北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

COMIC快楽天 2019年6月号の感想

 連休は気づけば終わってました。

gohomeclub.hatenablog.com

『酔いが明けぬうちに』宵野コタロー

 フルカラー6ページ。
 「宵」じゃなくて「酔い」というタイトルがうまい。てかペンネームやんけ。明けるには打ち明けるの意味もあるのかなぁ、とか考え出してしまい面白かったんですが、まぁ合ってるかは知らんですw
 ラストの「バレてます……?」というオチも良い。ギャグっぽい味わいもありますが、あのセリフでもう一晩あることが分かるんですよね。ひょっとして今晩も? という別の余韻が生まれてる。そうなってくると、今晩酒を飲むのかどうかが主人公の選択になってくるじゃないですか。酒の勢いでおいしい思いをするのか、酒には頼らずに自分の気持ちを明かすのか。ヒロインはそれも込みで最終日の1日前に決行したのかもしれない、とか考え出すと楽しいです。

ラズベリー』Hamao

 前作『ショコラ』に続いてなんてビターな作品を投下してくるんだ。『ショコラ』は甘々に終わるかと思ってたらビターなエンドになりましたが、本作はもう最初からビター。「何とかなりませんかね?」と淡い期待をしながら読むも、儚く撃沈w ただ、そんなラスト、あそこだけ切り取って見たらめちゃくちゃハッピーエンドっぽく見えるんですよね。このバランスが秀逸だったと思います。
 てか、オープニング、アバンの1ページからして本作ヤバイです。ロリ時代のヒロインが将来の夢としてお嫁さんになる絵を見せるんですが、ここで重要なのは絵の中の花婿の顔がコマの外にはみ出てる点。要するに「違う人かもしれない」という予感ですね。マジヤバイ。オープニングとしてオシャレすぎる。さらに言うと、この絵の中のヒロインは当時と同じ髪型なんですが、将来リアルで花嫁になるときとは髪型違うんですよね。決意の現れや振られた際の気持ちの切り替えもあるんでしょうが、何より「あの夢叶わなかったー!!」と強烈に感じさせる。つれぇよw
 『ショコラ』でも割と安直というか包み隠さずストレートな人名(チョコ)になってたんですが、本作もそうで。翼は自由の象徴であり、それが政略結婚によって籠内(かごのうち)になる。もうこの時点で物語になっちゃてるよw 決してページ数の多い作品ではないからこういうところにも情報を詰め込んでるんですかね。セックスを始めるときは籠内と呼び、フィニッシュの際に翼と呼ぶとか、もう最高なんだよなぁ。

『泥酔ごっこ』松河

 厳しい女上司と2ページ目でやってるのヤバイ。最初にページをめくる際の衝撃ですよね。オープニングとして吸引力がありすぎる。
 よく覚えてないけど1回やったらしい、という事実を得ることで彼女を見る目が一変する、という感覚がめちゃくちゃエロいですよね。面白いのが、本作完全に男視点で話が進むのかと思ったらそうでもなくて。2人の間に記憶の強度に差があって、それを境にヒロイン視点でグイグイ話を進めてくる。後半はほとんどヒロイン視点がほとんど。語り手の交代みたいな印象すらありました。面白い構成だとは思うんですが、2ページ目に衝撃的に描かれた「空白の一夜」を巡る話として違和感なく読めるんですよね。あの一夜によって2人の関係性が逆転してしまうわけで、語り手も逆転する。んで、肝心のセックスの展開もいちいちあの夜との比較で進むから見事ですよね。エロをやりながらしっかり物語的な面白さもある。
 『酔いが明けぬうちに』と同じで酒、酔いをテーマにした作品ってのも興味深いです。同じテーマでも切り取り方が全然違う。ついでに言っちゃうと『ラブベリー』のラストにも酒が出てきて……とかめっちゃ面白いです。勝手な結びつけ楽しいw

