といっても読切のベストを作るのが主目的の記事です。ちゃんとした振り返りをするための下準備はしてない。
してないので、雑な記憶で振り返ると、今年はやはり『鬼滅』フィーバー……なんだけど、ジャンプ本誌だけで考えると今年が特別すごいみたいな感じもないのかな。いや、ないこたないけど、アニメとか映画での社会現象とはタイムラグがあって、そっちが一番すごいときには連載が終わってたので。
そんな『鬼滅』が終わってた件。この連載終了が今年のトレンド……と言いたいけど、ぶっちゃけこれは近年のトレンドであって、今年に限った話と言うと誰かにバカにされそうで怖い。順当に終わってっただけで、あとから振り返ると「人気作がいっぱい終わったね」となっただけだと思う。
終わった大型の作品でいうと、『鬼滅』『ゆらぎ荘』『約束』『ハイキュー』、そして年末になって『チェンソーマン』『勉強』が駆け込み終了。ただし、『チェンソー』は移籍というのが正しいと思ってる。そんな『チェンソー』よりも変則的だった『アクタージュ』の連載終了なんてのもありましたね。驚き、衝撃という意味ではこれが一番大きいって人がほとんどなのではないでしょうか。コロナショックも大きいけど、ジャンプの誌面に直接影響を与える意味ではそっちかもしれませんね。まぁ、あんまり面白がって蒸し返すべき話題でもないと思うんですが。
個人的に言えば『ゆらぎ荘』『ハイキュー』の2作が終わったのがあまりにも大きい。疑いようもなくこの両作がジャンプのベスト2でした。それがゴソッとなくなってしまった。虚無感……。今のジャンプも楽しめてますけど、やっぱこの2作の面白さは別次元だったかなと思います。
逆に始まった作品。個人的には『マグちゃん』、そして終わってしまったけど『ボーンコレクション』の2作。この2作には本当に救われました。『ゆらぎ荘』ロスの心がかなり癒されました。まぁ『ボーンコレクション』の方が好きなんですが、そっちは既に終わってしまったのでまたつらい。正直終わるとか意味が分かんないですね……とダークサイドが広がっていくのがジャンプシステムの良くないところですよ。
そんな『ボーンコレクション』、2019年に読切版が載ったんですが、それを私の年間ベスト読切に選んでいた、という話。さすが私。私の好みが分かってるゥゥ!! と当たり前ながら感心しました。ちなみに『ぼくらの血盟』の読切版が4位、今年単行本が出た平野版『鬼滅』冨岡編が5位。
ということで読切の振り返りです。ランキング作ったよ。ベスト15です。結構真面目に作ったし、作ってて面白かったんだけど、そもそも読切全部読む人が少ないのだろうからこの話が通じる人がそれほど多くない気がする。ぐぬぬ。
ジャンプ2020年読切ベスト15
- 『ポポ』
- 『逆襲シャトル』
- 『アオのハコ』
- 『ダダダダーン』
- 『将棋道中膝栗毛』
- 『静子ブルジョワジー』
- 『レッドフード』
- 『MY LITTLE MARS』
- 『鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 外伝』
- 『銀色のセブン』
- 『約束のネバーランド』
- 『狐日和の紺次郎』
- 『悪霊のナイトサファリ』
- 『戦乱FREAKS』
- 『心霊写真師 鴻野三郎』
という感じになります。ちなみに2019年の読切ベスト2にした『しろすぎ!アクノソシキ』に関しては続編が今年掲載になったんですが、読切の続編という扱いがややこしいので除外しました。普通に考えたらトップテンには普通に入ると思います。面白かった。
扱いが難しいという意味では有名作家の作品なんですが、トップテンにギリギリ入れるという形でバランスを取りました。ホントは1位にしたい気持ちもあるけど、そういうことすると後で振り返ったときにつまらない(参考にならない)のよ。
同じ両者の混合になるのが平野版『鬼滅』、煉獄編。別に冨岡編の続編ではないから入れちゃおうかなぁという感じです。ただ、恣意的に評価を下げたとかではなく、大体このくらいの位置だと思う。十分高いけど。
1位『ポポ』。今年の読切タイトルを羅列して見比べたときに「まぁコレだろ」とすぐ決まりました。相当良かった。ちなみに金未来杯。まだ結果は出てない。優勝したらほぼ間違いなく連載になるけど、そしたら2年連続で読切ベストが連載化されることになる。自信はないです。
とにかく面白かったので読む方法がある人(電子版で買ってる人とか)は読んでみるのも一興ではないでしょうか。49号です。
ちなみに、この作者、読切『さよならマヌケな誘拐犯さん』が2019年に掲載されてて、そっちは私の年間ベスト9。「たしかに面白い」くらいから「めっちゃ好き」に上がった感じです。とにかくエイリアンの幼体が可愛いのよ……(作品の魅力の根幹ではない)。
