北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

COMIC快楽天 2019年4月号の感想

 komoifloで単話買い切りサービスみたいなのが始まりましたね。

gohomeclub.hatenablog.com

快楽天 2019年 4月号

快楽天 2019年 4月号

「表紙」Hamao

 テーマは修正もしくは規制でしょうか。これはすごい。攻めたなぁ。描かれてるのは黒マジックでの黒塗りなのですが、時期的に、そして快楽天という雑誌的に本当の狙いはコンビニの件なのでしょうね。アオリは割と逆ギレ的でもあるんですが、Hamao先生のコメントはものすごく冷静に表現の自由について語ってるのも良かったです。かっこよすぎる……

『親ゆずり』kanbe

 フルカラー7ページ。兄弟がそれぞれ互いの嫁と不倫していると思ったらラストすげぇな!! 言われてみれば事前の場面で父親について言及されてたし、それがタイトルなんだけど、その登場の仕方が圧巻すぎる。導入1ページ、兄の不倫で見開き、弟の不倫で見開き、ラストに父親どーん! という構成が見事すぎる。たった7ページでこんなに濃厚な物語作れるのか、とビビります。ちょっとうますぎるでしょこれ。それぞれの不倫は互いの兄弟に対する当てつけの意味合いが強く、女性側は無理矢理されてるような感じだったんですが、最後のページではむしろ嬉しそうで、というコントラストもすごいよなぁ。ラスボスとも言える父親は描写として登場はしないんだけど、うっすら顔が……という演出が決まりすぎてスゴイw

サクラサクホムンクルス

 マジメくんとギャルっぽい子。ヒロインは彼のマジメなところにホレたっぽいけど、彼の方は劣等感を抱いていたので告白を断る、という土台作りが見事だよなぁ。2人のキャラクターがしっかりしてるし、彼のマジメっぷりを再確認して気持ちが止められなくなって……というエロへの入りが素晴らしい。ステージが変わった感じありますよね。そんな2人がついに一線を越える瞬間としてめちゃくちゃ丁寧に描かれるキスシーンも最高でした。キスだけであんだけ盛り上げるとか、良いよなぁ。
 その後、彼の方はセックスへの踏ん切りがつかないでいるのを彼女が少しずつ誘導、誘惑していくのも最高。無理矢理いくんじゃなくて、徐々に彼の理性を崩していくというか、北風と太陽みたいな攻め方ですよねw 事故的に先っぽだけ入っていよいよ彼が我慢できなくなる、というのも焦らすなぁ。
 んで、いざ挿入すると、それまでは我慢の人だった彼の方が彼女に対して我慢せずに声を出すよう促すのも良いですね。ホレた弱みもあるんですが、最終的にマウントが入れ替わるというか。
 ラスト。神妙な雰囲気からの告白で笑った。セックスの盛り上がりで忘れてたけど、彼はやっぱりマジメくんなんでしたw 彼の方から告白するという立場が入れ替わるオチも良かったけど、彼らしさがあるのがさらに良かったですね。

『ショコラ』Hamao

 ギャルっぽい子とマジメくんの話なので『サクラサク』も連想しながら読んだんですが、なんというラストだw 想像を超える甘さだった『サクラサク』とは対照的に、想像を超えるビターさを見せる本作。勝手に必要以上に衝撃を受けてしまいましたが、よく考えれば話としてはキレイだし、決してバッドエンドではないですね。まず何より、1ページ目とラストページの対比が素晴らしいです。結局すべては無になり始まりに戻る……ではないですよね。同じことが起きてるけど、彼女の中には明らかに今までにはない輝きがあり、それが彼女の成長になっている。当然彼の方も成長してますし、とても良いラストです。初読時は「なんでじゃああ!!」となりましたけどw まぁ、『サクラサク』の直後なのが悪いよね(誰も悪くないです)。
 2人が仲良くなる発端になる、元彼の恋人による襲撃事件。顔違いすぎるんで一瞬結びつきませんでしたが、あの子、1ページ目に出てる子なんですね。豹変しすぎてて怖いわw おそらくヒロインが魅力的すぎるあまり、勝手に男がどうにかなってしまい、そのしわ寄せがあの子に行き爆発、という感じなのでしょう。美人は美人で大変だ。 “私と全然違うタイプの彼女作って… 当て付けかよ” ってありましたが、元彼はマジで当て付けのためだけに付き合ったのでしょうね。だからヒロインからの反応がもらえないと、その新しい彼女には興味がなく、それが言わずとも相手に伝わったのでしょう。別れた恋人に未練タラタラなのは同情するし、理解も出来るけど、その先がクズだなぁw
 んで、エロ。めっちゃモテるので経験豊富なヒロインの方が気持ちが盛り上がった果ての行為なので圧巻ですね。ワンサイドっぷりが最高です。カウントダウンとか彼女の暴走っぷりがすごい。ちょっと楽しくなっちゃってる。
 彼の方も経験はないけど、誠実な性格が現れてるのも良かったですね。一番分かりやすいのはコンドーム着けるくだりでしょうか。怪我もしてるので着けてもらってもいいんだけど、慣れない&不自由な手で着ける。コンドーム着けること自体がエロマンガだと誠実表現になると思うんですが、そこにプラスアルファがあるのが素晴らしいです。彼ならおいしい思いするのも納得というか、報われるべき人が報われるので気持ちがいい。

