北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

快楽天 2018年12月号の感想

 快楽天感想も3つ目なんですが、隔月で登場する作家も多そうなので「この雑誌はこの人」みたいな感覚が掴めてきて面白いです。

 Komiflo派です。本記事からKomifloのリンク貼ろうかな、と今思いつきました。
komiflo.com

gohomeclub.hatenablog.com

「表紙」なぱた

 マイクロビキニ、つまり水着なので非常に健全……とは思えないからエロって面白いですね。シャツの下にマイクロビキニがエロいのか、アオリに誘導されてるのか。まぁ、体勢のやってる感か。水着が見えてるからやってないんだけど。グラビアアイドルのDVDの欺瞞感みたいな良さがありますね。
 そんな完成版を見た後だと、表紙のメイキングがめちゃくちゃ面白い。まず3案あって、そこから1つに絞り、ブラッシュアップしていく。ボツになったC案、めちゃくちゃ可愛いですよね。最高やんけ、とか思うんですが、まぁエロさでいうと劣るのか。いやしかし、C、好きだなぁ。良いもん見たわ。

『メガモリ』mogg

 やったー、メガネだー。メガネ好きなんですよ。メガネそのものも好きだけど、マンガのメガネ演出が大好物です。本作は単純に「メガネっ子かわいいよね!」でもあり、メガネのオンオフによってドラマを作り出しているので最高です。
 メガネを外すと思いっきりエロくなれる彼女。どの程度の視力かは知りませんが、要するにこれは行為の時に部屋の明かりを消す、に等しいと思います。よく見えないから大胆になれる。そんなエロモードの彼女のことも大好きだけど、当然いつもの姿も大好き、とメガネをかけさせる彼がまた素晴らしいです。古来より「あの子がメガネを外すと美人」というテンプレが存在するんですが、今時あまり通用しませんよね。本作はそれの真逆を行く。メガネ姿が可愛い、という単純な話としてもそうなんですが、やはり本当の彼女はメガネのありなしどっちなのか、という話ですよね。当然メガネあり、なわけで。メガネありが本当の姿で、より魅力的な姿、としたのが本作の強み。最高です。

『優惑』きい

 うおおおっ、メガネ2連発だー!!!(メガネっ娘へのこだわりはないです)
 いや、マジでメガネ使い最高でしょ。天才ですわ。終盤の初挿入のくだり、メガネを交えたあれこれが充実しすぎててヤバイ。単純な話として、あの場面におけるメガネはおじさんの理性の象徴ですよね。娘の友達に手を出していいわけがない、 “こんなおじさんが初めての相手なんて駄目だよ” という理性。そんなメガネを優ちゃんが外すわけですね。外すだけでなく、ネクタイで目隠しをする。自分のネクタイを外すことで脱衣にもなって、それでいて、目隠しすることが “それに私…初めてじゃないですよ” というセリフにも絡んでくる。修正があるので破瓜があったのか分からないけど、要するにこのセリフがウソってことだよね。それを見せないためのネクタイ目隠しでもある。メガネを交えた演出でこんだけ気の利いたことが連続するとは思いませんでした。ちょっとすごすぎて脳がパンクしそうな勢い。
 しかもさ、ラストショットがまた良くて。これまたメガネなんですよ。メガネと彼女の下着が重なってる。メガネと同じで、下着も彼女の理性のメタファーだと思います。理性や建前の。それらをかなぐり捨てて2人は交流することが出来た、一歩踏み出すことが出来た、というのを実感させるラストですね。最高……
 あと、細かい部分でいうと、序盤の誘惑パート。結局、未遂で終わるんですけど、あそこでの誘惑は「見る」エロさだったんですよね。視覚としてのエロで誘惑してた。そこでもメガネが絡んでくるんですよ。メガネ越しに彼女のことを見てたわけで。エロい気持ちにはなるが、まだ理性は働く。
 その未遂の場面、キスの寸前で中止となるんですが、キスですよね。本作はキスも非常に重要なファクターになっていて。本作において、おじさんは常に受け身。自分から動きません。まぁ、それが理性でありメガネなんですが。そんなおじさんが本作の中で唯一、自分から、能動的に彼女に迫ったのが最後のキスなんですよ。序盤に未遂だったキスを最後にはおじさんの方から完結させる、というドラマですね。はぁぁ、最高……

