北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

映画『タイタンの逆襲』の感想


クロノスさん・・・・すごく大きいですね・・・・


 おもしろかったです。今年の暫定ベストが更新されました。今までの暫定ベストは『おとなのけんか』だったんですが、急に品が下がりましたね。ちょうどいいです。

 主演のサム ワーシントンはこの春出演作が軒並み日本公開されてますね。たまたまだと思いますが、春のサム ワーシントン祭り状態。
 そんなサム ワーシントン。前作『タイタンの戦い』の時の自分の演技はダメダメだったと非を認めてるそうですね。「汚名返上のチャンスだから続編はうれしいぜ!」とか言ってるけど、前作が不評なのはサムくんの演技あんま関係ないと思いますよ。

 3D字幕で観ました。3D効果が素晴らしかったので、3Dがオススメです。今年の3D映画的に考えてベストと言っても過言じゃない。『長ぐつをはいたネコ』と肩を張るレベルだと思います。『ヒューゴ』もよかったけど、やっぱアクション映画との相性が抜群だったので個人的には『タイタンの逆襲』のが好き。

 あらすじ
ゼウス「最近お兄ちゃんと仲悪いんだよね・・・・仲を取り持ってよ」
ペルセウス「とっとと帰れよクソオヤジ」
ハデス「ゼウスったら私のことかまってくれないんだから!」
ゼウス「ふえぇぇ・・・・・」

 「字幕しか飛び出さない3D映画」として有名な『タイタンの戦い』の続編。『戦い』はレイ ハリーハウゼンのリメイクだったけど、その続編はハリーハウゼンとあまり関係ないです。
 そんな前作についてですが、3D料金を払って劇場で観た時は「ファック 金返せ!」って印象でした。ただ、本作を観るに当たって前作をうちで観返した時は、「あらっ おもしろいじゃない・・・」って感じでした。クソ3Dって要素がなければ結構好きな作品です。

 前作を観返した時におもしろかったのが、もう一つのエンディング。レンタル版にも入ってたんで確認してみるといいですよ。『タイタンの戦い』はリメイク元の作品ではヒロインだったアンドロメダがサブヒロインという立ち位置なんですね。そして新キャラのイオがメインヒロイン。劇中イオは敵に殺されてしまうんですが、ラストにゼウスが出てきて「仲直りの印に甦らしてやるよ」って復活するんですね。一方アンドロメダ王女は「王様になってください・・・///」って告白するも、「いや・・・兵士でいいよ」ってフラれてしまう。
 とーこーろーがー、もう一つのエンディング。主人公はアンドロメダとキス。ゼウスの元にケンカしに行って、イオ復活はなし。ヒロイン2人どっちでもいいじゃん、っていう作りなんですね。まぁ、作品全体を通じてイオとの恋愛展開が重ねられてるので、アンドロメダと結ばれるのは少し苦しいです。このエンディングの選択は正しかったと思います。

 そして、続編である『タイタンの逆襲』。オープニングで超ビックリ。主人公が息子と漁師やってるんだけど、漁が終わったら墓参り。「イオの墓」・・・・・ってオイ!!! イオ死んだんかい!!!!
 イオって半神半人でほぼ不死身って設定だったと思うんだけど、復活時に凡人になっちゃったのね・・・・。てか、顔出しすらないのね。
 『シャーロック ホームズ2』もそうだけど、続編で前作のヒロインをぞんざいに扱うのは勘弁してもらいたいです・・・。

 まさかの展開でチャンスの順番が回ってきたのが前作で「もう一つの」扱いだったアンドロメダ。前作では王女だったけど、無事女王になりました。
 主人公が再び神にお使いを頼まれたので、その協力を仰ぎにアンドロメダ女王の元へ。主人公がやってきて明らかにそわそわしてたりして、そしたら兵士が「そろそろ女王には結婚してもらわないと困るんですけどねぇ」とか言ってて独身発覚。あれっ、フラれたのにまだ引きずってるの? なにそれかわいい。なぜかバトルヒロイン然とした格好しちゃってるのもかわいい。キャストも変更になってお顔も大変タイプ。なんてこった、まさかのヒロイン交換がツボにハマっちまった。腕と足露出したまま地獄に行くアンドロメダちゃんかわいいです。

