北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

失楽天 2018年11月号の感想

 講談社の漫画雑誌がサブスクリプションサービスを始めるようなんですが、初月無料で月額約1,000円らしいです。「Komifloでやったやつだ!!」と進研ゼミ感覚でした。

 ということで、Komiflo版の感想です。Komiflo2ヶ月目。失楽天感想は2回目です。
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失楽天 2018年 11月号

失楽天 2018年 11月号

「表紙」Sian

 表紙と連動した作品ががっつり1本あるんですが、巻頭カラーではない。
 そんな作品、続き物なんですが、前回の時も表紙だったんですよね。つまり、この女の子、表紙2回目。すごい。売れっ子だ。
 本編読むと分かるんだけど、ハメ撮りの話なので、アオリ? セリフ?がそれっぽい内容になってますね。カメラに向かって語りかけるような部分がポイントでしょう。
 あと、手に持った下着の膨らみを横から見せることで「でかい……」と感じさせてるのが面白いです。おっぱいの実物も見れるんですけど、別の角度から見るとより立体的に浮かび上がってくるようでエロい。

『インラン生徒会長のヒミツ』ふりすく

 巻頭カラー。フルカラー。短編ですね。
 生徒会長がエロくてチンコ狩りしてる。チンコのパラメータをノートに記録してて、そのパラメータがそのまま物語(展開)として生かされてるのが面白いですね。全4ページなのでキレイに起承転結。大きさ、カタさ、大きさの評価を上書きして、オチ。めちゃくちゃ優秀なチンコだけど、一番大事な部分が残念やないかーい、というオチですね。短いだけに「チンコの評価」というテーマが完全に一貫してるので良い。マイナスポイントはあったけど、それには成長の見込みもあるので……と次回への期待をさせる終わり方も好きです。

『撮影って気持ち良い』Sian

 表紙の子の作品。タイトルに繋がりがないんだけど、続き物。前作では露出狂の男が襲ったのが実はさらなる露出狂で……という話。そのまま仲良くなって露出の話になるのかと思ったら、ハメ撮り。それもインタビューパートとかあるのでそれなりに作品性も考えてるやつ。道端での露出と決定的に違うのは、記録に残る点ですよね。これが「見られる」の感覚を強固にするのでしょう。レベルアップ感がある気がする。
 カメラに乳首押し当てる場面はやはり1つのハイライトでしょう。よく考えるとスマホのインカメラだからああはならないと思うんですが、ロマンあるので別にいいです。あそこでガチカメラ持ち出してきたら引いちゃうし……この子は引かないかもw
 とにかく、そんな乳首押し当てのくだり。それ以前にも授乳手コキとか、おっぱい揉む場面はあるんですが、絶妙に乳首は隠れてるんですよ。見切れる程度にしか乳首は映らない。そんな乳首の全体が初めて描かれるのがこのカメラに押し当てるコマなんですよね。単に変わったことしてるから印象に残るってのもあるんですが、そのためのフリも丁寧に用意されてる。押し当てたあとに、乳首いじりが始まって再び乳首を丁寧に描く流れもとても良いです。
 前作との大きな違いとしては、彼氏主導。これは同じ露出狂同士「こういうの好きでしょ?」が分かるからこそ最高のプレイが出来る、という話ですよね。そういう意味で理想のカップルだと思います。ただ、エロに対する関心、好奇心は彼女の方が強いので「だったら……」と彼氏のアイディアをレベルアップさせてくる、というのでエンド。2人が完全に上下関係になってなくて素晴らしいんじゃないでしょうか。互いに換えのきかない存在なのが伝わってきてとても良いです。

