北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『生徒会役員共』600話601話の感想

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 いよいよ600話突破。年50話だとして12年。1話に4コマが7本だとしても計4,800本(実際はもうちょい多い)。すごい。


#600

 扉はアリア。特にアニバーサリー感はないんですが、本編の方は少しながら節目っぽい内容だったと思います。

 エチケット。日常回ではありますが、このエチケットでテーマが共通してる気がします。うっすらとだけど。
 ハンカチを忘れたタカくん。高校生、それも男子高校生で忘れた、つまり普段なら持ってるという人どれくらいいるのだろう。高校の頃周りにそんな人いたかな……というレベル。いや、これは民度とかそういう関係もあるかもしれないw
 そんなエチケットについてアリアが空耳してオチ。1本目から勢いあって笑うんですが、劇中でも “朝から飛ばすなっ” とツッコミが入るので痛快でした。
 空耳の内容としては割とシンプルだと思うんですが、会長→タカの “君にはエチケットを教えねばならないな” というセリフにこの空耳をしたということは、アリアは具体的にどんな勘違いしていたのか、みたいな部分がおかしい。 “シノちゃん私にも” と続くのが良い。

 横島先生のエチケット。昼にニンニクラーメンを食べて匂う。これが生徒キャラだったら学食にあるもの食べただけだろってなるんですが、おそらく横島先生は学食ではなく出前を取ってるんですよね(過去にそんな描写あった)。会長はエチケットとして指摘してるんだけど、私だったら「ずるい」的な気持ちにもなってたと思うw
 エチケットについて横島先生が反論してオチ。それに対する “これが大人の言い分か‥‥” というツッコミが辛辣すぎるので笑った。前からそうだけど、横島先生については諦めのニュアンスが混じること多いですよね。

 歯磨き。1コマ目に「食事の歯磨き」とあるけど、「食後」だと思う。どうでもいいか。
 とにかく歯磨き。うっすら前のネタと連続性があるというか、口臭という意味では歯磨きはエチケットでもある。
 スズ、アリア、会長と順に横磨き、縦磨きについて持論を展開。タカくんがいちいち相づちを打っていく流れなんですが、会長だけ言ってることがおかしいのでオチ。絵の構図としては3コマ同じで淡泊というか、単調な印象にもなるんですが、その単調の中にしれっとおかしな話が混じってくるので笑う。ここでボケました、みたいなこれ見よがしな感じがない。前の2本が大きめの声でボケるタイプだったのもあり、この静かなボケというのが効果的だったと思います。

 4、5、6本目(8コマ)は連続した話。ハンカチ、歯磨きときて、最後はティッシュ。ポケットティッシュを切らしてしまった会長の悲劇。忘れたわけではなく、切れてしまった。ここらへんタカくんとの違いになってるのが細かい。
 ハンカチや歯ブラシと違ってティッシュは1日使わないことも全然あり得るので大丈夫‥‥ではなかったというオチ。この4コマが後半2ページの導入みたいな感じですかね。もちろんリズムとしてはちゃんと4コマ漫画になってるのでさすがですが。

 紙を求める会長がアリアに助けを求める。こちらの4コマでは会長が一切出てこない。完全にアリア視点でのみ話が進行し、そのアリアがボケをかます。ボケなので振り回す側なんですが、会長の姿が見えないけど、そのせいで余計に会長がいかに焦っているかが伝わってくる。この見えない会長を想像してしまうような余地が面白かった。最後もツッコミではないんですよね。ものすごく端的に要求を伝え直すだけ。事務的になってるのが必死感あって笑える。

 最終ページは連結8コマ。トイレの続く。アリアが会長の元へ紙を届けに行くが、タカスズに見つかる。アリアが気を使って用件をぼかしたら‥‥という悲劇。この前半4コマがもう独立して面白いというか、ここで終わっててもおかしくない完成度だと思います。ここで十分面白いんですが、そこからさらに話が大きくなっていく。大きくなってしまうことで悲劇性が増し、久々に会長が画面に登場したときにはもう最悪の事態にw
 いろんなキャラが聞きつけてドタドタを走ってくるのはちょっとお祭り感あったというか、600話記念感あったと思います。状況的に出てきたのは桜才の生徒のキャラのみだけどオールスター展開ですよね。
 この手の話を聞かれると困るのって畑さんだと思うんだけど、今回の誤解に限っては別の意味でムツミもかなり厄介というか「勘弁してくれ」感がありそうだと思いました。100%善意で、全力で誤解してくるのが一番つらいというかw