エチュード』Hamao

 初めては迎えたけど、2度目がなかなかないカップルの話。初めてもドラマチックだけど、完全に恋人となり求め合う関係になってからの初めて、つまり2度目もめちゃくちゃドラマチックですね。初めては勢いとかがあるけど、2度目は理性的に、計画的に行うエロさがあるし、ドラマがある。この着眼点が見事でしたね。
 どうでもいいけど、2度目のチャーンス!とドキドキする場面で、心拍が描かれたシャツ着てるので笑った。
 焦らして、焦らして、ついにスタート!!というエロさが良いですね。わざわざお見送りするくだり良いですね。一刻も早く2人きりになる確証が欲しい、鍵を閉めるという合図が欲しい。そこで時計がアップになるコマが入るのもとても印象的です。「18時04分ついに2人きりになりました」みたいな歴史の1ページ感もそうだし、残り時間とかも意識させる。
 初めてではないけど、まだ不慣れで、みたいな部分も可愛らしいです。フェラで一発目出した時の射精の勢いが強すぎて手に負えない感じは良かった。若いなぁw 若いのもそうだし、彼女が、いや2人がまだエロをコントロールしきれてない表現としてめちゃくちゃ的確ですよね。

『坊ちゃん争奪戦』石川シスケ

 坊ちゃんとメイド。タイトルのまんまですな。おかっぱ頭の坊ちゃんが可愛いので最高です。痴女メイドに捕まってるのかと思ったら、元々坊ちゃんがエロかった、というギャップも良い。まぁ、可愛いメイドに囲まれてたら悶々とするわなw
 痴女メイドから坊ちゃんを取り戻せ、的な話になるんですが、本作が特徴的なのは取り戻そうとする主人公のメイド……の横にいる2人のメイド。表情が崩れることなくエロに積極的で主人公をエロに導いていく役割があるんですが、この2人のグイグイっぷりが楽しいです。冒頭の痴女っぽいメイドもそうだけど、この2人も相当なもんである。この屋敷、まとなメイドがいないなw
 坊ちゃんのここが可愛いポイント。好きな人としかしたくない。一途で可愛い。てか、だとすると、坊ちゃんの好きな人は冒頭の痴女っぽい人になるのか。マジか。これは意外。まぁ、坊ちゃんが一方的に攻められてる、と決めつけたのは主人公ですので、視点に偏りがあるのも確かですよね。マジか。いや、だとしたら、あの痴女っぽいメイドがカラッとしてるのが坊ちゃんとしては悲劇なのではないか。もっと恋人として振る舞って欲しいわけでしょ。なんか深い。

『媚酒』ハードボイルドよし子

 新刊発売記念だそうです。
 媚薬のビだからビザケかと思ったんですが、「コビザケ」。なるほど、これは良い。タイトルにオモシロって大事ですよね。
 1日の楽しみである飲み屋。泣き上戸の客に捕まってしまい……。めんどくさい人でも可愛かったら全然いいじゃん、とか思いますが、「死にたくない」の連呼はイヤだw
 本作の魅力は何といっても彼女のだらしなさでしょう。失礼な言い方だけど。髪もボサボサ気味で目が隠れちゃうくらい、ってのが良い。社会人生活にすっかり自信をなくしてる彼女の心情を表してますよね。その他にも、お肉多め、乳首は陥没、ブラも油断してる。コンセプトアートのような存在ですね。そっから別の意味でだらしないという意味のエロ自撮りという趣味が明らかになるのも良い。
 エロ自撮り。自信がないのに自撮りって変って思うかもしれませんが、案外そうでもないと思います。彼女の生活の中に他人がいないことの現れですよね。それでいて、カメラを向けることで、自分は撮影するに値する人間なんだって暗示がかかる効果もあると思うので彼女がハマるのも納得できます。公表するわけでもないけど、承認欲求が少し満たされるんですよね。まぁ、アクセスなんて全然ないのに必死にブログ書いてるのと大差ないと思います……泣けてきた。(ちなみに快楽天は多い方です)
 自撮りするほどエロエロだからすっかり経験豊富かと思ったら……のオチが良い! これは笑ったし、やられた。ラストショット、おっぱいが見えない角度になると途端にエロさよりもだらしなさが目立つってのも面白いですね。だらしなさもそうだけど、このショットはちょっとロリ感もあるというか。