『進学塾のまんてんティーチャー』空巣

 満点を取ると担当の先生を24時間好きに出来る塾の話。24時間って長すぎだろ……と思ったらちゃんと本編では24時間フル活用してるので驚きましたw
 ご褒美でエロいことしてもらうってのは割とよくある、というか1つのジャンルだと思うんですが、本作の特徴としては塾全体の制度になってるので妙にシステマチックに進む点。家庭教師と個人的に取り付けた約束とはかなり味わいが違いますよね。そして、事前に「要望」を提出する。この要望がかなり細かく指定できるらしく、ほとんどイメクラ。事前にプランを綿密に立てるあたりは塾っぽいというか、本能が暴走する感じではないですよね。目標と計画の設定。童貞が理想の筆下ろしを妄想して実行するわけですから、これは熱いw
 本作の転換点としては、おそらく先生が「要望」から外れる瞬間。チンコがあまりに良かったらしいです。当然この仕事してるから百戦錬磨なわけで、それだからこそチンコの逸材ぶりに感動してしまった、ということでしょうね。ここからマジメに、ストイックに自分の理想のセックスを追求する2人のぶつかり合い、みたいな別の要素が生まれてくるので面白いです。そうこうしてると場所を塾からラブホに移して……というのが良いですよね。本来の考えから別のものになっているのを場所の移動に象徴させてる。
 とにかく先生がエロくて、理想のチンコを見つけて暴走してるのかと思ったら、実は生徒が慢心しないように次の目標を立てさせていた、というオチがすごいw めちゃくちゃプロじゃん。もちろん彼女の私欲も多分に混ざってはいるんだろうけど、塾講師としての本分、体裁も守れてる。怪物かよw

『まえガリっ!』太平さんせっと

 先生のご褒美またきたーw この意図的な掲載位置ホント楽しいです。
 さっきの話と重なるけど、あっちはシステマチックであり、塾の制度。こっちは家庭教師で、それもちゃんとした契約ではなく従姉に個人的に頼んだだけ。個人間、私人感の関係性というのが本作では強調されてますね。なので当然前から好きだった、という恋愛感情も大きなテーマになってくる。……その恋愛感情は主人公(男)だけの話かと思ったら、というオチが見事だったと思います。『進学塾のまんてんティーチャー』のオチとも通じるんですが、エロいことに没頭してると思われた女性が実は理性的に動いていた、と分かるオチ。本作ではさらにタイトルの「前借り」というネタまで拾ってくるので超うまい。思わず「やられたー!!」と叫びそうになりました。遊園地デートの相手は予想できたんですが、それだけじゃなかった。くそぅ……負けたぜ……(戦ってない)
  “お姉ちゃんのおま○こじゃご褒美にならない?” が本作の、彼女の思惑における最も重要な部分だと思います。よく読むと分かりますけど、最初から彼を誘うような言動を繰り返してるんですよね。カマをかけるというか、ハッパをかけるというか。このセリフも「好き」を間接的に言わせようとしてるに等しいと思います。語尾が伸びててほんわかとした本能型の人間に見えるけど、意外と計画的ですね。てか、頭いいのは最初から説明されてたか。納得。

『貴方の奥まで即日配達』南乃さざん

 奥様が配達員にエロいことされる作品かと思ったら全然違った。配達員が女性。相手も配達員。
 本作もご褒美モノの一種になるんじゃないですかね。失敗した時の慰めだからご褒美とは逆だけど。ただ、本作は「お姉ちゃん」ではなく「姐さん」。良いなぁ、みんなコントラストがあって。
 主に胸で攻められて一発。そっから挿入になるんですが、その間に姐さんが本音を漏らすんですよね。そこでドラマ的な感情が高まって、一気に挿入。この物語の高まり、感情の高まりがプレイの盛り上がりと一致してるのはエロ漫画として正攻法ですけど、これがしっかり決まってるだけでもう満足、とかそういう破壊力あると思います。そっから配達員としての成長を感じさせるプレイ内容になるくだりも面白かったですね。こういうのってダジャレ的な味わいにもなりかねないんだけど、本作は感動的ですらあったと思います。
 あと、個人的に好きなのは、場所。トラックの中でやるんですよね。一応カーセックスにはなるんだけど、スペース的にめっちゃ余裕あるのが面白かったですw ちゃんと仕事終わりってことが事前に説明されてるからトラックの中が空っぽなのも納得ですし。

