北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2021年09号の感想

週刊少年ジャンプ(9) 2021年 2/15 号 [雑誌]

 アニメ『約束』がオリジナル展開になったと思うんですが、「これオリジナルでいいんだよね?」と記憶に自信がないです。たぶんそう。

背表紙

 ジャンプ名台詞 in English。英語に戻ってきた。1周。アラビア文字とかそういうのまで来たらどうしようとか思ってたけど、どうやら一番の鬼門はハングルの模様。逆に考えると、日本語の漢字仮名交じり文ってのも「読める気がしねぇw」と思われてるのでしょうね。2種あるってのがよく考えると謎だわ。
 さておき、今週は『アンデッド』。これは超簡単な奴だから英語じゃない週が良かった。ハングルの回にしてくれ。どうせ「いいね 最高だ」だし、短くて2文という意味でも確信が持てる。はぁぁ、よりによって英語の回に来るとは。もったいねぇ。
 「SICK! WICKED SICK!」なんですが、繰り返しになってたり、「sick」とやや捻った表現になってるのが面白い。公式の英訳ってことなんでしょう。まぁ、原語もよく考えたらポジティブな感じを言ってる以外に特に意味はないので何でもアリって感じか。

表紙

 予告、巻頭カラーと共通して徹底的に主人公(ヒロイン)の顔を隠す。表紙に描かれてる凶器が完全に第1話のものなので、完全に初回のみに限定したデザインって感じですね。まぁ、第1話、それも連載時にのみ100%の効果を発揮するようなタイプの仕掛けがあるので納得です。

読者プレゼント

 極道。奢富組で「ジャンプ組」なんですが、この手の名前は集英組がお馴染み感強いよなぁ、と妙なところで『ニセコイ』を思い出しました。
 個人的にはダジャレが圧倒的に少ないので残念な回でした。手抜きだと思う。見てるぞ。

巻頭カラー『アイテルシー』稲岡和佐

 お久しぶりですが、電子版読んでる人はあまりお久しぶりじゃないのかもしれない。スパン短かったですね。驚きました。
 初めてタイトルを知ったとき、「愛してるーなんちゃって」的なことも考えたんですが、本編を読んだら案外それも掛けてある可能性があるのかも……と不安になりましたw いや、分かりません。とりあえずは「i tell c」だそうです。c って何やねん。クリミナルで犯人かしら。
 本編。予告の段階ではジャンル不明だったんですが、蓋を開けてみればかなり普通のミステリー漫画だったような。今のところの印象として。気をてらった仕掛けもあるけど、基本はミステリーだよね。なんで「クリミナルサスペンス」とか言ったんだろ。まぁ、初回の仕掛けを100%活かすために隠したのかな。
 ミステリー漫画として括ってしまえば定番なんですが、それを少年漫画らしくするために探偵役のキャラ設定が特殊で、その変人性こそが本作の味噌。プラスでやってる『鴨乃橋ロン』も探偵の変人キャラで引っ張るタイプのミステリー漫画という意味で同系統だと思う……って来週出張してくるみたいですね。ひでぇタイミングだw ジャンプでミステリー漫画って珍しいのに。
 そんな初回限定の大仕掛け。言ってしまえば、主人公が犯人。単行本やアニメ化の際には扱いが難しいタイプの仕掛けだと思います。さっきも書いたけど、連載時の初回にのみ100%の効果を発揮するタイプというか。ジャンプだと『SKET DANCE』の初回でもやってましたね。そんな篠原先生の新作が来週から始まります。ひでぇタイミングだw こんなことあるのか。
 犯人がストーカーだと思わせてからの、予告とかにも出てくるヒロインがストーカーっぽくて「どういうこと?」と混乱させられてからの、「ストーカー=探偵」。何重にもサプライズが仕掛けられてるというか、最後まで読んでようやく本作がどんな話が把握できる構成。この初回にすべてを賭けてきた感。とても面白いです。ストーカーのくだりはホラーっぽくもあるし、見開きで美少女出して驚かせてからの、 “なんで砂浜で追いかけっこするみたいに 犯罪者を追って来るんだ!?” 。ある程度作品の全体像が見えてからのギャグ。「稲岡先生ギャグやめてしまったの?」と少し不安になったんですが、だからこそ「待ってたぜ!」とガッツポーズ。ギャグの手数はそれほど多くないんですが、それ故インパクトが強かったです。ここはストーカー探偵という本作最大の個性が発揮されてるので、仕掛けの魅力を除けば一番楽しい部分だったと思います。犯人がツッコミ役をやるので通常の「ツッコミ役=常識人」という図式が成り立たないんですよね。それぞれが狂ってる感じ楽しかったです。まぁ、犯人視点の物語進行ってのは本話限りだと思うので、来週以降どうなるのかは気になるところです。
 ミステリー漫画って型が決まってるというか、様式美なところがあって、その理解がなかったら推理ショーのくだりとか「何やってんの?」になりかねないんですが、本作の場合は推理ショーがストーカーによる詰め寄り。ミステリー漫画の弱点というか、お約束を逆手に取ったようなギャグになっててとても良かった。探偵が最もかっこいい場面である、推理によって得た証拠を犯人に叩きつけるくだりで “違法捜査だ……” という本作最大のツッコミが入るのが良い。てか、何気にミステリー漫画で「違法捜査」という観点を持ってきたのも珍しい気がします。漫画なので「謎が解ければいいじゃん」になりがちだけど、実際の捜査だとそれだけじゃ困るんですよね。公権力が関わってくるから。まぁ、本作は一応、違法捜査をしてるのは警察ではなく、警察が放し飼いにしてる犬だからセーフ、みたいなロジックなのかな。いや、それで本当にセーフになるのかは疑問ですが、まぁ荒唐無稽な漫画だと飲み込めるラインなんじゃないかと思います。
 終わり。面白かったです。来週篠原新連載って事実が最高に笑えました。てか、信頼できない語り手という意味では『暗殺教室』第1話の渚くんの自爆も近いものがあったのかな。奇をてらう系の作家が大集合してるw