『男友達(仮)』もじゃりん

 男友達にいよいよ告白しようと思って家に行ったら女の気配。慣れないヒールまで履いていったのに男の方は寝癖全開で、みたいな導入から良いですね。1ページ目のドキドキ顔とかめっちゃ可愛いのに、ドア開いて彼と対面するときには緊張混じりの何とも言えん顔になっちゃってる感じとか素晴らしいと思います。
 その後、女の気配に感づくんですが、そこがギャグ調なのも楽しいですね。あまりに隠すが気すらない(だから彼女じゃないって話なんですがw)彼の言動に逆ギレみたいになるのもおかしいんですが、そこから “でもそういう所が好きだったと思う” と一気に反転して泣いちゃうくだりとかもう最高でしょ。ほとんど独りで一喜一憂してるだけなんですが、もうヒロインのこと好きになるしかない。
 逆ギレ的にエロに突入していくんですが、彼女が勝手に入れようとして止められる所とか良かったですね。彼女の暴走っぷりが可愛いし、彼の誠実さも感じられる。誠実だけど、女の扱いに慣れてるようにも見えて「やっぱ彼女いるのか!!」となれるのが楽しい(いませんw)。
 エピローグ。彼女じゃなかったんかーい!! というオチ自体は予想もできるんですが、 “…うっかりオマエの事 浮気男にしてしまったわ ごめん” と彼女が謝ってくるの超良いですね。良い子すぎる。友達としてこの上なく誠実というか。

『元童貞弟とビッチ姉』東鉄神

 新刊発売記念。シリーズ最終作みたいな雰囲気もありますが、いくらでも続いてほしい気持ちもありますね。あと、タイトルに「元」がつきましたけど、結構前から童貞じゃないですw
 話としては姉とのタイマン。いろんな人にオモチャにされてきたけど、最後は基本に戻って、という感じがとても良いです。自宅の風呂ってのも義姉弟ならではのシチュエーションですね。シンプルだけど、互いにハマっちゃってる今だからこそですので、これまでの蓄積が感じられます。素直に誘惑に乗るまでは早いですよね。後押しとかは必要としない感じがすっかり魅了されてるのが分かる。
 体裁として一応互いに意地悪いたりするんですが、始まりのキスの所とかもうただのイチャイチャにしか見えないので、2人とも素直じゃねぇなぁ感あって最高です。まぁ、甘噛みが2人にとっては最高のコミュニケーションになってるって話ですよね。気持ちはすっかり落ちてるんだけど、あくまでも主従の関係は保つ。それが2人にとって最も心地いい関係なのでしょう。