 ネタバレ(か?)だけど、ラストのキスシーンもサイコーでしたね。主人公の男友達が背中押してくれる感じもすげぇ好きだし。なによりも、主人公がキスしようと近づいてきたら、テンパったアンドロメダが「えっ えーっと 明日の戦の準備しないと・・・!」とか聞かれてもない1人喋り始める感じとか超萌えた。もう、イオなんていらなかったんや。そもそもあの映画ヒロインの描き方が全然だったし。

 まぁ、なんてヒロインについて書きましたが、そんなもんは本作の要素の中の微々たるものでして。一番大事なのは怪獣アクションですよ。次から次へと化け物が出てきます。
 映画開幕5分(体感)でいきなり第一使徒キメラが登場。火を噴く化け物。前作でいうとスコーピオンくらいの大きさかな。けど、そんなキメラ相手に主人公は単身で勝負するんだよね。身一つで。化け物とのタイマンって前作になかった要素だと思います。そんなワケで、もうこのキメラ戦で前作を超えたんじゃないでしょうかね。3D演出もバンバン決まってたしね。尻尾のヘビが超飛び出るぜええぇぇぇぇ――っ。

 その後も次々と化け物が出てくるんだけど、どれも毛色が違っていたのがよかったです。サイクロプスは3人出てきて各々が微妙に性格違うのがよかったですし。
 化け物ばかりだと飽きるということで、軍神アレスを出したのはうまいですね。人型の神様と戦うのも初めてのことで超アガった。アレスというと、去年の『インモータルズ』でもアクションやってましたね。ゼウスに殺されてましたが。トンカチアクションが超カッコよかったんですが、アレって殺傷能力が全然ないよね。ボコボコやってるとナイフでグサッてやられて負けちゃうとか・・・・軍神のくせに惨めな負け方だな。
 主人公と戦わなかったのが残念だけど、マサイもカッコよかったです。『三國無双』的なアクションだったのは唯一で、魅力的でした。
 そして、最後の最後に登場するのがクロノス御大。ゼウスの父親ということで主人公のおじいちゃん。ゼウスは人型だったのに、クロノスはなぜか山よりデカイ。前作のクラーケンもそうですけど、とりあえず封印されてた化け物がドーンと出てきて大暴れしてくれるだけで血湧き肉踊ります。暴れてると体中からマグマが溢れ出てきて、超迷惑! しかもそれが見事に3Dで飛び出す!!っていうね。大怪獣アクションが3Dで、っていうのは『長ぐつをはいたネコ』でもありましたけど、あんなチキンヤローなんかよりも数倍デカイからね。デカイもん勝ちですよ。

 そんなワケで、敵側はみんな魅力だったんですが・・・・まぁ・・・・ミノタウロスはちょっとしょぼかったですね・・・・。『インモータルズ』でもしょぼかったけど、実写化が難しいキャラなのかしら。

 魅力的なのは敵側だけじゃなくですね。意外だったのがゼウス&ハデス。というかゼウス×ハデス。前作でも兄弟喧嘩してた2人なんだけど、本作ではなぜか違った雰囲気になってました。なんでか知らないけど、ハデスが完全にブラコンこじらせてる。

 ハ「ゼウスったらそんなに無視してると・・・こうしてやるっ」
 ゼ「ふえぇぇ・・・・・」
 ハ「パパに言ってやるもんねー」
 ゼ「なんでこんなことするのよっ」
 ハ「だって・・・だって・・・・」
 ゼ「許してあげるからお兄ちゃんも許して」
 ハ「でも・・・でも・・・・」
 ゼ「もうだめ・・・・・死にそう・・・・・」
 ハ「ごめんごめん! ウソウソ!! 許してあげるっ!!」ニギッ
 ゼ「けど もう年だから1人じゃ戦えないね」
 ハ「一緒に戦おうよっ」
 ゼ&ハ「せぇーっの! どーん!!」

 って感じですからね。勝手に兄弟喧嘩して、勝手に仲直りしてやがる。この間に人類は滅亡の危機に瀕して、ゼウスの息子が尻拭いしてるっていうね。いい迷惑だよバカヤロー! なに神様同士でキャッキャウフフしてんだよ!! た の し そ う じ ゃ ね ぇ か ! !


 というワケで、敵はみんなカッコよくて、ヒロインはかわいくて、神様同士がキャッキャウフフしてて、その間にテンションの高い3Dアクションが詰め込まれてるんですよ。なにこれ超楽しいじゃないですか。サイコーじゃないですか。
 90点。

監督の前作。宇宙人とか神話とかそんなばっかですね。
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