北区の帰宅部

映画の感想を書きます(嘘&希望)

最近のジャンプと師匠キャラ

 最近のジャンプって師匠キャラやたら多いよね?? そう思ったから書き始めました。「そうだねー」「たしかに」「いやいやそんなことはない」と思ってもらえたら、もうその時点で終わりです。劇終。NGシーン集が始まります。

 「最近の」ですからね。亀仙人とかそういうのはナシです。まぁ、ジャンプと師匠キャラを考えようと思ったら『ドラゴンボール』はまさにでっかい宝島なんですけど。師匠多すぎ。
shonenjumpplus.com
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 本記事のオフィシャルマスコットキャラであるミウラ師匠が特集されたインタビュー漫画のリンクを貼っておきます。可愛すぎかよ。(ちなみにミウラは佐伯から見た師匠)

最近の少年ジャンプの師匠キャラ

魔境院逢牙 『ゆらぎ荘の幽奈さん

 劇中で明確に「師匠」と出てくる。現在絶賛進行中の長編の中心人物が師匠。今一番ホットな師匠と言えるでしょう。
 超人と思われた主人公のルーツに触れる、という意味で連想したのは『左門くんはサモナー』だったりします。あれも男(父親)ではなく、あえて女(母親)でしたね。

志村菜奈 『僕のヒーローアカデミア

 2人連続で漢字変換がめんどくさい。
 これも「師匠」とハッキリ呼ばれます。逢牙さんに比べるとチョイ役、それも回想のチョイ役だけど、かなり気になるキャラとして出てきました。
 そもそもオールマイトが主人公の師匠ですので、主人公から見たらオバアチャン的な位置。

市原銀杏 『紅葉の棋節』

 これまた明確に「師匠」。てか、他の師匠と違ってシステムとして確立されてる世界における師匠。
 作品のランクが下がる気もしますが、師匠について考える際この作品は最重要と言っても過言ではないでしょう。なにせ主人公と師匠の関係性が作品の主題であり、なんなら師匠がもう1人の主人公と言ってもいいレベル。

 「最近」の範囲を少し広げますと、こいつも出てくる。

古橋文乃 『ぼくたちは勉強ができない

 劇中に「師匠」という言葉は出てくるけど、ほとんどあだ名みたいなもんですね。
 そもそも本作は主人公が教える立場なので師匠なんですよ。そんな中、突如としてぶっ込まれたのが古橋への「師匠」属性付与。これによって教え教えられという双方向の関係性が強固され、彼女の存在が特別なものになったのは間違いないでしょう。ワタシが本作で一番評価してるのはこの部分だったりします。こういう美少女キャラに「師匠」を持ってきたのはスゴイと思う。

 さぁさぁ、何か気づきませんでしょうか。そうです、みんな女。珍しいですね。もちろん偶然なんですが、そもそも師匠キャラが連発することが珍しいので二重に珍しいです。
 『ゆらぎ荘』『勉強』の2作は作品の特性上、登場人物の女性率が高いのは仕方ないと思います。当たり前。
 珍しいのは『ヒロアカ』ですね。バトル漫画の師匠なのに女性。意外性を狙ったのもあるでしょうが、それよりも「母」という要素をぶち込みたかったのがメインでしょう。本作には父子、母子の関係性が多く出てきます。師匠の師匠が女だけど、その元祖は「弟」であり、「兄」に能力を与えられてるんですよね。そういう意味では「父」的でもある。
 そんな『ヒロアカ』の師匠とちょっと似てるのがお色気漫画である『ゆらぎ荘』ってのが面白い。お色気漫画なのになぜか圧倒的強者としての師匠が出てきて、なぜかバトル漫画してます。逢牙の最大の特徴は「敵」である点でしょう。少なからずの和解はすると思いますが、主人公サイドと敵対しています。師匠だから弟子よりも強い、どうしよう!!という話ですね。かなり明確に師匠越えというのがメインに打ち出されてます。妄想ですが、この後逢牙が「I am your mother」とか言い出してくれると非常に嬉しいです。それなら、志村の母性との一致も生まれて面白いです。
 こう括るとはみ出しものっぽい銀杏ですが、これはさっきも書いた通り主人公との距離が近すぎる……どころかほとんど主人公と言えるからですね。本作の男主人公の最終目標は「竜王におれはなる(どん)」であり、銀杏の目標は「竜王戦を主人公とやる」です。2人の目標が一致してますね。まぁ、最終的に描かれるかはしりませんが、2人が竜王戦をやることが究極のハッピーエンド。疑似恋愛関係みたいなものを見ることも出来て面白いと思います。
 恋愛関係となると、恋愛がメインと言える(のか?)作品で師匠やってるのが古橋。『紅葉』では劇中で「利用し利用され」という関係性が言及されましたが、双方向性という意味でも似てますね。本作では「利用」という表現はふさわしくないですが、「教え教えられ」の関係にあるのは間違いないでしょう。

