北区の帰宅部

映画の感想を書きます(嘘&希望)

『ミニオンズ』の感想


進撃のケビン

 『怪盗グルー』シリーズは全部映画館で観てるんですよね。一作目『月泥棒』は「特別好きなワケではないけどミニオンズ最高だよね」、二作目『ミニオン危機一発』は「ミニオンズの出番増えてて文句なし!メイド服!!メイド服!!‥‥本編もすげぇ好き」という感じ。ともかくミニオンズはアニメ史、映画史に残る屈指の名キャラ、マスコットだと思いますね。これでUSJもミッキーと戦える!!(ミニオンズのアトラクション早く日本上陸たのんます)

 本シリーズは日本での扱いが不運なのも込みで残念なことになってると思います。一番まずいのは、邦題が『怪盗グルー』になってる件。二作目では既に怪盗でないですからね。おそらく作られるであろう三作目が不安で仕方がないっす。
 あとは、鶴瓶問題。吹替が関西弁なのはおそらく『シュレック』を目指したんだと思います。浜ちゃんシュレックは大好きなんですが、鶴瓶グルーは正直‥‥。これはドンキーという相棒の存在も大きいと思うんですが、そういう好み云々の前に、やはり二作目『ミニオン危機一発』。一作目は子供嫌いの男が子育てを通じて大人になる、という話でして、鶴瓶キャスティングはまだわかる。正直キツイけど。ただ、二作目では、恋愛が描かれるんですよね。これは間違いなく英語版のスティーブ カレルの代表作『四十歳の童貞男』的なモテない男の恋愛、というものを目指したと思うんですけど、それを鶴瓶ですからね。まぁ、一作目の時点ではこんなことになるなんて予想できなかったでしょうから、運がなかっただけなんですけど。
 ちなみに、本作『ミニオンズ』にもグルーはちょこっと出てくるんですが、時代の関係で、グルーは少年。鶴瓶が少年役!! もう無理しかないよ!!(スティーブ カレルも無理あるだろうけど)
 まぁ、吹替問題に関しては、大嫌いだったけど正直慣れました。実際、本作でグルーが出てきて鶴瓶ボイスを聞いた時には「グルーきたぁぁぁぁぁ!!!」って興奮しましたからね。もうあの違和感のある声をグルーとして認識するようになってしまいました。慣れってスゴイ。

 ただ、本作の吹替は素晴らしかったと思います。文句ナシ。タレント声優がハマってる、というのも大きいんですが、何よりもミニオンズの吹替がスゴイ。
 ミニオンズのセリフの大部分は人間には理解できないミニオン語なんですけど、その中に英語が混ざるじゃないですか。当然この部分が吹き替えられてるんですけど、まずはこの声が違和感ないんですよね。ミニオン語の部分は言語のままだと思うんですけど、そこと日本語の部分が完全にシームレス。
 また、ミニオンのセリフって英語だけじゃなく、いろんな言語がいい加減に混ざってるんですよ。「カンパーイ!」とか言いますからね(原語ママ)。本作だと、チケットを何枚買うか、というシーンで「ウノ? トレス?」みたいなこと言ってたと思います。このスペイン語の部分は吹替版でもスペイン語なんですよ。要するに、すべての言葉を日本語に翻訳してるワケではない。この翻訳するか原語のままにするか、という取捨選択が見事なんですよね。英語をすべて日本語にしてるのかと思ったんですが、中には英語を喋ってる部分もありました。ノリでわかるような部分は原語を残しているんだと思います。この原語残しのさじ加減が絶妙なので、ミニオンズの持つカオスで独特なワチャワチャ具合が違和感なく堪能できたと思います。
 まぁ、英語セリフと日本語字幕、吹替セリフを完全に把握してるワケではないので「きっとそうだろうな」という域を出ませんけど。ただ、観てる最中の違和感が過去2作よりも少なかった、というのは事実です。

 観たのは3D吹替。イルミネーション作品の3Dは、はディズニーやピクサーというよりドリームワークスアニメーションに近い、グイグイ画面に突っ込んでくる系。
 わかりやすいのが一作目のエンドクジット中のオマケ。ミニオンたちが3Dの限界に挑戦してるんですよね。観客席に向かって必死になってる。超かわいい‥‥(関係ないまとめ)
 そんな3D。本作ではどうかというと、最初は「あれっイルミネーションにしては地味‥‥?」とか思ってたんですが、中盤以降アクションシーンでの3D効果がバッチリで、信頼と実績のエンドクレジットで気分が高揚したままフィニッシュ、でした。カーテンコール最高でしたね。

