北区の帰宅部の意訳

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『サイボーグ009完結編』(26話)の感想

『サイボーグ009完結編』(25話)の感想 - 北区の帰宅部

 コレといった前口上が思いつかないのでいきなり感想いきます。前戯なしです。出会って2行で本題。

 本編の前に直リンでない限りすべての人が目にするであろうサムネイルがひどい、てかスゴイ。血の涙を流した003が銃に突きつけております。前回の内容から「あぁー自殺しちゃったー」ってのがわかりますね。とはいえ、なんでこのコマを選んだし。

 んで、ページを開くとカラー扉絵。赤コスの009の姿なんですが‥‥コレ前にも見たことあるよね? 覚えてない&調べるのがめんどくさいんで、何話の扉絵だったかは定かではないんですが、以前にも使った扉絵の再利用だと思います。その意図は‥‥というのが全然わからなくて困った。そもそも赤コスってのが本編とはミスマッチですし。どういうこっちゃ。

 本編。サムネの通り、おめめをクリクリしてる003の姿。眼球にナイフを突き刺した時のオノマトペが「ガツ」なのが嫌ですねぇ。堅いんだ‥‥人じゃないんだ‥‥、っていう。その後もバチバチと電流走っちゃってますしね。
 単なるショックシーンってだけでは済まない魅力があると思ったのが、右目をくり抜いた直後の003の顔面アップ。「ハアハアハア」と息を荒らげながら左目にナイフを向けるんですが、その瞬間、右目(があったトコ)からは血の涙が、左目からは通常の涙が流れ落ちているんですね。右目の血の涙は当然ですが、左目の涙は痛みと恐怖による涙でしょう。しかし、それでもナイフを突き立ててしまう程の覚悟、ということでしょうか。‥‥まぁ、精神攻撃は云々は置いとくとして。
 んで、例のサムネのコマ。サムネだと気づきにくいんですが、この瞬間の003は笑みを浮かべているんですね。解放される喜びでしょうか。そして、「やっと使うわよ」とギルモア博士への嫌みも忘れません。てか、「今まで使ってなかったんかいw」って気持ちに少しなりました。本編で描かれてないだけで、少しは戦ってたんだと思う余地はあったんじゃないでしょうか。まぁ、実際は使っていなかったワケで。ギルモア博士が銃の手を付けた意味は1ミリも存在しなかった‥‥というオチ。ドンマイw

 そんな003が自身のこめかみに右手の銃口を向けた次のページ、次のコマでは、004が両手から銃をブッ放していました。こ、これは意地の悪い構成ですねぇ‥‥。読者の意識としては当然その銃は003の右手のそれだと一瞬勘違いするような作りになってるんですよ。004のものだと気づいても、「コレと同じものが003のこめかみに‥‥」と想像するように誘導しています。これは本当に見事ですね。このシーンが見れただけで今回は大満足と言えそうです。
 そして、洞窟を探すも見つからない004はイライラして目に入る生き物に対して次々と銃、ミサイルをブッ話し続ける。空を飛ぶ鳥にミサイルを当てた直後に「ウオオオオオオーッ!!」と叫んでいますが、これは004編のラストのシャウトと呼応しているんでしょうね。あの時は行き場のない怒り、そして決意の現れでしたが、今回は怒りを目に入るすべての生き物にぶつけてしまっている、という対比。

 005はページ数も短く内容も特にないです。残念。

 006。黒豚に乗ってチベットへと逃亡。そして、首吊り自殺を決意。これはすべての始まりである、張々湖がブラックゴーストに拉致られる時の再現ですね。サイボーグになっていろいろなドラマがあったけど、結局運命は変えられなかった、というのが悲しいですね。

 007はシンプル。焼身自殺です。家にオイルをまいてマッチで着火です。セリフもなく淡泊なのですが、そのセリフのなさが007の孤独さを表現しているんでしょうね。

 008はグランドキャニオンで投身自殺。母国で死ねないなんてかわいそう‥‥って思いますが、008の母国がハッキリしてないのは大人の事情ですのでやむなし。

 んで、009。いつぞやと同じく崖から投身自殺。‥‥てか、002が描かれてないですね。前話のラストがそれ、ってことなのはわかるんですが、1人だけ隔離されてる印象を受けました、少し。各話のラストに次話への引き、強烈なフックを用意したいのはわかるけど、そのせいで各話単独のバランスがちょっと歪になってしまったかな、と。

 そして、各00ナンバーが最後の一線を越えてしまったその瞬間、001が精神世界へナビゲート。全員宙に浮く001のことを見ているのに、003ただ1人だけが目を瞑りそっぽ向いている、というのが印象的です。無関心ということでしょうか。もちろん、目を開けられない、というのが前提ですが。
 ほいで、円陣。おおっ、これは「神々との闘い編」における覚醒シーンですね。既に覚醒は1回やってるんですが、ここに来てもっかい「神々の闘い編」の再現ですよ。同じ構図というのはファンとしてグッときますね。

 再びの覚醒。ここで最初に描かれるのは002ではなく003。やっぱ本話の冒頭にあわせたのでしょうね。目を開けなくて思い浮かべるだけで見えるようになりました。そして、最初に(試しに)思い浮かべるのが日本、というのがイイですね。そして、009のシーンへとシフト。
 003は009のことを見つめ、009はギルモアの元へ加速、002は008の元へ、とバラバラだった00ナンバーたちが再び繋がりあっていく、という描写なのでしょう。んで、007は街中の人に憑依。見た目が『マトリックス リローデッド』のエージェント スミスですね。部屋に1人だった007が街中に、という対比なのだとは思いますが。
 残りをまとめると、006はイエティと対話、004は村の人たちと対話、005は精霊たちとの対話、って感じですね。皆それぞれ孤独から脱し、誰かとコミュニケーションを取っている、というのが共通していると思います。

 んで、005が精霊から「ミッキーから伝言」と聞かされたトコでエンド。各編における人ならざる者が最終章にも出てくるようになってきましたが、今度は005編のそれ、ってことですね。007編と008編を除けばこれで全部が出てきたことになると思います。
 まぁ、そんなこんなで楽しみですねー、ということで。次回は12.3だそうです。ワンツースリーですね(だから何だ)。

『サイボーグ009完結編』(27話)の感想 - 北区の帰宅部

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