北区の帰宅部

映画の感想を書きます(嘘&希望)

『ジョン・ウィック』の感想


愛犬家連続殺人事件

 ガンフーアクションが話題ということで観てきましたよ。本国公開時から楽しみにしてましたので、日本公開が決まった時はホント嬉しかったです。長かったけどね。

 観たのは字幕版‥‥てか字幕版しかないと思うんですけど、本作には所々で英語字幕も出るんですよ。劇中の一部でロシア語が使われる場面で。そこに出てくる英語字幕が、うざい。
 画面の中央にデカデカと字幕が出てくるわ、挙げ句キーワード的な箇所に色まで付いちゃってとってもノイズ。よくミュージックビデオとかで、これ見よがしに歌詞が出てくるヤツありますけど、あんな感じ。ださい。
 詳しくは知らないけど、アメリカだとこういう字幕がフツーなんですかね。本作は英語作品ですので、この色付きの英語字幕が出てくるバージョンがデフォルトなんだと思います。そこに日本語字幕をプラスしただけだから、英語字幕が(一部)残ってしまっている、とかそんな感じかな? ちょっと頑張って外してほしかったですねぇ。あの色付き字幕込みでデザインされた作品なんだよ、って言い分なのかもしれないし、きっとそうなんでしょうけど、だとしたらダサイですね。乗れなかった人にとっては、ただの作品の非ということになりますね。他はカッコよかったのに急にセンスない。
 まぁ、ロシア語すべてに英語字幕が付いてたとは思わないので、日本に輸入する際、特殊な加工がされてる英語字幕の部分だけを残したのかもしれませんね。なので、嫌味を感じる部分だけが濃縮される結果になってしまったのかもしれません。

 ただ、本作の肝と言えるアクションシーンではロシア語なんてほとんど喋りませんから、そこらへんは安心でした。ガンフー最高!!!

  • あらすじ
    • 「犬を殺されたから殺す」
    • 「息子を殺すなら殺す」
    • 「じゃあお前も殺す」
    • 「裏切ったから殺す」
    • 「協定破ったから殺す」
    • 「はぁぁ‥‥ワンちゃんマジ最高‥‥」

 なんといってもアクションじゃないですか。とにもかくにもガンフーですよね。
 ガンフーガンフー言われると「ガンカタのフォロワーかな?」とか思っちゃうじゃないですか。全然違いました。本作のガンフーはもっと現実的、実戦的です。てか、カンフー要素がほとんどありません。「それでいいのか」とは思いますが、ここまで進化したことに感慨はあります。
 格闘術とか銃の使い方について詳しくない、アクション映画をアヘアヘ言いながら観て喜んでるだけの門外漢なんですけど、本作のガンフーがいかに特徴的なのかは結構わかりました。ここがまず意外で、感動しちゃった部分でもあります。
 一番印象的なのは近距離戦の時の銃の構え方ですね。子供の頃に買ってもらったエアガンが未だに引き出しに中にありますけど、銃を構える時って何か考えがあるワケでもないんですが腕伸ばすんですよ。なんかカッコイイ気がするから。ギャングスタがよくやってるイメージの横持ちは百害あって一利なし、というのはつい最近知ったレベルですけど、気にするのはせいぜいそのくらいです。
 なんですが、本作のガンフーは違います。腕を伸ばした撃ち方もするんですよ。相手が遠い時は。ただ、本作の中での見せ場は人が密集した状況での近距離戦。そこでは腕を畳んで銃を胸の前で構えるんですね。よく知りませんけど、小回りが利いて強いんだと思います。「強い=デカイ→自分をデカく見せる」という常識を覆したこの構えのキアヌの姿にもうノックアウトです。か、かっこいい‥‥。
 正直ね、そのポーズだけ真似するとそんなにカッコよくないんですよ(マネシタンカイ)。胸の前で構えてガニ股っぽく歩いても変な人にしかなれません。やっぱ前後にあの超絶アクションがあるからあのヘンにも見えるポーズに「これがプロか‥‥」という説得力が生まれるんだと思います。
 敵がメッチャいる状況でも丁寧に2発ずつ撃ち込んで殺すあたりもプロ感あってサイコーでした。無駄がなくて職人技みたいなイメージですね。その他にも一番近くにいる相手に銃を向けるんじゃなく、手前のヤツを体で押さえ込みながら遠くの敵を銃殺。一瞬落ち着いたら手前のヤツに撃ち込んで、次の敵へ‥‥という殺す順序もヤバかったですね。「一番近くから順に殺すんじゃないのか!!」と目から鱗でした。彼にだけ見えてる最適解があるのでしょう。この素人には窺い知れぬプロ感というのが、本作のアクション最大の見所だったのだと思います。
 事前にまったく知らなかったんですが、カーアクションも素晴らしかったです。カーアクションといってもカーチェイスとかそういうものではなくて、車に乗りながらの殺し合いですね。これは現代の騎馬戦、騎兵隊とかに近いイメージなんじゃないでしょうか。車に乗りながら、それもガンガン運転しながらこんなにも人を殺せるのか‥‥と本当に衝撃的でした。ひき殺すだけなら分かるんですけど、全然違いますからね。ひいた相手が車の上を転がっている所を天井越しに銃殺、とか当たり前のようにしててマジ痺れました。すべてのアクションに言えることですが、とにかく無駄がないんですよね。

