北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

映画『ヒューゴの不思議な発明』の感想


猫背Foooooooo!!!


 随分前になりますが、アカデミー賞で話題になっていた『ヒューゴの不思議な発明』。『アーティスト』との対立構造がとても楽しかったです。

 まぁ、「オスカー最有力!」とか「ジェームズ キャメロンも認めた3D!」とか言われてましたけど、個人的には「出演 クロエ グレース モレッツ」という情報が一番大事でして。飛び出すクロエちゃんを観に劇場に足を運びました。

 本作には古典中の古典と言われる映画が物語上この上なく重要な役割を果たします。映画愛に満ちた作品だと言われてますね。
 えぇーっとですね・・・・・・ワタクシ無知なものでして・・・・・1つも知りませんでした。「ジョルジュ メリエス? えっ 実在の人なの!!」みたいな始末。てなワケで、十二分にこの映画を理解したかと言えば全然です。
 ただ、重要なのは、知らなくても超楽しかったってことですよ。まったく問題ないと思います。本作でおもしろかったところは映画知らなくてもおもしろいし、本作で退屈なところは映画知ってても退屈だと思います。

 あらすじ
父を失ったヒューゴ
形見のからくり人形はハート型の鍵穴があって動かない
ハート型の鍵を持った少女(クロエ)登場!!

 ハート型の鍵穴と鍵。それ、最近ジャンプで読んだことあるやつだっ!!!

ニセコイ 1 (ジャンプコミックス)

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 ということで、超無駄な『ニセコイ』感に度肝抜かれました。別に無理矢理引き合いに出すほど好きな作品ってワケじゃないですが・・・・。

 邦題。方々で言われている「ヒューゴなんにも発明しとらんやんけ!!」問題。これはワタクシも思いました。それに予告がファンタジー映画っぽいのもちょっと問題あると思います。バリバリの現実世界における話ですからね。実在の映画監督を軸に話は進みますからね。現実世界を舞台にした非アクション3Dというのは本作の大きな特徴だと思うので、罪深いのではないでしょうか。
 原題は『HUGO』とシンプル(最初に貼ったポスターはタイトルが固まる前のものかな?)。原作小説は『ユゴーの不思議な発明』で、これは原題の直訳。フランス語だと「ヒューゴ」が「ユゴー」になるだけですね。そして、本作を作る過程でタイトルから「不思議な発明」を取り除いている。理由は当然なにも発明してないからなんですが。
 原作は未読で、某ブログの方で知ったのですが、原作小説も物語は粗方同じで、発明はされないんですが、最後の最後にとある発明に関わる仕掛けがあるようです。映画ではその仕掛けを採用しなかったので「不思議な発明」をタイトルから外した、と。
 邦題ではなんで残したんでしょうね。勝手なイメージですけど、邦題ってゴチャゴチャと情報を詰め込みたがる傾向にあると思います。こないだの『ヤング≒アダルト』だって付いてもいない記号を追加したりしてますし。『人生はビギナーズ』も「人生は」が邦題オリジナルですし。『TIME/タイム』も無駄にローマ字表記を付け足してるし・・・・。
 ・・・『ペントハウス』と『おとなのけんか』はイイ邦題だったけどね。

 3Dについて。素晴らしかったです。オープニングから3D演出のつるべ打ち。煙、雪、光、人混み、と3D効果バリバリの映像に頭がクラクラ。アニメ論で、「絵が気持ちよく動いてくれるだけで満足」って言う人がいますけど、本作の3Dもそれ。適切な3D映像が次々に出てくるだけでもう満足です。奥行きとかしゃらくさい演出じゃなくて、飛び出しまくってるのがイイよね。先程も言いましたが、フィクション世界でなく、アクションでもなく、ホラーでもなく、アニメでもない。結構革新的なことなんじゃないでしょうかね。現在の3D映画業界の異端児と言っても過言ではないと思います。
 また、本作を3Dで描くというのは物語とも密接にリンクしていまして、3D映画にする意味というのをこの上なく感じる作品でした。ぶっちゃけ最近の実写3D映画は「大作はとりあえず3D!」って風潮があると思いますので、現在の3Dに一石を投じるという意味もあるのかもしれません。

 3D映画といえば、邦画が3Dから撤廃の方向に向かっているようですね。3Dにしても全然集客出来ないんだとかなんとか。邦画が3Dを諦めた一方、ハリウッドでは3D映画の新たな可能性を感じさせる作品が登場したワケですね。ハリウッドは3D映画の作り方のコツというのを掴んできたのではないでしょうか。『長ぐつをはいたネコ』と『ヒューゴ』が並立する日本の3月が異常なだけかもしれませんが。
 しかし、ドリームワークスアニメは年に2本最高級の3D作品を放ってくれるし、今年はスパイダーマンという最も3Dに適したアメコミヒーローが登場するので、そこらへんも楽しみですね。