『DOOLS #2』えーすけ

 おおっ、『シルエット2×2』に続いてまた別の続編だ。これは驚く。『シルエット2×2』が少し変則的な続編だったと思うんですが、本作はもう少しストレートというか、前作でやったことを踏襲しつつ加速させる(視点が男から女へシフトしてますが)。そして、本作の場合は「続くんかい!」というのが登場人物の心情にもなってるから面白いですね。予期せぬ続編という読者の印象がヒロインと思わぬ形でシンクロするw
 本作は劇中にカメラが出てくるのでイヤでもアングルに意識が行くんですが、めちゃくちゃ凝ってますよね。イキそうになったところで夕飯が届くくだりもそうですが、エロに意識が集中していって落ちるとこまで落ちてしまう……というところで引きの画だったり、俯瞰だったり、天井だったり。
 カメラで撮影するくだりもヒロインの方からカメラを用意するよう言わせてるのとか最高に意地悪。撮影するのは変態行為ではあるんだけど、あそこでカメラを用意しなかったらヒロインは大義名分を失うので言わないわけにもいかない。端から詰んでる。旦那が変態な時点で詰んでるw
 夕飯が運ばれてくるくだりもそうでしたが、ヒロインが集中しすぎて視野が狭くなるとサプライズ、という展開がうまい。気づいたら口内射精させられてたくだりとかホントうまいよなぁ。射精されたあとに気づく、なんて話なかなか描けませんよ。まずAVでは不可能ですよね。あそこまでカメラを自由に動かせない。カットを割れない。マンガならではの断片的な描写なんだと思います。

『女子大生あかりさんはエッチがしたい』いづれ

 ゴムの装着に手間取ってたら萎える。つ、つれぇ……。その後めちゃくちゃ謝っても意味なくて、それどころか “なにこの長文…” とか言われる感じとか、見ててつれぇw
 そんな一件がヒロインの欲求不満、そして「私が何とかしなくちゃ」という積極性に繋がるのが良いですよね。スムーズに装着してても幸せですが、そこで失敗することで思わぬ変化が生じる。それが男の方じゃないってのが面白いです。年の差カップルとしてこの感じはリアルな気がしますね。知らんけど。
 んで、ヒロインが年上の意地を見せようとエロエロに迫ってくるんですが、それがちょっと過剰w まったくの別人やんけ。このちょうどよく出来ない感じが、彼女は彼女で無理してる、頑張ってる感としてすごく良いです。また萎えちゃいけないからとにかくエロ要素を足し算していくしかない、という発想も分からんではないですし。
 痴女みたいと思ってたけど、挿入のタイミングで処女だとカムアウト。ヒロインのモノローグで秘密のまま通すのもアリだったと思うんですが、ここで言ったのは良かったですね。恋人としてのイチャイチャ感としても強かったと思います。

『セフレ』八尋ぽち

 バイト先のギャルに筆おろしてもらったあとの話。友達のままセックスして、そのまま仲の良さが継続してる感じが生々しかったですね。友達関係の延長線上に恋人ではなくセフレがある。
 そんな友達要素強めのセフレなのでセックスに淡白かと思いきや、目隠しで一変。初めて目隠しする場面の感覚が研ぎ澄まされる描写、めちゃくちゃ良かったです。明日何食べるかとか考え事したり、時計の音、外の車の音が聞こえてくる感じ。すごい説得力。セックスじゃなくても、夜寝つけないときとか、あの外の音に過敏になる感じ、経験ある人も多いんじゃないでしょうか。そして、それだけ感覚が過敏になった状態で必死に腰を振ってる彼に意識を向けてみると……というのがそりゃエロいわ。そりゃ気持ちいいわ。目隠しプレイって題材としては定番と言ってもおかしくないと思うんですが、このここまで目隠しによって神経が研ぎ澄まされる描写が丁寧にやられるとスゴイですね。目隠しめっちゃエロい。
 そこから目隠しではなく部屋を暗くするように展開していくのも面白い。ヒロインの顔を描きたいみたいな大人の事情もあったんでしょうが、暗所がエロいというパブロフの犬が成立するので、バイト先でも部屋を暗くすればたちまちエロい空間に早変わりするとか展開として見事でした。

