北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2020年10号の感想

週刊少年ジャンプ(10) 2020年 2/17 号 [雑誌]

 同時多発的にみんな終わりそうで諸行無常の響きみが深い。

表紙

 新連載。カラー扉と本編での鞘使いがかっこよかったので、表紙でも鞘が見たかった気がする。同じネタを繰り返すのに難があるのは分かるけど、一対のモチーフって本作において最も重要だと思いますし。

読者プレゼント

 家系ラーメン。黒T、頭にタオル巻いて腕組み、といかにもな要素が詰め込まれてるんですが、一瞬『食戟のソーマ』が脳裏によぎった。割と似た要素を抱えたキャラだったんですね。今更気づきました。もちろん彼のキャラクターがラーメン的とは思わないんですが。かっこよさの基準が子供なのかなぁ、ラーメン屋って。汗対策でタオル巻くとか実務的な都合があるのも分かるんですが。
 注文時の「高め」「濃いめ」「多め」になぞらえてグッズ紹介してるんですが(カタメをタカメに言い換えてるのがうまい)、使用回数的に「多め」が最も少ないのが何かおかしかったです。濃いめより使い勝手いいと思うんですけどね。

巻頭カラー『魔女の守人』坂野旭

 カラー扉がすごいかっこいい。本編でもあったけど、剣と鞘を平行にする構えがすごく良い。実際に強いのかはさておき、パッと見のワクワク感。学校の掃除の時間に箒2本でマネして先生に怒られる、みたいなそういう。初期『ONE PIECE』のゾロとかその感じ強かったと思います。剣と刀という一対が主人公と魔女のことを象徴していてーみたいな部分もあるんですが、それ抜きにワクワク感というか、中二感(もうちょっと幼いか)としてすごく好き。ただ、魔女が剣先に炎を宿していて「知らないけど絶対それネタバレだろ!!」と思いましたw 新連載カラーあるある。
 柱で知ったけど、GIGA組らしい。GIGAと本誌連載については「次号予告」のところで書くのでここでは割愛。
 本編。剣と魔法のファンタジーみたいなの想像してたけど、ちょっと違った。魔法はあるけどものすごく限定的で、端的に言ってポスト『進撃の巨人』。漠然とイメージするファンタジー観がガラッと変わってしまうのは現象として面白いですね。『進撃』はアニメ1期くらいしか知識がないので全然分からないけど、たぶん世界の「何となくこんな感じ」以外は特に一致がない気がする。『ドラクエ』とかもファンタジーの「あんな感じ」の1つだと思うけど、この雛形の流行はちょっと面白いですね。作品の巨大さで言えば『ONE PIECE』も無視できないんだけど、あれは船旅前提なのでそこまでフォロワーいないと思う。
 作品世界の説明を丁寧にこなしながら、世界の悪の一面を知り、主人公が「海賊王におれはなる!」と大目的を設定して終わる。すんごい王道な新連載だったな……というのが一言感想です。こういうの最近はホント少なくなってきてるから、面白いつまらないは別にして(今後どうなるか分かんないし)、この時点でちょっと応援したくなっちゃう感じはあります。
 ヒロインが大食い属性。別に女性に限らないけど大食いキャラ好きなんですよ。漫画らしい誇張を感じるというか。本作も初対面の場面が大食いなので好感度一気に増すんですが、贅沢を言えばもっと直接的に食ってる描写が欲しかったかもしれない。バクバク感。とはいえ、あの大食いで有り余ったエネルギーを魔法として消費してるのでは……と想像させるし、何より「体重」が日常の終焉を知らせる数値として扱われてるのも面白かったですね。食とは生を象徴する行為のはずなんだけど、その食による体重の変化が死を決定づける基準になってるから面白い。体重を知った彼女が “2kgも太ってた… 死にたい” と言うのも意味深で良かったですね。
 あと、あそこでホイコーローを食べてたのも大事だと思います。その後にヴィデヲが出てきて現実の文明との関わりがゴッチャになるんですが、ファンタジー世界でもホイコーローを食べることで彼女に親近感を抱くようになる、みたいな効果あったと思います。もちろん「この世界ホイコーローあるんだ」という説明でもあるんですが。
  “? なんか疎外感…” の場面、伏線として大事なのは分かるんですが、重要な場面の割には疎外感を抱くことに説得力があまりなかった気はする。別に従者に気に入られてないってだけだし、魔女とケンカしてるんだから別にそれは不思議じゃないでしょ。普通に追い出されただけなので「疎外感?」となるのはおかしいというか。あの魔女にパシられるとか割と想像に難くないですし。
 んで、世界の真実を知らされる。主人公も言ってたけど盗撮なのが良かったです。何を見せられるかは別として、あの司祭がクソだと一発で分かる。魔女に人権がない、人間扱いされてないのが一発で分かる。その不気味さが雰囲気作りとして効果的。
 守人とは魔女殺し。守人だけが魔女を殺せるの決まりがよく分からなかったんですが(主人公があんなに強いのは特例)、魔女を殺すことが母を殺されたトラウマを乗り越えることにも繋がる……のか? という葛藤になったのは面白かったと思います。殺さないことでシステムとして組み込まれた憎しみと暴力の連鎖を断ち切ることになるワケですね。そこで鞘で戦うのが絡んでくるのも象徴的。殺さず守る(システムは殺す)。あの鞘と剣を平行させる構えは何が強いのかサッパリ分からないんですが、そこが好きですw
 一瞬で勝負がついたせいもあるけど、バトル自体は特に面白かったってこともないんですが、決め絵の勢いでごかます感じですね。謎の構えで「かっこいい!」と感じて、数秒後に「……何が?」と我に返るような感覚。ハッタリ大事だと思います。
 終わり。何気にメガネの従者が旅に同行するのも嬉しかったです。彼女については何の説明もないまま終わるんですが、一応最後のコマで一緒に走ってるので大丈夫でしょう。壁の外へ行くために自己犠牲、とかないといいなぁw

