北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

縄跳びの話

 先日ニンテンドースイッチにて、縄跳びをするソフトが無料配信された。スイッチのコントローラーを両手に持ち、縄跳びを疑似体験する。縄はないがブツとして縄跳びと似ていて「その手があったか」と少しだけ感動した。

 やってみたんですよ。これが思いの外面白い。つい「もう100回行くか」と燃える。単純な効果音、手を振った際の振動、そして画面に蓄積される回数。これだけで楽しく感じてしまうから不思議。スマホ歩数計でただピョンピョンするのとは明確に違う楽しさがある。これがゲームなのだと思う。つまりはレスポンス。コントローラーをいじると画面の中のキャラクターが動く。ここにテレビゲームの原初的な快楽があるのではないか。跳ぶペースを早めると音楽がせせこましく鳴り響き、画面の中のウサギも忙しくなる。おまけに10回ごとに歓声のようなSEが入り、心地良いマンネリ、軽いトランスのようなものに入る。頭が空っぽになるような気持ちよさがある。気づくと数値が100とか一気に上がっていて、我に返ってからも楽しい。
 そうこうしてると記録は1,000。目標数はデフォルトで100。それを越えると画面が変わるので、当然「1,000いったらどうなる?」とワクワクしたながら跳ぶ速度も上がった。この「○○したらどうなる?」というのもゲームの楽しさのかなり根幹にあるものだと思う。そしてついに1,000。ワァーと緩い歓声が上がり、終わり。カウントはそこでストップ。興醒めである。マジで萎えた。
 ただ、せっかく運動(足の上げとかリアルに比べるとサボってるのだろうが)に楽しみを見出したのでここで「ウサギシネ」と切り捨てるのはもったいない。何かないだろうかと画面を探すと、時間。時間はの計測は続く。ただし、翌日以降の記録として残るのは跳んだ回数のみ。とりあえず10分跳んだらそれなりだろう、と自分を納得させることにする。

 ここまではいい。多少は健康的だろう。が、ここで「どうせやるなら」とセコいことを考え出してしまう。2日目でこの始末。
 スマホを持った状態で縄跳び(疑似)を行えばそちらにも歩数が溜まる。そうするとどうなるか。スマホゲームの『ドラクエウォーク』で歩数マイレージが貯まる。『ポケモンGO』では歩数が歩いた距離に換算され、それに応じてタマゴが割れる。
 さらには『ドラクエ10』。私はスイッチでプレイしていて、『ドラクエ10』の始めと終わりにスイッチのホーム画面を経由するので、そこで縄跳びソフトが視界に入ることで日々の習慣にしやすい、と考えてたくらい、とにかく『ドラクエ10』。特に面白くはないがとりあえず『ドラクエ10』。そんな生活がここ数年続いている。そんな『ドラクエ10』と連動したスマホアプリがある。ちょっとした雑務が出来る便利ツールなのだが、そこで歩数によってアイテムがもらえる。25,000歩につきゲーム内のアイテム「ふくびきけん」が20枚。ゲーム内で福引きをして、それを換金するのが主な目的。確率でもらえるアイテムは変動するが、期待値を計算すると福引券1枚につきゲーム内通貨であるG(ゴールド)が1,915。つまり20枚で38,300G。ぶっちゃけ特にうまくはない。ゲロマズ。どんなライトプレイヤーでもアテにはしない。そんな数値。
 が、縄跳びする際にスマホを持てばゼロではない額のゴールドが発生する。スマホを持たなければもらえない。この選択肢が生じてしまうと非常に弱い。ゲームの効率主義にも言えることだが、「やると得」が次第に「やらないと損」になり、それを義務のように感じられるようになり、残るのはストレスのみ。
 コロナ禍で「やらないよりはマシでしょ?」という発想の元、余計な行動に走り、トラブルが生じるという事態が全国的に起きたと思うんですが、この「やらないよりはマシ」は恐ろしい。コロナの方は「効果はゼロかもしれないけど少なくともマイナスではない」だけど、歩数の方は「ゼロに近いけど確実にプラス」。余計に怖い。
 「ただの縄跳びなのに楽しい!!」と無邪気に感動していたのは初日のこと。2日目にして邪心が湧いてしまった。「コントローラーがリアル縄跳びに似てる!」と感動してたのに、今ではスマホを持つためにコントローラーを2つ重ねて持つ始末。つらい。じゃあやめるかというと、そんなことはない。やっちゃうんだよなぁ。

飲みニケーション

飲みニケーション

  • 発売日: 2018/10/24
  • メディア: MP3 ダウンロード
https://youtu.be/l1ES-tlZnqU
 今日の1曲(突然の新コーナー)。
 ケツメイシの「飲みにケーション」という曲の中で「ポケモンGO」と「読め本を」で韻を踏んでるのですが、最近『名探偵コナンと平成』を読み始めました。『アトロク』で去年放送された「マジコナン特集」で紹介されたもの。読みます。いつか劇場版『名探偵コナン』シリーズについてもブログ書きたいのですが、書きたいという気持ちだけでまだ1行も書いてません。22作もあるからなぁ……