『深夜のおとも』石川シスケ

 深夜ラジオ!! マジか。オタク趣味の共有みたいな話はエロマンガだとよくあると思うんですが、深夜ラジオとは。ちょっとこの時点で本作大好きですわ。男女が深夜に同じ場所にいる、という前提が既に完成しちゃうのも良いですね。
 日陰者の趣味という意味合いも好きなんですが、一緒に聞いてたラジオに背中を押されて……という展開が最高で。オタク趣味なら何でもいいわけではなく、深夜ラジオじゃないと成立しない話。てか、ああいう下世話なこと小木(でいいと思う)言いそう。ていうか、過去に似たような話してるんじゃない?? とか思ってしまうレベル。そうか、その裏でこんな色っぽいことになってるかもしれないか……
 『女子大生あかりさんはエッチがしたい』ではゴムが着けられなくて萎えてた童貞ですが、本作の童貞は真逆の失敗。暴発。うわぁ、これもつれぇ。そして分かるw ラジオでバカにされたから頑張ってみたものの、失敗。気持ちが盛り上がりすぎちゃうのな。ヒロインの方も不慣れっぽいので、彼女も無理に急ぎすぎたせいもあっての暴発。深夜ラジオリスナー情けねぇ。けど愛おしい。

『愛しきコウハイ』Beなんとか

 『美味しんぼ』みたいな始まりなので笑った。そうか、男女が接近する理由としてそれもアリかw
 食事が物語の出発点なせいもあって、2人の肉体が特徴的。男が過剰にマッチョなのもそうなんですが、ヒロインの方ですよね。おっぱいが大きくて気を取られるけど、おっぱい以外がかなり細いんですよね。アバラとか浮いててガリガリという印象すらある。もうちょっとちゃんとしたもの食べないとダメだよ!! みたいな老婆心も湧くんですが、それがまさに本作のオープニングでしたね。いやまさかアバラ見るとは思わなかったなぁ。それも単なるフェチ描写ではなく、物語的な意味のある描写になっててホントすごい。よく見ると手足とかもかなり細い気がしてきます。いや、マンガだから特筆すべき細さではないんですが、その他の情報に引っ張られてしまう。
 そんな体格差なので駅弁とか対面座位が安定感あって良いですよね。すごい収まりの良さを感じるw

『つゆだくっ』SAVAN

 今号は『終末のハーレム』連想しちゃうよなぁ……とか思ってたらkomifloのコメ欄で笑いました。ちくしょうw
 陸上部。更衣室で恋人にマッサージされてると。マッサージから発展する話とか、陸上部で日焼け跡とかはお馴染み感ありますけど、陸上部カップルでマッサージするのが新鮮でした。エロい接触はお預けで、その大体行為としてのマッサージ。恋人なので当然過去のセックスを連想してしまって……という場面がクッソエロかったです。マッサージが既にエロいってのはあるんですが、恋人なのである程度の接触には抵抗がなくて、そこにフラッシュバックが加わっるのがもう最高。
 そっからマッサージを交代して、「何普通にマッサージしてんだよ!」とか思ってしまうんですが、その先ついにエロに発展していく場面も良かったです。彼女の方が我慢できなくなって、ただのマッサージがエロく感じてしまっている……のを彼が気づく。そこで彼が “やっぱガマンできない” と迫るんですよね。超優しい。彼女の方が「ガマンできない」は明らかなんですが、その汚れ役を自ら買って出るワケですよね。やだ、イケメン……。人は言い訳を与えられると理性が弱まるものだと思いますが、彼女の “しょうがないなぁ…♡♡” もまさに言い訳によるものでしたね。
 エピローグも秀逸。序盤から何度も繰り返されてきた「デート」がついに描かれるんですが、デートどころじゃないw ここで脱ぎ捨てられた「かわいいワンピース」が出てきたのも良かったですね。一応着たけど、それよりも魅力的なものに折れてしまったw ここで彼女が “はいはい♡” と言ってるのも良かったですね。また彼にガマンできないのを見抜かれたのかな、とか。