ONE PIECE

 戦闘開始前のカイドウとの対話。カイドウが饒舌でちょっと意外だったんですが、おでんが崖の端っこに立って宙に浮かぶカイドウと対話する画はいかにもラスボス戦って感じで熱い。ちょっとゲームっぽい雰囲気もあるかしら。具体的なタイトルは別として。
 裸踊りしたのが敗因、とカイドウ。私も気になってた点なのでその指摘が入ったのは良かった。カイドウと戦うよりバリバリを何とかクリアする方が絶対簡単だよね。それでも裸踊りを選んだおでんの意志、覚悟も強調される。「バリバリも打破できないチームでカチコミしても……」みたいなモヤモヤがあったんですが、意外な形でクリアとなりました。
 やっぱおでん超強いじゃん、と認識が改まったところでカイドウとの直接対決。さすがに勝てるとは思わないんですが、かなり良い線行くので驚きました。てか、カイドウが卑怯な方法(アイディアとしては面白い)に頼らなければ危なかった、というはむしろカイドウの株が下がる気もするんですが、強さとは別にド外道という側面を強調したかったってことなのかな。まぁ、「普通に戦ったら普通にカイドウのが強かったです」じゃあおでんの立つ瀬がないってのも分かります。

鬼滅の刃

 おでんとカイドウの強さのイメージの話とも通じるんですが、本作にも「いや炭治郎じゃ勝てないでしょ」と感じていて、おでんの比じゃないレベルで疑問視していました。選ばれし者の覚醒パワーで勝利しても興醒めだしどうすんの……と思ったら記憶の中で修行してるので笑った。そう来るかよw
 もちろん選ばれし者としての特権ではあるんだけど、あくまでも「縁壱」ではなく「炭治郎」として強くなる、という部分が重要だったと思います。あくまでも炭治郎が見て、学んで強くなる。このロジックは鮮やかでしたね。寝てる間に強くなった、とだけ書くと非常に都合のいい話ではあるんですが、炭治郎でしかあり得ない境遇で、他人の記憶の回想という既にあった描写を根拠に行われる特殊な修行なのでかなり納得度が高かったです。炭治郎でいか成立しない精神と時の部屋みたいなもんですね。
 まぁ、もちろんみんなで協力して勝たないと他のみんなが炭治郎が到着するまでの時間稼ぎみたいな印象になるので、すべての問題がクリアされたとは思いませんが、今週一番の「その手があったか!!」案件でした。
 さすがに睡眠学習だけで無惨に勝つのは無理があるので、そこにもう1つ。日の呼吸の謎解きみたいな要素が加わる。突然固有名詞が羅列されると発作的に「知らんがな」と思ってしまうんですが、その詳細はぶっちゃけ重要じゃない気もするので大丈夫です。コアなファンは詳細な設定を求めて掘り下げていく、みたいなノリも大事だと分かりますし。『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』でレイがソレスの修行してたよね、とか言いたくなる奴だと思います。(そもそもソレスがカノンなのか知らないんですが)
 とにかくミステリーツアー的に日の呼吸を1周するとゴール。最強の13の型が発生し無惨消滅、とかそんな感じでしょうか。「日」の呼吸なので時計がモチーフになってるのは面白かったです。無惨が夜の12を司ってて、炭治郎は昼間の12、みたいなノリですかね。

ハイキュー!!

 冴子姐さん激かっこいい。田舎のヤンキーが憧れる進路みたいなのを体言してて最高すぎる。日向たちのバレーによって人生狂わされちゃった人がコートの外にもいる、という事実も熱い。
 コート上で誰かが活躍しても、ちゃんと関連性のある人が客席で見守ってる、という安心設計。ウシワカスパイクで冴子姐さんがメガホンにかじり付くのも可愛すぎてメガホンになりたいんですけど、その次に鷲匠夫婦が出てくるのがまた最高でしたね。夫婦揃って!! しかも内容ゼロの感想言い合ってるのが面白いんだよなぁ。何も知らない人が近くであの様子を見たら「ちゃんと分かってんのか? この老夫婦」とか思ってもおかしくないレベル。
 からの佐久早。読者的には強さが謎に包まれたままだった彼がついに解禁。それまでにサーブやスパイクで「速すぎて反応できない」と連続してただけに、それだけでは取れない回転の要素を入れてくる。スパイク直前のコマが象徴的で、直前にあったウシワカのスパイクは体全体を真横から映した王道のような見せ方だったんですが、佐久早スパイクはコマを斜めに割って一見ピンとこない。けど、「回転」と正体を知ったあとに見返すと「手首」が強調された描写になってたと気づかされる。気持ち悪いレベルの手首の動きですね。あの失礼な回想は笑いました。

僕のヒーローアカデミア

 いざ決戦。想像以上に総力戦という絵面にテンション上がりますね。ぶっちゃけヴィラン側の方がチームとしての規模、強そうという煽りは強烈だったと思うんですが、ヒーロー側はシンプルに絵面で勝負。特に直前の説明とかなくても前から知ってる有名ヒーローがあちらこちらにいることで「こりゃすごい」となる。
 とはいえ、個人的にはやはりバーニンが見れたのが嬉しいなぁ。本編で、セリフとアクションと共に描かれたのが本当に嬉しい。あのチームではバーニンがトップっぽいので活躍にも期待できるんだろうなぁ。A組おとなしくしててくれよ……とか本末転倒なことを考えてしまうくらいバーニンが魅力的すぎる。作品のバランスが崩れるレベル。
 んで、エンデヴァーが病院にカチコミ。いわゆるエネル顔で今話が終わるので笑いました。すげぇ緊張感かある場面だと思ったし、相手もクセ者で一筋縄では行かない……と思ったらめちゃくちゃ動揺してるw モノローグも語られてからのエネル顔なので意外(モノローグがあるので偽物という可能性は消える)。「来たか ヒーローよ」みたいな返答してくれよw

 「丸太」の件については(知らなかったら読み飛ばすかググって)、本作はキャラクターの本名にダジャレだったり意味を込めたりしがちなので意図的なんだと思う。差別の意図はなかったとかそういうアレ。なので反応を見誤った、認識が甘かったってことなんじゃないですかね。仮にまったくの偶然だとしたら、何の意味もない名前だったのだとしたら、「めんどくせーなー」と鼻ほじりながら変更する権利くらい作者サイドにはあると思うから好きにすればいい。
 とにかく、今までダジャレで名前付けてきたから余計にこじれたってのは間違いなくあると思うw 「意味があるのでは?」って誰もが考えるでしょ。地名が出たら『スターウォーズ』のこと考えるのと一緒。

