北区の帰宅部

映画の感想を書きます(嘘&希望)

『バード・ボックス』観たぞい

 サンドラブロックが目隠ししてるビジュアルと、どっかのバカが目隠し運転したのでお馴染みの『バードボックス』。観ました。早く『ローマ』観ろよという話なんですが、鑑賞カロリー高そうで……

 はい、『バードボックス』。終末世界ものというか、何かが世界に蔓延して人々が死にまくります。それが広がる方法が「見る」。常人がそれ(多分具体的な形はなく抽象的、概念のようなもの)を見たらいてもたってもいられず自殺します。自殺したくなります。殺されるんじゃなくて自殺ってのが面白いですね。序盤の街がパニックになる場面とか相当良かったです。本作におけるメインディッシュではないんですが、あのパニックは好物です。ハデな地獄絵図。
 その後は籠城と川下り。この2つの場面が交差して語られるのも面白かったですね。最初は意味なくぶつ切りのようにスイッチしてるのかと思ったら、徐々に2つの場面が、2つの情報が密接に関わり合っていくので単純に話を追ってくだけで楽しいものがありました。こいつお前の子じゃなかったのかよ!! みたいな騙しのようなオモシロもありましたし。

 「見たら死ぬ」が基本ルールなんですけど、困ったことに途中から追加ルールが明らかになり、それがことごとく厄介。厄介であり、その厄介さが楽しいw
 そんなんアリかよ!!とひっくり返ったのが「アレ」が話しかけてくる点。「見たら死ぬ」だから見る存在かと思ったら全然話しかけてくる。それも結構意地悪な方法で。そこそこという人間レベルの知能はありそうでしたよね。モンスターパニックものではないのかな、という味わい。
 追加ルールその2。「アレ」を見ても死なない人がいる。元々精神を病んでたりすると死なないみたいです。それどころか「すごくキレイだよ」「見てごらんよ」と優しくレコメンドしてくるからマジ厄介。この追加ルールが明らかになるくだりも2つの時間軸が交差させることで面白かったですね。フツーに1本道でやったらもっと分かりやすくて助かるんですがw

 まぁ、結局のところが「アレ」の正体は明らかにならないんですよね。子供たちを救うために目隠しを捨ててサンドラブロックが戦いに挑む、みたいなことにはなりません。ショットガン使える設定だからちょっと期待しちゃったw
 けど、「ここは俺に任せてお前たちは先に行け」展開はしっかりあります。サンドラブロックじゃないけど。本作のイケメン担当がやってくれました。『ムーンライト』3章のあいつね。『ザ・プレデター』のあいつ。超イケメンでした。すき。てか、『ザ・プレデター』でも「ここは俺に任せて」やってたような。あの映画の終盤ずっとそんな感じなんですが(つまり最高)。
 結局分からないままで消化不良みたいなところもあるんですが、追加ルールの2つを考えると悪魔的な何かなんでしょうね。劇中でも何かそんな話ありましたけど。序盤に。追加ルール1とか完全に悪魔の囁きですし、追加ルール2は悪魔崇拝者ってことでしょう。
 主人公のサンドラブロックは子供を産みますけど、父親についてはダンマリのまま話が進行するので処女懐胎的なモチーフなのかな。たぶんキリスト教に明るい人が観た方が本作は楽しめる……というか真に迫るものはあったんだと思います。
 まぁ、知らなくても楽しいですよ。ハラハラしますし。とりあえず話を追ってくだけでも感情を揺さぶられるので楽しいです。2時間画面に釘付けになれた、あースッキリ、みたいな楽しみ方はバッチリです。

 アレの正体は分からない代わりに大オチのような扱いになってるのが主人公たちが目指してる「アソコ」の正体。こっちはハッキリと分かるんですが、個人的にはそこまで面白くもなかったかな。分からないと文句言うし、分かっても文句言うとか最低ですがw
 いや、というのも、どこまで有名か分かりませんがラジオリスナー、tbsラジオリスナーだったら「ダイアログインザダーク」って結構有名だと思うんですよ。最近はcmやってないか? まぁ、めんどくさいから説明は省きますけど、目の見えない人体験みたいなやつです。完全な暗闇の中でゲストを先導してくれるのは視覚障害者の方で、ガチの暗闇に入ると彼らだけ見えてるように動くので驚く……らしいです。私は行ったことないです。
 まぁ、本作を観ながらそれを思い出してたんですよ。あの人たち最強じゃね? と。そしたら、大オチがまさにそれで。最後に行き着く安寧の地は盲学校。これ自体が物語的にそこまで重要とは思わないし、アレの方が大事だと思うんですけど、それでも大オチ的に扱われてるので「あっ知ってた……」となったのも事実。まぁ、よく考えると、社会が崩壊してたら盲学校の人たちも食料の調達とか大変じゃね?? とか思わんでもないんですが、白い杖をついた人たちがスーパーマンのように頼もしく見える感覚は面白いので嫌いにはなれないです。

 あと、本作で好きだったのは主人公が清廉潔白、ご立派な存在ではなかった点。中でも川下りの難所で見張り役を子供のどちらかに任せなきゃいけないときに実の息子が「僕がやるよ」と言ったら反射的に「ダメ!!」と本音ダダ漏れだったとこ。あれひっどいですねw もう片方の子が忖度して「私がやる」となってたけど、完全にダチョウ倶楽部状態。まぁ、そこでの決断が主人公の成長のドラマとしては一番熱かったかな。あそこから彼女の「母になる」ドラマが始まりますよね。

 終わり。『クワイエットプレイス』とかのパクリかと思ったら原作ある作品なので申し訳ない気持ちになりました。偶然ってすごいね。
 まぁ、とにかく話についていくだけで楽しい作品ですので私は満足です。2つのタイムラインを行き来する構造が良かったですね。

 なんか最近こういうの多いわねぇ……と思わずにはいられないタイトルたち。