『青春リビドー山』位置原光Z

 第12回「つるのおんがえし」。恩返しにきたツルに変態だと思われてる話。トイレ覗きを否定するけど、運命に導かれるように覗きに行くので笑った。言動が不一致すぎる。流れるように小銭でトイレの鍵あけるくだりが最高すぎる。
 あと、覗いたあとの割烹着で用を足してる(しかも真っ最中)のショットが端的に言ってエロい。割烹着でトイレに行くとああなるのか……と妙な感動がありましたw 覗き趣味とかないですけど、ちょっと目覚めかねない魅力があった気がします。

『すき♡スキ♡赤ずきん雛咲葉

 フルカラー4ページ。赤ずきんとオオカミなんですが、どっちもおかしいw
 カラーなので赤が映えてキレイなんですが、2、3ページ目の見開きでのコマ割りがまた良かったです。ページの境を斜めに割って、それが左ページのバックで突かれるヒロインの脚の角度に沿うように。あのショット強烈でしたね。顔と穴がほとんど同じ大きさになる構図。ってどんなだよw

『ホントのみのりちゃん』オクモト悠太

 ギャルに告白したら下心を見抜かれる。2ページ目の勃起は笑ったわ。あんなん笑うわ。告白でそれなりに緊張して頭がいっぱいだけど、けど下心はありつつ、目の前のギャルが可愛くて勃起だったんでしょうね。あまりに情けないけど、憎めないw
 そんな失態に対するギャルのリアクションが軽くて良いんですよね。ものすごく深刻に悩んでもおかしくない展開なんだけど、ギャルの言動があまりにライトで、そこに救われる。この軽さはギャルの魅力ですね。こちらがシリアスに思い詰めてることを笑い飛ばしてくれるというか。
 そっからギャルの本性が明らかになる。タイトルですね。ハデな格好や好きのある行為をしてると男たちでエロい目で見られる……のがたまらない。要するに痴女だと思うんですが、この痴女メンタルがちょっとだけ理解もできるというか。エロい目で見てくる男たちに対して優位性を感じてその悦に浸るわけですよね。ちょっと分かる、かもしれない。立派なこと言ってる先生も勃起させてるとか思うとあまりにバカバカしくて勝った気になれるというか。
 からの童貞に優しいギャル。最高でしょ。優しくリードされつつも手玉に取られてる感が最高ですね。 “ゴム切らしてた!” と一度断ってから誘うくだりとかもう完全に彼女のペース。犬に「待て!」とやるのと同じですよね。主従関係が完成してるw
 あと、この一度射精してからの復活のくだり、ヒロインがデフォルメ絵になるのも個人的には嬉しかったです。エロマンガで読切だとどうしてもデフォルメが出てくることは少ないので貴重だと思います。