ONE PIECE

 カイドウの強度対策。ローは納得なんですが、キラーの攻撃がいまいちピンとこない。「音撃」らしいので、内部に響いて斬るみたいなノリなのかしら。まぁ何でも覇気で解決しないのは良いことだと思うんだけど(意外と覇気頼りバトルにはならない)、逆に複雑でパッと見だと難しい。
 竜斬りとしては目玉のゾロ。意外と早く出番が来ましたね。そしてあっさり失敗。まぁこれで終わりとは思いませんが。そもそも今は多人数の乱戦なので一人一人の因縁とかドラマを丁寧に描くのはふさわしくないのでしょう。
 もう1つ特徴的なのが空中戦。舞空術の代わりに六式があるので、それでバトルの振り幅が一気に広がった感。マムという天候を自在に操るボスキャラがおまけ(失礼)として存在してるのも良かったですね。敵のコンビも魅力的というか、コンビネーションで新たな魅力が生まれてる。

僕のヒーローアカデミア

 ホークス復活。荼毘のフェイクニュースのくだりが気になってたんですが、ヒーロー側も頑張ってたので荼毘が騙されたのも仕方ないという感じだろうか。結果的にフェイクになっただけで荼毘に非はないというか。
 からの「食神BOY」。くいしんぼーい。ちょっとネーミング天才じゃない? ぶっちゃけそこらへんのヒーローよりも名前好きです。ベストジーニストとか正直それほどハマってないし(名前はですよ)。てか、ファットガムを食神BOYにすればよかったんじゃない? 結構マジで思う。食神BOY最高すぎる。
 そもそも論として「エンデヴァー好きになる物好きなんて実在すんの?」があるじゃないですか。それに対して今回のワゴンセールという解答は素晴らしかった。「なんでエンデヴァー」だったのが「エンデヴァーだからこそ」になる。悲しい話ではあるし、エンデヴァーしかもらえなくて可哀想なんですが、それでも子供にとってヒーローとは大きな存在。たとえあのクズでも、というのが泣けた。

