北区の帰宅部の意訳

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マンガ『サイコメトラー』(10巻)の感想

サイコメトラー(10) (ヤンマガKCスペシャル)

サイコメトラー(10) (ヤンマガKCスペシャル)

マンガ『サイコメトラー』(9巻)の感想 - 北区の帰宅部

 早いもんで巻数も2桁に突入です。
 ていうか、ブログ書くのがあまりに遅いですね。発売から1週間も遅れてしまった。これもすべては『モンハン4』のせいでして‥‥(ブログ書く度に書いている文章)。

 ということで10巻。10、11巻は2ヶ月連続発売らしいですよ。予想だけど、9巻のケツで始まった事件が10巻の中で終わらないから、という意図があるんじゃないでしょうか。まぁ、その分9と10のスパンが長くなってしまうので意味ないけど。

 10巻の内容は「狼たちの残照」の途中から途中まで。既に犯人がわかった状態で次巻に続く、という構成は『サイコメトラー』ではお馴染みですね。犯人当てがメインじゃない、ということなのかな。まぁ、単行本の収録本数と連載のペースを考えずに描いてる可能性も充分にありますが。さすがに意図的なものなのだと思います。

 本編。
 志摩さんがサイレントボマー情報を警察の会議で話したらバカにされたの巻。まぁ、リーグをかばうトコはちょっと無理がありましたよね。
 そんな志摩さん、相手から情報を引き出すために呼び出しておきながら
だんまり。ドヤ顔プロファイリングのためとはいえ、リアルであんなことされたらムカつきますねw フィクションって素晴らしいです。

 ただのメガネだと思ったら老眼鏡だったの巻。作者的に老眼鏡というネタは以前にもあったんですが、やはりマンガ映えするネタですよね。小説じゃ絶対に使えないネタだと思います。
 しかし、老眼鏡に気づいちゃうエイジの観察力はスゴイですね。やっぱ捜査協力歴が長いとサイコメトリーした映像に関する記憶力、勘の良さはよくなっているのでしょうか。
 んで、この老眼鏡ネタの段階で、犯人グループ東京シティゲリラの1人が発覚。今回の事件はグループによる犯行だからこういう構成なのですね。めずらしくて新鮮です。

 花束をサイコメトリーしたらタカシのオナニーを見てしまったの巻。事件が中盤に入ってからこの手の下ネタがぶっこまれるとは予想してなかったので笑いました。
 んで、そのオカズは明絵。本当に好きだということですね。ただ、個人的な価値観だと好きな人でオナニーする人の気持ちがわかりません。そこは絶対に侵してはいけない聖域でしょうよ。
 本編の順番は違うのですが、ここでタカシの実家をサイコメトリーしたのはあながち事件と無関係ってワケではないんですよね。この先を知った状態で読むと。まぁ、ネタバレしてもかまわないと思うので書きますが、東京シティゲリラの親玉はタカシのジーさんでして、しかもクソ丁寧なことにどちらのサイコメトリーでも草むしりしてる、という作り。ぶっちゃけ、タカシの花束には何の意味もないから物語上重要な描写とはいえないんですが、こういう読み返すと気づく小ネタというのはミステリーモノの魅力の1つなんじゃないでしょうか。結構好きなシーンです。

 んで、東京シティゲリラの全員の顔が一気に明らかになる見開き。冴えないジーさんかと思ったら超マッチョ。ぶっちゃけ「処刑の塔」でも見たサプライズなのですが、個人的には超ツボ。表情もグッと引き締まってるトコとかも大変カッコイイです。「革命戦争のクライマックスだぜ」という決めゼリフ、「クライマックスだぜ」という言葉が微妙にダサイのですが、精神はまだまだ若いジーさんが発してると思うと非常にカッコよく感じてしまうから不思議です。
 そんなジーさんのスーパーたる逸話はT大の主席合格。「テトリスとの挽歌」ではオリンピックメダリスト、「処刑の塔」は世界一というのと比べると少し見劣りする気もしますね。ただ、自分の息子に学歴差別されてる、という描写があったので「実はすげぇんだぜ」感は強いと思います。

 東京シティゲリラの皆さん。ラストの犯行前に思い出話してセンチメンタルな気持ちになってしまってました。それどころか見た目が完全に当時のそれに、というシーンがなかなかグッときましたよ。うーむ、こういうチーム感がイイですねぇ。
 そんなナイスチームな東京シティゲリラなのですが、その中で1人天才性を発揮するのがタカシのジーさんでして。警察無線の頻度、ガソリン混じりの排気ガスの臭い、その直後の肉体労働、と万能っぷりがハンパないです。チーム感も必要だけど、犯人が強敵たるにはこういう「只者じゃない」感が一番重要ですよね。

 10巻は東京シティゲリラがレイプ犯=署長の息子を公開処刑してるところでエンド。フツーならナイフを頬に当てて「言え!」って脅すシーンがメインだと思うんですよ。実際に傷つけるシーンが処刑の山場中の山場になりそうなもんなんですが、ジーさんは頬は当たり前のように切り、直後には淡々と歯をブチ抜いてしまうワケですね。こういうのは見てる側の予想を超えるヤバさが必要だと思うんですが、ワタクシの予想は超えてました。もうちょっと穏やかな拷問だと思ってたよおじいちゃんw

 んで、次巻予告。「サイコメトラー史上、もっとも切ないエンディングがキミを待つ」というキャッチコピーがめちゃくちゃ寒いです。なんだそれw
 ただ、大問題なのはそこではなくて、そこに使われているコマ。「さらば友よ やすらかに瞑れ」と東京シティゲリラの一味で最後の犯行には参加してない建築会社の社長さんが言っているんですが‥‥これ、ジーさん死んでるよね? まぁ、この手の展開で犯人が死ぬというのはありがちだし、予想はしてたんですが、予告の段階でここまで断言されてしまうとなんか次巻の予想とかするのが馬鹿らしくなるというか‥‥。
 まぁ、一応、「さらば友よ」という人物がレイプ犯に仕立てられた例の墓の人のことを指してる可能性もあるっちゃあるんですよね。ただ、だとしても、予告でそのシーンをこういう風に使うのはいくらなんでも恣意的な気がします。ミスリードが強引というか。てか、予告でミスリードとかいらねぇしw


 はい、10巻は以上です。事件が終わってないので、10巻の感想の総括的な話がしづらいんですが、まぁ、よかったんじゃねぇの?(鼻ほじ) 犯人グループが結構好きですよ。ただ、まだ終わってないからこういうことを言うのもねぇ‥‥。
 まぁいいか。来月にすぐ次巻出るワケだし。その時にでもまた。

マンガ『サイコメトラー』(11巻)の感想 - 北区の帰宅部