『らしくなくてもいいじゃない!』さめまんま

 ロリ体型とデカブツ。ヒロインがとにかく可愛いんですが、それはロリ的な見た目だけに限った話ではなく、キャラクター造形が最高なんですよ。最初は生意気かつワガママで子供っぽい子かと思ったら、頼もしさとか世話焼きな一面が見えるのとか最高でしょ。 “来て!” のコマはホレたわw
 彼女の魅力を引き立てるかのように彼の方も可愛いのが良いですね。おっぱい見えちゃって恥ずかしがる場面とか、彼も可愛いし、それを見て喜ぶヒロインが余計に可愛い。恥垢洗うのも体格差やら何やらで絵面が面白いし、その違和感が2人のキャラクターの魅力に繋がってると思います。手コキとしてエロい場面ではあるんだけど、彼女は説教してくる感じも良いなぁ。その後も厳しく当たるけど、あくまでもリードしてくれて最終的には彼の意志で行動させるのも最高やんけ。理想の年上女房感。見た目ロリなのにw
 んで、いざ挿入なんですが、体格差がエグいので変な体位をする意図がないと思われるんですが、すごいことになってるw 挿入のコマはちょっと笑ってしまいました。とても脱童貞の瞬間には見えねぇw ただ、あの体格差で、あの位置関係で挿入するとああなってしまうのも仕方ないんでしょうね。入れたらもう足がつかないw
 キャラクターの魅力で言うと、最後にチラッと出てきたヒロインの友人も良かったですね。2人の掛け合いがめちゃくちゃ魅力的でした。仲の良さが伝わってくる。 “結局童貞最強!” と達観してるのがなんか面白いです。彼女に何があったんだw

『推しがプロ意識の塊』Beなんとか

 2作連続で男の肉体がすごいw マッチョ男相手にヒロインが主導権を握る話という意味では同じなんですが、主導権を通り越して拉致監禁してるので笑った。突き抜けてるw ツッコミ不在でガンガン進行していくのが楽しすぎますね。まともなリアクションがどこにもないw ただ、それが悲壮感なくて良いんですよね。まともな感性の人がいたら悲劇にしかなりませんw
 めちゃくちゃなんだけど、当人たちは至って幸せだし、互いに大好きでイチャイチャしてるし、互いにエロに積極的で理想の関係に思えてくる……理想なのか?? と定期的に気になってしまうんですがw
 エピローグで彼女が賢者モードみたいになるので「最後に良い話になって終わりか??」と思ったら、そこからさらにオチが付くのも良かったです。そう単純ではない。ただ、あそこでの会話は互いに本心なのでしょうね。やはり2人の関係は理想の形……と呼ぶのには勇気がいるんですがw

『藪の中の茨』こめざわ

 大人しい女の子が派手目な男の子に染められる話。なんだけど、実際は本作、男目線の物語なんですよね。これが意外というか、面白かったです。1ヶ所だけかな? 彼女の心の声が描かれるんですが、他はすべて彼によるもの。地味女とすら言われてた子が徐々に変貌していく様が魅力的なんですが、彼目線で描かれるのでちょっと底知れなさみたいなものも感じるんですよね。主人公にとってどこまでも都合のいい存在でありつつ、主人公の暴走にどこまでも付いてきてくれるのが不気味という言葉は違うけど、彼女のことを把握しきれない感覚。それが後引くんですよね。エピローグに彼女の隠れファンみたいなモブ男子出てきましたけど、まぁその気持ちも分かるよなぁ。大人しいけど、めっちゃ可愛いですし。
 序盤から通底してますけど、彼女が不良とか大人に憧れてるというか背伸びしてる感じがめちゃくちゃ可愛いんですよね。あの魅力は何なんだろうなぁ。照れながら笑う感じもそうだし、全然違うタイプの彼に対して少しでも近づけたと喜ぶ感じがいじらしいのかな。悪い男に捕まってショックだわーとラストのモブ男子みたいな感想抱いてしまうんですが、悪い男に影響されてく様がめちゃくちゃ可愛く思えてしまうから困ったなぁw(困らない)

『無垢と華』SAVAN

 華道家と。着物がめっちゃキレイかつ可愛い。それと和室の魔力もありますよねぇ。畳に障子とか、何とも言えずエロさを引き立ててる気がします。
 あと、ヒロインのキャラクターがクール系の美女かと思いきや愛情表現全開の可愛い系だったのもギャップがあって最高ですね。着物を脱ぎきらないのも色っぽいし、最後の最後に髪型が解けるのもクライマックス感あって良いんですが、そこに加わる彼女のキャラの魅力ですよね。見た目キレイなんだけど、言動がめっちゃ甘えてきてとにかく可愛い。
 仕事モードに始まり、回想でのキスシーン、そしてエロパート入ってからも徐々に変化が続いていって、ヒロインのいろんな姿、表情が見れるのが見所だったと思います。あとはやっぱ和服の魅力か。様々な体位になりますが、どのショットもいちいち決まってるというか、和服がキレイでエロい。
 細かい部分ではん、いざ挿入の際に、初めて出会ったときの回想が1コマ入るのも良かったですね。ああいうのめっちゃ弱いわw 顔つきの違いとか見事でしたね。