2位『逆襲シャトル』。リバースシャトルと読む。読めるかい。こちらも金未来杯。バドミントンですね。「バドミントンとは攻撃権の奪い合いだ」と1文で説明できる内容。その割り切りが良いし、スポーツ(それもややマイナー)を題材にした読切として大成功だったと思う。てか、金未来杯、この2作以外が優勝したら私はどのような気持ちになればいいのだろうか。予想をするなら別の作品も少し考えるのですがw
ちなみに48号掲載です。
3位『アオのハコ』。ストレートな恋愛もの。戦ったりしないし、運動部のついでに恋愛するのではない。エロでもない。運動部ではあるけど、明らかに恋愛が主。ちなみにバレーとバスケ。
とりあえずここまでの3本が私の中で群を抜いてた印象です。これは35号。
4位『ダダダダーン』。2021年の2号。つまりついこないだ。さすがに紹介する必要もないでしょう。年末に読んで4位に入れるんだからかなりハマったということです。
5位『将棋道中膝栗毛』。これは11号。つまりかなり昔。ただ、タイトルにもあるとおり将棋なので、この題材ってだけで思い出せる人も多いのではないでしょうか。江戸時代風の舞台。絵の魅力を全面に押し出した感じがとても魅力的でした。
6位『静子ブルジョワジー』。44号。ギャグですね。コテコテのキャラものなのかと思いきや、その変人キャラを優しく包み込む周辺キャラというのが魅力的な作品だったと思います。暴力的じゃないツッコミを越えた否定しないツッコミみたいな話。ただ、暴力的なボケはあったりするのが面白いバランス。
7位『レッドフード』。42号。これまた金未来杯。この作者ラブコメのイメージが強かったんだけど、ファンタジーバトルみたいなのやってて意外でした。そしてそれがめちゃくちゃハマってる。もちろん可愛いの魅力もあるんだけど、ただ女の子が可愛いってだけではなかったです。女の子も出ますけど。
8位『MY LITTLE MARS』。12号。タイトル通りだけど火星の奴。ここまでストレートなSF作品は意外と珍しいのかもしれない。これはもうちょっと上にすればよかったのかもしれないけど、上の作品もまた別個の基準で好きなんだよなぁ。悩ましい。
9位『鬼滅の刃 煉獄外伝』。平野先生は銃が好きというのがよく分かる平野版『鬼滅』2作目。本家の『鬼滅』で扱ってこなかったネタを意図的に拾い上げてるような気がして、別作者のスピンオフとして理想的な形だったと思います。2作目だから除外しようかとも思ったんだけど、面白かったから入れちゃう。
これは単行本が出てる。珍しい。珍しすぎる。
10位『銀色のセブン』。33・34合併号。ミウラ師匠!! ミウラ老師!! 今年はいろんな作品が終わったけど、さっさと読切で凱旋というパターンも多かったです。筒井先生も近々読切があるかもね。『勉強』はオリジナルかは分からんけど。
とにかくミウラタダヒロという作家の理屈っぽい面が濃縮された作品でファンとして「やっぱそうだよな」と笑っちゃうような内容でした。1位でもいいんだけさ、予期せぬ出会いを楽しむのがジャンプの読切の本分だと思うので……みたいな感じ。
11位『約束のネバーランド』番外編。『約束』完結後いろいろと読切を載せてくれました。この量は異常。個人的にはその中でもイザベラ編が断トツで好きです。
12位『狐日和の紺次郎』。6・7合併号。藤巻先生のやつ。新年一発目の特別読切ですね。ミウラ以外、番外編以外の有名作家系ではトップ。これマジで面白かったんですよ。有名作家ということで下めにしてるけど、そういう兼ね合いなかったら普通にトップレベル。藤巻先生マジで面白いんだよなぁ。
13位『悪霊のナイトサファリ』。47号。金未来杯。バトルがかなりかっこよかったので、案外ここあたりが優勝したりして、とはうっすら考えてます。予想するならこれも怪しむ、という感じ。
14位『戦乱FREAKS』。『ZIGA』でおなじみの肥田先生が作画。いろんな人と組んで描いてる印象あります。また近々読む機会はあると思うけど、どのコンビになるかは予想できない。
掲載は27号。ちょうど『ゆらぎ荘』が終わった号ですね……。
15位『心霊写真師 鴻野三郎』。36・37合併号。白井出水コンビのオリジナル読切。『食戟』コンビとか宇佐崎先生とか有名作家系の読切は他にもあるけど、最後に1本入れるならコレかな。有名作家コンビの凱旋読切は幽霊が多い、というのが今年の細かすぎる特徴です。
終わり。年間ベストキャラみたいなのもやってたけど、あれ準備が手間かかるので今年は省略。読切は面白いぞ、というのがメインです。連載以外に手を出すのはめんどくさいかもしれないけど、来年は「とりえず全部読む」と決めておくのもオススメです。
ということでジャンプ記事はこれで終わり。あざした。また来年。
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