北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『サイボーグ009完結編』(25話)の感想

『サイボーグ009完結編』(24話)の感想 - 北区の帰宅部

 前回で一段落付いた感じもあるんですが、「もうちょっとだけ続くんじゃ」ということでまだまだ完結編最終章は続きます。最終章の第2章と言ったところでしょうか。こういう言い方をすると「最終章」という言葉の重みがなくなりますが。

 本編。
 あれから半年後。00ナンバーたちの活躍が世間に知られ、ヒーローとして認識されるようになったそうです。作品世界内で「ヒーロー」扱いされるヒーローというのはヒーローモノとしてはよくある話ですよね。ただ、『サイボーグ009』では初めてのことではないかと。本作においてサイボーグというのはヒーロー性ではなく、非人間性という象徴でしたからね。まぁ、番外編的な趣もあり、完結編でもあるので今までやってなかった扱い方をするのは全然アリだと思います。

 んで、今回描かれるのは、神‥‥てか翡巫女との戦いを終えて堕落していく00ナンバーたちの姿。これは「神々との闘い編」にも出てきたシーンですね。コマの進行が逆になるという、超実験的演出でお馴染みの。009と003の子作りセックスでお馴染みの。
 「神だぞ 俺は」と002は言ってますが、思い返してみると002は覚醒した能力に一番ノリノリだったんですよね。今回調子乗るのもわかります。そんな「神だぞ」発言の直後に宙に浮かぶシーンがあるんですが、重力を超越してえ飛行する、というのは非常に神っぽい行動ですよね。
 003は案の定グラサン&手袋。宗教上の理由で肌の露出は極力抑えてます、的な勢い。自殺を真剣に考えてるっぽいです。オラオラと009をセックスに誘ってた「神々との闘い編」との格差が大きすぎますね。
 004はトラックの運転中に後ろから煽ってきた車を撃破。関係ないですが、これは映画『クロニクル』でもまったく同じシーンがありましたね。全能感に溺れた者を表すのに適した描写といううことでしょうか。
 005は猿を引きちぎり、森林を破壊。「神々との闘い編」とほぼ同じですね。ただ、002や004と違い、怒りに身を任せるキッカケというものが描かれてないので、やや唐突にも思えました。まぁ、理由もなく森林を破壊したくなっている、という深刻さを描きたかったのかも知れませんが。
 006。個人的にはこれが一番ツボでした。有名になって飯店が儲かってウハウハ、能力を奇術としてショーにしてる、という心底どうでもいい面を描いておきながらの、放火&金庫破り。金庫破りというのは「神々との闘い編」と完全に一致ですね。ここまで同じことをされると「やっぱり完結編なんだな」という気持ちになります。その他で特徴的なのというと、「自分でも分からない意志が働き」と006が放火&金庫破りの衝動について自覚してる点ですね。他のメンバーは気づいてなさそうな感じだったので、意外でした。
 007。007編の続きが語られてますね。ただ、007自身の堕落としては、他のメンバーよりも全然マシというか、鬱になって酒に溺れてるだけですね。やっぱ本作における007はかなりの癒し系というか、清涼剤ですよ。元々酒に溺れやすいというメンタルの弱さがあるから、精神攻撃を受けても人に迷惑をかける前に自分の中で崩壊してしまう、ということなんですかね。
 008。1人だけ母国でない。まぁ、これは008には正確な母国の設定がないためでしょうか。また、ここでも008編の続きが語られてますね。セシリアちゃんおひさー。んで、008はセシリアちゃんにフラれて傷心中。007よりも平和ですね。まぁ、008も元々メンタルは強くないので‥‥(以下略)。

 んで、ラスト。002が神の神くんと再会したと思ったらポリスマンで弾みで発砲してしまった、でエンド。スーパーガンではなく警官の持ってる銃で、というのが002の堕落っぷりを象徴しているのではないでしょうか。
 あぁ、そーいや、ちょっとメタい部分になりますが、002編というのは本作の中でも石ノ森章太郎の意向をそのまま再現したものになっていると思われますので、そういう意味では002及び神の神は重要キャラという認識が出来ますね。まぁ、あまりそういうことを考えても不毛ですがー。
 というワケで。終わり。次回は11.19だそうです。隔週更新で安定してますね。ありがたいです。

『サイボーグ009完結編』(26話)の感想 - 北区の帰宅部

サイボーグ009完結編 conclusion GOD’S WAR (3) (少年サンデーコミックススペシャル)

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2013/10/18
  • メディア: コミック