北区の帰宅部

映画の感想を書きます(嘘&希望)

『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』の感想

 それなりに『ドラクエ』ファンでして。『ドラクエ10』もやり続けてはいます。毎月1,000円吸い取られてるのですよ。ただ、今回の1,800円は後悔の気持ちがあったぜ……(ほんとはポイント鑑賞)

 はい、『ユアストーリー』。ぶっちゃけ予告の段階から「なんだこのビジュアル……」「よりによって山崎貴……」と成し遂げられちゃってたんですが、それでも行ってしまうのが悲しいファン心理よね。公開直後からすごい怒ってる人とかいて観る気も減ったんですが、行ってしまうのよね。スライムは可愛いから……。

 一応注意しとくとネタバレあります。最後にびっくりの仕掛けがある作品なのでネタバレは踏まない方が望ましいんですが、いや、そもそも観なくていいんじゃないかなって……
 あと、『レゴムービー』『アベンジャーズ エンドゲーム』のネタバレもあります。なんでやろなぁ。

 良かった点。当然あります。良かったとこ。これが想像以上に良くて、しかも原作『ドラクエ5』の穴、落ち度を埋めるような良さだったので、この一点においては原作を越えたと言っても過言ではないと思います。……まぁ、それも最後のアレで台無しなんですけどね。
 そんな良かった点、結婚。結婚のくだり。ビアンカ、フローラの2択、これが非常に良かった。そもそも原作だと2人の出番が不均衡なのでイビツなんですよね。

 前提として原作の話。ビアフロ論争の私の見解。基本的に、フローラを選ぶのが正道だと思います。旅の目的考えると。
 理由は単純で、結婚の段階だと、フローラと結婚しなきゃ天空の盾もらえないって話だったじゃないですか。ビアンカ選んでもなぜかもらえるんですが。なので、主人公の旅の目的である天空の盾を最優先するならば、あそこでフローラを選ぶのが正道。だと思います。
 ただ、出番は明らかにビアンカの方が多いのは事実ですので、あれは大義を取るか、私情を取るかの2択だと解釈してます。なのでビアンカを選ぶのが悪いとは言わない。それはそれで正解。自身の感情に従うのが正しくないわけがないです。
 とは言ったものの、私はフローラ選ばないんですけどね。私は断然デボラ!! ルドマンの娘なのでフローラが正道と同じ理屈がデボラに当てはまりますし、一分の隙もなくデボラなんだよなぁ。デボラは会話が良いからね。ミルドラース戦直前で泣いちゃう。

 はい、『ユアストーリー』。デボラ出ません。殺すぞw(あのオチだったら尚更殺意)
 『ユアストーリー』の結婚エピソードの良かったところ。まずは再会がフローラの方が先だった点。ここが非常に大きいと思います。ビアンカは後から出てきて、それでいてフローラとの関係に出しゃばる感じも薄く(酒場で出会う頼れる相棒)、何より幼少期の思い出がダイジェストで省かれてますからね。このバランスが良かったと思います。物語的にもブオーンを倒したら結婚→天空の剣がもらえる(旅の目的)ので、やはりフローラを選ぶのが正道。それでもビアンカなんだ、となるからあの選択は尊いのですね。フローラ可哀想すぎるんですが、あの選択がフローラによって誘導された、となるので可哀想ではあるけど「フローラ偉い!!」と別の感情が湧きます。まぁ、あの『マトリックス』のレッドピルみたいなやつどうやって入手したのかは謎です。
 さらに良かったのは「勇者じゃなかったんかーい!」のくだり。ビアンカを選んだら天空の剣もらえないので「おいおい主人公やる気あんのかよ」って話なんですが、天空の剣を抜けない話が事前に描かれる。しつこいギャグはクソでしたが、これが良かった。あれがあるおかげで主人公が天空の剣を諦めても違和感ないんですよね。
 極めつけがその後のルドマン。ぶっちゃけ主人公は世間的にはクソな選択をしたんですが、ルドマンが「ワシのせいでいいから」と取り繕ってくれる。さらには剣くれるという。名家であるルドマンが世界の行く末を心配して剣を託す、というのは違和感なくて良かったですよね。

 あと、もう1つ、かなり好きな場面がありまして。最終決戦が始まる際の長回しアクション。いわゆる無双アクションを主人公がかますんですが、その姿をカメラがぐいーっと追いかけ続け、その後息子の活躍へとバトンタッチしてもカットは割らない。ここ超かっこよかったですね。人数は少ないけど『アベンジャーズ』のニューヨーク決戦思い出しましたよ。ビアンカ長回しに入れてほしかった気もするけど、まぁ彼女は魔法で戦うので別だったのかな。

 その後のヘンリー参戦も良かったですね。これも原作のかゆいところに手が届く展開だったと思います。大人になってからのヘンリーとの共闘、熱かったです。空に浮かぶ城だけどどうやって来るの?? という問題をブオーンを交えてクリアしたのもキレイだったと思います。ぶっちゃけブオーンが原作サイズだったらブオーンだけで勝てそうな気もするんですがw
 ちなみに、この最終決戦でブオーンが駆けつけてくれる展開、『ドラクエ10』であるんですよね。ver.3のメインストーリーにて。『ユアストーリー』みたいに都合良く小さくなったブオーンではなく、文句なしのフルサイズ。闇堕ちした神様(竜族の)とまさかの大怪獣バトルを見せてくれます。個人的にはver.3のベストシーンです。怪獣バトルを背景に主人公が走るのも良かったなぁ(脱線)。