『立科さんのヒミツ』もず

 男友達のような扱いをしてた女の子が実は……。ぐあああっ、つれぇええっ!! なんだこれは。下手な陵辱、寝取られ作品よりも精神ダメージあるじゃないか。絵柄も可愛いし、オッサンが特別ひどいこと、暴力的なことををするわけでもない(ホメられたもんでもないが)のに、こんなにも読んでてつらい。申し訳なさハンパないんですが、本作の男友達たちはそのことに気づくこともなく終わるってのが救いがなくてヤバイですね。明日以降も同じ扱いを続けるのでしょう。うがああああ、つえぇぇぇええ。本号に『男友達(仮)』が載ってて良かった。大分救われるw(もちろん本作も最高です)
 一応、彼女の立場で考えたらオッサンと出会ったことで救われたとも言える、のかな? のか? だとしたら、その点に関しては良かったと言えるのかもしれない。かなり怪しいけど。ラストで “あはは なに突然ジジくさくなってんの” と言われてたけど、オッサンの影響が少しずつ、だが確実に彼女の中に現れてるのがもう戻れないことを意識させてアレですね。つ、つれぇw すごい作品だった……

『きみのこえ』「タカシ」

 障害なのか引っ込み思案な性格なのか分からないけど喋らない(喋れない)女の子の話。『聲の形』だ!! とか反射的に思ってしまったんですが、意外と似てなかったですかね。主人公にだけは彼女の声が聞こえる、届くという2人の特別な関係性をメインにした作品ですし。
 2人は漫画研究部? に所属してて、漫画が2人の関係を進展させるキッカケの1つになるんですが、そもそも本作が漫画でしかまず成立しないコンセプトなんですよね。喋らないヒロインとその心の声を理解できる主人公。絵と文字が、声と心の声が並列に描かれる漫画ならではですよね。ちょっとメタ的な自己批評みたいな味わいあって面白かったです。彼女の声に吹き出しが付くようになる、という演出も漫画でしかあり得ない表現方法ですよね。
 あと、主人公には彼女の考えてることが分かる、というのを自然と読者に分からせる序盤の描写がめちゃくちゃうまかったです。下手な作品だと「なぜか俺にはアイツの考えてることが分かる」とかモノローグで済ませちゃうんですが、そんなことなく彼女の発言(心)と彼のリアクションだけで彼に声が届いてるのが分かるようになってる。だからこそアバンとラストにあった迷子事件の解決が気持ちよく理解できる。
 短めの読切だったのもちょうどよかったと思います。これがもうちょっと長いと主人公が少し超能力者みたいなニュアンスが出てきてしまうと思うんで。ヒロインが喋らない件にも具体的な理屈が付かないのもシンプルで良かったと思いますし。喋らない理由とか説明された絶対重い話になっちゃいますよねw

『青春リビドー山』位置原光Z

 第11回「兄妹」。おおっ、今回はストレートにエロい。もちろん掛け合いの面白さはあるし、直接の描写もなく、たった5秒なんですが、ドラマドラマ性とかがないのが逆に2人の異常な日常という感じがあってなんともエロい。
 前半では、お金で何やらエロいことをしてるとだけ語って、いざ行為に至るまで何が行われるのか分からないのもうまい構成ですよね。兄貴がされるんじゃないんかい! という異常性も楽しいし、それを受け入れてしまってる妹のちょっと感化されちゃってる感じもめっちゃ良いです。

『ロールリバーサル』魚デニム

 フルカラー4ページ。女グセ最悪のイケメン先生が痛い目にあう。本作で描かれるのはヒロインからの一方的な攻めなんですが、どうやら最初は先生の方から手を出したらしいと匂わせるのがうまいですね。自業自得というか、大人しい子だとナメてたというか。
 薄暗い部屋の中というのがカラー映えして良かったです。引きの画になったときの2人だけの世界感というか、誰も先生のこと助けに来ないんだろうなぁ感といか。

