北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『サイボーグ009 BGOOPARTS DELETE』12話、『8マンVSサイボーグ009』1話の感想

 まさかの新連載でブログでの扱いどうしようかとも思ったんですが、独立させるのも大げさなんで、一緒に書きます。
 てか、チャンピオンRED、『サイボーグ009』は2作載ってるわ、『聖闘士星矢』あるわ、『銀河鉄道999』あるわ、『どろろ』はあるわと時空の歪み感がすごいw これが2020年……!!

 チャンピオンRED、『8マン』の付録がすごいんですが、付録って雑誌に挟まってるじゃないですか。雑誌を開いて付録を取り出すとちょうど『神呪のネクタール』のおっぱいのページだったのでビビりましたw 『8マン』を取り出したら1ページ丸々おっぱいドーン。

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サイボーグ009 BGOOPARTS DELETE』神話復活編⑫

 表紙とセンターカラーです。『8マンvs』は巻頭カラー。貴重なのはセンターカラーにおけるアポロンではないでしょうか。カラー初登場。手のひらを燃やし、指先も燃やしてて見たいものがすべてある。

 本編。まずは005とミノタウロスの戦い。ここでの牛さんがとても饒舌。寡黙な005との対比もあるんでしょうが、ちょっと説明的な感じもあって面白い。
 ただ、その説明的な部分が本作において重要だったのも明白。ゼロゼロナンバーのゼロゼロって何ですの? という説明。外伝? の作家としての我が強く出てきた感じですね。再現だけが作家の仕事ではない。
 とにかく岡崎版のゼロゼロ解釈。定義という意味でも大事だけど、それ以上に「試作品が勝てるわけないじゃん」という理屈。これは原作でも0010以降の敵で出てきた問題ですね。001(厳密には002)から008の技術を結集したのが009だけど、それはあくまでも試作品の中の集大成であり、さらに進化した0010以降は当たり前にもっと強い。0010以降との戦いは主にチームワークによってスペックの差を埋める話でしたが、今回、岡崎版が別のロジックを用意したのが圧巻。バトル漫画は勝敗のロジックを気にしてしまう性分なんですが、そこを気持ちよくくすぐられましたw

 そんなロジックが披露されるのが004vsヒッポス(馬)。馬の首から銃口が現れる描写、原作でもあったんですが、リアルめに描かれるとちょっと気持ち悪いです(ホメテル)。そんな対決、004ということもあって、少し「機々械々」を連想しました。決着がついたと思われた場面も「機々械々」の偽004の姿と似てる、かも。
 ヒッポス、004を追いつめる際に使ったのがオリジナル技。冒頭のゼロゼロのくだりもそうですが、オリジナル要素、改変の比率が上がってきた感あります。まぁ、本格的にバトルをやろうとしたらそりゃそうか。
 絶体絶命の004を救ったのが、ドルフィン号での加速体験。これはマジで見事でした。ファンサービス的な要素を除けば本連載で一番アガった瞬間と言っていい。「格上相手にどうしたら勝てるか」という問題に対する解答として納得度が高く、それでいてフェア。別に004のスペックが急に上がるわけではないですよね。経験と記憶によって今までになかったことが出来るようになる(たまたま発現する)。機械ではない人間の体に由来する逆転のロジックというのも見事ですし、それを説明する「タキサイキア現象」がギリシャ語なんだからちょっと出来すぎw
 スペックが向上するわけではないので加速行動がとれるわけではないと思うんですが、加速装置発動中に近い速度での判断が出来る。これは逆転のロジックとして充分すぎると思います。本当に見事でした。何ならこのアイディアがあるから本連載に勝機を見いだせたのではないか、と疑ってしまうレベル。

 一方、マジモンの加速装置を使った009vsアポロン。この2人が戦うとなるとそりゃそうだろうという話なんですが、アポロン“勇気だけか?” と例の明言について言及するのが楽しい。アポロンが嬉々として聞いてる感じがあってちょっと可愛くもあるんですよね。そして、それが単なるファンサービスではなく「本物のアポロン」を示すセリフになってて、そこから話が展開していくのも見事。まぁ、ファン心理としてはバトルを中断するのが早くて残念な気持ちもあるんですが、バトルそっちのけで女性の話を切り出すのが009っぽくてそれはそれで楽しいです。岡崎版は009の色男ぶりに対するちょっとしたツッコミ目線のようなものも感じます。そこがファン心理と重なって笑えるレベルに楽しいw 「今は女よりもバトルでしょうが!」と言いたくなる感じが009の良いところ。

 ラストはそんなヘレナ。読者的にはゼロゼロナンバーにとって吉報だと分かるんですが、そんなことは知らない003のリアクションがめちゃくちゃ深刻そうなのでちょっと笑いました。やっぱ岡崎版003可愛いよなぁ。健気さと不憫さがちょっと強めにデフォルメされてる感じがファンの「俺たちの好きな003像」とうまい具合に重なる気がします。
 しかし、本作の003、リコもいるのにここで旧敵(敵じゃないけどw)のヘレナまで出てきて忙しいですねw