 最近の師匠キャラみんな女で面白いねー!!と書きましたが、実は男の師匠も最近出てます。ズルしました、ごめんなさいw

パストゥール レインマン 『ノアズノーツ』

 「師匠」という言葉は使われてません。本作では「教授」がキーワードです。
 主人公がそもそも教授でもう1人の主人公に教えを与える立場にあるんですが、そんな教授の教授。『ヒロアカ』志村と似た位置ですね。
 敵対関係に入ったのは『ゆらぎ荘』チックでもあります。その敵対するキッカケが女を巡って、というのも完全に一致。この女を巡って師匠と対立って話をやるなら、師匠は男の方がしっくりきますね。「父を殺して母を娶る」感が出てきます。
 まぁ、『ゆらぎ荘』の場合は「私の代わりにそんな女連れやがって」的な見方も出来るので、それはそれで楽しいです。

猫屋副一郎 『田中誠司

 明確に「師匠」という言葉が出てきます。自称。
 直近の合併号にて新登場のネコ。新登場すぎて語ることがないですw
 まぁ、完璧で頼もしすぎると思われた主人公にも師匠がいて……という展開は『ゆらぎ荘』『ノアズ』と一致しますね。強さのルーツに触れる。まぁ、このネコとは敵対するとは思えませんが。

師匠と父殺し

 最近のジャンプに限ってだけでもこれだけの数の師匠がいるのですが、最近に限らなければ数はもっと増えます。なぜこんなにも師匠キャラが出てくるのか。
 強さのルーツが知ることが出来る。そのおかげで強さに説得力が出る。そういう理由もあるでしょうが、やはり父殺しが関わってくるでしょう。物語の原型とも言われる父殺し。通過儀礼ですね。
 記事の冒頭で亀仙人の名前を出しましたが、悟空は亀仙人が倒すことの出来なかったピッコロ大魔王を倒すことで師匠越えを果たします。こうして悟空は成長を果たしたと言える。ハッピーエンドです(もうちっとだけ続くんじゃ)。
 亀仙人目線で考えると、彼も師匠が果たせなかったピッコロ大魔王の打倒を目指しますが、電子ジャーの欠損により失敗。ピッコロ大魔王打倒は弟子に託すことになります。つまり、弟子を育てることで亀仙人は師匠越えを果たす。弟子を育てることで師匠も成長する、というのは『紅葉の棋節』とも一致しますね。……『ドラゴンボール』から『紅葉』に話を引っ張ってくのワタシくらいだと思う。

そのまんま父殺しな作品

食戟のソーマ

 父殺し的に『食戟』という作品は熱い。父親を越える料理人になる、が最終目標ですからね。父を殺す旅に出る物語と言える。しかも、父を越えるためには彼女を作れ、というアドバイスまで出てきます。父を殺して母を娶る。エディプスコンプレックスゥゥゥゥ!!!
 本作には葉山アキラという人物が出てきますが、この人は明確に育ての母に恋しちゃってます。かなり露骨に母を娶ってる。そんな彼が彼女のいないソーマくんに勝ったのは必然と言えますね。
 んで、最近始まった最新章。これが父殺し的にまた熱い。なにせ父親の弟子が敵として現れましたからね。しかもその兄弟弟子が父親を倒してしまった。師匠殺し、父殺し達成しちゃってます。しかもその敵、次なる目標が「娶る」ですからね。そのまんまこの表記で出てくる。そのうちスフィンクスがなぞなぞ出してくるんじゃないかと心配になってくるレベル。答えは人間!!(ネタバレ)
 ちなみに、この実は別の弟子(子供)がいた、という展開は『ドラゴンボール』のピッコロ大魔王を父殺し的に考えた際、マジュニア登場のあたりと近いと思います。この場合、父親(ピッコロ大魔王)を殺したのは悟空ですので逆ですが。そんなマジュニアがのちに悟空の息子の師匠となる……とかホントややこしいですw