『シテイ関係』ゆにおし

 女教師だー。似た題材が多いですねぇ。似てるんだけど、内容は全然違うから面白いです。本作は分かりやすく真逆のアプローチで、生徒の方からガンガン攻める流れ。割とレイプに近いんだけど、先生は先生で以前から性欲があり余って困ってて……というのが加わってくるから面白い。理性で歯止めをかけてただけで、彼女の方も望んでた、という感じですね。それを彼が決壊させてしまった。
 本作で良かったのは、男主導で、なかばレイプ的ではあるんだけど、たまに彼がただの恋する童貞に見える瞬間が差し込まれる点。先生の方も然りで、受けのようだけど実は悶々と性欲を溜め込んでるのは彼女の方、というバランスになってますよね。SMにも近い構図に思えるんだけど、微妙に違う。特に彼の方かな。

『セイシュン!コミュニケイション』軽部ぐり

 幼馴染の2人が互いに好きな人に告白しようと思ったら、その好きな人同士がアレで、その雰囲気に当てられて幼馴染の2人がアレ。友達がふとしたキッカケで一線を越える話、大好きです。
 やはりこの導入が面白いですよね。互いが好きな2人が同じところにいるので同時に告白するのに好都合、と思ったらその2人が……っていう。幼馴染と同日に告白するつもりが、同日どころか同時に失恋しちゃったわけでw
 特に冒頭かな、幼馴染2人の息ピッタリな感じが素晴らしいんですよね。「お前ら仲良いなぁ!!」という感じがすごい。短い間に2人の仲の良さを描ききれるのは作家のうまさであり、エロマンガとしては最大級の武器だと思います。あれがあるとないとじゃその後のエロパートの感動が段違いですよね。
 この2人の対等感、フェアさが良い。どっちかが明確に優位に立つようなことはない。最初に失恋したことを慰めるのは彼だし、互いの好きな人のセックスを目撃して目を皿にして凝視するほどエロに関心が高いのは彼の方なんだけど、エロい雰囲気にあてられて先に限界を迎えるのは彼女の方。ただ、限界を迎えた彼女を見て彼の方もいてもたってもいられずに、とキスするんですが、互いに同等な感じが最高ですね。大好き。
 あと、最高だったのは彼がクンニしてるだけで出しちゃったとこ。かーわーいーいー。跳び箱の向こうではやり慣れてるカップルがやってる最中なのもあり、彼のふがいなさが際立ちますね。それだけ可愛いんですが。必死なのは良いですよ。つまりは混じりっ気のない素直な気持ちの表れってことですし。
 最後にまた面白いのが、互いに好きだった先輩カップルが主人公カップルの存在に気づく。それどころか、好きだったことにも気づいてる始末。深淵を覗くとき深淵もまた……展開ですねw 「自分のこと好きだと思ってたけど彼氏(彼女)いるじゃーん」と気づいた時の先輩カップル2人のリアクションが対照的でまた楽しいですね。ワクワクニヤニヤなのと、ちょっと残念がってる風。
 んで、一気にギャグっぽい締めが入って終わり。まぁ、あそこまで盛り上がったら互いに黙って帰るわけにもいかないわな。どうせバレるしw それだったら爽やかに挨拶かまして気持ちよく退散、というのも合理的かもしれない。ここで男同士がノリノリな感じが面白いですね。煩悩が強いのは両カップルとも男の方っぽいので、この挨拶もちょっと納得できるというか。先輩彼女の方は余裕があるからそれにあわせることも出来るけど……というラストですね。切り替え早すぎて混乱するわなw

『ハエトリソウ』回転筆

 また先生きたぞー!! 驚くほどに先生ネタ多いけど、内容がまったく被らないのでスゴイです。
 先生のことをお母さんって呼んでしまいがち、という小学生あるあるから始まるんですが(小学生の話ではないけど)、それが作品全体のテーマでもあるんですよね。先生と母親の混同。導入もそうだし、回想形式で2人のなれそめを作品の真ん中で見せる構成も面白かったです。
 要するにショタモノですので、攻めるのは先生オンリー。父子家庭で育ったため母性に餓えてるショタに母性をそそぎ込むんだけど、彼女は彼女でショタに対して煩悩抱きまくり。頭も良さそうで、洞察力、計算も出来るっぽいので彼女が本気を出したら母親に餓えてるショタを落とすのくらいイージー、という話ですね。カウンセリングじゃないけど、父子家庭で育ったショタの心理的な障壁を即座に見抜いて、効率的にクリアしていく様とかなかなか痛快です。おねショタやりたい欲望にまみれた人だけど、先生としてはかなり有能なのではないか……みたいな説得力というか恐ろしさを感じますw
 ショタ描写で好きなのは、挿入の際に穴を間違えるというベタをやるんですが、先生a.k.a.お母さんに指導された時の返事が「はい」から「うん」に変わるところ。可愛すぎやろ……
 あと、腰を振るのはヘタだけど、おっぱい吸うのは一流というのも良かった。母性に餓えてるショタだからですよね。おっぱいという母性の象徴という意味において非情に納得できる展開というか。

