北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『生徒会役員共』597話の感想

20201225031848

 年内最後でございます。2020は大変でしたが、2021は『劇場版2』がいよいよ公開なので仕切り直し、という感じではないでしょうか。
 あと、もうすぐネットフリックスで2期のOVAの配信が始まるのでそっちも楽しみです(どこまでやるかは分からん)。いや、DVD持ってるんだけど。見やすいので。

#597

 扉はスズ。本話は私服コートでみんな可愛いんですが、中でも奇抜というか個性が強いのがこのスズだったのではないでしょうか。あとは単純にスズの耳当てがオチに関わるネタが1本あるので、そのフリとしても扉で大きく見せておきたい、という兼ね合いもあるのかな。

 前回の予告にあった通り、除夜の鐘。いきなり現地。いきなり鐘が鳴り響いております。つまり、#597開始の時点で既に年越しのカウントダウンが着々と進んでいるということですね。タイムリミット感あるシチュエーション、かなり面白いと思います。今までなかったのが意外なくらい。
 んで、そんな鐘の音「ゴーン」でオチ。まさかのタカくん。事故なんですが、意外な人選でした。そんな意外性をシノアリの2人も感じていて‥‥という4コマ目。驚きもあるけど嬉しそうでもある、という絶妙な表情をしてるのがツボでした。

 出島さん登場。出島さんより整理券の配布。さすがに除夜の鐘まで七条グループが行ってるとは思えないので、単に代表者として人数分の整理券を確保してきたという感じでしょう。そんな整理券の配布をタカくんが代行することになって、というオチ。
 「数字あそび」というサブタイの時点で、これは0721かな? と予想したんですが、違いました。もう1つの方だったかw まぁ、よく考えたら除夜の鐘で0721は無理ですね。108しかない。
 タカ配布に対してアリアが誤解してオチなんですが、開幕2ネタ連続でタカオチという感じになってますね。今日はいつになく気合い入ってんな、みたいな流れがあってウケる。

 鐘つきスタート。まずはコトミ。なんだけど、コトミは背景。コトミを見ながらの会長たちの会話がメイン。この順番待ちのそわそわ感ちょっとリアルですね。人がやってるのを見て自分のやり方を確認するような感じ。そこに出島さんからコツが伝授されるんですが、なぜコツを知ってるのか、がオチ。
 出島さんの経験豊富オチなんですが、それに対する “早く鐘鳴らして煩悩消滅させなきゃ!!” というツッコミが実は最後のネタに向けたフリにもなってますね。除夜の鐘は煩悩を消すためのもの、という説明しなくても成立するんですが、事前のネタのツッコミの中にその説明をさりげなく仕込ませる。説明臭くもなく、それでいて丁寧。最後のネタのオチはちょっと謎解き的なニュアンスもあるネタなのでそこの理解をスムーズにするための下準備、みたいな感じでもあるのかな。

 スズの番。2コマ丸々使ってじっくり描かれるのが印象的なんですが、そんなスズの鐘つきという絵面に対してコトミがオチ。コトミの中二ネタというか、ファンタジーネタというか、ゲームネタ。ゲームだから成立する不自然が、ゲームならではの魅力として定着しちゃってる件。3コマ目で鐘をつき終えたスズがすっきりしたような顔で帰ってくるんですが、それがしょうもないネタで上書きされる、みたいな台無し感が楽しいです。スズの正論すぎるツッコミも印象的。
 てか、この手のファンタジーイラストは本作やけに充実してますよね。下手なレアキャラよりも出番多いと思う。

 会長の番。寒そうにしてる会長にタカ手袋のレンタル。間接手繋ぎみたいなラブコメネタになると思うじゃないですか。2コマ目でそう確信したんですが、違ったw そこからさらにスズレンタルになって、というオチ。そこで1本目、というか扉から何度も描かれてきたスズの耳当てが絡んでくるという構成が見事ですね。もちろんこのネタだけでも独立して成立はするんだけど、ここまでを流れで読むことで味わいは増すのも間違いない。

 ラストページは連結8コマ。いよいよ年明けの瞬間の鐘の音が鳴り響いて、というところからスタート。このラストページだけ新年という構成。
 ちょうど2コマずつの区切りで起承転結に分かれるようなネタ構成で、つまり4コマ目が一旦のオチではない。むしろフリとしての側面が最も強くなる瞬間。会長から新年の挨拶がされて、というところで後半4コマに向かう。
 そして、新年の挨拶を出島さんがするんですが、新年の挨拶といったら当然アレ。ファン的には「待ってました!!」的な感じだったと思います。定番ではあるけど、案外毎年必ずあるとは限らないんですよね。
 そんな定番の挨拶に対して意外なリアクション、というオチ。これはファンの間で定番になってることを逆手に取ったようなネタで見事だったと思います。ぶっちゃけボケが定番になりすぎると「前見たネタ」となってしまう問題もあったと思うんですが、今回はそれを華麗に回避してたと思います。定番の挨拶からさらにその先へ、というオチがマジ秀逸。ちゃんと「除夜の鐘」という本話のメインテーマに直接関わるオチだったのも完璧ですね。


 ということで終わり。2020年も終わりです。今年も1年ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。いよいよ公開の映画楽しみですね。
 んで、今週のお気に入りとしては、1本目かな。いきなりタカボケ(誤解)という意外性もあり、それが開幕1本目なのも良かったし、除夜の鐘というテーマに対するアプローチも面白かったです。
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