『試遊タイケン』ひげなむち

 ただの援交かと思ったらオッサンが用意周到でビビる……という導入が良い。左ページ始まりのマンガはこれがあるからたまりませんね。
 んで、SMのお試し。実際には援交と言っていいのかも怪しいですね。初めてのSMじゃなくて、「試し」というのが大事で、彼女のSMへの関心度の高さが窺えると思います。
 中出しを機にお試しという緩い雰囲気が一転。ヤバイ、けどSMの深みにハマっていく。実際は、オッサンも一応対策も用意してて安心……と思ったらさらに先の一手もあって……とオッサンの手の上で転がされてる感がすごい。ラストページだけで2回くらいツイストがかかるのが見事ですね。読者への驚きもそうなんだけど、その感覚が彼女が得る支配される感覚とシンクロする。そもそもフィクションってあり得ないことの疑似体験ってのが醍醐味でもありますので、本作を読むことそれ自体がSMのお試しだったのかもしれないですね。もちろん、本作を読んでオッサン目線で楽しむのもアリですけど、基本的には振り回される彼女目線の方になると思います。

『えっち団結!』雲呑めお

 ダジャレタイトルも好きです。絵柄の可愛さとの相性もあって良い味わいになってると思います。
 モブ生徒による「応援団の子可愛いよな……」で始まったと思ったら、そいつがその子と付き合ってて……という導入。なるほど。これはうまい。みんなが憧れてるあの子がエロいことになって、というのは当たり前の話ですけど、その説明と同時にちょっとしたサプライズも仕掛ける。
 モブじゃないんだけど、モブと思われた生徒たちによる「可愛いよな」という会話を事前に見せることで、ただでさえ可愛い応援団の衣装をより明確に意識させる効果もありますよね。さらしはエロいよね。今回はいつも以上にエロいらしい……という本編では描かれない部分についての補足もさりげなく入るのもうまい。
 さらしがエロい、衣装がエロいって話がフリとしてあったから当然なんですけど、それを脱がすアクションを丁寧に見せてくれるのも嬉しい。別に彼としては特別ではないかもしれませんが、読んだ印象としては「ついに……!」ってなりますよね。
 応援団は衣装だけじゃなくて、応援団の精神性も最後に見せてくれるのが良い。可愛い印象がとにかく強かったですが、応援団としてそれなりに経験を積んでますので、硬派だし、男らしいんですよね。最後の最後にそのギャップを見せてくれたのが非常に良かったです。応援団というテーマに対していろんな角度から魅力を引き出してくれたと思います。

『たぎれ!青春ボクシング』外山じごく

 これまた2ページ目、めくりのマジックですね。そこでちょっとしたツイストであり、驚きがある。そして、竿役が登場するんですが、彼がまた出るマンガ間違えてるだろって絵柄なので楽しいです。どこの熱血マンガの住人だよw 名前も急にふざけてて最高です。
 んで、完璧超人と思われた生徒会長が実は筋肉フェチで、ボクシング部(正確には同好会)の彼に下心で近づいてた、と明らかになって話は本題へ。せっかく作品にエロスイッチが入ったと思ったら『あしたのジョー』パロディーぶっ込んでくるので楽しいです。まぁ、ネタとしてはベタだけどさぁ、せっかくエロくなってきたのにw
 本作で圧巻だったのは挿入する直前の場面、彼女の中のカメラが彼の顔を映すショットでしょう。これはすごい。エロマンガならではのウルトラCですね。実写化不可能w オモシロ表現としてもそうなんだけど、このエロ関係において、主体的なのは彼女であると強調してる意味でも大事だと思います。彼女は挿入される身ではあるけど、挿入させてるのであって、彼女が喰ってる。主語は間違いなく彼女ですね。