Dr.STONE

 どうでもいいけど、石化発動のセリフの読み方「ごせこんど」「ふぁいぶせこんど」どっちだと思いますか? 文法を考えれば「seconds」じゃないので「ごせかんど」が正解だと思うんですが、だったら「ごびょう」にしろよとも思います。


 意外と偏りました。まぁ私も反射的には「ふぁいぶ」で読んじゃうと思います。英語圏の人ってこういう複数形をやたら気にする(というか当たり前に使ってる)イメージなんですが、俗語的にはテキトーだったりする可能性もあるんですかね。もしくは機械(なのか?)に指示するときは敢えて文法を無視して単位を統一するとか。

 いきなり脱線失礼しました。イバラとの石化装置争奪戦。最終的に綱引きというシンプルな対決になるんですが、そこに例の「5 m 5 seecond」が絡んでくるのが面白かったです。奪いたいので引っ張りたいけど、5秒後に5m以内だと死ぬ。秒数カウントの精密さだったら千空も強いんですが、所詮は5秒なので使い慣れてるイバラも負けてない。そんな心理戦を5秒以内に行ってるんだから大変ですね。ドローンを見てパニクってたら5秒なんてすぐじゃないですかw ページめくるのが速い人だったらリアルで5秒くらいでもおかしくないと思うんですが、その人はこの思考についていけたのか気になります。まぁ、「どういうこと?」となって読むスピードが落ちるのがほとんどだと思いますが。
 イバラは石化を防ぐ術を持ってたわけですが、その直前に千空がドヤって決めゼリフを言うのが非常にかっこ悪い。結果的に勝つからいいんだけど、次の策の際にもう一度決めゼリフを言い直すのがちょっとなぁ。一度目は演技だったのかもしれないけど、演技によってイバラが具体的に何かを誤解するってわけじゃないのでちょっと気になる。
 んで、本当の狙い。綱引きの際に言ってた “筋肉勝負じゃねえぞ” “無粋を言うな 分かっている!!” がその先のことまで見据えていたってのは面白いと思うし、イヤリングを再利用して石化して決着が付くのも痛快なんですが、その方法がごりごりにフィジカルに頼ったものだったので「そんなこと可能なの?」と気になる。無理じゃない? 引っかけるのが細かい作業で少し時間と手間かかりそうだし。
 てか、最初、全速力で走った龍水がイバラに飛びかかり、空中で石化することによって50kg越えの石像が直撃してイバラ死亡、みたいなこと考えました。あの飛びかかる場面で。鈍器で撲殺とかグロすぎない? 大丈夫? と無駄にハラハラしました。全然違うw

『アンデッドアンラック』

 時間差でアンラックが発動したの、かなり異例じゃない? あの場で起こせるアンラックではアゴクイ分に足りないから時間を置いてから追加で発動、とか?
 能力バトルとして徹底して相手の能力を推察することに重きが置かれてるのが良かった。理屈っぽさが本作の魅力だと思うんですが、劇中に「理屈(ルール)」というセリフが出てきたのが印象的でした。やっぱ自覚的なんですかね。
 推察の答えがハッキリと出ないまま「とりあえずこんな感じだろ」という段階で戦うのがすごい新鮮。0点か100点ではなく、50点の解答で一旦勝負する。ここがすごいリアルで良かったです。実際の戦闘(って何だよ)もそうなんだろうなぁ、という説得力。まぁアンディの場合は「まぁ死んでもいいや」が前提なんですが。
  “迷いましたね 斬るか斬らないか” とあるので、2択がキーになってると思うんですが、実際の人の思考ってそんな単純じゃないので「2択の反対を選ばせる」では成立しない気がします。まぁ、「成立するんです」と言われてたらそれまでなんですが、その場合は本作への信頼が下がるという話なわけで。まぁ、答えを出し惜しみしたので、今後スッキリするような答えが出てくることに期待します。扉でもクイズ形式であることを強調してたので、答えを言うならもっとハッキリ、端的に示すと思うんですよね。
 セックス未遂でロシア行き。アシスタントの方が一番安心してると思います(まぁセックスとは言ってないんだけど)。そもそも中国人が「動けない」「触れない」って言ってるのになんでセックスする覚悟が決まればセックスはさせてもらえると思ったのかが疑問です。席に入ったら自由だと思ったのかしら。大規模なアンラックだったら彼女も中国人も死ぬし、そもそもアンディを黙って死なせてやる義理もないわけで筋が通らないと思う。
 とにかくロシア。海外進出するとは思ってなかったので驚きました。『チェンソーマン』が最近多国籍感出てきたんですが、あくまでも日本でおもてなしする話だからなぁ。海外旅行する作品、今のジャンプでかなり珍しいんじゃないかしら。『ゆらぎ荘』の中国とかは別として。

チェンソーマン』

 「オレでなきゃ見逃しちゃうね」を今時大真面目にやってるので笑った。これは好きなんですが、4刺しで殺せるのに3刺しで止めたのが分からない。弟子の試練のためって任務ナメすぎじゃない? 半年の余生を弟子が望んでるのでそのために、とか? とはいえ、バーガー屋から出てくのを黙って見てるのはちょっとなぁ。せめて弟子がその場で刺しに行くなら分かるんだけど。
 とはいえ、直接キツネを狩って食べてた人が、どこのウシかも分からないバーガーの肉を食べて喜んでたのはすごい良かったです。「こんなの良くない」とか説教始めるんじゃないのが好きです。余生はこういう生活を送るのかな、とか想像しちゃいますし。ただ、そのためにもバーガー屋から逃がしたのが謎い。他の暗殺者のこと知らないのかしら。それなら多少は納得できる?
 コベニちゃんのデートが超良い雰囲気なのはちょっと笑いました。コミュニケーション弱者がゆっくり時間をかけてコミュニケーションを成立させてる感じがすごい生々しくて良かった。