BORUTO

 本編で直接的に父親を越えようとする話はあまり出てきてませんが、主人公の最終目標が父殺しなのは明白です。本作で面白いのはその父親が師匠ではない点。師匠は父親の(元)ライバルです。父親憎しの姿勢が一貫してて面白いですね。
 さらに言うと、父親は圧倒的に体制側の存在です。主人公はその体制、システムにすら逆らう存在なんだと思います。体制の否定というのは父殺し的に重要な要素です。
 ……まぁ、最終的になんだかんだ考えを改めて体制に取り込まれて終わり、という気もせんではないです。父親であり前作の『NARUTO』がいろんな意味で偉大なのでそれを否定する結論は作りにくい、という勘ぐり。一応岸本先生が監修やってますけど、作者が長年連載するにつれ、父に逆らう子よりも父側に感情移入するようになってしまった……みたいな可能性もあります。まぁ、要するに『美味しんぼ』パターンw
 逆に、岸本ではなく池本が作者だと考えると、『BORUTO』という作品自体が『NARUTO』の子であるので、本作は岸本のアシスタントをやってた池本による父殺し、という風に見ることも可能です。作品内外の構図が似てるのはかなり特殊なケースですね。

その他の師匠たち

 最近じゃない人もざっと探してみます。

虚 『銀魂

 師匠殺しを最終章に持ってきた『銀魂』は偉いですねw
 今やってる最終章延長戦(勝手に呼んでるだけです)はそんな敵対した師匠を救う話になってるからまた面白い。一度殺して、一度救う。師匠殺し、父殺しを2つのアプローチで行っている。

ヤミ スケヒロ 『ブラッククローバー

 団長ですね。あの団は疑似家族を形成してるので、そういう意味で父親としての側面も強いです。

シルバーズ レイリー 『ONE PIECE

 『ONE PIECE』の長い歴史の中で最大の事件と言えるのが「2年後」展開。そんな2年後の際に出てきたのがルフィの師匠レイリー。本作では珍しい修行が出てきました。パワーアップの儀式としてやはり師匠は不可欠だったのでしょう。
 ルフィの最終目標は言うまでもなく海賊王ですが、レイリーは海賊王の相棒です。副団長。つまり、ルフィはレイリーを越えてもまだ海賊王には届かない。けど、近道なのは間違いなくて……みたいなバランスが絶妙です。
 もう1人ルフィにはシャンクスという師匠兼父親みたいな存在がいますが、これまた海賊王の元船員です。こうしてみるとよく出来てますね。
 ルフィの実父としてドラゴンもいます。父親多いなぁw(長いから仕方ない) 本作における海賊というのは体制に縛られない自由の象徴だと思いますが、ドラゴンはその体制を直接打倒しようとしてる存在。体制の打倒というのはこれも父殺しの一種ですね。神殺しでもあります。そういや、神っぽい人たちも『ONE PIECE』の世界には出てきたので、今後父殺しの要素は濃厚になっていくのでしょう。

黒山墨字 『アクタージュ act-age』

 不完全な女優を育てる、という意味で監督は師匠。
 面白いのが、本作は黒山という師匠が次々に師匠を与えていく物語なんですね。一定の成長を遂げたらさらなる偉大な師匠の元に放り込まれる。この流れは『ドラゴンボール』にも近いものがあります。ただ、『ドラゴンボール』は運命や悟空の意志によって次の師匠へ移っていくのですが、本作は黒山という存在が師匠を選び、与えてる。直接的な指導は初期にちょっとだけありましたが、その後は選んだ師匠の元へ放り込むだけ。んで、成長しきったら自分がおいしくいただこう、という流れ。弟子を育て終わったら自分が利用する、というのは『紅葉』でもありますね。

 終わり。「あの人がいないんですがぁぁああああ!!?」とか思ったら各自でやってください。父殺しまで範囲を広げちゃえばぶっちゃけ全連載作いけると思います。明確な師匠でもまぁ抜けはありますよ。ワタシにとってのオモシロ優先です。所詮は「最重要はミウラ師匠」と言い張るような人の記事です。

映画は父を殺すためにある―通過儀礼という見方 (ちくま文庫)

映画は父を殺すためにある―通過儀礼という見方 (ちくま文庫)

 個人的なお気に入り父殺し、師匠殺し作品は『暗殺教室』。殺しという最終目標が主人公の成長の証と描かれてるのが最高です。隠す気のない通過儀礼
 実父を実母に奪われた主人公が殺せんせーという師匠に出会い、その師匠を殺すことを通じて実父を取り戻す。子供から大人に、それと同時に女から男に成長する物語でもあるのが最高です。渚くん結婚しよう。