『シルエット』えーすけ

 家出少女、万引き少女を拾う話なんだけど、その拾う動機が、片想いしてた人と似てたから、というのが良い。万引きに家出、そんな女子高生を下心を持って拾うなんていかがわしさしかないんだけど、そこにかつての純愛が絡んでくる。このギャップですよね。それがタイトルにも絡んでくるわけで、こいつぁ見事ですわ。
 本作の特徴、良さとしては、セリフの少なさにあると思います。主人公はそこそこ喋るけど、それが本音では決してない。本音は「片想いしてたあの子に似てる」だから、とてもじゃないけど言えない。彼は本音を語らないけどモノローグは多め。そんな彼が秘めたる本音を漏らすまでのドラマ、が物語の大枠でしょう。言葉に出す出さないのギャップで彼の心情を立体的に描いてるんですが、問題は彼女。彼女の方はモノローグ一切なし。ゼロ。口数も多くはないので、ミステリアスなんですよね。平たく言うと、何考えてるか分からない。不気味とさえ言えるんですが、その奥行き先の見えない感じがエロいんですよ。こういう事態にも慣れてるっぽく、常に冷静だった彼女が気持ちよくなった時だけ、明らかに本音にしか思えないリアクションを取る、ってのが最高にエロいです。ここだけは彼女の本音なのではないか、という一瞬の輝きであり、だからこそ主人公はイッてしまうw
 からの延長戦も最高で。「いくらなんでも慣れすぎじゃない?」という行為を彼女が取るんですよね。勝手にゲーム。突然の日常感がすごい。彼女はフラットだけど、彼の方はまだエロい気持ち引きずってて……という定点カメラによる4コマが見事ですね。日常から非日常へのシフトが起承転結をもって描かれる。4コマ漫画としての強度がすごいw
 そのまま延長戦突入なんですが、開始と同時に印象的にアップになるのが、空き缶。時間の経過も表現してますが、缶が倒れることで理性の崩壊をものすごく分かりやすく描いてますよね。重ねられた空き缶のようにギリギリ保たれていた理性が崩壊する。ここで彼女の方にも酒が入ってる……(とは明言はされてないがw)、というのがこれまたエロい。多重に、多方面からエロが積み重なってる。いや、すごい作品でした。

『ものぐさおねえさん』もず

 タイトルが既にものぐさ感ありますね。さっき書いた話とも通じますが、だらしなさとエロさは紙一重ですね。
 本作に限らないけど、コンドーム好きなんですよ。エロマンガでもAVでも。ある方がエロいと思うんですが、ナマの方が上、みたいな価値観が蔓延ってて不思議です。まぁ、フィクションの中なら雑にナマやってもいいんですよ。ただ、ナマやるにしても一旦ゴムが出てきて付ける付けないのやり取りを挟んだ方がエロくなると思うんですよ。他にも回数の表現とかにもなるし、コンドームが好きです。
 そんな本作のコンドーム。これが良かったですね。ショタを預かることを自ら提案する時点で怪しかったんですが、彼女の下心が決定的になるのがコンドーム。彼女から襲ったりは決してしないんだけど、受け入れる準備は万全、という心情がコンドームに集約されてる。やはりコンドームは良い。
 ショタ。といっても高校生くらいにはなってますけど。彼は前から好きだったり、彼女のことを慕っていたりするのが伝わってきて良いですよね。ことが始まってからも初めてで興奮はしてるけど、相手への誠意が伝わってくる感じが可愛いし、エロいです。自分本位な感じは全然しませんよね。最初のおっぱいに手を出すくだりだけ。彼女に受け入れられてからは、好きな気持ちを全身で伝えようとしてて非常に良いです。

『青春リビドー山』位置原光Z

 「そうろうテスト」。エロ漫才的なやり取りが楽しいんですけど、気になるのは、冒頭ですぐいなくなった宮原ですよね。聞き分けが良すぎるというか、妙に冷静な彼女がおかしい。先生が大ボケなのは間違いないけど、宮原の存在が非常に強い。
 エロ漫才かと思ったら実際にエロいことが始まるので驚いたんですが、むしろ始まってからの方が会話のオモシロは加速してましたね。 “残像見える様な” とか、 “腹話術か何か!?” とかマジ最高でした。ちょっとエロマンガあるあるみたいなメタっぽい味わいもあるのが良い。

『Super English Teacher X』ぼっしぃ

 フルカラー4ページ。英語教師にご褒美をもらう話。カラーなのでね、メアリー先生の金髪碧眼がキレイに見えるのが強いと思います。カラーだからこの設定にしたのかもしれない、と思えてくるレベル。
 2、3ページ目の見開きが圧巻で、複数の絵が連続するんですが、ちゃんと見開きありきの構成ですよね。これスマホで1ページ表示すると悲惨になるやつや。やはりマンガは2ページ表示に限る(保守的です)。