センターカラー『マッシュル -MASHLE-』

 すごいまともにストーリーが進行してるので驚いた。もうちょっとギャグの比重が大きくなると思ってたんですが。クソベタな入学試験展開ってのはジャンプ作品をメタ的にイジってて面白くもあるんですが(マジレス入れるくだりとかホント好き)、かなり丁寧に入学試験をやるので「そこにはそんな興味ないよ」とかなる。クソベタだとバカにするような視点が入るんですが、本作もそれをなぞっちゃってるので逆効果じゃない?
 意外で良かったのは前話の悪役が見守り役として普通に登場してるので笑った。そういうポジションに落ち着くのかよお前。
 あと、親指をみかんに突き刺して「ほら浮いた!」ってやるマジックを大岩でやってるのは爆笑しました。入学試験展開へのツッコミも面白かったけど今日イチはこっち。絵一発で他の説明がないので一瞬「どういうこと?」と引っかかるんですが、その後「みかんの奴!!」と吹き出しました。
 スフィンクスは『ダビデ君』で見たし、迷路の解答も「分からない読者1人もいないだろ」ってレベルで残念だったんですが、 “諸事情が僕みたいだったら” “なんかカワイソウだと思って” がすごい良かった。先週もそうだけど、突然ぶっ込まれる最小限度の良い話が地味に良い。それっぽいことをやってるだけとも言えるのかもしれないけど、ミニマムなサイズで突然放り込まれるので不意打ち的にグッときちゃうというか。

『アクタージュ act-age』

 ルール違反なの? 舞台不成立なの? クソ芝居だと評価下されるの?? と気になってたんですが本話においては「議論が分かれる」が解答だったのが良かった。ずるいとも言えるんですが、リアルの舞台(映画でもいいけど)だと全然あり得る話だよなぁ、と納得しました。まったく予想外のネタなのでその新鮮さだけで満足。
 例のモブロリが理屈っぽい大人の感想に「ムス」。可愛いのは分かるんだけど、ああいう「ピュアな子供のリアクションが何より大事」みたいなのは幻想だと思うので、そういう意味ではちょっと乗れない。もちろん大人より子供の方にこそ伝わるってことはあり得ると思うけど、完全な上下ではないから、大人の意見にも一理も二理もあるから。 “統合性のないムチャクチャなお話” って解釈、大正解だから。それを「大人ってやーねー」みたいなノリでごまかされるのはちょっと好きじゃないです。それが最終的な結論じゃないのも分かるんだけど。
 ただ、素人の中には「よく分かんない」をそのまま放置して他の部分で評価を下す人もいる。これはちょっと目から鱗。作品が「よく分かんない」ものになっちゃったから今回の芝居は失敗なんだけど、素人はそれを自分の読解力のせいだと思ってその部分をノーカンにする、というのはリアルにありそうだと思いました。まぁ私も余裕であります。漫画でもあるし、映画でもある。慣れてない舞台だったらもっとあると思う。今までそのことを考えないようにしてたので痛いとこを突かれたような感覚w
  “本来の目的を忘れるな 黒山監督” “私たちは演劇人じゃない 映画屋だ” のセリフ。本作に対して前から思ってたことなので、ぶっちゃけ「そーだそーだ!」と天知に肩入れしてしまった……。なので黒山にかっこよく反論されて寂しいw
 最後は映画館。『1917』楽しみだよねー。ぶっちゃけ「デスアイランド」つまんなそうだし。
 ちなみに、あの映画館、TOHOシネマズ新宿ですね。外観に見覚えがある……と思ったら前のページの背景に「歌舞伎町」とありました。くそぅw
 要するに、夜にあんなところで待ち合わせするのはバカだと思う。あと、土地柄的にルイレイの2人を連れて行きたくないですw あの映ってるエスカレーターを降りて帰る際、目の前に「無料案内所」とか見えるんですよ。良くないって。てか、TOHOマジで頭おかしい。

『AGRAVITY BOYS』

 4人の日常を朝から順に見せていくんですが、ゲラルトの部屋、寝間着が子供じみててすごい。ツッコミが入らないのでどう反応したらいいのか……みたいな。ナイトキャップにメガネの絵が描かれてるのが個人的には気になりますね。メガネキャラとしての強い自覚を感じる。偉いぞゲラルト。人は眠るときにメガネを外すものですが、だからこそナイトキャップにメガネを。
 そんな4人の朝。目覚ましの音量で個性が出てるのが良いですね。たまにクリスくらいの音量で起きれる人いてマジビビります。むしろ眠れてねぇんじゃねぇのってレベル。
 ババのシャワーシーン。何やら新連載にフルチンキャラいるんですが、ババも負けるな。みんな頑張れ。チンコ出せ。今回のシャワーシーンは隠す面積が異常にデカいので「こんなに必要……?」と戦慄しました。
 日常に異変。おおっ、宇宙船での密室ホラー。『エイリアン』じゃないか。やばい、これはアガる。平凡パンチ!!(エロ本ならあるはず)
 そんな未知のモンスター(獣疑惑だけど)に対して4人が冷静に、プロフェッショナルとして対処するのでかっこいい。最初は。『エイリアン』はさておき、新作の『プロメテウス』『コヴェナント』は「こいつらプロか?」と疑ってしまうような行動を取るのが面白いです。スラップスティック
 未知との遭遇。ゲラルトがメガネの隙間を的確に狙われてる(先週の吾峠先生かよ)間にクリスが行方不明。大きさについても謎。何者が、どのようにやったのか気になりますね。まさかシリアスな引きで終わることもあるとはなぁw

『ミニネタジャパン』

 岐阜といえば刃物の町。そして当然T字カミソリのT・Kです。『君の名は』よりもT字カミソリ。我々の業界では常識。
 髭がないのでジャパンは不戦敗というオチなんですが、そこに “出場者2人!!?” というトキオツッコミが入るから最高。ちょっと捻った角度のツッコミが素晴らしいですね。ギャグ漫画とかギャグの多い連載も増えてきましたけど、やっぱりツッコミはトキオが一番だと思う。

J新世界漫画賞大募集中

 2月はマツキ先生。『アクタージュ』はバトル漫画という話。『アクタージュ』に限らず、バトルっぽくない題材の話をバトル漫画的な文法で描く、みたいな作品は多い気がします。連載とかじゃなくてツイッターサイズのネタとかでも、漫画に限らなくても。日本における漫画のイメージ、立ち位置というのを強く感じます。