『おちんちんレンタル~十文字母娘~』堀博昭

 続き物。3話目だと思います。要するに女性向けの派遣風俗。1、2話目は直結する話なんだけど、今回は登場人物を総入れ替えして「おちんちんレンタル」という設定だけ共有する感じですね。
 2話目で女性2人が同時に、という話になったけど、それは今回も出てくる。前回は姉妹で、今回は母子。ここらはへんもシリーズ感あって良いですね。まぁ、作家性の可能性もありますが。
 1話目は割と一般的な女性が風俗にハマリ堕落していく感じあったんですが、今回は名家の奥様であり、剣道道場の4代目。母親が先にハマり、感化された娘も落ちてゆく。2話目の姉妹と似た構図ではあるんですが、名家としての地位を継承していかなければならない、という使命がドラマを盛り上げますね。そのプレッシャーや苦労から母親がまず落ちて、娘はエロの方を継承してしまう。
 正直「おちんちんレンタル」というオモシロ職業モノとしては前話までのが濃いと思います。ただ、何でも出来るようなフォーマットであるのも事実なので、全然アリですね。おかげで堕落の物語としての魅力は間違いなく上がってますし。堕落のキッカケ、一押しとして「おちんちんレンタル」が出てくる。てか、語感が最高すぎよ、この言葉w
 オモシロ職業よりもエロ配信の要素の方が印象強いのも同じことだと思います。堕落の物語として配信は「見せしめ」みたいなニュアンスが生まれて非常にハマってます。配信らしく定点カメラで2ページ単調な構図が続く場面とか面白かったですね。かなり勇気のいる演出なのではないか。効果的だったと思います。

『即パコ彼女紹介女』皐月芋網

 すごいタイトルだ……。と思ってたら内容もぶっ飛んでたでござる。女のポン引きみたいな話だと思ったら全然違った。ちょっと『おちんちんレンタル』も連想してしまうというか、複数の女性が芋づる式に落ちていくような話ですね。まぁ、本作は女性がむしろ落とす側だと思うのでそこは少し違いますが。
 深夜のコンビニで女の子に1晩泊めてと誘われて、というのはよくあるジャンルなんですが、その子と1回やってからおかしな世界に突入する。女の子の仲間内の中で好みそうな男性を見つけたら紹介するルールなんですね。男からしたら女性が次々に派遣されてくるのでそこらへんも『おちんちんレンタル』感ある。そんな変わったルールの中女の子が次から次へとやってきて最終的には3人と同時に。エロ的にも盛り上がるし、争奪戦なので物語的にも面白くなりますね。
 ただ、最初の、最初の子との行きずり関係みたいなパートがとても丁寧で良いんですよ。サバサバして自力でエロを回避できそうなたくましさもありながら、男の優しさに逐一気づいてあげる視野の広さも持ち合わせていて……とても好きですこのパート。そこがしっかり魅力的になってるだけに「なんか全然違う話に鳴ったんですけど!?」という驚きが生じてマジ楽しいです。