『せんぱい、おねがい』なぱた

 表紙の子ですね。
 見た目も清楚っぽく見えるし、可愛いんだけど、発想、発言がやたらビッチ的なのが面白いですねえ。可愛い仕草しながら “私のカレシいない歴が始まっちゃうじゃないですか” と言ってのけるアンバランスさ。そのアンバランスさが彼女の魅力ですね。本作で明言はされないけど、カレシに振られた件はウソなんじゃないか、みたいな気もしてくる。真偽はさておき、そういう余地を感じるのが良いですよね。作品の奥行き。よく見ると、冒頭の誘う場面、一部言葉が詰まってたりするので、非常に怪しい。
 冒頭の誘うパートが終わったらあとはずっとやりっぱなし。シチュエーションを変えたりはするものの、その前後はまったく描かずに終始やってる。やってるだけなんだけど、心理描写とかがうまいからドラマも感じるし、エロに説得力というか真に迫るものありますよね。
 本当にわずかながら本作の物語を、主人公の心理を描く上で重要なファクターが、読書。独りで読書するのが好きだから絡んでくる彼女が嫌いだったはずなのに……という変遷。最初に誘ったのは彼女の方だけど、いつの間にか、というか相当早い段階から彼の方がすっかり溺れてますよねw それを読書というアクションを通じて描いてるのが見事だと思います。最小限のエロ以外の描写で本作を支えてる。
 そして、最後の最後に、またエロ以外。彼が彼女に対してエロ以外のアクションを起こすことで完結する。彼女側に立つと「大勝利」みたいな印象あって良いです。最初は彼女に振り回される話だと思ってたけど、最終的には彼を振り向かせる話の達成感で終わる。

『マコちゃんはみかけによらない』Noise

 黒ギャルでこのタイトルが付くの、良いですね。どういう意外性が飛び出るのかワクワクしてしまう。
 このタイトルなんで主人公は黒ギャルに対して悪いイメージを持ってると思ったんですが、実際は違う。全然アリ。この時点でちょっと新鮮でした。黒ギャルモノの流行によって当たり前が書き換えられつつある感。
 んで、黒の原因は水泳部。これはやられたw たしかに「みかけによらない」。黒くなって、せっかくだから金髪にしようか、みたいなノリなのかな。この意外性だけで充分楽しいんですが、水泳での日焼けなので脱いだらすごい、という次の展開に繋がっていくのもうまいです。各要素の切り張りになってない。連結してる。
 それと、本作は最低限しか脱がないので、白い肌が露出するのはおっぱいだけ、というのも特徴的ですよね。日焼け跡を武器にするなら安易に全身見せちゃいがちだと思うんですが、このおっぱいだけ白い、というコントラスト、とても良かったです。最後の最後に、事後として全身が見えるのもエンドロール後のオマケみたいな嬉しさありました(映画で例えんな)。
  “もしかして初めて…” のくだり、ここも「みかけによらない」なんですが、この後 “強がって… かわいい” と続くんですよね。ここらへんから主人公が彼女の意外性に振り回されるだけではなく、そのギャップを楽しむようになってきてる。当たり前ですが、意外性を楽しむというのは読者のスタンスと一致しますよね。本作の魅力に主人公が徐々にハマっていくような展開になってて面白いです。

ボレロさくま司

 LINEの画面一発で別れた日、別れたのに図々しく誘ってくる現在の日を見せてるショットで感動しました。LINEってマンガ的にめちゃくちゃ便利……
 痴漢から主人公を救い出す場面。スマートなウソをついてカッコイイんだけど、あの場でオッサンを捕まえるほど強くはない、という匙加減が良いですね。彼が善人だというのはもちろんですが、控えめな感じも伝わってくる。人物紹介表現としてめちゃくちゃうまい。
 2人が急接近するキッカケとなる映画。映画という1つのアイディアだけで、複数の段階に分けて接近するからスゴイ。新作を一緒に行こう、で1つ。前作のDVD持ってるからウチ来ない? で2つ。そして、その前作に痴漢シーンがあってヤバイ……で3つ。この痴漢シーンのくだりがまた最高でさ。彼にとってはイヤなことを思い出させる最悪な行為と認識してるんだけど、実際はそこまで気を使える彼の優しさが目立ちますよね。彼女の方は、イヤな思い出よりもそんなポジティブな面の方に感動したので一線を越える。もちろんイヤな思い出ではあるけど、彼との出会いでもあるし、あの時と同じ優しさを持ってたのが再確認できるので気持ちが盛り上がってしまう彼女のこともよく分かります。本作で感情移入するのは、むしろ彼女w