 久々に本題に行くまでが長くなってしまいました。計画なしに書き始めるとダメですね。

  • あらすじ
    • 「バナナ!!」
    • 「ボス!!」

 本作が過去作におけるミニオン描写と大きく異なる点は、メインで描かれるのが3人に絞られた点でしょうか。過去作みたいな集団のミニオンのカオスな狂騒、というのを期待していた人は少し肩透かしかもしれませんね。まぁ、それでも旅に出ない方のミニオンはいつも通りの集団芸やってくれるんですけど。多分あそこだけで過去作におけるシーンの合計よりも長いと思います(体感)。
 メインを3人に絞った件。個人的には大ハマリでした。一番わかりやすいメリットとして、名前覚えられたんですよね。ファンを自称しておきながら恥ずかしいんですけど、今までの映画を観てもミニオン個別の名前は全然覚えてなくて‥‥。メイド服のアイツはトム?フィル?とかそんなレベル。はい、すいません。
 そんなワケで、ケビン、スチュアート、ボブの3人の名前が自然と覚えられたことが感動でした。ありがたいです。ミニオンズの中にもそれぞれ個性があって‥‥というのが理解しやすくて、深みのようなものが出たと思います。また過去作を観てみたくなりましたよ。
 ちなみに、この3人のキャラクター構成というのはマーゴら三姉妹との共通点があると思います。しっかり者、トラブルメイカー(全員そうだけどw)、子供っぽさ全開、という3人。過去作をしっかりと踏まえたスピンオフになってる、ということですね。
 個人的な推しミニオンはケビンです。もうケビン一択。ボブの幼さ、スチュアートの一つ目に萌えるのもわかるんですが、ワタクシは断然ケビン。思えば三姉妹でもマーゴが一番好きですし、なにか確固たる基準があるのかもしれません。気づいてないけど。
 ともかくケビン。ケビンで一番好きなのはボブの口の周りを拭いてあげる所ですね。最初は呆れながらやってる感じだったじゃないですか。「なんでこんなヤツ連れてきたんだろ‥‥」みたいな。それが旅を通じて、最後の授与式の時にはなんとも愛おしそうに口を拭いてるんですよね。このドラマにもうキュンキュンでした。ケビンの中に親心、父性みたいなものが芽生えてるんですよ。萌え狂いながら泣きそうでした。
 ケビンの名シーンといえば、やはりクライマックスの巨大化ですよね。今まではリーダーとしてボブやスチュアートに振る舞わされる、どちらかというとそんな役回りだったと思うんですよ(もちろんケビンが好き勝手やるシーンもありますが)。そんなケビンがまさかの巨大化ですからね。抑圧からの解放、といったら大げさかもしれませんが、冗談抜きで感動しましたよ。『進撃の巨人』のエレン巨大化よりも断然ケビン派。
 そんな巨大化ケビン。仲間を助けるために自分を犠牲にするでしょう。ここでも涙腺に来ましたね。ミニオンなのに立派じゃないか‥‥と少しだけヤバかったですよ。ケビンがボブに対して父性のようなものを抱き始めてる件と絡んでくるので、想像以上に響きました。事前に口に入れるという前振りがしっかりあったのも好感です。あのおかげで「だから思いついたのか」ってなりますよね。

 悪役のスカーレット オーバーキルさん。もう名前がおもしろいんですけど、そのキャラクターも素敵でした。今後のシリーズにも出てきてほしいレベル。『怪盗グルー3』にかつての伝説の大悪党としてバーサンになったオーバーキルさんが‥‥みたいなの、いけませんかね。
 そんなオーバーキルさん。子供のまま大人になっちゃったような人なんですよね。子供の頃のトラウマを抱えたまま大人になって強大なチカラを手に入れた状態。子供の頃の恨みを大人のチカラで仕返ししようとしてる人。これってグルーと似てるんじゃないでしょうか。子供の時のトラウマに捕らわれていて正しい判断ができない、というのはグルーでもあった話じゃないですか。
 本作の主要ミニオンの3人と三姉妹が類似してる、という話にも繋がるんですが、本作って「怪盗オーバーキルの月泥棒」とでも言えそうな話なんですよ。ミニオン3人と仲良くなってればオーバーキルさんも、『月泥棒』におけるグルーみたいなハッピーエンドになってたのではないでしょうか。
 ミニオン3人と三姉妹が似てるってだけでなく、 多用する武器がマグマ銃と冷凍光線、最終兵器が巨大化マシンと縮小銃、という類似もありますので、意図的な設計なのではないでしょうか。


 ということで、終わり。ユニバーサルのテーマを楽しそうに歌ってる時点でとっくに心を鷲掴みにされてましたよ。本編のオープニングで地球史、人類史にミニオンズが介入するのも楽しかったですね。介入するけど迷惑かけるだけで特に影響はないw
 90点。

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