『びんかんポイント』Reco

 ひたすらおっぱい。ここまで1つの部位に徹底したのはすごいですね。プレイのバリエーションもそうだけど、「まだ続くの?」と何度も思ってしまいました。もち良い意味。挿入中にも続けられるのはこの手のプレイとしては相当強いと思います。この手の一点特化なテーマを扱っても、挿入が一番になってしまいがちなんですが、おっぱいなら大丈夫。
 あと、本作で特徴的なのは、おっぱいがテーマでも、おっぱいフェチの話ではないんですよね。おっぱいが特別なのはむしろ女性側。胸が敏感なのにあんなにされたらどうなってしまうの……と思いを馳せるのが本作最大の魅力だと思います。おっぱいを手にした男の喜びではなく、おっぱいが気持ちいい女性を見る喜びですよね。読んでて「おっぱい気持ちよさそう」とは思うんですが、「おっぱいいじられて気持ちよさそう」みたいな方の意識が強いというか。もちろん、それはおっぱい責めの描写が丁寧なことに起因すると思うのでその2つは表裏一体なんですが。
 個人的にすごい好きだったのは、寝てるとおっぱいいじられてる点。敏感だから触られるのが苦手なんですが、気づいたらその一線を踏み越えられてる。まぁ、下手すりゃレイプみたいな話なんでバランスが難しいですが、気持ちよすぎて怖いという不安を乗り越える上ではこの「気づいたら始まってた」は効果的だったりもするのかな、とか少し説得力を感じてしまいます。

『デートプラン』雲呑めお

 理想の初デートが失敗。『女子大生あかりさんはエッチがしたい』と同じで童貞の失敗をヒロインがカバーしてくれる。やはり良いですね。いや、よく考えたら本作の主人公は童貞という確証ないんですが。
 『女子大生あかりさんはエッチがしたい』と違うのは2人の年の上下。本作はヒロインが年下。そして同僚。後輩相手にかっこいい大人のデートを決めようと思ったら……で別の情けなさ。そっからヒロインがじりじりと、かつ積極的に攻めてくるんですが、この案配が最高でした。エロとは無縁の仕事の話から始まって、デートプランの話になり、 “まだデートの続き できると思いません…?” で本題。狭い車内というシチュエーションも相まってこの緊張感がクッソ刺さった。本題を切り出す際、シートベルトを外すのが象徴的で良いですよね。「一線を越える」の一線がここではシートベルトになってる。特殊な環境を十二分に生かしててエロとしてもマンガとしても楽しい。
  “シート…倒しますね” も彼女が彼の心に侵入していく描写として完璧なんだよなぁ。カーセックスはこんなにもメタファーに溢れていたのかw そっから男の方が狭い車内に対応できないので、AOKAN。プレイと話の展開がきれいに連結してるのがすごいと思います。あと、個人的には、外でするのにビビる彼のことを軽く叱る場面で「あっ好き……」となりましたw あの年下に怒られる情けなさも感じつつ、彼女の気持ちもはっきり伝わってくるのが良い。
 ラスト。夜景は見れなかったけど、代わりにきれいなものは見れました、とオチを付けるのもうまいですよね。遭難しかけたのは決して無駄じゃなかった、と改めて感じさせるというか。

『やる気スイッチ入りました♡』さくま司

 コスプレが趣味の人妻が旦那も了承済みで参加したイベントで作家に喰わ……れない。そっちじゃないんかい!! と思ったらkomifloのコメ欄もその話題で持ちきりなので笑いました。たぶんこれは作者も意図的にエロマンガのお約束を崩してるんじゃないかしら。ヒロインが我慢の限界で、旦那に電話がかかってきて、場面はラブホ……もう完全にアウトだと思うじゃないですかw まさか旦那とラブホ集合とはなぁ。やられた。こんなんやられるでしょ。
 ただ、それが単なる引っかけ的なオモシロで終わってないから良かったです。ちゃんとこのイベント会場で我慢の限界になって旦那と急いで落ち合って、というのがエロのスパイスとしてめちゃくちゃ効果的なんですよね。お約束として寝取られになると思い込んでましたが、寝取られない選択肢も全然アリじゃん! と膝を打ちました。寝取られの選択肢が浮かんだ上で、それを振り切って夫婦で。これ良かったよなぁ。旦那が追いつきつつ、コスプレを堪能してる感じとかもリアルだし、こうなってくるとちょっと作家側に感情移入もしてくるというか。それはそれで寝取られに近い感覚かw