『ミタマセキュ霊ティ』

 絵がヘタな人が葉巻吸ってる人を描くとクチが半開きになるよね、あるあるだよね……と思ってたら劇中でツッコミが入るので笑った。囮だったかw ああいう時間差でツッコミが入るボケはずるいわぁ。強い。
 冒頭のボールが敷き詰められてる描写から怪しかったんですが、完全に『ポケモン』。勝手に連想して笑ってるだけかと思ったら、しっかり劇中でそのものズバリなワードが出てきたのが嬉しい。最近は例の曲に「そりゃそうじゃ」の合いの手が入らない、とこないだツイッターで知り衝撃を受けました。それなら「スカートの中」も変えた方がいいと思う。恥ずかしくてあんま好きじゃなかったです。ただ、「中」から「なかなかなかなか」と続く連打は気持ちいいんだよなぁ。……何の話だよバカヤロウ。
 デーモンじゃなくてサーモン。 “サーモンってのは冷たい川を泳ぎ切る強靱な肉体と忍耐力を持っているじゃんか…” とごまかすくだりが面白かったんですが、その後養殖と判明して「それすらもない!」と笑いました。あと、あのサーモンゴーストのデザインは『ONE PIECE』の魚人に似てると思う。これも古い。つらい。
  “小さい球に閉じ込められてかわいそう” とハゼレナ。あの無数の背後霊はハゼレナの優しさの証拠であった、と分かる。サトシがピカチュウモンスターボールに入れないのと同じ理屈。それだと手持ちポケ全部ボールから出してるのでハゼレナの方がすごいって話になるんですがw
 ラスト。スーツ姿のサーモンがすげぇ可愛くて好きってのもあるんですが、最後の最後がアンガールズオチなのも最高だったと思います。そういえば、とヒザポン。

ブラッククローバー

 骨が中二コートを突き破ってるのがかっこよすぎて笑った。と同時にあれをかっこいいと感じる自分に驚いた。アバラの延長みたいな形で骨が伸びてるのとかすげぇ心ひかれる……
 ダブルメガネが同時に敗北。無数の骨で突き刺されてるので倒れることも許されるず磔のようになってるのが絶望感ある。骨で体を固定されてるんですが、下を向いてる方はメガネが外れ、上向きはメガネ残し。メガネかけてる方は生きてるとか言いたくもなるんですが、立ち姿勢のまま死んでる件とも関わるのでメガネの着脱すら支配されてるみたいな話なんだと思います。メガネ着脱の自由……とは一体。
 悪魔パワーを55%出すと角が生える。2本の角が白黒で分かれてるのは55%だからなのかな。100%だと全部黒になるとか。左右非対称といえばユノの王冠もそうなんですが、例の見開きではちょうどユノの王冠がある左半分がコマに映り込んでるので面白い。王冠が半分しかないユノとツノが2本生えてるゼノン、そりゃ負けますわ、みたいな。まぁ、逆に言うと、ユノの王冠が完成するとさらなるパワーアップみたいな話でもあるのかな。アスタと2人並んだ際のデザインが芸術的なので今のがゴールだと思い込んでましたが、2本角の人見ちゃうと未完成だと感じる。

『ZIPMAN!!』

 サブタイが「VSマモノ使い」。前話が「VS女戦士」なのを見過ごしてたんですが、『ドラクエ』シリーズネタですね。厳密に言うとシリーズで「マモノ使い」という表記は存在しないと思うので、確実とは言えないんですが。とはいえ、女戦士よりはかなり限定されるのではないかと思います。
 ちなみに、次回は「VSドラゴン」になるのではないかと思います。女戦士、マモノ使い、ドラゴン。どれも広く使われてるネタなので『ドラクエ』と断定は出来ないんですが、こうして並ぶとさすがに、ねぇ?? みたいなバランスで面白いです。
 んで、生徒がマモノになる。というか着せられるみたいなノリかしら。おそらく人面鬼インスパイアなんじゃないかしら。あの顔だけ出てる感じ。『仮面ライダーアマゾン』ですね。敵チームに統一性はないけど、本作はそもそも特撮ヒーローオタの話なので全体で見れば統一されてるとも言えるかもしれない。アーマーゾーン!!!
  “どっちか選べますかあ??” のコマ。マモノ使いの指から伸びた黒い線が主人公にかかることでマリオネットっぽくなっててかっこいい。彼は脅しで人を操ってるに過ぎないんですが、そのイメージとしてあの絵を描いてるのが良い。
 からの投擲で本体を瞬殺。究極の2択からの3択目。かっこいいんですが、ヤツが起爆スイッチを持ってたら生徒たち死んでたな、とも思います。まぁ、殺すより逃げることを優先するような小悪党って部分には十分説得力感じますが。一応 “多少の犠牲は厭わない…!?” と説明臭いセリフが小さいコマに入るんですが、言い訳がましい(作品として)。アイツの小物感、焦ってブツブツ言ってる感としてはまぁ分からんでもない。
 完璧な計算とそれを実行できる完璧な運動神経。投擲機能くらいはスーツにデフォルトで組み込まれてても不思議ではないと思うんですが、それはそれだ。槍を並べてるショット超かっこよかったので好き。

