね。「平井堅のせいであの曲全部聴けなかったわぁクソだなぁ」とか思ってたら、エンドクレジットの後に、「Moon Quake Lake」をアニーたちが仲良く鑑賞してるシーンがオマケとしてあったじゃねぇかよ。つまり、あの曲はあのオマケへの前振りだったワケで‥‥平井堅なんてことしてくれたんだ‥‥。

 そんな劇中映画の「Moon Quake Lake」、すげぇおもしろかったんですよ。『トライワイト』風のクソつまんなそうなSFラブストーリーってのが。いかにもありそうな感じがビンビン。
 下らないのにキャストや映像が豪華、というだけでもおもしろいのに、劇中映画が終わってエンドクレジットが流れてビックリ。監督がフィル ロード&クリス ミラーじゃないですか。『LEGOムービー』でお馴染みの今乗りに乗ってる監督コンビ。マジかw 芸が細かすぎるww

 やっとまともな映画の感想になりますけど、キャストがみんな魅力的だったのがよかったと思います。主演のクヮヴェンジャネ ウォレスも少し調子乗った元気な子、という感じがよく出てました。調子乗ったガキンチョって嫌いなんだけど、本当は超つらい状況なのに変わらず調子乗ってる、というのがかなりグッと来ましたね。生意気かわいい。あと、歌うまい。すげぇ。
 あとは、ジェイミー フォックスもよかったですね。当然のように歌うまいし。善玉役、憎まれ役、二枚目、三枚目、どれも演じられる彼だからこそ、今回のような魅力だったんだと思います。安っぽい言い方ですけど、ツンデレっぷりがすごく映えるんですよね。
 そして、特筆しておきたいのは秘書役のローラ ダーンですよ。何あの人、クッソかわいい。なんて言えばいいんですかね‥‥かわいい(語彙が貧弱)。
 誰かと思ったら『X-MEN ファーストジェネレーション』でモイラやってた人なんですね。そういえば‥‥という感じで顔は一致しますけど、魅力は段違いですよ。続編の『アポカリプス』にも出るらしいので、『アニー』後のローラ ダーンということで、注目したいです。

 歌。基本的にはよかったです。“Tomorrow”のシーンも好きです。さっきも書いたけど、レリゴー感ありました。
 ただ、本作で一番ハマったのは“Opportunity”ですね。アニーが壇上にあがってスピーチとして歌う曲。アニーの強みってのは、周囲の人間を巻き込んでミュージカルに仕立て上げてしまう影響力なんですよ。オープニングのスピーチしかり、孤児友達を励ます際にも歌いますし。そんな周囲をミュージカルに巻き込む力が真に発揮されるの“Opportunity”なワケで。展開をオープニングと重ねることで、彼女の集大成だと見せるのもうまいですよね。また、彼女がなぜその能力に長けたかというと、字が読めないから、という理屈がつくので膝を打ちます。識字という壁にぶつかって「ハーレムから抜け出してOpportunityを掴んだと思ったけど底辺にいるのには変わらない‥‥」という絶望感に打ちひしがれるのは涙腺に来ましたよ。

 “Opportunity”以外にも歌自体はよかったと思うんですよ。ただ、ミュージカルシーンとして魅力的だったかというと‥‥と思わないでもない点もあったり。
 なんて言ったら難しいんですけど、作り物臭いんですよね。トム フーパー版『レ ミゼラブル』みたいな生感というのは極端ですけど、「あーこれ口パクだなぁ」とボンヤリ思ってしまったというか。変な話ですけど、『アナと雪の女王』の時には感じませんでしたよ。あれ全部口パクですけどw
 PVっぽい、フラッシュモブっぽいですよね。映画にしては少し安っぽいというか。ヘリでジェイミー フォックスが歌うシーンとか、「ジェイミー フォックス歌うめー!」と思う反面、カッコイイ横顔見せられるので「PVかよ」という気持ちもありました。

 ただ、この作り物臭さ、嘘臭さがよかったと思えたりもして。本作ってぶっちゃけシンデレラストーリーじゃないですか。正直ね、「今時金持ちに拾われて幸せになりましたって‥‥」という気もしたんですよ。なんですが、そういうイヤな感じはミュージカルシーンの作り物感のおかげであまり気にならなかったかな。

 物語的な面で気になったのはむしろ悪役の処理でして。あの選挙参謀の人、序盤は結構憎めないキャラじゃありませんでした? 「孤児! しかもハーレム!!」とか言ってるトコとか、超バカだけど悪いヤツじゃないのかな、と感じてしまう程度には魅力的でした。なんだけど、終盤になってから、途端にただの選挙バカになってしまって、特に改心やら捻りもないまま退治されて終わり、ってのは少し残念でしたね。


 ということで、終わり。イヤな所はあったけど、好きな所と比較したら全然好きな方が強かったですよ。イイ映画だったと思います。正直「ちょっとナメてた‥‥」と反省したくらいです。
 ただ、平井堅はいらない。
 80点。

 エンドクレジットでのスミス家の家族写真は未だにトラウマ。

 我慢がならねぇ日本版主題歌、といえば。

 「Moon Quake Lake」にも出てたミラ クニス主演作。『アニー』の監督の過去作ですな。
 ウィキペ情報ですけど、ジャスティン ティンバーレイクは『アニー』で金持ち役の第一候補だったとかなんとか。まぁ、『ソーシャル ネットワーク』的なイメージかな。

 「Moon Quake Lake」の監督コンビの最大のヒット作(だよね?)。
 未見ですけど、『21ジャンプストリート』シリーズも評判いいですよね。いつか観たい。