『となりの人』ももこ

 コーポうさぎだw 3度目ですかね。パワースポットすぎるわ。入居したい……が、ここで独り身だと死にたくなるかな。
 ベランダ越しに話しかけてくるヒロイン。 “…隣 角部屋だったよな? もしかしてウチに聞いてんのか?” から始まるんですが、アパートならではの特性を生かしつつ、距離感の詰め方がおかしいとヒロインのキャラクターをまず端的に示してるのが見事だと思います。女子力高い男と、男前なヒロイン、というのが早速伝わってくる。てか、この男前ヒロイン、良いよなぁ。あのズケズケと踏み入れてくる、けど粗雑とはまたちょっと違う感じがすごいリアルというか。こういう人いる! という説得力。
 そんなヒロインとの間に築かれるのが主従関係みたいな安易なものではないってのも良い。主人公はそれなりに冷静で、振り回されてる感もないんだけど、エロによってそれが崩壊する。男ってやぁねぇ……という情けなさありますね。勃起システムが良くないよなぁ。あんなバレバレな現象が起きたらもう立つ瀬ないっすわw
 そんな勃起への対応がまた距離感おかしくて最高。何考えてるか分からない感じが彼女の魅力になってますよね。
 プレイの展開もそうですが、しっかり連続性があるんですよね。最中の2人の会話が次のプレイに繋がっていったりして無駄がない。ゴムがないから中出し厳禁。けど気持ちよくて出そうだからゆるく突く。そしたらそれが彼女の好みに刺さる、とか展開が見事だよなぁ。2人のキャラクター、思考が反映されてて、それがちゃんとエロに着地する。
 ゴムがないって始まるんですが、「どうせ出しちゃうんでしょう?」とか思ったんですよ。エロマンガってそういうの多いじゃないですか。とか思ってたら彼女が見事な手際で飲み込んでいく。あの男が現状を把握するより先に処理している感が最高でしたね。定点で3コマ続けるんですが、1コマ目で出ちゃってるのが面白かったです。それを飲み込んで、チンコがふにゃっとして終了。前半にもありましたが、玉をふにふにするくだりとかチンコ周りの柔らかそうな描写が入るのが独特ですごい良かったと思います。最後まで彼女のことはよく分からないんですが、性に対する積極性というか、チンコのこと好きなんだろうな、みたいなのが伝わってくる。
 ラスト。ヒロインの顎クイやべぇ。しかも玄関での高低差があるのが良いですよね。高低差をものともしない彼女の強さであり、男前感。あんなんホレるわw

『特別な日』ゆずのきいち

 出会ってから2222日記念でネコ耳。ロリっぽい可愛さもあるんですが、2222日という長さに驚きます。6年ですよ。結構な熟練カップルじゃんと思ったら、どうやら付き合ってからは2年ちょいらしい。そっから2人の歴史が一気に語られる。ここのわざわざ説明してくる感じ、良かったですね。かなり複雑な設定だとは思うんですが、それだけにこの説明だけで2人のキャラクター、関係性が一気に掴める。ヒロインの可愛さは1ページ目から炸裂してるんですが、エロは皆無。エロはちゃんと説明が終わってから、というの良い。背景が見えてからの方がエロさも増すと思いますし。
 好き全開で動物的な印象も強いヒロインなんですが、エロが始まると意外と静か。ふざけた格好してるのに黙々とエロが進行していくの良いですね。めちゃくちゃ生々しい。彼女はエロに関してはそこまで積極的じゃなく、口数少ないまま彼が優位に立つ。2人の2222日の付き合いの長さを感じるというか。単なるラブラブのカップルではない複雑さですよね。分かりやすさ重視だったら彼女がエロエロでいいじゃないですか。けどそうではない。
 ラストも2人の熟練カップル感があって良かったですよね。彼女の方が元気いっぱいに振る舞うけど、彼が最小限のアクションで彼女をコントロールしてる。あと、この場面で驚く彼女にネコ耳が発生してるのが超可愛かったです。その手があったか!