 『アバター』以降「これからの3Dは奥行きだぜ」という風潮が蔓延していたのですが、本作ではバリバリ飛び出します。画面からサシャ バロン コーエンの顔が「ゴゴゴゴゴゴ」と飛び出してくるシーンは3D的感動ともに爆笑してしまいました。
 そんなワケで、奥行き3Dは没入感を促すのですが、飛び出る3DはどうしてもB級感が付きまとってしまう。もちろん、飛び出すサシャ バロン コーエンは超楽しかったのですが、「えっ これオスカー最有力だよね??」とか考えてしまったのも事実です。
 ところが。物語が後半に向かうにつれ、この「B級感」が物語上重要なポイントだったと思い知らされる。過去の古典映画が紹介されるんですが、本作でオマージュが捧げられる作品はどれもハッタリ重視の見せ物映画なんですよ。中でも、移動式遊園地の中で上映された史上最古の映画。これはただ列車が駅に到着する映像なだけなんですが、それを観てる客は動く映像に驚いて画面手前に向かってくる列車を避けてしまう。このように「見せ物イズムこそが映画だ」と本作では語られるんですよね。飛び出す3Dというのもこの列車を避けてしまう当時の客ともリンクしますし。

 正直言って、ゆとり世代のワタクシとしては「あんな映像で体避けちゃうとかウソだろ〜」みたいなヘラヘラした気持ちでいました。映像観ながら体が避けてしまうなんて体験は今までに一度もありませんから・・・・・・・
 ・・・・・・と思ったら、あった。映画じゃないけど、ユニバーサルスタジオジャパンの『アメージング アドベンチャー オブ スパイダーマン ザ ライド』。これは3Dメガネを装着した客が車に乗ってセット内を移動し、所々でスクリーンから3D映像を楽しむというアトラクションなんですが、アトラクション冒頭にスパイダーマンが客の乗った車のボンネットに乗っかります。乗っかる3D映像と同時に車が揺れて、「スパイダーマンがそこにいる」という究極の映像没入体験が出来ます。そして、その時にスパイダーマンが客の方に指を突き立てる。この時、ワタクシ避けちゃいました(笑) あまりに飛び出るんですよ。また、セットや揺れる車の効果で「スパイダーマンがそこにいる」という完全催眠状態でしたから、避けなきゃ指がぶつかってしまうので。
 そんなワケで、見せ物系3D映画を突き詰めると、すべては『アメージング アドベンチャー オブ スパイダーマン ザ ライド』に行き着くというワケですね。まぁ、あれを体験しに行くには大金が必要ですからね、映画料金+3D料金で優れた3D映像体験が出来るならお得極まりないということですね。3D映画の未来は意外と明るいんじゃないでしょうか。


↑コレね

 さて、本題です。クロエちゃんについて。3Dとか映画愛とかオスカーとかどーだっていいんですよワタシャ。クロエちゃんが見たい、それだけ。
 まぁ、本作におけるクロエちゃんのビジュアルに関しては予告等でチェック済みだったのでわかってはいたんですが、かっ かわえぇ・・・・・・・。やっぱりかわいいです。サイコーです。
 本作のクロエちゃんは『キックアス』のヒットガールと違って文系少女&箱入り娘でして、ホームレスな主人公から見るとお嬢様極まりないです。また年齢について言及はされないんでわからないんですが、身長などから主人公よりも年上なんでしょうかね?
 文化系少女&年上、となれば思い出すのは『グレッグのダメ日記』ですね。あのクロエちゃんもかわいかったです。ただ、『グレッグのダメ日記』と違うのは本作の主人公はアクティブなことですね。クロエちゃんの手を引いて「知らない世界へ連れってやるよ」的な展開に繋がります。箱入り娘×ホームレス という設定が活きてきますね。また、この「知らない世界」というのは具体的に言うと映画館でして。クロエちゃんを映画館に連れていってあげるんですね。そこでクロエちゃんは映画を初めて観るワケです。初めての映画鑑賞という物語上も重要なシーンなワケですが、そんなのを置いても初めての映画に驚きまくるクロエちゃんがサイコーです。ヒューゴうらやましいぜコノヤロー!!!


↑ココね

 ただ問題なのは、その後ヒューゴくんは「僕は孤独だ・・・・・」みたいなこと抜かして鬱モード入ったりするんですよ。笑止。クロエちゃんと映画デートしといて贅沢なこと言ってんじゃねぇよバカヤロー!!!!


 そんなワケで、最高級の3D映像にしびれ、「3D映画サイコー!!」「見せ物映画サイコー!!」となれる素晴らしい作品だったと思います。まぁ、最終的には「クロエちゃんサイコー!!!」に落ち着くんですが。
 85点。


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