『ネコ撫で恋』雛原えみ

 最悪な出会いからの最高の関係……なんですが、出会いの最悪っぷりが突き抜けてるのでビビりましたw 主人公の落ち込みっぷりもすごいんですが、ヒロインの暴走がすごい。ただ、よく考えると2人とも精神的に追いつめられてたって話で同じなんですよね。とことんダウナーになる主人公と、アッパーに暴走するヒロイン。そんな真反対な2人がネコを通じて結びつく、というのが良い。てか、ネコちゃんマジ可愛いw 序盤、主人公はとにかくネコに対してだけ愛情を注いでいて、その姿に次第に彼女がほだされていく。
 本作でめちゃくちゃ面白かったのは2人が恋人になるまでの過程が丸ごとすっ飛ばされてる点。場面が飛んだらネコは大きくなってるわ、主人公は小綺麗になってるわ、と思ったらヒロインがめっちゃ女の顔してるw この衝撃がヤバかったです。あれだけ敵意むき出しだった彼女がここまで豹変するとは。このビフォーアフターだけ見せたのは見事でしたねぇ。いきなり恋人関係になってる姿を見せられるのがめちゃくちゃ衝撃、かつエロい。ネコちゃんを時間経過の表現に使ったのもうまいよなぁ。あくまでもネコちゃん中心に話が展開していくので、ダシに使われたみたいなイヤな感じが一切ない。エピローグでもネコをテーマに2人がイチャイチャしてるのが最高でしたね。

『滑りごこち』いーむす・アキ

 スキーウェアって可愛いよね、エロいよね!! という話。やたら胸とお尻が強調されたショットが序盤に多いので「エロマンガだから仕方ないよね」とか納得してたんですが、なんとその下が裸なので笑った。どこよりも厚着をするシチュエーションだから開放感があるんだろうとは想像は出来るけど、実行されると驚きますね。スキー場で露出、という絵面のインパクトがすごい。挙げ句、露出したままそこそこ移動までするので最高です。「こんなの見たことない」がある時点でその作品は勝ちだと思います。あんな見晴らしの良い、隠れる場所が一切ない状況での露出。すごいw。
 小屋に入ってからのウェアを脱ぐ場面も素晴らしいですよね。まぁ、元々半分くらいは脱げてたんですが、それでも脱ぎ切るまでの過程が丁寧に描かれたのがすごい良かったです。雪原で露出してたのに肌が汗ばんでて、湯気まで立っちゃってるのも面白かったですね。寒さよりも興奮が上回ってるw
 いくらなんでもあんな露出を繰り返してたらバレちゃうだろうと思うんですが、バレたらバレたら喰っちゃうので問題なし、というオチになるのも良かったです。都合良くバレない露出ではない。しっかりフォローというか、理屈がついてる。

『告白』いちまつ

 定食屋の常連が女将さんに告白する……のを応援する娘の話。3人がそれぞれ10歳ずつくらいかな? 年が離れてるのも良いですね。この人物の配置の時点で超面白いです。告白する踏ん切りが付かない男を応援するうちに、練習と称した交流を重ねていくうちに……ってもう最高やんけ。
 男の長考グセは欠点だと思ってたけど、その長考があるからこそ2人は交流を重ねて、その長考の時間があるからこそ結ばれたってのも素晴らしいですよね。欠点だと思っていたことの中に最も大事なものが隠されていた、という価値観がひっくり返る感覚。女将さんに片思いしてたはずが、実は娘に片思いされててというのもそうですが、このひっくり返る感覚は物語を読む上での一番楽しいものかもしれないです。
 エロパート。娘の方から襲いかかるような形ではあるんですが、しっかり男が告白をしたのも良かったですよね。ちゃんと告白できたし、告白が必要だったのは娘も同じだったというのもキレイだと思います。