センターカラー『逃げ上手の若君』

 いきなり解説ページ始動してて驚くんですが、これは松井先生パワーというよりはやっぱ歴史物だと入れておきたかったのでしょうね。割とガッツリ解説されてるのが印象的でした。「大体こんな話」という前回のあらすじ紹介というよりは補足。前回読んでない人用ではなく、前回を読んだ用なのではないか。
 本編。若君を愛でる視点。劇中にハッキリと出てきやがった。早かったなw もうちょっと粘るというか、泳がすと思ってたんですが。
 未来予知。ちょっと不安があるという話は先週したんですが、寝起きドッキリとか『桃鉄』ギャグをぶっ込むための設定な気もしてきた。そういうのなら全然いいわ。てか、物理ボードゲームの『桃鉄』ってどうやるんだよw
 悪役に双六属性付与してうまいこと言った風なんですが、ぶっちゃけあのキャラ、あの行動に双六らしさは全然感じないので、話としてうまいこと整えた風を作るため以外の理由は今のところ感じない。あれをうまいと言ったら何でもアリじゃない?
 んで、バトル。若君は逃げ以外でスーパーパワーを発揮しちゃいけないと思うので、バトル展開がどうなるのかは興味あります。てか、バトル要員っぽかった2人が普通に頼りないのはちょっと笑った。敵の強さは事前に分かってたことじゃないですか。まだ若君にフォーカスしたいってことなんだろうけど、あの2人に良いところがないというか、特に意味のある出番がまだない。まぁやっぱ来週か。

『SAKAMOTO DAYS』

 失明治るのチョロかったなぁ。いや、あのまま失明すると思ってたわけではないですが、殺し屋バトルは常に死と隣り合わせみたいな緊張感が前回の魅力だったわけで、それがチャラになってしまったというか。
 次の殺し屋。夫婦(?)漫才は面白かったです。ギャグ的な側面では今までで一番好きかも。 “おい!!!” と大声で怒鳴ってからのオチとかしょうもなくて好き。ギャグ漫画というよりはテレビで見る芸人の定型ギャグみたいな印象もあるというか、そんなコテコテ感が良い。足おっぴろげる件とか、気づかなかったほどではなく確実に意識はしたんだけど、特別気にしてなかったという絶妙のライン。言われて「たしかに」と納得してしまったw
 からのお化け屋敷。遊園地オモシロバトルがまだまだ続くことに驚くんですが、ジェットコースターとは真逆の意味で「ここでバトったら面白そう」な魅力がありますよね。開けた空間からの閉じた空間。

Dr.STONE

 見開きの中心部における扉。イレギュラーな構図で面白かったし、チェルシーもかっこよかったんだけど、この掲載位置だと “女の子がよォ そんな簡単に” “足おっぴろげるんじゃねェよ” って思わざるを得ない。読んでて “おい!!!” と叫びたくなるw
 ダイヤモンドの天然と人工。21世紀人は天然をありがたがるが、クロムは作れることの感動の方が大きいので人工をありがたがる。皮肉というのもそうだし、2人がそれぞれそう考えることに説得力というか、納得できるのが良い。
 ゼノの手遊び。正直あれはいくらなんでも怪しすぎるので報告しなかった大樹に非がありすぎると思うの。別にゼノがついに悪さをした、というだけの場面なのでそのことに文句はないんだけど、わざわざ大樹に絡ませたのがなぁ。引っかかる。まぁあとで大樹に「そういえばあのとき」とか言わせるための布石なのかもしれないけど、ちょっと不自然に目立ちすぎてる。目立つ割に魅力がない。
 ゼノはアラシャに行くことを分かってた。分かってたことをゲンは分かった。ただ、ゼノのメッセージは既に送信済みであった、という本話の流れが良かった。いや、ゴールがアラシャだと分かってて、それが伝わってたならスタンリー最初からアラシャに行けばよかったんじゃねぇの? とか思わんでもないんですが、まぁすぐ追いつくと思ったんですかね。

ROCK THE JUMP

 BREIMEN。なんか毎週のようにこのコーナーあるな。すげぇ頑張ってる。
 まったく知らんかったのですが、あえての80年代ダサクラブ感の曲というのは何か今っぽい題材で興味深かったです。アメリカでもそういう流れあるよね。

