北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『トゥモローランド』の感想


幼女に萌えるオッサンに燃える

 ウォルト ディズニーとか、ディズニーランドとか、『ダヴィンチコード』っぽい感じの予告にはあまり興味を引かれなかったんですけど、実際に観てみたら全然違うじゃないですか。ウォルト ディズニーなんて一切出てきませんし。やっぱ本編以外の映像を使う予告はあまり好きじゃないかな‥‥。

  • あらすじ
    • 幼女「人間が泣く理由がわかった 俺には泣くことはできないが」

 トータルでは大好きな映画なんですが、難点がなかったワケではないです。そっちから先に話します。
 一番ショックだったのはトゥモローランドの多幸感溢れるワクワクSF感が偽物な点ですかね。もちろん「あれがプロモーションかよカッケー!!」ってワクワクはあるんですけど、実際のトゥモローランドがいまいちワクワクしなかったですね‥‥暗いw
 それと「ディストピアのことディスってんの?」という点。これは悪役のセリフだから作品のテーマは違うかもしれないんですが、結構テーマに肉薄してる気がしました。「絶望をエンタメにすんな!」って話はわからないでもないんですが、序盤に有名ディストピア作品の具体的な名前が出てきたじゃないですか。名指しだとちょっとトゲがあるかなぁ‥‥。「ディスニーだけ観てろ!!」みたいな嫌味があるというか、説教臭いというか。
 本作で一番主人公っぽい女の子いるじゃないですか。彼女なら絶望をはねのけられる、みたいな運命の子っぽいこと言われてましたけど、具体的にどんなスーパーガールなのかがわかりにくかったですね。極端な話「近くの機械にノイズが生じる」体質でもよかった気がするw
 これは個人的な好みも関わるんですけど、序盤から中盤にいた追っ手が好きなんですよ。あの一目で「お前ロボットじゃん!!」ってわかるようなルックスしてる捜査官が好きなんですよ。だからあの人たちが終盤になると一気にフェードアウトしてたのが悲しかったっす。もっと見たかったぜ‥‥。

 他はサイコーです。もうホント楽しい。大好きです。
 予想してたけど期待以上だったのはSFガジェットのワクワクっぷりですね。超おもしろアイテムが次々に出てきて「その手があったか!!」という使い方が連発する。
 ブラッド バード監督でいうと『ミッションインポッシブル ゴーストプロトコル』で「だるまさんがころんだ」するシーンあるじゃないですか。あのメカ大好きなんですよ。ピチョンって水音立てる小さい憎いヤツも好きですし。そんなのが『トゥモローランド』では数え切れないほど出てくるのでサイコーです。
 かつての発明少年だったジョージ クルーニーの家とか超楽しいじゃないですか。「もうここがトゥモローランドでいいよ」って言いたくなるレベル。家の様々なアイテムを駆使して追っ手を殺しまくるシーンはマコーレー カルキンが裸足で逃げ出すレベル。

 予想してなかったのにハマったのは何といってもアテナちゃんの魅力でしょう。幼女! ロボ! 強い! 殺す!! ‥‥あっはい、大好物です。
 なんですが、個人的な琴線に触れたのはアテナちゃん自身よりもむしろジョージ クルーニーの方でして。基本的にこの手のロボとの恋愛モノって弱いんですよ。一緒に年を取れないのか‥‥って泣けてくるじゃないですか。ただ、それを涙の押し売りのように見せない本作はナイスバランス。まずアテナちゃんとの恋を思わせるような少年時代を見せて、次にそいつが出てくるとジョージ クルーニーになってるんですよ。オッサン、しかも偏屈。それもジョージ クルーニーが初登場したシーンではアテナちゃんはいないので気づきにくいんですが、アテナちゃんと再会したら、「コイツ‥‥まだアテナちゃんにホレてやがる!!」ってハッとするんですね。もうこの時点で親指がおっ立ちました。「かわいい見た目してるけどとんでもないヤツだぞ!」とか言ってるジョージ クルーニーを見ながらニヤニヤしてました。
 そして、ラスト。2人のロマンスに決着がつくんですが、そこで出てくるのが出会いのジェットパック‥‥。もうずるいっすわ。あんなん泣くしかねぇ。ジョージ クルーニーがアテナちゃんのことをスーパーマンだっこしたシーンで気づいたら泣いてましたわ。もうホント、この手のには弱いんすよ‥‥。


 ということで、終わり。整った作品ではなかったのかもしれませんが、何度でも観たくなるような魅力と、何度も思い出したくなるような名物キャラ、そのキャラとのロマンスがあるステキな映画でした。まぁ、アテナちゃんとのロマンスが終盤重要視されたせいで肝心の運命の子っぽい方が置き去りになった感はありますけどね。まぁ、そんな粗も含め、涙でスクリーンが見えない。
 90点。

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 劇中に出てきたオールドフューチャーの店、超楽しかったですね。アイアンジャイアントおったし。監督はマジで愛してるんですね。

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 『トゥモローランド』ではロボがロボにパイルダーオンしてましたけど、監督の過去作ではネズミが人間にパイルダーオンしてるんですよね。頭部に乗っかれば大体動かせる。

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 夢の別世界、そこで生まれた人外ガール萌え、という意味では結構共通点の多い映画なのかもしれませんね。アテナちゃんは大好きですが、圧倒的にクオラちゃん派。

 車で移動中のロボとの会話に自爆の伏線がある、という映画。『トゥモローランド』観ながら「T3っぽい‥‥自爆すんのかな?」と思ってたらホントに自爆しました。けど泣いたぜ‥‥。
 「タイタニック号が氷山にぶつかったのはぶつかりたかったからだ」みたいなセリフがありましたけど、『ターミネーター3』のジョン コナーは少し絶望願望あるかもしれないですね。「核戦争があったら俺英雄だったんだぜ‥‥」って飲んだくれてましたし。
 ちなみに、ワタクシ『ターミネーター』シリーズは映画全作肯定派です。ベストは『2』ですけどね。

コンピューターシティ

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 映画を観た後、iPodからふいに“コンピューターシティ”が流れてきて「これは‥‥アテナちゃんのことか!!」と錯乱しました。