ぼくたちは勉強ができない

 そろそろ幽奈さんの恋模様が動くので一旦「人魚姫」モチーフはやめてもらえないでしょうか……とワガママ。本作のが前からやってるので無理ですw まぁ、そもそも幽奈さんの人魚姫ネタを再びやるとも分からないんですし。
 卒業式前日。今まで何やっとったんじゃーい!とか思うけど、まぁグズグズしちゃう気持ちは分かる。好きで仕方ないけど恥ずかしくて告白できない、みたいな葛藤とはまた別ですし。
 相談なら聞く、と大森くん。どんな悩みだろうとお前には相談しない。と強く思ってしまう。日頃の行い的に。
 雨の中、墓の前で父に話しかける形で回想。思い出すだけなら室内にしたらいいじゃん……とか言いたくなるんですが、雨によって俗世間から隔離されてる感じはキレイだと思います。
 中一、闇時代の唯我。慣れない勉強をすることで心が荒んでいく、という勉強の負の側面を描くのは本作のテーマ的に重要なことだと思う。あの感じで鬱になる人、なりかける人、人実際にたくさんいると思う。思うんだけど、実際は唯我の悩の原因は貧乏と父親の死なので好意的に受け取り過ぎな気もする。安易にも見えた「お兄ちゃん大好きな妹」が実は闇堕ち時代に兄の愛に依存してたから、というのはすごい面白いと思うんだけど、不登校の理由が “お父さんのことで またイジワル言われるから…” と省略されてるのはちょっと残念な気がする。父親が死ぬこととイジワル言われることってちょっと連結が弱い気がする。いや、どこにもクソガキはいるから実際にそういう例はあるのかもしれないけど。
 ただ、 “もういいか どうでも” の場面はすごい好き。神経症的に「勉強しなきゃ」と自分に言い続けてきたのが突然プツッと切れてしまう。すごいリアル。学校行きたくなくて電車の椅子から立ち上がれない、とかあるよね。部活でも何でもいいけど。
 からの海。自殺を連想されるシチュエーションであり、同時に水属性のうるかちゃんの出番、と繋がるのがうまい。実際のところ、水泳スキルが役に立つ話ではないんですが、連想できるってのが大事ですよね。モチーフとして一貫してるわけですし。問題の発端でもある「海外」とも関わってきますし。
 まぁ、とにかく、やはり唯我が救われるみたいな話が私は好きなのだなと改めて実感しました。勉強係として与える立場にいたわけだけど、一方通行なのは関係性として不健全だよなぁと常々思っていたわけです。まぁだとすると、唯我を救うのがうるか1人だとバランス悪い気もするんですが、今後がある……ってもう卒業式なのか。どうなるのかしら。

『呪術廻戦』

 人混みの中から夏油過去編の2人が登場。あの登場の仕方、不気味でかっこよかったです。夏油が乗っ取られて五条ショック! みたいな部分にばかり注目してたけど、当たり前だけど夏油シンパも存在するわけで、ああなるのも納得ですね。あなる。
 ナナミンと合流。実力ではなく階級によって彼にしか出来ない仕事があるので別行動。しっかりした大人が出てくる作品だと主人公(子供)が活躍することに説得力がなくなりがちなんですが、この「主人公に任すしかない」という状況作りはうまいと思います。ここで意地知さんの名前が出たのも良いですよね。「まだ知らないんだ……」という絶望感と同時にナナミンはナナミンでめっちゃ大変そう。「大人は楽でいいよな」という感じがない。
 五条封印で困ること2つ。ちょっと『ONE PIECE』における白ひげ死亡とも似てますね。それだけ五条の存在が大きいってことだし、そんな「世界が終わる」級の出来事を経ても『ONE PIECE』の物語が続いてるのがすごい。やっぱ「2年後」をやったのはすごいと思う。
 んで、ジョニーズオタの呪詛師が現れてエンド。よく見えないけど「○山智一」ってのはやっぱ山Pでいいのかな。詳しくないのでもっと一致する人がいるかもしれないけど。
 てか、ジョニーズといったら『ゆらぎ荘』ですよね。マロジュン、チンネンのいる世界。『ゆらぎ荘』がコラボするべきは『ミタマ』じゃなくて本作だったかもしれないw

『夜桜さんちの大作戦』

 太陽の女装。あっぶねぇ、先週だったら『ゆらぎ荘』とネタが被ってたじゃねぇか。助かったぜ。
 そんな女装。嫁がノリノリで女装を手伝ってるのが良いですね。夫への愛も大事だが「可愛い」も捨てがたいw
  “翠 見てすらいないだろ” というツッコミ。正しいは正しいんだけど、ちゃんと見て「可愛い」と言われたがってるみたいでおかしくもある。太陽、目覚めてしまったか……(違います)
 ターゲットの政治家の狂言テロ。よく見ると事前のコマでお付きのスパイが2人に減ってるのが良いですね。3人組だと説明されてたはずなのに。
  “素晴らしい演技だったぞ 赤!” と「1」の人に言ってるんだけど、テロリストに変装したのは「3」である。もちろん護衛役も演技はするんだけど、演技をホメるなら普通に「3」だと思うの。123がそれぞれ赤青木でいいと思うんだけど、ややこしい。
 モールスで語り合ってたのは下らなくて好きなんですが、「そうだったのか!」とかっこよく謎解きする場面で太陽も踊ってるのが可愛かったです。まぁ、モールス会話ってのは潜入されてるのが前提の作戦になるので理屈として秀逸って感じではないんだけど、まぁギャグ寄りだからいい、のか?