 一旦終わり。お気に入りは最後の8コマです。話の続きとして意外な広がり方をしたし、それが記念回っぽいルックになってて見事だったと思います。

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#601

 扉は森さん。#600 とあわせて桜才と英稜の巨乳対決みたいな連想をしてしまう。むむむ。なにがむむむだ。

 英稜。こっちは丸々英稜の話。いきなり生徒会の顧問の話が飛びだして驚く。この次点で新キャラの予感だ。
 からのウオミーが「生徒会の顧問」で空耳してオチなんですが、これは #600 の1本目とセットになってる、という見方でいいのだろうか。もちろん誤解の仕方は違うし、ウオミーの誤解したままグイグイ話を進めてくる感じも面白いんですが。
 最後の森さんのツッコミ、動揺が全開になった “競うって何!?” も最高だったんですが、サブタイの「しまり具合」がド直球なのでさらに笑いました。補足説明すんなw

 顧問が欲しくなった、と青葉さん。顧問の件、言い出しっぺは青葉さんなのですね。森さんはそれを肯定する立場。よく考えたら青葉さんの方が生徒会としては古株なので良いバランスだったと思います。まぁ、サザエさん時空でこういうことを深く考えても仕方ない気もするんですがw
 んで、実際に誰に頼むのか、という件についてウオミーが案を出してオチ。無茶苦茶な話でもあるんですが、こういう豪腕さは会長としての資質と受け取ることも可能だと思う。部下が発案したものを実現する、という関係は理想的なのではないか。

 んで、顧問を頼む先生登場。2コマぶち抜き。完全新キャラなので誰が出てきても意外なんですが、意外でした。生徒指導の音羽先生。厳しい人らしい。本作だと珍しいタイプのキャラクターだと思います。『妹は思春期』や『濱中アイ』『あかほん』でもいなかったんじゃないですかね。ただ、『プチたん』にはいる。生徒指導の雨雲先生。同系統だとは思うんですが、まぁ『プチたん』では出番が多くなかったので、未知数なのは変わりないです。厳しい先生ということでまだ心の底を明かすような感じでもないので、これからどうなるのか楽しみですね。このスロースターターな感じは広瀬さんのときと似てるのかもしれない。積極的にボケまくるタイプではないので。直近の新キャラだと北山&南野がいますが、あの2人は属性盛り盛りでスタートダッシュした方だと思います。
 名前。音羽先生なんですが、おそらく地名が由来。英稜は地名が多いって感じなのかな。桜才生徒会OGが南北だったのもあり、最近の新キャラは割とダジャレ系のネーミングがされてる印象があります。
 下の名前。例によって出てこないんですが、最近はフルネーム設定されることが多いので、近々発表されるんじゃないですかね。扉になったときにしれっと表記されてる、とかもありそう。先生なので本編で下の名前が出てくる展開が想像しづらいですし。まぁ、次の単行本の描き下ろしかもしれませんねw

 音羽先生、快諾。生徒会の顧問決定。青葉さん広瀬さんが喜んでる様子が微笑ましいんですが、ここでの広瀬さんのビジュアルがフリであった、というオチ。音羽先生は生徒指導なので‥‥。
 逆に考えるとここで生徒指導としての活躍ができる生徒、隙のある生徒が近くにいた、という意味で広瀬さんが英稜生徒会に入った意味は大きかった、とも言えそう。新キャラ単独ではなく、キャラクター同士の関係性でチーム入りの儀式とする、というのが良い感じだったと思います。