センターカラー『呪術廻戦』

 お、お、乙骨だぁぁぁぁ!!! これはビビった。アニメの新しいオープニングで妙に乙骨要素押されてて「どうせ出てこねぇだろw」と笑ってたんですが、まさか原作の方で出てくるとは。ちくしょう、ビビった。
 本編。想像以上にがっつりポストアポカリプス。世紀末、終末世界なので驚きました。ここまで振り切るとはなぁ。学園ものとしての要素を完全に捨ててきた。まぁ、『呪術廻戦』だから別にいいんだけど。ちょっとこの話が深刻になりすぎて学園ものの枠から飛び出しちゃう感じは『ハリポタ』シリーズの終盤も連想した。
 んで、和光の時計台。銀座ですね。初代ゴジラの襲撃地点としてあまりに有名。要するに漠然とした「東京の中心」感なんだと思います。渋谷もそれに近いものがあったけど、それとは別の「東京の中心」を見せることで東京の崩壊を感じさせたかったのではないか。どうでもいいけど、最近ゴジラ映画をよく観てるんですよ。劇場公開の映画は『ゴジラvsキングコング』が希望。
 提灯アンコウからの乙骨。子供を助けるといういかにもヒーロー的な登場をするんですが、そっからの衝撃。子供に見せないように気を使うくだりとかヒーロー然としてアガったんですが、だからこその「敵対するんかい!!」という絶望&ワクワク。
 主人公同士の対決になるんですが、正悪逆転して主人公(虎杖)サイドが悪と認定された状態で、旧主人公が正義の執行人としてやってくる。おにぎりの話を少しだけ出して乙骨のマジギレ感を示したのとかもアガるよなぁ。うまい。
 そして、ロウソクリモート会議。この何の捻りもないゼーレ感。これをそのまんま堂々とやれちゃうのが本作の特徴ですよね。こないだアニメで三輪ちゃんが「つーかこれが限界」やってて改めて爆笑したのも思い出しました。てか、『シンエヴァ』ではあのゼーレ会議見れるのだろうか。『エヴァQ』の惨状(映画の出来のことではないよ)から考えると無理っぽいのですがw
 そんなゼーレ側の認識が今まで漫画として読んできた情報と妙に食い違ってるので、大人たちの都合で虎杖たちが悪人にされてる恐ろしさもあるし、乙骨に対して「話せば分かるかもしれない」という一筋の希望でもあるのかな。

『夜桜さんちの大作戦』

 ちょっと困ったレベルでアイさんが可愛すぎる。正直メインのバトルがどうでもよくなるというか、そのバトルを見たアイさんがどんなリアクションをするかの方が気になってしまう。そろそろ慣れてくると思ってたんですが、今週のはまた特別にすごかった。あの2コマはずるいわ。うるうるされたら勝てねぇよ……(戦ってない)。その後の “アオヌマさん…” も良かったですね。「きゅ…」ってされてぇよ。頭撫でてぇよ。
 クロサワ。液体金属で『ターミネーター2』って感じだろうか。通路で四方八方からトゲとなって襲ってくる感じは、スパイとか泥棒でお馴染みのレーザーセキュリティのバトル的解釈ってことかな。『エントラップメンット』とかで有名な奴。

『マッシュル-MASHLE-』

 冒頭、ズボンがアイス食っちまってて笑った。ちゃんと三段アイスでぶつかってるのでこれは意図的なのかもしれない。
 んで、試験。思ってたより試験っぽい試験。ここまでゲームっぽい試験は今時珍しいと思う。そこが良い。そこが本作偉いと思う。ベタからの捻りとしてホラー感があるんだけど、エプロンさせててセンスある。魔法的な怖さじゃないんかいw
 そんな死霊、魔法が効かない。一応勝てない相手にどう対処するかを問う目的なんですが、まぁいつもの「はいはいマッシュのワンパン相手ね」でしかない。今までは様式美として楽しめてたけど、今は世界がマッシュの秘密を知った状態なので、それであの「魔法が効かない」を用意したのはバカなんじゃないかと思う。もっと露骨にマッシュに不利な内容にするなら分かるけど、逆にマッシュ以外にだけ不利な要素入れるとかバカでしょ。今までと同じノリを継続したいのは分かるけど、状況が変わったんだからそれを踏まえたものにしてくれないと萎える。