『働く我々のイきヌき』ヨイコノtt

 結果から言うと本号で一番笑った。全編ギャグまみれではなく、要所要所にぶっ飛んだ狂気が炸裂するタイプ。主人公も含めだけど、知られざる異常性癖が明らかになる瞬間の破壊力がヤバイw 2人のエロが始まってからはそれ単独でも余裕で最高なんですが、最後の最後に一番のボムが待ちかまえてる構成なのでずるい。エコ男子じゃねーよ!!
 どうしてもギャグの衝撃に気を取られてしまうんですが、本作のスーツ美人、超好きなんだよなぁ。ギャグっぽい掛け合いとかも大好きだし、ラストのピースもめちゃくちゃ可愛いんです。ただ、エコ男子との落差がありすぎてですねw トータルで言えばエロもエコも最高です。
 2人とも変態だけど、他人に迷惑かけるタイプじゃないのがいいですね。ギリ笑って済ませられるレベル……エコ男子は済ませられるか怪しいですがw

『女の子はヴィーナス』南北

 超いい話。女の子はみんな違ってみんな可愛い。それをぽっちゃりの女の子と美術部の男の子に託したのが素晴らしいですね。 “美しさが一定のものならば全員がモナ・リザを描けばいい” “女の子はみんなヴィーナスなんだよ” のセリフはマジ感動しました。あんなん言えちゃう彼、めちゃくちゃモテちゃうでしょ。バレる前に2人が結ばれて良かったよw
 あと、序盤にやけにキャラの立った女の子が名前付きで出てきましたけど、あれ、過去作ヒロインなのですね。シリーズものという程ではないけど、こうやって結びつけるのは良いなぁ。それぞれ違った魅力を持った女性キャラが複数いるという状況が “女の子はみんなヴィーナスなんだよ” というテーマを強固にしてますね。かっこいいと女子から人気のヒナト先輩の話は、かっこいいとされてる女性が可愛いに目覚める内容で、本作とは違った角度の女性への肯定になってて良かったです。
 しかし、「もみえもん」というあだ名すごい。本人が嫌がってないならいいけど、すごい危ういラインだと思うw

『レンズの向こう側』さくま司

 顕微鏡を覗く場面から始まるので「レンズ」ってそのことかと思ったら、メガネのことかよぉぉおお!!!(メガネ大好き)
 ダブルメガネという時点で良さしかないんですが、本作のすごいところはエロが始まってからですよね。キスしたら互いのメガネがぶつかってカチカチとか最高なんですが、それを踏まえてメガネを外す……と思ったらまたかけて……と思ったらまた外してってもう最高やんけ。着脱を繰り返すことでメガネという存在を強く認識させるのもそうなんですが、それ以上にメガネを外す意味、かける意味というのがしっかりしてるんですよね。メガネをかけることでその人物の冷静さや余裕を表現してるし、メガネの有無によって2人の関係の優劣も伝わってくる。そして、最後にはついに2人ともメガネを外して心身共に裸になって結ばれる。カァァァア、最高。マジ最高。最高かよ。
 さくま先生は前作『ボレロ』でもそうだったんですが、男が勇気を振り絞って彼女のために立ち上がると、その善意がしっかり彼女に伝わり、最終的にはエロという形で返ってくるという話になってるのが読んでて最高に気分がいいというか。明日から困ってる人がいたら助けないとな、と心を改めてしまうような魅力がありますよね。前作と違うのは、他人には理解されない、2人の間では理解し合える価値観というニュアンスですかね。それを端的に表したのがメガネなんですが。やはりメガネは最高……(偏愛)
 頑張るのは男だけじゃない、というのも本作の素敵なところだったと思います。なかなか感情を表に出さない彼女もラブホの前で勇気を振り絞るんですよね。あの見開き良かったわぁ……。上段だけで静かな見開きなんだけど、それがかえって境界を飛び越えて手を伸ばした彼女の心情とリンクしているようで素晴らしかったです。

