北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『生徒会役員共』589話の感想

 羽毛布団はじめました。

#589

 扉はパリィ。私服だと思われるが、カーディガンは学校で着てるのと同じものではないだろうか。中のシャツが色付きで学校には着てこれないと思うが。まぁ、カラーじゃないから一緒に見えるだけ、という可能性もあるのかな。

 1本目。不意に現れる蜘蛛にスズびっくり。スズの “全身の毛穴がひらいた‥‥” からのアリア空耳でオチなんですが、背景で蜘蛛を窓の外に逃がしてるタカくんが良い。物語には直接関わらない小さな情報としての背景タカくん。極端に「キャー! 素敵!!」となるほどではないが確かに好感が持てる、というバランス。
 んで、オチ。アリアの空耳。不意のリアクションをネタにされたのが嫌だったのか、ちょっとだけツッコミに棘があるのが面白い。丁寧な言葉遣いだけど、そこが逆に余裕のなさを感じるというか。

 生徒会室に突撃する畑さん。会長にインタビューの依頼をするも “そんな言葉には乗せられないぞ” と断られる。そこで畑さんが一計を案じ、会長がコロッと陥落してオチ。「そんな言葉」を踏まえたオチになるんですが、当人たちには必要最低限のセリフしかなく、それを客観視したタカツッコミが入ることで初めてネタが完成する。
 焼きイモの差し入れなんですが、わざわざ煙の描写まで入れてほかほか感。どこで入手したの? とか思わんでもないんですが、焼きイモにはただの季節ネタというだけではなく、畑さんの真の目的が隠されていた、と次のネタで明らかになる。面白い構成でしたね。

 ということで畑さんのインタビュー。うっすらと連続してる話かと思ったら、話の内容としては前のネタと密接に関わっている。インタビュー用のマイクの話題になるんですが、そのマイクで何の音を拾いたいのか、という畑さんの真意がオチ。それが前のネタの焼きイモと関わってくる。この3本目の中では焼きイモに直接言及するセリフは出てこないんですが、2本目から続けて読むことで読者の中に「あーあれはそういうことか」と意味が生じる匙加減。ここらへんが4コマ漫画としてそれぞれ独立して完成してるんだけど、続けて読むことで4コマ外の意味も発生する。

 扉でもあったパリィの「日本語難しい」的な話。問題の日本語はネネの “ちょいと花摘みに行ってくる” 。もちろんトイレの言い換え。ちょっとお嬢様すぎる表現になるのを恐れたのか「ちょいと」でラフな感じにしてますね。ちなみに、私はこの表現を氏家作品で知りました。
 そんな「はなつみ」をトイレのことだと教わったパリィが意味を誤解してオチ。これは彼女に非はないというか、「なんで花摘みなの?」と聞かれたら回答に困っちゃうよなぁ。そこに理由を見出そうとすると、パリィ説もそれなりにアリな気がしてしまうw
 ちなみに今ググったら、元々は登山時における野ションをカモフラージュする目的があったらしい。なので花の理由は、ポーズが似てるから。

 古谷さん。背中パックリで登場。オシャレ&セクシーすぎてすごい。この格好でオールドギャグが飛び出るからインパクトありすぎるw
 ちなみに、小さいけど重要な情報として “アドバイザーはナツキ” とのセリフ。以前から存在した古谷さんオシャレすぎ問題への具体的な回答。友人は友人で読者モデルだからオシャレのレベルが違う‥‥と思ったけど、読モはカヤの方。ナツキは子持ち人妻の方ですね。描かれてないことを勝手な妄想で穴埋めすると、子育てに忙しくて自分でオシャレできないナツキが古谷さんをモデルにしてその発散をしてる、という説はどうでしょうか。
 オチは古谷さんのうっかりミス。オールドギャグではない。2コマぶち抜きで古谷さんの背中パックリを見せつけられる衝撃で気づかなかったけど、2コマぶち抜きでありながら全身は映ってないというのがポイントでした。よく見ると2コマ目の下ギリギリのところにオチの元凶がチラッと映ってるのですね。このせいで!! と見返したときになれるのが良い。
 てか、古谷さん、ナツキの指示でセクシーな下着してるんじゃないか、ってくらいの見えなさでしたね。セクシー描写が極めて少ない本作の中ではかなりギリギリな気がするw

 コトミとトイレ。本話は謎にトイレのネタが多い。どれも独立してるんですが、最終ページの2本はサブタイが「アウト」「セーフ」で対になってたりもする。話は続かないけど、テーマとしては続く。
 ただし、このコトミのネタは実際に起こったことを見るとトイレの話ではあるが、排泄の話ではない。そういう話だと端から見たタカ兄が誤解する、というネタ。これマジで見事でしたね。シンプルでありがちなシチュエーションから最後に視点を移すだけで「ウソだろ!?」という衝撃が生まれるw 4コマ漫画としてのクオリティ、完成度がすごいと思う。

 一方、スズ。こちらは学校にて、 “トイレ間に合ったー” 。それを聞きつけたアリアが空耳ドアバーンしてオチ。最近は違った意味でシリーズ展開が加速してましたが、前は空耳といったらドアバーンだったと思います。原点に帰るようなネタで笑ったし、このスズのセリフに対する空耳ネタは今週の1本目とセットになってるのでスズが “この人どこにでも湧くな!!” とツッコむことでまた新たな魅力が発生してる。ドアバーンへのツッコミとして「湧く」が的確w


 終わり。日常回と言えると思うんですが、それでいて、というかだからこそレベルの高い回だったと思います。特にトイレの3本とかどれも良かったよなぁ。
 そんな中個人的なお気に入りとしては、トイレの中でもコトミのネタ。驚きは強いんだけど、実際に起きたことを考えると至って平和、というギャップが最高です。
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