北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

映画『ガマの油』の感想

「僕がいなくなった 親父が大人になった」ってキャッチコピー、今知ったけど超イイね


 役所広司初監督作品。監督&主演ということで、本来の意味で自作自演ですね。
 なぜ観たかというと簡単で、二階堂ふみが出てるから。『指輪をはめたい』を観てすっかりハマってしまいまして。出演作行脚です。映画デビュー作ということで『ガマの油』をチョイス。

 あらすじ
息子が死にました
息子の恋人と電話したら息子と間違われました
死んだことを言えませんでした

 というあらすじはあまり正しくないくて(←いつも正しくない)。ホントは格闘家の澤屋敷純一が重要キャラとして出てきます。主人公の役所広司澤屋敷純一の2人が主軸として物語が進みます。
 この澤屋敷純一。格闘技は全然知らなかったので俳優の人と勘違いしてしまったんですが、よかったです。見た目の勝利。体のデカさ、佇まい、仕草、すべてがハマっていました。見てるだけで、そのキャラクターについてなんとなくわかった気になれた。キャスティングの妙ですかね。
 ・・・・・ただ、そんなこたぁ興味なくて。「とっとと二階堂ふみを出しやがれ」というスタンスでございます。ということで、二階堂ふみを中心にしたあらすじ紹介でした。

 二階堂ふみの映画デビュー作。出としてはモデルかなんかをやってた人みたいですね。ウィキペ情報くらいしかないですが。
 デルモちゃんの映画デビュー作ですよ? クソみてぇ役だと思うじゃないですか? 「とりあえず美人1人置いとこうかww」程度の目的でキャスティングされたんだろうな、と思ってましたよ。
 ところが。やべぇっす。超重要キャラでやんの。どんくらい重要かと言うと、本編のラストシーンは二階堂ふみですからね。やべーまじやべー。マジで借りてよかったよ。ありがとうございます。あざす。AZS。

 そんな二階堂ふみ。本作は2009年の作品ということで、2年前。「まぁ、2年でしょ同じ同じ」とか思ってた。映画観て驚きました。てか、一瞬「ん? この人誰・・・・??」って感じでした。というのも、幼い!! ガ、ガキンチョじゃん・・・・・・。2年ですよ。たかだか2年。15→17歳の変貌ぶりにただただ驚愕です。
 正直ね、「二階堂ふみかわいいよ二階堂ふみ(ブヒブヒ)」というノリで観始めたもんですから、一瞬ドン引きです。幼すぎて不純な目的で見てた自分が恥ずかしくなります。
 役の設定は語られないんですが、二階堂ふみの年齢を考えると中三ですかね。もしくは高一か。主人公である役所広司の息子のカノジョ役なのだけど、息子は瑛太。ん?・・・・・・・年離れてね? 瑛太の年齢も言及されることはないんだけど、どう見ても年の差がスゴイ。別にいいんですよ、中三と付き合うのが悪いってワケではなくて。ただ、映画の中だったら説明がないと不自然なんじゃないかなぁ。

 そんなとにかく幼い二階堂ふみ。最初はドン引きしたものの、物語が進むにつれ慣れる。ブヒブヒな目的を諦めればフツーにかわいい。2年後の『指輪をはめたい』と重ね合わせると、面影がまったくないワケでもない。特に笑うとそっくりですね。
 役柄としては、毒っ気ゼロの天真爛漫ガール。感情がフィルターなしで外に溢れ出るようなキャラで、箸休め的に挿入されるキャラとしては超魅力的でしたよ。
 本編には電話越しにしか関わりを持たないキャラなんだけど、ラスト、主要キャラと顔を合わせる。主人公は彼女と会うことが息子の死を乗り越えるキッカケになるんだけど。なかなか感動的なシーンでしたね。「やっと会えた!」的な高揚感もありましたよ。なによりもね、このラストシーンで彼女は泣くんですが・・・・・・なにこれ超かわいい!!!

 ・・・・・というワケで二階堂ふみを目当てに観たワタクシとしては目的達成です。二階堂ふみは堪能でいました。その意味では充実した作品でしたよ。
 ただ、本編に関して言うと全然でしたね。まったくハマらなかった。タイプの作品じゃないってのもあるんだけど、話がドコに向かって進んでるのかがさっぱりわからないから前半中盤はとにかく退屈でした。瑛太が死んで、役所広司澤屋敷純一の疑似親子みたいな構図になるまでは、もうなにがなんだか。
 救いとしては、ちょくちょく挟まれる二階堂ふみパートなんですが、これは作品自体の出来とは関係のない興奮ですからね。


 ということで、ダメでした。ピンとこなかった。役所広司が今度映画撮ったとしても観ないと思います。
 ・・・・・が、そこは大した問題ではなくて。二階堂ふみがかわいかった、というのも重要ではない。二階堂ふみを目当てにまったくタイプじゃない映画を観た、ということが大事ですね。そんな不純な目的がなかったら一生観ないと思います。
 こういう事故的な出会いって楽しいですよね。事前知識がほぼゼロという状態で映画を観たのも久しぶりですし。安牌な作品ばかり観ても「はいはい評判通りおもしろいでーす」って確認作業になるだけですからね。こういう映画体験は大事だと思います。すげぇ新鮮で楽しかったです。
 ・・・・まっ、つまんなかったけど。
 30点。