 ガンフーが魅力的なのはもちろんなんですが、それ以外にも裏社会の描き込みというのも本作の大きな魅力だったと思います。裏社会の中にいろんな職業があって、いろんな人がいるんですよね。直接悪事を働くマフィアとか殺し屋もいるんですが、それをサポートする人もプロとして存在している、という。そんな裏方といえる人たちが、とにかくキャラ立ってるんですよね。そんな特殊すぎる職業に対する説明がクドくない、というか直接的な説明が一切ない、というのがステキなんですよ。掃除屋とか非戦協定のホテルとか、当たり前に機能している様を当たり前に描くことで「あーココはそういう‥‥」と見てると分かる感じ。すべてが金貨で回っている、というのもスゴイですよね。「これだと足が付きにくいのか!」みたいな感動。
 裏社会とは対照的に、表社会はまったく機能してない、というのが笑えます。警察のくだりとか、バレるバレない、殺す殺さないのサスペンスかと思ったら「帰っちゃうのかよ!!」というオチ。後でわかるますけど、マフィアは各界の弱みを握っていて、そこに所属して伝説となっていた主人公のことは警察もマジビビる、ということなんですね。
 直接語らないから後から分かる、というのではウィレム デフォーの件もそうだったのかな、と。いや、勘のいい人だったら「こりゃ味方やで!!」とすぐに分かるんでしょうけど。ワタクシなんか、最後に助けてくれるまでまったく気づきませんでしたよw 依頼を受ける時に「他にも依頼はしたのか?」って確認してから了承したのは「俺がナンバーワンになってやる!」的なことではなく、「殺すフリして助けたろ」ということなんですね。ホテルに行ったのもホテルで殺したら特別手当が出るからではなく、ホテルで殺すヤツがいるから見張りに行った。そして、案の定別の殺し屋が来たので狙撃ミスという目覚ましサービスをプレゼント。やべぇ、マジ甲斐甲斐しい‥‥。

 内容の類似で挙げられる作品はいくらでもあるんですけど、ちょうど今年の映画ということもあり、『ランオールナイト』が一番浮かびました。マフィアのボスが頭を抱える程にアホな息子、というのはやはり強烈ですね。まぁ、『ランオールナイト』は主人公にも息子がいるので、2人の父親のドラマという味わいが強かったんですが。その違いは『ジョンウィック』でマフィアのボスが息子の居場所を漏らしたことに繋がるのかな、と思います。「どんなにクズだと分かっていても息子が一番大事」というドラマではないから息子を差し出してしまう、という。
 そんなクズ息子。最初の方で「主人公に殺されちまえ!」とか思ってたら、まず車屋にブン殴られてて笑いました。しかも、その直後に父親からもボコボコですからね。本当に痛快でした。殴っといて床が汚れたことにキレるとか、パパマジ理不尽。ここで「お前が車を奪ったアイツがどんなにヤバイ奴か‥‥」と説明に繋がるあたりもスマートでした。アクションを見せる前に主人公のことを神格化してしまう。
 あ、そうそう。『ランオールナイト』との類似でいうと、映画のド頭に死にかけの主人公を映す、という構成も似てましたね。時系列的にはラストにあたる部分を最初に見せてしまう、という手法。まぁ、ジョンさんはご存命ですけど。

