北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

映画『デート&ナイト』の感想

トムクルのよりおもしろかったよー


 去年の年末にレンタルで観ました。
 トム クルーズ主演の映画は『ナイト&デイ』、ピクサーの短編3Dは『デイ&ナイト』。本作は『デート&ナイト』。原題は『DATE NIGHT』なんですが、トムクルの恩恵に預かろうとしたんでしょうね。 く そ く ら え 。
 「デートの夜」であって「デートと夜」ではないですからねー。

 あらすじ
夫婦はデートに行くが、レストランは予約客でいっぱい
店員「トリプルホーン様、トリプルホーン様ぁ〜。いらっしゃらなければ、お次のお客様に・・・・・・」
主人公夫婦「うちです!!(嘘)」
一方、トリプルホーン夫妻をギャングが追っていて、すれ違いスタート

 DVDを借りてから気づいたんだけど、監督がショーン レヴィなのね。『ナイトミュージアム』『リアル スティール』の。今思うと、徹底して家族を描いてるんですね。『ナイトミュージアム』『リアルスティール』では父子だけど、本作では夫婦。

 主演はスティーヴ カレルとティナ フェイ。どちらもコメディーの方。スティーヴ カレルは日本でもそこそこ有名ですね。日本での公開率も高めですし。一方、ティナ フェイは、オバマが選挙してる時、彼女のサラ ペイリンのモノマネ映像が日本のワイドショーとかで取り上げられてたと記憶してます。

 そんな2人の息の合い方がちょっと異常なんですね。2人のやり取りを見てるだけで本当に楽しい。
 特におもしろかったのが、レストランで一方が遠くのカップルを指さし、「What's your story?」って聞くんですよ。すると、もう一方がカップルのプロフィールや馴れ初めを即興で語り出し挙げ句アテレコまでしちゃう。テキトーなことを矢継ぎ早に言っていて笑った。
 一見楽しいこのシーンなんだけど、「2人の仲はいいけど 2人の間に語るべきイベントはない=刺激のない夫婦生活」という本作の土台を象徴するシーンでもあるんですね。これが、実にうまかったと思います。ネガティブな要素の説明なのに笑いが生じてる。
 そして、勘違いから夫婦はギャングに追われる身になる。まぁ、オチを言ってしまえば、最終的にギャングをギャフンと言わせてハッピーエンドなんだけど。この事件収束後、夫婦の活躍に戸惑う警察が夫婦に、「What's your story?」 と夜になにがあったのか聞くんですね。このセリフにはしびれました。言う側から言われる側に変わったんですね。お見事すぎました。このセリフだけで大満足。

 あと、予想とは違った良さとしてはカーチェイスシーン。夫婦は成り行きでカーチェイスを繰り広げることになる。基本的には笑いが起きるシーンなんですが。
 このシーンで、夫婦の乗る車がタクシーと正面衝突し、衝撃で2台が連結してしまい、互いに前の見えない2台の車でギャングと警察に追われる。この2台の連結してのカーチェイスが見事なんですよ。アイディアが素晴らしいですね。見た目はぶっ飛んでますし、なにより最後に2台が連結してるからこそ出来る手段で危機を乗り越えるシーンが秀逸。爆笑しながら膝ポンですよ。
 ただのコメディー映画かと思ったら『ワイルドスピード』シリーズで採用されてもおかしくないアイディアのカーチェイスがあってお得感がやんごとないです。


 てなワケで、オススメですよ。主演の2人が素晴らしいので、全編魅了されました。笑いだけでなく、カーチェイスも素晴らしく、そして最終的には夫婦の愛に泣く、という盤石の布陣。エンタメ作として大満足でしたね。
 75点。