妄想少女あずきちゃんうしまぬ

 ドエロのストーカーに捕まる話。フツーに可愛いので「可愛くてエロいとか最高じゃんw」とか最初は思わんでもないんですが、しっかり「あっこれは怖い……」と1回ドン引きさせてくれるので良いです。ここ、めっちゃ大事だと思います。エロのくだりも学校であれだけ堂々とされると恐怖とか迷惑の印象が強くなりますよね。エロ本買った件もバラされてるわけですしw
 んで、化けの皮が剥がれて “あれあれあれ可愛いぞ小豆!?” となってからが本題。このキッカケの場面、後に明らかになる彼女がストーカーになった理由(好きになった理由)とリンクしてるんですよね。 “私の事… からかわないしなんだかんだで最後まで話聞いてくれるじゃない?” が理由。要するに、即座に拒絶せずに最後まで受けきったからこそ彼女の可愛い一面を見ることが出来たわけですよね。家に合い鍵で入ってくる段階で拒絶してもいいんですが(犯罪ですw)、そこでちゃんと話を聞いてあげたのが彼の勝因。
 んで、始まってしまえば可愛いしエロいんだから最高じゃん……と思ったけど、所々に彼女のストーカー気質が見え隠れするから面白いですね。ちゃんと本作の個性は残ってるというか。セックスしながらの喜び方が過剰というかw 本作のオチでも言及されてましたが、たまに独りよがりというか視野が狭くなる感じもストーカー気質(=彼女らしさ)で面白かったです。話の内容が「自分」と「彼のチンコ」だけになってるとことか少しヤバイw 始まってしまえばキャラクターの個性が消えてしまう作品とか案外ありがちだと思うんですが、本作はそこ丁寧でしたね。良かったです。

『東京の片隅で』ももこ

 飲み屋で隣の美女に自分の焼き鳥を取られて。出会いパートが丁寧な作品は良いですね。飲み屋に行ったら何か起こるかもしれない……という期待を感じてしまうw まったくの他人というゼロからのスタートであることが感じられてその後のとんとん拍子がグッとくるんですよね。説得力は増すけど、都合の良さは感じない。正直この出会いから家にあげて、いよいよ……というパートの方がエロいんじゃないか??みたいな錯覚すら覚えるというか。
 まぁ、もちろん本題に入ってからもエロいんですよ。彼女のスイッチが入るじゃないですけど、急にエロいことを求め出すのが最高なんですよね。彼女の中には当然気持ちのグラデーションがあるんでしょうけど、外から見ると急に感じるというか。「えっ今エロいことなかったのになんで急に!?」みたいなね。まぁ、行くあても確保して、デザートも食べて小腹も満たして安心や余裕が生じたので、さてやるべか、みたいな感じになったのかな。酔い醒ましも兼ねて水が欲しい……で水を発見、ですよね。やっぱここがエロいですね。事が始まる寸前が一番エロい説あるわw
 キスしたんでレッツおっぱい!!と男が色気を出したら “ちょっと待って 服伸びる” と突然冷静な対応してくるのとか本当に最高ですね。か、勝てないw なんだけど、そこから事が始まるとようやく彼の方も主導権を握れるようになってきて……という攻守交代のドラマもとても良いです。なんだエロいことになったら勝てんじゃん、と思ったら “おかわり” で終わるのも良いですね。読めねぇなぁw
 エピローグ。一夜限りで終わってしまうのか……と思ったら少し次に繋がる、と明確ではないけど、もうちょっとだけこの関係は続く、と明らかになって終わるのも良いです。恋愛関係に限らないですけど、私、楽しい飲み会の後の別れ際には「次どうする??」とめっちゃ気にしてしまうタイプなので、この「まだ終わらない」という感じ大好物です。