 犬。かわいいですね。個人的にウンコしてる犬に妙な萌えを感じる傾向があるんですけど、その点でもカンペキでしたw どこでウンコしたらいいのか分からないから外までダッシュしてウンコしてくる犬かわいいっす。愛おしい。
 そんなウンコについてもそうなんですが、あの犬って配達されたその日から躾が充分なされてますよね。あれって映画的な都合だから気にしちゃいけない部分なのか謎です。ひょっとしたら、犬を買う際に事前に躾をしといてくれる、というサービスがあるのかもしれませんね。まぁ、じゃなかったらサプライズ的に犬プレゼントされても困るって気もしますし。とにかく、あの犬は「犬を飼うという行為の中の気持ちいい部分だけを抽出した存在」という趣が強いんでしょう。
 となると、気になるのがラストでゲットした犬なのですよ。アイツはどう考えても躾されてないでしょう。あそこが保健所なのか動物病院なのか分からなかったんですけど、デイジー程に行儀のいいであることは期待しにくいと思います。だとすると、ジョンさんはこれから一般生活を送る際に、犬を躾る、という苦労もあるのかもしれませんね。ちょっとそんな姿も見てみたいかもw
 ともかく、続編で殺されてないことを祈ってます。


 ということで終わり。すげぇよかったです。『ランオールナイト』とか『イコライザー』あたりの比較がされやすいと思うし、自分もしたんですけど、その中でも一番好きかなぁ。ガンフー的な意味でもそうだし、映像や世界観がたまらなく良かったですよ。まぁ、当たり前だけど、それぞれ違った良さがあるんですけどね。『ランオールナイト』は父親同士のドラマがあるし、『イコライザー』は私刑という要素もありながら公的な人助けという趣もありましたし。

 乏しい映画知識の中で必死に「ロシア語 英語字幕」な作品を思い出した結果が『ナイトウォッチ』。
 やっぱり英語字幕に演出が施されてるんですが、これはロシア語映画なので、日本で観られるバージョンはアメリカ版の輸入だと思われます。もしくは輸出用に映画制作陣が英語字幕演出を元々用意してたのかも。
 例えばプールのシーンだったら水の中に字幕が浮かび上がって溶けていくようなエフェクトが加わってたと思います。『ジョンウィック』みたいに色が付かないから全然いいんですけど、「字幕は無味乾燥なの方がいいなぁ‥‥」とか思っちゃいましたw

 ガンフーというネーミングセンスとほとんど同じの先輩ガンカタ。『リベリオン』での一大発明ですね。こちらはもうほとんど演舞とかそういう趣が強くてリアリティーよりはロマン重視。それが衝撃的で未だに「ガンカタ」は一部の人の間では当たり前のように使われる言葉になっていると思います。ワタクシなんかも、敵が向けた銃を手のひらでスッとどかすアクション見ると「おっ! ガンカタだね!!」とか思っちゃいますもん。
 公開された時期も関係して「あの『マトリックス』を越えるアクション傑作!!」みたいな煽られ方がされてたと思います(当時は至る所で言われてましたがw)
 そんな『マトリックス』でスタントを担当した人がキアヌ リーヴスを主演に撮った映画が『ジョンウィック』ということで、何とも因果なもんですね。‥‥こじつけただけだけど。

『ラン・オールナイト』の感想 - 北区の帰宅部
 最強人殺しパパというリーアム ニーソンのイメージに乗っ取りながら『96時間』シリーズにはないドラマが最高でした。

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 なんか不謹慎なサブタイつけてすいませんでした。