『目覚めのキス』こめざわ

 アホみたいにロマンティックなタイトルなので「そうか王子様と……」とか思ってたら全然違うのでたまげました。『やる気スイッチ入りました』と真逆のサプライズ。何に目覚めてんだよw
 新歓コンパは怖いよなぁ。不慣れな酒(年齢は気にしちゃダメ)と大学デビューしなきゃというはやる気持ちで変なことになりがち。すげぇリアルだわ。
 男の顔がろくに描かれないタイプのエロマンガなんですが(ゼロではない)、本作はその意味が濃いですよね。憧れの彼ではない人の表現ですから。それどころか、本作、先輩の名前すら出てこないまま終わるんですよ。これめっちゃ怖いですね。ほとんど誰だか分からない人に、という話ですので。エロマンガに男の顔はいらない、という単純な話ではなく、物語を正しく表現する上でこの男の顔と名前はいらない。定期的に差し込まれる憧れの相沢くんとの理想というのが悲壮感を引き立てますよね。つれぇわぁw
 タイトルの「目覚め」もそういう意味かよ!!と驚くんですが、最後の “もうすっかり具合良さそうだったしな” というセリフも最高でしたね。うまいけど、最高に意地悪w

『咲かない桜』「タカシ」

 振り幅が激しい作者なので悲劇っぽいタイトルに「今日はそっちか??」と身構えてしまったんですが、甘酸っぱい話なので安心……してたら首絞め詐欺で笑いました。「やっぱそっちかよー!!」と本気で思ってしまったw どこまで意図的にやってるのか分からないけど、作者(作品)にものすごく振り回されてる。
 結局のところ、今回はきれいなタカシ先生(コメ欄より)。ファンタジックな設定も入ってきて、最後に諦めてた恋が再び始まりそうになって終わる感じとか『夢の終わり』がかなり近いですかね。ただ、今回はオチが本当に良くて。ハッピーエンドは無理だと疑いもしなかったんですが、そこからウルトラCなハッピーエンド。ただ、無茶な展開ではなく、すんなり納得できるオチなんですよね。マジで見事だったと思います。 “私は気づいたらここにいた 死んだ時の記憶もなくて” が伏線だったのか……。まんまとやられたわ。見てるだけの寂しい存在というのがヒロインだけではなかった、と繋がるのもめちゃくちゃキレイですよね。
 物語として面白すぎてエロの感想書くの忘れてたんですが、物語がちゃんとエロに繋がるんですよね。諦めてたけど、奇跡的に彼と会える、触れるようになったので彼女が人が変わったかのような積極性を見せる。好きだけど一日限りだからと貪るように相手を求める。けど、キャラクターと恋心がまだまだ甘酸っぱい雰囲気がある。男の子の方が乗り気になって四六時中やってる場面とかちょっと子供っぽい印象ありますよね。そして、そこまで求められると「記憶消さなきゃ」となるのも納得というか。やっぱことごとくうまいんだよなぁ。すべての展開、描写が腑に落ちる。

「こうそくいはん」YUG

 新元号という時代の変わり目、そして紙幣の刷新を踏まえて、3つの時代を象徴する3枚のお札。傑作すぎるわ。個人的には千円札が好きです。小ネタがいちいち懐かしいw

「読者コーナー」

 ぴかお先生がVTuberと知り衝撃を受けました。マジか。すごい……(語彙)。

「表紙イラストカードプレゼント」

 セブンネットショッピングで雑誌取置きすると表紙イラストカードがもらえるそうです。コンビニに快楽天を届けようとする情熱を感じる。
forms.gle

 読者アンケートどうぞー。
 面白かった作品3つは『ラズベリー』『深夜のおとも』『特別な日』の3つですかね。優勝は『ラズベリー』です。最初の方に読んでコレだー!!! と決まりました。

kitaku2kitaku.hatenablog.com