『宵の肌燗』翁賀馬乃助

 まさかの酒スタート再び。まぁ、主要キャラが学生でないなら酒は便利ですよね。非日常への入り口になりやすいってのも分かりますし。
 酒屋のお姉さん。配達待ちの客が出るのも納得で、格好がエッロい。そして、彼女に対してナチュラルに煽る板前が出てきて物語が始まる。きょとん顔で失礼なこと言うのおかしかったですね。言い分は正しいとは思うけど……みたいな。
 とにかく空気の読めない板前、というイレギュラーが絡むことで物語が始まる。さっきの作品の感想と重なりますけど、出会いパートが丁寧だとホント良いですねぇ。運命の出会いと言うほどドラマチックではないかもしれないけど、異性が同じ家にあがって酒を酌み交わしてる、いつの間にか……と納得できちゃうのが良いです。いつの間にかエロい状況になってる。超良いですよね。
 口移し展開が丸かぶりなので笑った。水と酒とか、男が女がとか細かい違いはありますけどね。これは狙っただろw ぶつけんなよw 『東京の片隅で』は冷静になった状態であえて攻めに行くエロさがあるけど(水)、本作はこのまま行ったれ!!という景気付けの意味合いが強いですよね(酒)。地味にうまいポイントとしては、事前に高い酒だという情報を提示してるので「こぼすわけにはいかない」という心理が働きやすい下地がありますね。周到だなチクショウw てか、この “…ぬるいよ…バカ……” の場面がまさに本作のタイトルを意味してますね。
 あんだけ盛り上がっといてコンドーム買いに行こうとするくだりは笑った。本人が良いこと言ってる風の顔してるのがむかつくw ここらへん空気読めないキャラが一貫してて見事ですね。先行けよ。お前から誘ったんじゃねぇか、っていうw
 最後のプロポーズも飛躍しすぎなんだけど本人はその自覚ゼロだし、ラストの発言も最高でしたね。ロマンチックなことになったと思うけど、こいつの空気の読めなさすごいわw ただ、「バカ犬」という言葉で、彼女としてはそれ込みで愛おしくなってるのも分かるのが素晴らしいですね。

『ログインボーナス』こめざわ

 半不登校(保健室だけ行く)男子生徒と保健室の先生。教室には行かないけど、ソシャゲのログインボーナスはマメに取得していて……ということから始まる。なるほど、タイトルはそういうことか。家庭教師モノとかだとよくご褒美と称してエロいことする展開ありますけど、それの亜種とも言えそうですね。本作はすげぇ設定が特殊なので、その特殊さ自体が魅力になっちゃってるんですが。
 子供扱いしちゃったかと不安になる先生をよそにログインボーナスに全力で食いつく生徒。まぁ、教室には行けないけど、保健室には行けるんだから先生のこと大好きなのは明白ですよね。そんで、ログインボーナスだから連続で豪華になっていくので……という変遷のワクワクが良い。おっぱい触っていいけど、動かしちゃダメ、とか良かったなぁ。あんな状況になることまずないけど、めちゃくちゃエロい。
 先生としては、エロいことになると失職の危機があるのでヤバイ、とひたすらに連呼。そりゃそうですよねw 不登校の生徒が相手とかどうやっても良くは解釈されないですし。挿入するまではとにかく理性が抵抗してたんだけど、最後の一線を越えたら、ちょっと踏ん切りがついたというか、諦めがついたみたいに盛り上がっていくのが良かったです。ちょっとあの心理状態わかりますね。「ここまで来ちゃったらもうどうせアウトだわ」みたいな達観というか。

『夢の終わり』「タカシ」

 鍵括弧込みでペンネーム。前回もそうだったけど、どう表記していいか悩む。
 タイトルどういう意味かと思ったら、まさかのSF設定であった。昔付き合ってた彼女ともっとヤッてればよかったなー、と思ってたら、なぜか付き合ってた当時(別れるきっかけになった日)に戻ってる。ここまで幽霊とかはあるけど、こういう角度の超常的な話は珍しいですね。やられた。悔いの残る学生時代の恋を大人になってから……というのは『シルエット』とも似た味わいありますね。もちろん全然違う物語なんだけど。
 どうせ夢だろ、と達観してる彼の物語かと思ってら、挿入のくだりから突然語り手が変わる。まさか彼女も同じ夢を見てる、過去に戻ってる? マジか、めっちゃエロいのに物語が面白すぎるw
 んで、ラスト、タイトルの通り『夢の終わり』を迎えてエンド。いやー、良いなぁ。ちょっとしたSF設定がエロにこんだけハマるとは。「あの日に戻れたら」という物語はよくあるけど、そこにエロを盛り込んで、さらにもうひと捻り加えてきたのが最高ですね。いや、マジで良かった。こういうタイプのオモシロに出会うとは思ってなかった。まったくの予想外w