 生徒会室へ案内。前のネタは音羽先生がオチだったんですが、本作で新キャラだと当然気になってくるのが「この人はどっちなんだ‥‥?」という点。それが明らかになるようなネタでしたね。生徒会室の案内からウオミーが下ネタぶっ込んでオチ。ご挨拶代わりの一発って感じですね。音羽先生、言葉も出ない、というリアクションが印象的でした。激しいタイプのツッコミではなさそうですね。小山先生みたいなタイプも想像したんですが、そことも違いそう。小山先生はもうちょっとツッコミに寄ってると思うので。堅物とか下ネタに対して硬直する感じとかはカエデちゃんとも近いと思いますが、大人で男性恐怖症みたいな要素はないので細かいニュアンスはやはり違いますね。
 てか、ウオミーのオチ。発言内容を踏まえると、ウオミーのポーズにちょっとドキドキしちゃいました。もちろん見えるわけはないんだけど、その状態でその姿勢になれる胆力w

 就任記念で写真撮影。言い出しっぺは青葉さん。顧問ができて嬉しいのは彼女、と改めて印象づけるような1コマだったと思います。
 写真撮影する5人を後ろから映し、実際に撮れた写真を確認したら、オチ。このフリの写真撮影のコマ、実際のオチに関わる部分は何も見えないんですが、長身の広瀬さんがピースしてるのが見える。ここがオチに関わってくるフリだったのですね。こういう情報の小出しというか、構成がホント見事だと思います。あの広瀬ピースがあるとないとじゃ最後のオチの印象が大違いだったのではないでしょうか。突拍子もないものに感じかねないので。

 記念写真を撮り、それがアルバムに1枚加わる、ということで既存の写真を確認。流れるような展開であり、新しく入った顧問の先生が生徒会の様子を確認するためにアルバムを見るのは自然というか、納得の展開ですよね。そして、桜才との交流会の写真の話になり、ここでようやく桜才のキャラが写真として登場。英稜視点で桜才を見たら当然あの話題‥‥という感じでオチ。
 このネタで面白いのは、実際に登場するのは音羽先生と森さんの2人だけという点。森さんがアルバムを紹介する、という話であって、ウオミーも出てくるけどあくまでも写真の中。そして、オチも当然ウオミーなんですが、実際に行われるアクションは音羽先生が写真を発見するというだけ。ウオミーが新たに何かするのではなく、もう既にやってるという事実を音羽先生が知る。だからこその衝撃。
 てか、2つ前のネタのオチの部分からそうなんですが、音羽先生、オチの部分でセリフが一切ない。ここが今回ものすごい特徴的だったと思います。厳しい音羽先生の前でもいつもと変わらぬボケが発生して、森さんが焦る、という構図。音羽先生が直接ボケるのではないんですが、ボケに関わるスパイスというか、触媒として機能する。この感じかなり珍しかったと思います。「この人の前で下ネタはダメだろ」と焦る感じとしてはムツミともちょっと通じると思うんですが、ムツミの場合は無知で、音羽先生は当然分かる。分かっちゃうからヤバい、と森さんが焦る。
 音羽先生の次の登場が早くも楽しみになりました。やっぱ桜才との絡みも見たいんですが、英稜の先生が桜才の生徒と絡むことってあるか? とも不安ではある。桜才生徒会が英稜にお邪魔すればいいのかな。ただ、そうすると横島先生や小山先生との絡みは期待できないので、そっちも見てみたくなってしまう。まぁ、しばらくは英稜の中かもしれませんね。いずれは何かしらの動きがあると思いますが。


 終わり。一挙2話でした。新キャラ投入とは驚きました。しかも英稜生徒会の方に。最後に書いたけど、今後どのように出番が増えていくのかが分からないので楽しみです。まぁ、最近は北山南野の2人もそうですが、かなり限定的な関わりの新キャラってのが多いんですかね。さすがに大型の新キャラが投入されて既存の人間関係が大きく変化する、ってのはなかなかやりづらいのかもしれません。そういうのは森さんが最後なのかも。
 2本目のお気に入りとしては写真撮影のネタです。あれ、たぶんだけど、あの写真を音羽先生は見てないんだよね。バレちゃまずい、と森さんが “撮り直しましょう” となったんだと思います。新キャラによって発生した緊張感というのが面白かったです。
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