ゆらぎ荘の幽奈さん

 扉は温泉に浸かり物思いに耽る幽奈さん。水中なので下半身の輪郭がぼやけて、足のないベタな幽霊みたいな絵面になってる。オッシャレー!! 特別な存在ではなく、ただの幽霊として当たり前に消えゆく存在なのではないか……という悩みですね。
 本編。悪夢からの、いつもの寝起き。 “慣れって怖いものですね…!” のセリフは関係性の深化を愛しく感じられるんですが、時の流れや変化というものを嫌でも意識させられる。次の “おはようございます” のコマでは背景にコガラシくんとの思い出の品が映るのとか本っ当に最高なんだよなぁ……。クソがっ!!(ナンデダヨ)
 温泉での会議。最初のコマの右端、かるら様の後ろに謎の物体が……と思ったけどこゆずのシッポか。潜って遊ぶなw まぁ、恋の話には興味がない彼女が幽奈さんが幽霊であることを気にしてるという話題になった途端 “そうなの 幽奈ちゃん!?” と発言し出す感じは芸が細かい。彼女らしいし、本気で心配してるのが伝わってくる。
 前に「狭霧に嫉妬する雲雀ちゃんの役目を奪わないでー!!」と冗談めかして書いたんですが、今回がっつり嫉妬してたので私は満足ですw それに “出遅れた我々が甘かったのじゃ!” とガチ反省するかるら様も成長が感じられて良いですよね。彼女は彼女なりに全力で頑張ってるからこそあのセリフに説得力が宿る(マトラ以外がそのことを知ってるかは分からんけど)。
 こゆずの “そうなの 幽奈ちゃん!?” のコマでマトラが “そうだぜ湯ノ花!” と言ってるのが最高。かるら様の友人としてそれ言っていいのか、と一瞬思うけど、言っていいのである。それにツッコミを入れないかるら様にも成長を感じるし、素直に幽奈さんを応援できるのもマトラらしくて好き。
 幽奈さんの告白について。宮崎さんが告白した直後なので急にも感じますが、彼女のことを応援した手前もうじっとしてられなくなった、というのも納得ですね。応援の言い分と矛盾してしまいますので。あの文化祭の告白はそれ単体で見事なエピソードだったと思いますが、それは独立してるのではなく、幽奈さんを告白に追い込む(言い方)最後のトリガーでもあったわけで。
 幸せすぎる日常を “壊したくないだけなのかも…しれません” 。読者の総意です。泣きそうw てかあのコマ、みんな温泉に浸かってるのに幽奈さんだけ宙に浮かんでるのが不穏すぎるんですよね。もちろん喋る幽奈さんを強調する構図ってことでもあるんですが。同時に「彼女だけ違う」という現実を突きつけてるようでもある。そして何より、成仏して天に消えていってしまう幽奈さんの今後を示唆しているのではないか……。やばい、ゲロ吐きそうw
 それは同時に、本話において幽奈さんがお湯を共有したのは後半の場面のコガラシくんのみ、ということになる。普通だったら省略するであろう入水の瞬間、足を恐る恐る温泉に入れる瞬間が描かれてるのも象徴的ですね。成仏という「上」に行ってしまう悩みを抱えた幽奈さんが覚悟を決めて「下」に向かって入水する。この上下の向き、アクションが重要ですね。上は成仏、下は現世……なんですが、現世の象徴として温泉を持っていたのが本作らしくて秀逸。
 そしてコガラシくんとの会話が本題に差し掛かる。未練と成仏の話になり、 “おそらく… 遠くはありません” のコマで幽奈さんが上昇して温泉から出る。冷静に考えたら「入ったり出たり忙しいなぁ」という話なんですが、そこが漫画としての演出ですね。ただ話すだけの場面で絵としては退屈になりがちなんですが、幽奈さんの話を絵としても伝えている。
 んで、いざ告白。 “幸せでした…!” が過去形で怖いし、 “この世で一番” も「あの世」に行くことを覚悟してるのが伝わってきてつらい。そして最後が “愛しています”“大好きです” もあったけど、トドメは「愛してる」。重い!! 重いよ幽奈さん!! ただ、そんな重苦しさが幽奈さんらしくて好き。
 告白の前にお湯から出てしまう件とも通じるんですが、告白するんだから相手の手を握ってもおかしくないのに、握るのは自分の手ってのが自己完結というか、彼女の中で閉じちゃってる感じがして不穏。『勉強』うるかの告白もなかなかのもんでしたが、「ほっとけないよ!」感がエグい。うるかと同じで「彼女を救わなければ主人公失格だぞ」という読者から主人公への圧力。やっぱなぁ、『勉強』タイミング悪いんだよなぁw 強制的な別れのタイムリミットとか、返事を求めてない感じとか(幽奈さんもたぶんそう)、水のモチーフとか、人魚姫とか、一致が多すぎる。まぁ、人魚姫ネタは本作はもうやらない気もしますが。「泡になって消える」を上に浮上するというアクションで代替してるので。
 ただ、最終回に温泉の中で成仏するようなことがあったら……『勉強』のこと一生恨みます(ウソデス)。

 本編がシリアスなので書くタイミングを逃したんですが、今週一番爆笑したのは酌人の “文化祭ん時に言うの忘れとったんやけどぉ” のコマ。車で移動中に霊子通信。ハッキリとは分からないけど、文化祭の帰りの途中ってことなんじゃないかしら。衣装も同じだし。やっぱ遠路遙々、高速道路で文化祭に来たのか? やべぇ、キモいと同時に怖いw 雪崩くんも玄士郎様もどこでもドアがあるから「来ちゃった」でも気楽に「来てくれたのか!」となるけど、いい大人が長距離ドライブの果てに「来ちゃった」は怖いよ。さすがシャック……。

『サムライ8 八丸伝』

 ワンコ侍めちゃくちゃ可愛い。人型なのに顔だけデフォルメ少ないのが可愛い。ピンと立った耳をさわさわしたい。たぶん嫌がられるだろうけど。……って初登場じゃないんだけど。
 犬なのに猫招き。ややこしい。猫「を」招くと考えるとまぁ正しいんだけど。いや、猫侍だから猫「が」でも正しい。ややこしい。
 花一と五空ということで数字キャラ。アンが1に該当すると思ってたんですが、別の1が出てきたでござる。意外。アンドゥトロワ的な意味だと思ってたけど、違うのかしら。ちなみに、あの女の子の名前は苺。これまたイチである。ややこしい。いや、イチとゴだからややこしくない。
 あと、犬の他に猿がいるので桃太郎モチーフなのかしら。だとすると五空が雉になる……のか? 空だから?

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 2/8は郵便マークの日ということで、募集していた消印選手権の結果発表。ジャンプ編集部との距離が最も遠い、300kmに最も近いを競います。
 ハガキ職人以外の方でも参加しやすいという点で優れた企画だと思ってたんですが、普通にハガキ職人が優勝してて戦慄しました。知った名前が載ってる衝撃。逃げられないw
 最長の優勝はfrom与那国町。日本最西端の郵便局らしく、ルール上の天井、カンスト記録ってことになるのかしら。最南端だと越えられる?(知らない) 与那国町だとたまたま観光で行った可能性もあるんですかね。ジャンプ読むかツイッターで本企画を知って「やっばこれ優勝じゃんw」となったのかと思うとちょっと微笑ましいです。