『BLACK MILK』松井琳

 読切。やっば、めちゃくちゃ堀越フォロワーやんけ。一目で分かる堀越顔。デフォルメのギャグ顔とかもうそのまんま堀越でヤバい。何がヤバいって年月の経過を感じてヤバい。今までの「何か見たことあるw」って『ONE PIECE』が定番だったじゃないですか。『ONE PIECE』フォロワーとかいろいろあったと思うし、話のフォロワーも絵のフォロワーもあったと思うんですが、まさかそこから次の世代へ移って堀越。衝撃というか、ホント年を取ったのだと実感してきつい。泣きたくなってくる。尾田っちが一昔前のものになったという実感もあるし、『ヒロアカ』(じゃないかもしれないけど)を読んで育った世代が育って漫画家となってある程度の成果をあげる時期に来た、という直視したくない現実。マジでか、かっちゃん……。
 んで、超能力バトルもの。固有の能力というより、向き不向きはあるものの何でも習得できるタイプなのかな。意外と珍しいタイプですね。まぁ『HUNTER×HUNTER』とか一応は全員が等しく念という超能力を得て、その中で、向いてるものの中で必殺技を形成していくみたいな話だから同じではあるんだけど。本作はまだそこまで先鋭化はしてないと思う。
 あと、超能力が単に「超能力」なのが個人的には好き。なんか固有名詞つけたがるじゃないですか。超能力について深く掘り下げるならそれでもいいけど、とりあえず程度の超能力になんか特殊な名前ついてたりすると「単語覚えるだけ無駄だよなぁ」とか思わんでもない。まぁとにかく、設定の説明よりもとにかくアクション、と振り切ったのがとても良い。いろんな超能力が出てくるけど、名前聞けばとりあえず理解できる。「超能力」にしたことのメリットだと思います。
 冒頭の場面。カーアクション。主人公チームが3人いて、後ろにいる偉そうにコーヒー飲んでる男がリーダーなんだろうなと思ったら、 “頼むわよ ボス” の場面で「そっちなんかい」と驚かされる。別にどんでん返しとか、今週の『アイテルシー』的な大仕掛けではないんだけど、こういう細かい意外性はあると嬉しい。読んでて楽しい。「この人のことナメてた」というアゲ方向の驚きがあるので、その後のバトルへの期待感も高まりますし。
 ただ、この冒頭の車の場面、車内の描写、女性2人の位置関係がすごいフワフワしてるというか、雑。左ハンドルが右ハンドルに見える場面あるし、ボスが助手席にいると思ったら後部座席にいるようにも見えるし、その複合技で「まさか3列あるのか?」とか混乱する。まぁ、絵的な気持ちよさを優先したってことだと思うし、それ自体はまぁ分かるんですが、結構大胆に入れ替わるので面白いです。
 善行をするマフィア。正直本作の内容だけだとマフィアらしさが皆無なので問題がある気もするんですが、劇中で “かっこいいだろ! 響きが!” で押し切ってるのでまぁそこは一応。自警行為は違法みたいな設定にすればいいと思うんだけど、わざわざ警察に感謝される場面あるんですよね。特に意味なかったと思うんだけど(情報を得るくらい)。
 橋のくだり。今時『ヒロアカ』でもやんねぇぞってくらいの市民を助ける場面が出てくる(救助専門ではなくバトル中の救助)。これも良い。やっぱヒーローの本質は市民を助けてナンボよ。 “全員助けンのよ…!!” の直後にくまちゃん人形を落下させてそれをオチに持ってくるのも気が利いてる。強いかではなく、家族全員どころかくまちゃんまで助けてしまうから彼女はヒーローなのだ、というロジック。
 そんなくまっちゃん人形ラスト。特に説明的なセリフはなく、それどころかぶっちゃけサイレントでも全然理解できる程度しかセリフがない。そのままラストページが1枚絵でフィニッシュ。このラストすごい良かったと思います。新人がやる読切ではなかなか見ないよね。特に先週の読切は異様にごちゃついた終わり方をしてたのでそういう意味でも本作が輝いて見える。(先週のも大好きです)
 終わり。「超能力」の話と重なるんだけど、何か特別な話があるわけではないんだけど、それ故にシンプルな面白さが光ったというか、それで満足できるんだからレベルが高いことの証拠だとあると思う。先週のは奇をてらったような仕掛けの部分が面白く、今週は奇をてらわずにシンプルに面白い。対照的でどっちも好きです。