『これがホントのお姉さん!?』室永叉焼

 昔から憧れてた友人の姉に食われる話。ひょんなことから彼女の部屋に単身入ることになるんですが、見つかる。ここらへんモンスター感あってとても良いです。モンスターが住むあの洞窟には秘密の財宝が隠されてるからモンスターが出払ってる隙に潜り込んだら見つかって……と同じ話ですよねw まぁ、彼女はエロ的な意味でモンスターなので効果的だと思います。泥酔状態で帰ってくるのはギャップとしても楽しいし、部屋を離れてた理由でもあるけど、化物感あったとても良いです。話の通じなさそうな感じですねw
 あとは一方的に食い尽くされるんですが、終盤に1ヶ所だけナレーション(モノローグ)、語りが入れ替わる瞬間があって、そこが最高に面白い。本作は常に食われる男側の視点であり語りで進行してたんですが、お姉さんが「やってしまった……」みたいな後悔を語る場面が1つだけあるんですよね。少し酔いが覚めたということかw
 そんな冷静になる場面がある意味。あれがあることで、それ以降のお姉さんの言動に多少は理性が介在してることになるんですよ。それまでは酩酊してまともな思考をしてないんですが、以降は頭も働いてる。それでもエロいことは続けるし、何ならすべてが終わった後にも……という。お姉さんの語りがたった1回はいるだけで最後の印象が深いものになったと思います。

『連れ子狼』B-銀河

 母、姉、妹……今度は娘。コンプリートしたと言えるのではないかw
 女子高生好きの主人公の結婚相手には女子高生の娘がいて、デリヘルで遭遇。本作のテーマは「演技」だと思います。良き父親を演じることに疲れた男と、良き娘を演じるのに疲れた女がデリヘルで出会う。似た物同士で合わせ鏡みたいな構造ですね。そんな2人が親子という一線を越える際に用いるのが「演技」。あくまでデリヘルの嬢と客だから、という言い訳にすがって落ちてゆく。演技が嫌でエロに逃避してたはずなのに結局演技に戻ってきてしまうのが皮肉というか因果というか。
 それまでは本音を隠すための演技だったんですが、それ以降は本音を語るための演技にシフトする。「好きな人が出来た……って友達が言ってたんだけど」みたいな論法ですね。両人ともその演技が欺瞞であることは分かってて、分かった上で演技を続ける。演技に頼らないと本音を語れないから。そんな演技を通じて本音を交わしていく部分が言葉遊びみたいな楽しさあります。嘘だけど本当っていう入れ子
 そんな演技が次第にリアルとの境がなくなっていって……というクライマックスが最高。まさかの自宅に呼び出す。いよいよ感ありますね。コンドームのくだりとか理屈こねてて面白かったですよ。ああいうの好きですw

『やらせて一発』旅烏

 柔道とおっぱい。柔道って寝技だし、技をかける体勢が男女だったらエロいよな……と誰もが一度は思ったことがあるのではないでしょうか。それを徹底したような作品でした。やっぱエロいよねw
 そんな柔道になぞらえてエロいことしてくる序盤のパートが本当に楽しいです。どう見ても不自然なので彼女が意図的に誘ってるのが分かるんですが、奇しくもこれも演技ですね。本音を語るための演技。まぁ、本作の演技は一方通行なので味わいが違うし、なんなら笑えます。
 チャラついた格好してけしからん、からの「やっぱ柔道着は良い……」となる冒頭の場面がもうすべてですよね。彼女はそういう人物でそういう行動に出るのが本作。なので最後に道場を継ぐものとしてふさわしいように改造していく、となるオチもしっくりきます。最初から彼女の狙いというか、願望はそれだったわけですね。好き好きアピールが溢れてるけど、それと同時に「私が好きなのはもっとこう……」という理想の姿も胸に抱いてる。ただ、本音ダダ漏れにしか見えなかった彼女の意外な一面が明らかになる、という意味であのオチかなり好きです。

『上書きして保存』宮本りず

 次の恋愛に移る際、男は別名保存、女は上書き保存、とよく言いますね。本作がそれを踏まえてるのは疑いようがないんですが、面白いのは女が男に対して「私で上書きしてやる」と迫る点。別名保存させないんですねw 既存の言い回しのアレンジとしても面白いし、それがしっかり恋する女性の心理としてハマってるのですげぇ良かったです。
 女性に対して前の彼女の話、前の彼女と比較するような話するのって基本的には厳禁じゃないですか。まず間違いなく嫌われるんですが、本作は特例で、女性の方が「なら私は……」とテンション上げてくる。具体的にはおっぱい触るところなんですが、ここが最も彼女が露骨に『上書きして保存』を実行してますよね。ここはマジで名場面でしたね。それに、序盤、2人の物語が始まるきっかけになるのも彼女のおっぱいだったんですよ。慰める行為の象徴であり、おっぱいに埋もれた勢いで別れた理由を知ることになる。おっぱいが物語的なキーになってるからスゴイですね。エロいだけじゃなかったw
 本作に限った話じゃないんですが、最後にタイトルが出てくるじゃないですか。そこで「そういう意味だったのかー!」とかなる作品も多いんですが、本作も似たタイプ。意外な意味ではないんですが、本編の最後の1コマが「上書き保存完了!」って雄弁に叫んでるようなんですよね。読者の勝手な楽しみ方かもしれないんですが、かなり好きです。読切作品だとどうしてもそういうのは出てきちゃいますよね。偶然だとしても。