 小ネタで良かった点。シリーズ屈指のクズとして名高いマスタードラゴンことプサン。原作だとバーテンダーの格好をしてる謎のトロッコ狂なんですが、本作だと酒場のマスター。バーテンダーの格好してるからですね。これはうまい。
 まぁ、正直「無限トロッコなしかぁ」と落胆もしたんですが、無理なのも分かってます。ルドマンにプロポーズするのと同じくらい無理あるw

 逆に、悪かった点。結婚やヘンリーが原作を補完するような良さがあったんですが、逆に余計なことして原作よりつまんなくなった場面。サノスに破壊されたインフィニティ ストーンを求めてタイムハイスト……は『エンドゲーム』でした。過去に戻って自分と会う場面ですね。あれが無駄に長くていただけなかった。
 端的に言って、「坊や お父さんを大切にしてあげるんだよ」がないのはクソでしょ。その代わりが女の選び方ってのがまた萎える。
 あれは主人公が喋らないという基本原則を犯すようで犯さないギリギリのバランスで作られたRPG史に残る名場面、名演出だと思うんですが、今回の『ユアストーリー』、幼少期の場面があまりに短い。ぶっちゃけカメラワークで相手の顔を隠すことが出来るので(ゲームではそれが出来ないのが難点)、もっとキレイに処理できたと思うんですが。なんか「とりあえず出しときました」程度でしかない。なので、大人になってからの場面がねぇ、全然なのですよ。無駄に長くなってるのも良くない。

 ……とここまで3千字弱は書いたんですが、そこじゃないよ!! 本作の良くなかったところはアレだよアレ。最後のアレ。
 ということで、ウンコ。奇をてらっただけで何も面白くない、原作も本作の物語も台無しにする最悪のアイディアだったと思います。
 要するにアレ、山崎貴が『レゴムービー』を観て「なにこれオモシロw」と雑に参考した産物だと思うんですよ。魔界の門のデザインとか『レゴムービー』そっくりだったと思いますし。上辺だけなぞって本当にクソだし、あんなんで『レゴムービー』の良さを拝借できたと思ってるなら胸糞。
 いいんですよ、メタに行くのは。それ自体は悪くない。めちゃくちゃリスキーだし、レゴそのままでアニメをやったあの作品だからこそシームレスに実写パートに入れたのも大きいです。それが本作では、ゲーム内とまったく同じキャラデザで現実パートが描かれるのでねぇ。実写やれとは言わないけど、絵柄変えるとか方法はあったと思うんですよね。
 まぁそれはいい。問題は、あのメタ展開の先で、主人公が何もしないんですよ。「大人になれよ」「思い出は本物だー!」という本作のテーマっぽい会話が行われるんですが、だからといって主人公が特別なことをしたわけでもない。あんな反論、ゲーマーなら寝ぼけながら言える。
 主人公だからあの選択をした、主人公だから勝つことが出来た、というロジックが一切ない。元々プログラムされてたウイルスバスターが事後的とはいえ正常に機能したからウイルスが駆除されただけでしょ。普通じゃん。ハッピーエンド直前にちょっとバグっちゃったけど、しばらくしたら直った、ってだけの話じゃん。そんなのないよ。意味ないもの。現実とゲーム内、2つの世界で主人公が戦うとか、大きな選択をするとか、殻を破る、成長する話にしないとまったく意味がない。そもそもあの悪役誰だよ!! という話でしかなく、主人公との因縁もありゃしない。クソか。丸々あのパートなくてもこの映画成立するだろ。バカか。ロボットが伏線でござい、みたいな顔しててウザいけど、出てきたの普通にメタルハンターじゃねぇか。普通にドラクエの住人だよ。『レゴムービー』でいうレゴ以外のアイテムをあそこで出さないといけないんだよ。バカかよ。せめて本来なら『ドラクエ5』には出てこないモンスターにしないと最低限も成立しない。
 テーマが悪いとか、描き方が悪いとは言いません(悪いけど)。とにかく、あの場面、まったくの無意味なんだよ。あそこだけ取って付けたような存在。それ以前、以降の物語と関わりがない。だからダメ。虚無。


 終わり。忘れてたけど、鳥山明じゃないキャラデザが全然可愛くないし、かっこよくもなかったです。アニメーション的にも演技が良くなかったと思うし、声の演技も良くなかった(トーンが合ってない)と思うし、単純に観てる最中の面白味が乏しい作品だったと思います。「おどけ」が多くて観ててつらかったですね。逆に言うと、ケンコバは「おどけ」と演技のトーンが合ってたと思う。ケンコバの吹替仕事なかなか好きです。『パシリム』と『ドラえもん』しか知らないけど。うっ、『ドラえもん』と聞くと頭が……山崎貴……きさまぁ……

1日1つ、なしとげる! 米海軍特殊部隊SEALsの教え

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