ブラッククローバー

 トライアドとか巨人がそれぞれ楽勝でサクサク話が進んで驚いてたんですが、そいつらは踏み台でメインは悪魔たち……とはならない。トライアドはパワーアップするし、新しい巨人が出てくる。アネゴレオンファン的にも嬉しい展開でした。それぞれがパワーアップした上、それよりさらに強くて勝てる気がしない悪魔が2人出てくる。ついでに魔神。最悪の状況への飛躍が楽しい。思い切り良すぎますね。突入の作戦を立ててた頃は「結構時間の猶予ありそうじゃん」とか思ってたし、まぁバトル漫画的な都合として受け入れてたんですが(幹部戦とか定番だし)、そんな甘い話ではなかった。想像以上に、徹底的に追いつめてくる。まぁ、『ブラクロ』は過去にも似た展開あったけど、最悪の状況への振り切りがすごい。
 目の前のボスキャラが厄介すぎるんだけど、最もヤバい問題が放置されてるので本当にヤバい。という状況を理解できるのはナハトだけ、という展開も熱いし、だからこそそんなナハトが隠し玉として期待できるのはー?? とアスタへと意識を向けて終わるのもうまい。絶望の中の一筋の希望。いや、希望なのか? くらいのヤバさですが。

センターカラー『僕とロボコ』

 2巻の表紙が『ONE PIECE』なんですが、本作それほど『ONE PIECE』ネタが多いイメージがないので多少の疑問はある。あと『恋するワンピース』が同じことやってるってのもある。まぁ3巻がどの作品になるのか、という楽しみは出来ましたね。
 本編。0点の答案始まり。回答内容までネタが詰まってて楽しい。律儀に『ドラえもん』ネタ入れてくるのも良いし、「左手(そえるだけ)」で2点ゲットしてるのも笑える。
 モテ杉。ガチルリと漫画作ったりはしない。あと出来杉くんと違って顔が良さが強調される。てか、出来杉くんみたいなキャラクターに顔の要素を入れなかった『ドラえもん』すごいですね。まぁ、小学生だとそれほど顔の良し悪しに興味ないってことなのかもしれない。
 初めてのジャンプ。からの『呪術』『チェンソー』『ヒロアカ』という陰鬱3連続は笑った。『チェンソー』終わった(移籍した)からまた状況が変わったけど、それまでは今のジャンプを語る上で避けて通れない特徴だと思う。からの『マグちゃん』。本作に出てきてめちゃくちゃ嬉しくなってしまったんですが、こうなるともう少し具体的な『マグちゃん』ネタが欲しくなってしまう。わがまま。

『あやかしトライアングル』

 野良猫にもふぐりあるのか。可愛くて作者のこだわりを感じるけど、野良だと去勢した方がいいのでは、とか関係ないことを考えてしまう。
 画楽。初登場のときが「実は敵」からの「やっぱ違った」とツイストを繰り返してるので、今更「実は敵」をやられても萎える。なので敵じゃないと思うんだけど、それは結局「やっぱ違った」をもう一度繰り返すことになるのか? ぶっちゃけ、そんな興味ないというか、夕飯ならさっき食べたでしょ、という気分。
 触れたら腐食させる。故に無敵って話なんだけど、祭里は風を使うので「そこそこ戦えるんじゃねぇ?」とか思ってしまう。祭里との組み合わせにワクワクを感じないというか。