次号予告

 電子版限定コンテンツとして新連載2つが爆誕(短期連載)。すごい昔に、ジャンプはページ数が足りない!! 短期連載もっと増やしてよ!! みたいなこと書いた気がするんですが、割とそのノリに近い発想。良い発想だったのですね(ダレデモオモイツクケドナ)。
 想像ですけど、『呪術』のヒットと遠からずな企画だと思います。『呪術』って、GIGAで短期連載して、その設定をリセットすることなく、その続きとして本連載を始めたらそれが大ヒットとなった特異な作品じゃないですか。少年の電子版を定期購読してると無料でGIGAが読める(読んだことないけど)ので、現状少年本誌電子版とGIGAの境はかなーり薄くなってる。それだったら電子版限定コンテンツとして連載をしちゃえばいいんじゃね? ということですね。紙版連載を意識したプロトタイプみたいな作品をGIGAで短期連載してたのを、電子版で短期連載させることになったのではないかと。「GIGA連載」から「本誌連載」とキャッチコピーを変える。たぶんそこで人気出たら紙版にお引っ越しすることになると思う。0巻にするかどうかはさておき、短期連載ってのは単行本1冊分でしょうね。0巻だと『呪術』じゃなくて『斉木』だけどあれはまた別の意味で特殊なので今回は別。
 少年電子版とGIGAに境がほぼないと言いましたが、実際はゼロではないわけで。この場合、少年電子版で連載が始まるのと、GIGAで連載するのどちらが扱いは上なのだろうか。作家的に、編集部的に。親戚に「ワイの漫画がジャンプに載っとるで!!」と自慢する場合は、実物を名刺代わりに出来たり、近くのコンビニにも置いてあるであろうGIGA掲載のが圧倒的に強いとは思いますが。
 てか、こういう本誌の外付けハードディスクみたいな役割はプラスが担うと思ってたんですが、そろそろもう完全に別路線、別物って認識の方が正しいのでしょうね。作品の傾向としても全然違う感じになってきたと思いますし(そんな読んでないからイメージです)。
 こんだけ書いといてアレですが、来週からの新連載、私は読みません。この手法が継続されるならば、そのうち紙版に引っ越してくる作品も出てくると思いますので、そのときは読みます。今の生活リズム変えたくないので無理です。平方先生、屋宜先生あたりの新連載じゃなくて良かったなぁと心のどこかで思ってるレベル。まぁ、その2人レベルの連載が始まるなら電子版だろうと普通に嬉しいんですが。そしたら電子版買うよ。その場合、紙版を買うのかどうか、悩むなぁ……
 とはいえ、来週から始まる2人、過去に本誌に読切載せてて(片方は3度も)、かなり面白かった記憶があるので普通に読みたかった気持ちもあります。てか、ガチな新連載だと分かる。

 普通の予告。『鬼滅』が4周年で表紙と巻頭。人気投票やるそうです。結果発表までにそこそこスパンあると思うんですが、そこまで連載が続くのはほぼ確定ですかね。本編がいつ終わってもおかしくない勢いなのですが、これは朗報。
 そして、『AGRAVITY』が人気沸騰センターカラー!! じゃなくて増ページ。ぐぬぬ、カラーでええやんか。カラーあげておくれよ。
 てか、『鬼滅』が4周年ということは、『ゆらぎ荘』も4周年ですね。ですね。

目次

 ジャンプマイベスト。リーチローの好きなビデオゲーム。『ドラクエ』『バイオハザード4』『シレン』の順。『バイオ4』だけ具体的な数値つきなんだけど、他2つはシリーズ全体ということではなくそれぞれ1作目ということなのだろうか。違うと思うけど。
 ちなみに『ドラクエ10』の世界ではコロシアム(対人コンテンツ)ガチ勢として昔有名人でした。『dr.stone』が始まったのは『ドラクエ10』がつまらないおかげ!! 感謝しろよ!!(全方位的に失礼)

新年会で2代目のiPad Proを頂く。無料で仕事道具が新調できて感謝…。 <タツヤ>
(『アクタージュ act-age』)

 この2代目とはマツキiPadの2代目なので、アップルのシリーズ展開としての2代目なのか。たぶん後者だとは思うけど、前者もナシとは言えない気がする。
 ボーンデジタルとかデジタル作画とかiPad作画とかいろいろ聞くけど、ホントにやってる人いるんだなぁすごいなぁ、と具体的な作業内容がピンときてないくせに思います。未来感がなんか憧れるんですよね。

ABの半分は杉田さんのおかげでした。6年間本当にありがとうございました!
(『AGRAVITY BOYS』)

 ここだけ読むとすごい長期連載みたいな気がしてくるから面白い。

Jの新年会で再会、そして一緒に連載できて感無量。坂野先生、共に頑張ろー!!
(『ブラッククローバー』)

 『ブラクロ』チルドレンがファンタジーで新連載ってすごい。

連載初期からのアシさんがついに連載決定!嬉しい!めでたい!他誌だけど!!
(『ぼくたちは勉強ができない』)

 笑った。よりによってこのタイミングw

新年会で歴代担当さん達に久々に会えました。四人も…感慨深かったです。
(『ゆらぎ荘の幽奈さん』)

 担当外れたらそもそも会うことがなくなるのか、と当たり前のことに気づかされた。中村先生みたいなコメント残すのもちょっと分かるわ。

最近、コーヒーよりも紅茶を飲むようになってきました。紅茶も良い香りだなぁ。 <斉史>
(『サムライ8 八丸伝』)

 いわゆる紅茶党なのですが、そこらへんの喫茶店にはコーヒーしか置いてない(もしくは主流)ので仕方なくコーヒーを飲んでます。絶対紅茶のがおいしいと思うんだ。

愛読者アンケート

 新連載について。それと公式youtubeチャンネルについて。ジャンプと『ONE PIECE』のチャンネル。全然知らなかった。この手の質問って大体「存在は知ってるけど」がほとんどなんですが、今回は存在も知らない。そんなのやってたのか。選択肢から放送内容を想像すると、内容が多岐にわたってるので再び驚く。いろいろやってるんですね。すげぇ。オモシロ担当編集がいるらしく、「そんな仕事もするの?」とマジで衝撃でした。

総括

 いつもより少し早い。偉い。天才。

 今週のベスト作品。まぁ新連載でいいのかな。第1話だけで見ると3作の中で一番好きかも。

 今週のベストコマ。『ゆらぎ荘』の酌人のコマですね。シリアスな話の途中だったので「ホントに出てきた!!」と爆笑してしまいました。

 最後に今週のベストキャラも『ゆらぎ荘』。

  • 湯ノ花幽奈 『ゆらぎ荘の幽奈さん
    • やっぱねぇ、私はウジウジ悩んでる幽奈さんが好きなんだよなぁと改めて感じました。恋に悩む乙女、と書くとありきたりですが、その悩みっぷりが深いし、それに派生する悩みが深刻。それを温泉と上下の動きで描いたのが本当に秀逸だったと思います。

gohomeclub.hatenablog.com

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ジャンプGIGA 2020 WINTER

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