『無表情レゾナンス』スミヤ

 レゾナンスとは共鳴とかの意味。調べてしまったw
 無表情カップルが誕生し、デートを重ねるも友人たちがモヤモヤする、という4、5ページ目が圧巻。見開きで見た際の全体のデザインが見事すぎる。ものすごーく画一的。大きく上下の分かれてるんだけど、その上下のコマ割が完全に一致。面白いことしやがる。パッと見の絵面の不気味さ……とは違うけど「なんだこれ!?」という驚きがスゴイ。もちろん、意味なく変わったことをしてるのではなく、無表情カップルの淡泊すぎる日常に対して「なんでそんななんだよ!」とモヤモヤする友人たちの驚きを表現してるんでしょうね。読者がこのページを見た時の感情がその友人たちと限りなく一致するw
 そんな友人たちが「なんでだよ!」となってるのを知ってようやく異様さに自覚したカップルがついに非日常の世界に足を踏み入れる、というドラマが最高ですね。突然の雨という外的なイレギュラーも加わって、一定のリズムから外れることのなかった2人の関係が徐々に変わっていく。エロいぞ。
 無表情な彼女に変化が生じてる……と観察してる彼の視点で物語は進むので、より大きな変化が生じてるのは彼の方。エロいことに対してどんどん前のめりになっていくのは彼の方……なんだけど、当然ながら彼女も彼のことを観察していて、となるのが良いですね。 “俺もエロい顔になってる?” のくだり。こんな時でも似たもの同士なのは揺るがなかったわけですね。ナイスカップルじゃないか……
 いや、この彼女のことを見てる彼が実は見られてた、というくだりがマジで見事で。当たり前ですけど、男性向けのエロマンガなんだからセックスが始まったら女性キャラの描写が多くなるわけですよ。その特性を逆手に取った物語ですよね。女性の顔を見るコマが多くなるんだけど、それを見てる顔を彼女は見てたぞ……というラスト。エロマンガならではのトリックって感じで素晴らしかったですね。

「こうそくいはん」YUG

 ハロウィンネタあざーす。漫画作品には意外となかったですね。まぁ、12月号だからってのもあるんだろうけど。
 包帯もエロいし、血の汚れもエロいんだけど、1人鼻血出してるのも面白かったです。その血は意味が違うぞ。

「読者コーナー」

 「こうそくいはん」のページでは見れなかった乳首が見えるぞー!!というサービスに燃えました。この2段構えはずるいw
 10月号の感想投稿。10月号は私も感想書いたのでこのコーナー本当に楽しみにしてました。「あれ良かったよねー!」という共感もあれば、「そうだ!そういう良さもあったわ!」という発見もあって本当に良い。人の感想読むの好き……
 特に私は絵についての感想が苦手というか、絵による感動を言葉にするのがめちゃくちゃヘタクソなので、そっち系の感想には感動すらしてしまいます。知識の有無によって違って見えることってありますよね。エロマンガにおいて「絵」は物語以上に重要かもしれないってのは分かるんですけどねぇ。
 てか、読者コーナーの中のミニコーナーに対する感想も紹介されてて驚いた。サバイバル刃先生ここでも読者コーナーに!という驚きもありつつ。いや、ホント面白いですよね。ゼロスの方はコラムっぽい側面が強いですけど、こちらは作品性が強いのでそれぞれオモシロが違って楽しいです。


 アンケート。
 面白かった作品3つ。正直、本号はどれもマジ面白かったので選ぶのが心苦しいんですが、『優惑』『シルエット』『ボレロ』の3つで。本号はホームラン級に面白かった作品がバンバンあるんですが、この3つは場外ホームランだあったかな。そのくらいすごかった。衝撃。
 いやホントどれもめちゃくちゃ面白かったですよ。次点とか決め出したら、キリがなくてほとんどの名前あげてしまいそうなレベル。
 Komiflo生活3ヶ月目突入しましたけど、快楽天が頭一つ抜けてるかな、という印象になりました。まぁ、本号がすごすぎる可能性あるんですがw
gohomeclub.hatenablog.com