『アンデッドアンラック』

 不可視の詳細。透明人間は目が見えない、という『空想科学読本』で読んだ話が実現してるので笑った。ロジックは違うけど。
 そんなロジック。無駄に複雑というか、わざわざ余計なロジックを挟んだ上で既に死んでるので若干の「知らんがな」感がある。目を閉じたら発動するってのがそもそも勝手なルールだからな。それをクリアするために第三の目を移植って言われても、その回り道に意味があったのか疑問に思えてくる。むしろアンダーに捕まる前はどのように強盗殺人してたのかの方が気になる。窃盗とかならまだ分かるんだけど。
 切り替えることとゲロ飲み込むことは厳密には関係ないんだけど、絵的な変化になってて面白いは面白い。まぁ、安野の右腕切断もゲロの要因なので、そっちは切り替えるとか関係なく単にグロいって話だと思う。
 風子のバトル。銃を使ったところで何になるのだ……と気になってたんですが、ひょっとしたら今回の件でもう銃は使わなくなるかもしれませんね。集英社でイキったのが銃のピークなのかもしれない。イヤだなぁw
 単にオータムとのリベンジマッチになるのかと思ったらリップたちとの争奪戦。この手の成長エピソードやったあとの敵って「結局楽勝なんでしょう?」とメタ的に考えがちなので、そこに敵がプラスされる展開は面白いです。オータムの方から来てくれるってのも無駄がないというか、一呼吸入れる余裕もなくて楽しい。

『破壊神マグちゃん』

 イズマくんが転校してきたの巻、からの新しい邪神。陰キャのウニ。いや、陰キャって別にネガティブじゃなくても成立するから微妙に違うか。まぁ要するにホロホロの実だ。唯歌に指摘されたダサネーミングの件を蒸し返しつつ、 “お前ソレ先週やっただろ!!!” という錬ツッコミも良い。そんな序盤に出番があって印象に残ってる唯歌こそが本話のキーパーソンなのであった、というオチが見事すぎて唸りました。登場シーンがバトル漫画っぽい高揚感なんですが、冷静になって見ると虫取り網持ったただの子供ですわ。
 とにかく超絶ネガティブなウニ助。それを優しく包み込もうとする流々ちゃんが相変わらず化け物。慈愛の心が人間離れしてる。ぶっちゃけあそこで話が終わってても「うむ良い話だった」と納得してたよ。流々ちゃんがトゲに刺されたらどうなるのか、見てみたかった気もする。
 ということで唯歌。精神の裏側がない、故に無敵。ネガティブになるほどの知性がないということなのではw
 唯歌にブニブニされるウニ助が可愛くて最高なんですが、単に唯歌が天敵だったというだけではなく、唯歌の感性からしてウニ助はすごい奴、とリスペクトなので2人は仲良し、というオチになるのが良い。ただ倒すだけではない。ウニ助を利用してイズマくんで遊ぶくだりありますけど、オモチャ扱いではあるものの、ウニ助のことを価値のある存在として扱ってるわけで。新邪神の話からまさか唯歌で落とすとは思わなかったです。意外なんだけど、激しく納得する内容になっててすごい。

『高校生家族』

 中間テスト。珍しく家族全員がそろって何かをする回。母が過去問を入手、父が山を張り、家族でシェア。割と全うな努力友情勝利な構図になっててウケる。そこに “こんなことしなくても あたし100点とれるけど…” という妹を入れたのが面白い。この先の展開への布石。てか、本話の主役は妹だったようなラストでしたね。妹が家族のために努力して、何やかんやあって苦難を一緒に乗り越える話。乗り越えて一番満足げなのは妹。
 カンニング。最初は割とリアルでも起こり得そうなレベルの出来事。あまり良いことではないけど、近くの席の人に「早く終わったら見える位置に置いといてくれよ」とか言われた経験ある……人もいるのではないでしょうか。言った方でもいいし、そう言ってる人を見たでもいい。このくらいだとありそう。
 からの飛躍が楽しい。めちゃくちゃすぎるんだけど、子供の発想だとすると何か成立した気もする。親に喜ばれようとして悪いことをしてしまう、みたいなのって子供あるあるだと思う。それを『高校生家族』というあり得ない状況で、荒唐無稽なアクションを通じて描いてるから面白い。