 終わり。こっちは来月号も載るはずです。続いて『8マンvs』。

8マンVSサイボーグ009』第1話「最初の接触

 脚本七月鏡一、作画早瀬マサト・石森プロ、という布陣。
 最初に注意書きというか言い訳なんですが、『8マン』のことはほとんど知らないんですよ。『vsデビルマン』の感想書いたときにも同じ状態に陥ったんですが、たまたま『009』が好きなだけで、特別漫画全般に詳しいわけではないので。恥ずかしながら。なので、あくまでも『009』ファン目線の感想ということでご了承ください。

 本編。8マンと009が奇跡の対面を果たす場面から始まり、時間が戻って物語がスタート。完全に『009』がベースとなってます。これは初回だけなのか分かりませんが、基本的には『009』の世界、物語に『8マン』がお邪魔するような形になってると思います。『009』ファンとしては想像以上に『009』のちゃんとした新作なので嬉しいです。……『8マン』ファンが読んだらまた印象は違うかもしれません。

 911後の、テロ時代の現代における009たちの物語。岡崎版とか違って時代の跳躍に理屈を用意しないっぽいんですが、それが逆に「当たり前にある『009』新作」という感じで良い。原作におけるベトナム戦争の扱いと差がほとんどない。
 そんな「ベトナム編」、かなり本作(本話)への影響が濃厚です。例の戦車は出るわ、中にはサイボーグマンがいるわと大盤振る舞い。「神々」「天使」は完結編として、「ヨミ」「ミュートス」は人気エピソードとして題材になりやすい傾向にあると思うんですが、「ベトナム編」を持ってきたのがフレッシュ。他にも嬉しいサプライズはあるんですが、ここでまずアガりました。

 スカール風の男の悪巧みを調査。その際にまさかの「ヨミ編」クライマックスが回想と出てくるので再びブチアガります。3つの脳のくだりとか丁寧に、長めに出てくるのでマジ最高。それなのに一番重要であろう「どこ落ち」に関しては直前で回想が終わるのもニクいですね。ただ、これはひょっとしたら『8マンvs』のラストで「どこ落ち」を再びやるのではないか、という気もします。本話のラストが宇宙空間でしたし。まぁ、ただ、8マンのことを放置して「どこ落ち」するわけにもいかないので、そこらへんは怪しいんですが。

 スカール風の男の中からサイボーグマン。スカール風の話はこれで終わりとも見れますし、世界に点在してる中の1つに過ぎないとも見れますね。たぶん後者。何なら本物のスカール復活してほしいなぁw
 そんなサイボーグマンの言い分、生きる意味を失った過去の産物、というのが妙に泣ける。ちょっと2020年にまさかの新連載を遂げた『8マン』『サイボーグ009』両作のことをメタ的に指摘してるようにも感じます。意地悪な解釈かもしれませんが、本作の物語が「それでも今の時代にこそ必要」みたいな転換を迎える可能性も充分にあると思います。

 本話最大の見せ場。北の倉庫へのかけっこ。5秒で到着しないと核発射。タンクのマイクロ波攻撃で本調子でない009は間に合わずピンチ……そんなところに謎の8が登場。ピュンマかっこいい!! ではないw
 スピードスター対決としてこのそのまんま過ぎる対決は良かったですね。初回にふさわしい見せ場だったと思います。結果として8マンの完全勝利に終わるんですが、009は本調子ではなかったので……と言い訳も込み。とりあえず先輩に花を持たせた、みたいな気遣いも感じます。『vsデビルマン』のときにも感じましたが、この手の対決作品はそもそも作品の先輩後輩関係が劇中のパワーバランスにもモロに反映されますよね。そこらへんのメタな部分も見所だと思います。とりあえず今回は「いやーやっぱ8マン先輩には敵いませんよー」と009が揉み手するような結果。
 ちょっと話それますけど、『vsデビルマン』は作品としては『009』が圧倒的に先輩だけど、話やバトルのスケール的にはデビルマンの方が派手なので、とバランスが難しく、その処理がとても面白かったです。近年の『009』作品の中でも屈指のレベルの作品だと思うので、観たことない人がいたら是非。

 そしてラスト。009と8マンが対峙して感動……だけでは終わらなかった!! 再びサプライズ!!
 まさかの宇宙空間での魔神像登場ですよ。これは読んでて思わず声出ちゃったw 完全に「ヨミ編」アフターやん。いろんな『009』作品で「ヨミ編」をモチーフにした話はありましたが(『RE』とか)、ここまで直球に「ヨミ編」の続きを宣言するのは珍しい。まさか魔神像復活とはなぁ。岡崎版ではミュートスが復活してるし、何が起きるか分からないw
 てか、岡崎版、ミュートス編が終わったらまた別のオーパーツの話になるんじゃないかと期待もしてるんですが、本作の登場でちょっと「地下帝国ヨミ復活編」がやりづらくなりましたねw もちろん細かい設定やアプローチは違うのですが、ここまで明確に「ヨミ編」の続きになるとはなぁ。ちょっと嬉しすぎて忘れそうになるんですが、ここまで『009』に偏った話になると、今後8マンの扱いどうなるんでしょうかw


 終わり。どちらも非常に面白かったです。特に『8マンvs』のラストは衝撃だったなぁ。まさか2020年になって「ヨミ編」の新作を読むことになるとは。いや、ミュートスの新作読んでる最中なのでアレですがw
 おそらくですが、『8マンvs』の連載は毎号掲載という感じではなさそうです。次号予告にも載ってません。代わりにチャンピオンRED次号は『聖闘士星矢』祭り。これが2020年……!!
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