有機と無機
久しぶりに映画の感想です。最近はマジでブログがマンガの感想だらけになってしまってるのですよね。連載を追っかけようとするといろいろと無理が生じるのですね。泣きたい。
短めでもいいから映画の感想を増やしていきたいと思っているのですが、果たしてどうなるでしょうか。がんばります。
そもそも『オブリビオン』の感想を今更上げるというのも大変アレですね‥‥。フツーに公開直後に観たはずなのですがー。
『トロン レガシー』の監督の最新作ですね。ワタクシは『トロン レガシー』が、その中のヒロインであるクオラちゃんが大好きなので『オブリビオン』も期待してました。「クオラちゃん的なヒロイン出てくんじゃね?」って。
結論から言いますと、クオラちゃん的ではないものの、同じ監督が描いたヒロインだということを強く思わせるヒロイン(達)が出てきました。この監督は信頼できるでぇ‥‥(女の好み的な意味で)。
あらすじ
トムクル「地球上に俺と美女が2人だけ‥‥と思ったら何かいろいろいた‥‥」
いきなり別の作品の話になりますが、『トロン レガシー』のクオラちゃんについて。電子世界に存在する不思議生物です。無機的な存在感、主人公を守るなど、いろんな点が『エヴァ』の綾波レイなんかを連想させます。ちなみに、ワタクシは綾波レイには全然ハマらなかったクチですが、クオラちゃんにはドハマリしてしまいまし。
電子世界の住人、というこの上なく無機質な彼女を作品の最後では現実世界に連れてきます。『マトリックス』シリーズのスミスみたいに他人の身体を介して、とかじゃないです。大雑把でサイコーですね。「パソコンの中のカノジョをゲットだぜ!」というのが物語の終着点。
そして、本作。本作の主人公は夢の中で謎の美女と会っているのですよ。その後、その美女が目の前に現れて‥‥という風に話が続く。またしたても非実在美女をゲットする話なワケですね。これは完全に監督の趣味としか思えないです。
ただ、本作が『トロン レガシー』と違うのは、有機と無機の2つがコロコロ変わり続ける点。夢の中という非実在美女(無機)だと思ったヒロインは実は有機的な存在だったのです。その証拠に、その美女が目覚めた時に思いっきりゲロを吐きます。この瞬間から無機質ヒロインから有機質ヒロインに変わるのですよ。その後の食事シーンで、目覚めた方のヒロインは豪快にご飯を食べるけど、元々主人公と暮らしていた方のヒロインは食事を口にするシーンが描かれない。新たな女に対する不信感を示していたのでしょうが、彼女の無機性を示すシーンでもあったと思います。
服装にしても、世俗的な服とSFチックな服という対比もあります。しかも、あのSF服の下は何も来てませんからね。ノーパンやっほー。
また、2人のヒロインには死ぬシーンや死にかけるシーンが用意されています。ここでも無機的ヒロインの死に方は粉々に散って一気に死にますが、有機的ヒロインは血を流してじわじわと弱ります。こういうトコでも有機と無機の対比が利いていましたね。
また、宇宙人に対してもそう。序盤、主人公が敵対していた宇宙人だと思っていた存在は機会生命体のような姿をしていました。とっても無機的。そして、その正体は実は地球人の生き残りだったんですね。無機だと思った存在が有機だったワケで。
一方、主人公に命令を下す上司のことを地球人(有機)だと思っていたら、実は宇宙人だったワケですよ。しかも、その宇宙人ってのが完全にコンピュータちっくな無機的存在なのですね。
極めつけが主人公。主人公は荒廃した地球の中でも野球帽を被ったり、自然の中で俗っぽい生活に憧れる人間臭い存在だったワケです。有機的。
ところが、そこから一転、主人公の存在はクローンだったワケですよ。クローンが無数に並ぶあの姿は無機的極まりなかったです。
主人公の性格もおもしろくて、彼は無機物に対して有機的に接するキャラクターなのですよ。飛行船に設置した首振り人形に話しかけたり、機械であるドローンをまるでペットのように扱ったり。そんな彼が有機と無機が二転三転する物語に巻き込まれる、というのは構図としておもしろかったです。
ラスト、ドローンに対して「ただのマシーンだ」と言ってのけたシーンがとても印象的です。
まぁ、そんな具合で、対立構造が無数に存在するストーリーが大変ツボでしたね。SFに詳しい人にとっては既視感溢れる話だったらしいですが、幸いワタクシはSFに疎いですからね。新鮮に楽しむことが出来ました。
とりあえず、ジョセフ コジンスキーの描くヒロイン像は大好物、という結論が出せたのも重要でした。最高レベルに信頼できる監督ですよ。次回作も楽しみです。
あー、あと、どうでもいいけど、人類が滅亡した理由が地震と津波と放射能ってのにはドキッとしましたね。偶然だとは思いますがー。
90点。
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