『佐瀬さんは人気者』雲呑めお

 サセさんって名前がすごいw んですが、そんな第一印象に悩まされてる話だったのでひっくり返りました。オタサーの姫みたいなタイプで男性社会を逆手にとってたくましく生きてるのかと思ったら、その場を丸く収めるために無理をしていた。そうあるべきという空気に押し潰されていた……ってつれぇ。めちゃくちゃつらい話じゃないの。それに対してNOの声を上げた主人公は立派ですよ。奇しくも直前の『レンズの向こう側』と同じく地獄飲み会からの救出&ご褒美という構成にはなってるんだけど、本作の方が悲劇性は高いし、それ故に本作の主人公のヒーロー性も高いですね。彼女があの状況から抜け出せなかった最大の理由は声を上げられなかった点にあると思います。そして、代わりに主人公が声を上げる。完全に王子様なんですが、2人きりになっても最初はオタサーの姫的な振る舞いをしてしまい、というのが彼女を縛る呪いの強さを感じさせますね。つれぇ……。そんな強がりに辟易した主人公が帰ろうとすると、そこでようやくヒロインが声を上げる。よかった、ホントよかったね……。ぶっちゃけ泣くわw 幸い美女じゃないからああいう悩みはないですけど、場の空気に流されて自分の意見を言えなくて困るとかめっちゃ身に覚えあるからなぁ。
 重い、暗い、つらいとかそんな感想しか書いてないですけど、基本的には佐瀬さんがめちゃくちゃ可愛いんですよ。だからさくっと読むことも可能なんですが、そのギャップに闇の深さを感じてしまうんですよね……(また感想が重い)。強がってる被害者という描写は効きますw

『奥様の午後』藍夜

 旦那に女扱いされなくなった奥様の話。お嬢様育ちでそれが良いことだと思ってたら結婚を機に逆の面が見えるようになり、という序盤の語りがめちゃくちゃつらいw 真に迫ってくる。本作の時系列的には「既に不倫をしてる」時点でのスタートなんですよね。そこからどんどんハマって抜け出せなくなる話なんですが、序盤の語りが真に迫ってるからこそ不倫という過ちを犯したことに関して同情してしまうというか、読んでて見捨てられなくなるんですよね。初めての不倫を回想で描いたのが良かったですね。
 相手のマスターが老紳士で分かりやすいクズじゃないのがまたどうしようもなさを感じさせるんですが、終盤ヒロインとの情事にハマるあまりちょっとずつクズに近づいていくのが面白かったですね。男ってバカねぇ……的な味わいもありつつ、信頼してたマスターでもこうなってしまうのかという絶望もちょっとある。
 本作で一番好きだったのはラストシーン。帰路につく主人公が罪悪感に押し潰されて倒れ込むんですが、日傘をさしていて、その日傘の中で泣くという状況が最高なんですよ。彼女の心理、そして現状を端的に表現していて完璧でしょ。晴れの中、日傘をさして、その影の中で涙の雨を降らす。うっまっ。映画かよ。

『仕返しリラク』秋谷昭

 町の電気屋マッサージチェアにて。すごいシチュエーション。アイディア賞というか、もうこの時点で勝ちですね。もう面白い。やたら露出が多い服の上にハッピというのも可愛かったです。町の電気屋であそこまでハデで可愛い子いないとは思いますが、いたらいいなぁの具現化ですよ。あざます。
 マッサージチェアというシチュエーションもすごいんですが、本作で看過できないのは男がデブという点。マッサージチェアにフィットしすぎててちょっと人間椅子みたいなことになってるのがおかしいんですよね。そこに彼女が飲み込まれていく、という展開になるのがすごい良かったです。椅子とデブに挟まれる体位になるのが素晴らしかったですね。椅子にうつ伏せになるとおっぱいをマッサージされちゃって、という展開はマジ最高でした。それ系の展開は来るとは予期してましたが、思ってたよりもすごい形で実現したので笑ってしまうと同時に「よくやった!」という妙な感動も少しw

「読者コーナー」

 編集者コラムの初めてマンコという単語を知った日、が面白かった。そういえば私もイタズラで言わされたなぁ。意味は分からないのでキョトンとしてると「それ言っちゃいけないんだよ」とニヤニヤと笑われたのを思い出しました。なぜあんな無意味なイタズラをしたんだろうかw
goo.gl

 終わり。えらく遅れてしまった。花粉のせいでもあるけど、それ以前の問題でした。もうちょっと頑張ります。
 アンケート。面白かった作品3つ。今回もまた3つに絞るのがつらいんですが、が、頭一つ抜けてたのは『レンズの向こう側』『佐瀬さんは人気者』『働く我々のイきヌき』ですね。ちなみに『レンズの向こう側』が優勝です。メガネ好きなのでこれは仕方ないですw
 あと、本号は表紙が何より最高でしたね。『ショコラ』もすごい良かったけど、「表紙」に1票入れたい気持ちになりました。
gohomeclub.hatenablog.com