北区の帰宅部

映画の感想を書きます(嘘&希望)

『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』の感想

 久々の新作にしてシリーズ完結編。三部作ということになりますね。計画性のあるシリーズ制作ではないのでまぁ緩い感じで。
 シリーズは全部映画館で観てますよ。『1』のが好きですかね。『2』が嫌いなワケではないんですが。まぁ、『2』はエイミー アダムスが超かわいいのでもうそれだけでいいです。

  • あらすじ
    • 別れの準備が出来てない

 本作を語る上で、観る上で外せないのがロビン ウィリアムズの死、という現実でしょう。本作の撮影が終わった後に亡くなられてしまいました。
 まぁ、亡くなる前に映画撮り終わってるんだから映画には直接関係ないじゃん……と思うじゃん。いや、実際は影響ないと思うんですよ。『ワイルドスピード SKY MISSION』みたいなことはしてないと思うんですよ。けどね、全然そんな風に見えなくて。
 最終作らしく、本作のラストには別れのシーンがあるんですよね。ニューヨーク自然史博物館の面々との別れが。そこで主人公とロビンウィリアムズが別れの挨拶をするんですが、もうそこが完全に……。虚実の境がまったくわからなくなってしまいましたよ。あんなん偶然とはいえずるいわ……。
 まぁ、最終作とはいえ、本作は明るい作品ですので、一応最後に再会するシーンが付いてるんですよ。ここらへん、うまいバランスだと思いますね。別れというドラマは感動的に描きつつも、最後の最後は楽しい気分で締めようや、みたいな感じでしょうか。なんだけど、ここもさ、リアルでのロビンウィリアムズとの別れを踏まえた上で見るとなんか天国のように思えてきちゃって……。みんなが幸せそうにワイワイやってるのがなんか天国っぽいんですよ。主人公がその輪に入る前に映画は終わったと思うんですが、「まだ生きてるから入れないのかな……」とか的外れなこと考えたくもなったりして。
 この現象はポール ウォーカー主演の『フルスロットル』でも起きてまして。これまた撮影終了後に死亡してしまったんですよね。なので映画本編は本来の計画通りなんですが、ラストのみんなが楽しそうにしてるのをポールウォーカーが幸せそうに眺める、というシーンが意味深に感じてしまうんですよね。こんなんずるい。

 訃報以外の話をしますと、本作で大事なのはシリーズとしての魅力だと思います。
 ニューヨークの精鋭たちが大英博物館に乗り込んで冒険をする、という話なんですが、これがシリーズファンとしてはサイコーなんですよね。というのも、『2』ではなかったから。『2』は確かに博物館のスケールは大きくなったけど、『1』での魅力的なキャラたちというのは少し弱まってました。その点、本作ではほぼ全員集合した状態で歴史ある大英博物館に行くのでバッチリです。見知らぬ博物館で仲間たちとワチャワチャやってるのが本当に楽しいんですよね。仲良くなったとはいえ、曲者揃いなのでなかなか落ち着きませんしw
 ニューヨーク組の活躍で一番好きなシーンはデクスターがポンペイエリアで怪獣になる所ですね。ああいうミニチュアの世界だと巨大怪獣に見えるってネタはよくありますけど、デクスターのキャラクターの魅力と相まって楽しかったです。巨人のオシッコもよくあるギャグなんですけど、デクスターだったら「オシッコきたー!!!」ってなっちゃうんですよねw
 大英博物館での話なんで、新キャラはほとんど大英博物館関係なんですが、1人だけ、ニューヨークにも新キャラがいまして。それが主人公のそっくりさん。主人公の活躍を称えて原始人のコーナーにそっくりに真似た模型を置いた、という設定。これがうまいんですよね。別にたまたま新しく置かれたのがそっくりだった、でもいいのに。こういうトコで設定をうまく活かしてるのは見事でした。
 まぁ、そんなそっくりさん。とにかくボケ倒します。従来の博物館キャラも充分ボケるんですが、そっくりさんは新顔なのでさらにボケます。当然演じてるのは主人公役のベン スティラーなんですけどね、なんか見てて「最後だから好きに暴れてええんやで……」という慈愛に満ちた目で見てしまうというかw 本作の主人公は基本的にリアクション役なのでツッコミに近いんですよ。なので徹底的なボケも演じてる姿についニコニコしてしまいました。
 一応本作は父と子の物語になってるんですが、このそっくりさんも主人公の分身という意味で子のような意味合いもあるんですよね。いや、もちろん主人公にはガチの息子がいるんですけど、自身の分身たる原始人が警備員の継承者と恋仲になる、というのはキレイなオチだったと思います。やってることとか見た目的にはめっちゃギャグなんですけどw

 博物館の収蔵物に命が宿るという設定において、シリーズ的に新しいのはランスロットでしょうか。唯一史実に基づかないキャラクターで、そのことで悩んだ挙げ句こじらせてしまう。まぁ、過去にはダースベイダーとか出てるんで、非実在キャラが初めてというワケではないんですけど、非実在キャラならではのドラマ、というのは初めてですよね。これが凄い面白かったし、博物館の「別にフィクションでもええんやで」という懐の深さに今更ながら驚きます。いや、よく考えたら当たり前なんですけどねw

 あと、博物館ネタで面白かったのはエッシャーのだまし絵の世界。『2』で絵画の中に入るというネタはあったんですが、そのアップグレード版ですな。似たようなのが『インセプション』でもありましたけど、世界観(?)という意味では本作の方が好きです。まぁ、『インセプション』には別の魅力がありますけど。
 そんなエッシャーネタ。映像もよかったんですけど、音ですね。音響がまた凄かった。映画館で観ると音がいろんなトコから聞こえてくるんですけど、そのデタラメさが「どうなっとるんや……」という感覚に一役買ってたと思います。こういうのは映画館ならではの魅力ですねぇ。……と思ったけど、環境いい人は全然いけるかw

 これは小ネタの部類でしょうけど、ヒュージアックマンのカメオ出演も笑いました。出るだけのカメオではなく、出た上で散々ギャグをかましてくるタイプのカメオ。いや、もはやカメオではない可能性も。まぁいいか。
 歴史的背景を持たないランスロットの話との絡みも面白かったし、「これなら知ってるだろ?」ってヒュージアックマンがウルヴァリンのポーズ取るトコとかも下らなくて爆笑でした。御丁寧にテーマ曲がかかるんですよねw さすが20世紀フォックス。てか、よく考えたら『2』では『スターウォーズ』で、『3』では『X-MEN』なのか。20世紀フォックスが誇るコンテンツということか(当時)。
 単に20世紀フォックスというだけでなく、監督のショーン レヴィとヒュージアックマンは『リアルスティール』でも組んでますね。今思えばあれも親子の物語か。


 ということで終わり。わざわざ完結編作らなくても疑問はなかった作品だけど、いざ作られてみたら良かったですよ。ロビン ウィリアムズの件で思わぬ副産物が生まれちゃってるんですが。

 現実の死のせいでラストを曲解しちゃう映画。