『トロイリズム』Hirno

 3話目です。#3。
 タイトルはトリオのイズムのことで、要するに3P好きとか、寝取り好き、寝取られ好きみたいな三者関係に興奮する性癖。どの意味だろう……と思ってたら、どれでもあったw
 姉の彼氏を寝取る妹。#1では小悪魔な感じだったのが、#2で悪魔として成長してて男主人公の悲劇(と言えるほど立派ではないが)みたいな側面が強かったんですが、#3にして驚愕の展開。 姉にまさかの寝取られ趣味が発覚。姉は以前より浮気されてることを把握しており、その様子を伺っては興奮してた。そして、妹はそんな姉のことを知っていて……とやたらややこしい。簡単に言うと、彼だけが無知。関係の中心が彼なのは間違いないけど、ちょっと蚊帳の外感もありますねw
 妹の寝取り趣味は割と分かりやすいんですが、姉の寝取られ趣味は少し複雑。寝取られという言葉に当てはまるのか少し怪しい。反省してるのにすぐ誘惑に屈する彼の姿が可愛い、なんですよ、姉曰く。寝取られにしては明るい印象ありますね。彼の可愛い姿を愛でる、という部分だけ切り取ったら極々普通の愛情ですし。ただ、彼の最も可愛い姿は困った姿、という一点において寝取りの妹と意見が完全に一致。真逆なんだけど、似たもの姉妹で、寝取られなんだけどそれだけじゃなくて……みたいな複雑でややこしい、少しめんどくさいくらい入り組んだ感情を持った2人、というのが最高に楽しいです。過去の2話が壮大な前フリだったのも最高ですね。ついに姉が参戦するのもちょっとしたアベンジャーズ感でアガりました。
 そんな前2話、完全に前フリだったんですが、前フリにしては単独の寝取りモノてして完成度めちゃくちゃ高いですよね。ぶっちゃけ#1だけで完結してても何の違和感もないというか(#2はちょっと違和感が残るようになってる)。いや短期連載としてすごいことやってのけたと思います。#1#2が起承で、#3が一気に転結って感じですかね。よく今までの2話我慢しましたね。あまりに作品の毛色が違いすぎるのでホントすごいw

「読者ページ」

 失楽天で面白いのは前号の失楽天におけるベストカットが選出されてる点。まぁ、人気投票ではなく、担当の独断なんですが。堕とされる人妻が優勝。エロマンガは個人の好みがモロに現れるというか、それぞれ評価するポイント、刺さるポイントが変わってくるから面白いんだと思います。こういう企画は好きです。
 作家の修羅場飯を紹介するコーナー。新人だってのにウナギって贅沢だな!!とか思いながら写真を見たら「すき家」の3文字が見えました。まぁ、漫画家にとっては安さよりも安定して簡単に食えることの方が大事なのかもしれませんが。栄養ドリンクの代わりにウナギってのは思いつきそうで考えたこともないアイディアだったので面白かったです。

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 アンケート。読んだら送ろう……ていうかアンケート考えながら振り返るのが楽しいです。
 良かった作品3つ。『連れ子狼』『上書きして保存』『トロイリズム』ですかね。ちょっと後ろの方に集中しすぎてるので読んでる時の体調やテンションに影響受けすぎな気もしますがw
 聞かれてないけど、エロかった作品。これは『ハエトリソウ』かな。

 ということで終わり。なんですが、コミフロ的にはもう次の配信が……

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