『灼熱のニライカナイ

 サメvsナマズ。変な喋り方ギャグからの変な擬音で殴られるので笑った。「ミコ」はずるいわ。
 あと「俺のことバカにしてる奴はすぐに分かる」という件、あれ要するに「ファッキンジャップくらい分かるよ馬鹿野郎」ですね。我ながら古い。
 からの水中バトル。サメが1つだけ技を習得したらしい。バトル漫画として1つ大きな飛躍を遂げた感ありますね。とにかくかっこよさげなポーズから繰り出す必殺技。たぶんお風呂でよくやる水鉄砲の超絶かっこいい版だと思う。真似できる、真似したくなる、という要素は大事。今時ここまでかめはめ波っぽい必殺技は逆に新鮮。一気に本格バトル漫画っぽい展開になって驚くんですが、驚きはするけど、何か水が圧縮されてどうこうみたいな感じの必殺技なんだろうな、とぼんやりイメージできるバランスが良い。飛躍はしてるけど、今までの話と断絶はしてないというか。極端な話、ここでビームとか出たらさすがにアウトw

『仄見える少年』

 先週も書いた気がするけど、このハゲ好き。ビジュアルだけで一定のオモシロ、一定の満足度が得られる。スーツに下駄ってのも少年漫画的なワクワクがあってかっこいい。
 小町ちゃん。中に霊怪が残ってるらしい。これはバトル要員、ケモ担当としてレギュラー入りですわ……と思ったら違った。すげぇ意外。ただ、ここで伊織の普通憧れの話が出てきたのは非常に良かった。ほとんど忘れてたし、軽く死に設定的な印象もあったけど、それが小町ちゃんへの優しさになるってのがすげぇ良い。
 んで、千手軍団の説明。敵幹部とかいかにもバトル漫画っぽい展開良いぞー。『灼熱』のかめはめ波もそうだけど、今時逆に珍しいくらいのベタ感、大事。ひねくれて奇をてらうのも良いけど、安心の味も欲しくなる。

『BUILD KING』

 先週も書いたけど、ベタa.k.a.王道をやってくれるという意味で本作は逆に貴重。なんかこんな感想ばっかり書いてる気がするw 流行が1周したんですかね。バトル漫画増えてきたってのとも関係ありそう。
 コテコテの曲者感とかも良い。ベタなのに懐かしい。ここまで振り切ったのは最近なかったよね。いや、似たようなことは他の作品でもやってるんだけど、やっぱこのトゥーマッチ感は独特。
 んで、受験生の方にも曲者登場。 “カラミ方が何かもうせつねいわよ!!” とか、 “や…やめろ そんな徳の低い言葉吐くの” とかツッコミが良かったなぁ。特に後者。機会があれば積極的に真似したいフレーズ(そんな機会はない)。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 次回のネタハガキ東西戦は「新しい発電方法」だそうです。2連はさすがに期待してないけど、またいつかあるあるのお題来るといいな。

 2/6は海苔の日。有名チェーンののり弁特集。正直のり弁って全然食べない。おかずでご飯を食べ進みたいので、ぶっちゃけ海苔が邪魔というか。のり弁ののりご飯パートに一定のおいしさがあるのは分かるんだけど、「何食べようかなぁ」ってときに積極的に「今日はのりご飯の気分!」ってなることが極めて少ない。
 今回の特集なんですが、コンビニよりも弁当屋ののり弁の方が惹かれました。ベタな王道感に魅力を感じるというか。あと、コンビニだと他に奇抜な食べ物いっぱいあるからわざわざのり弁を選ぶことはまずないだろうな、というのもある。弁当屋の弁当の中だとのり弁、行くかもしれない。
 てか、弁当屋に最近行ってないな。好きだし、一時は重宝してたのになんでだろ。

次号予告

 新連載。篠原バッカゲンです。微妙に名前が覚えづらい。魔女を見るで「ウォッチウィッチ」だ!! ってなる。違います。てか、見るじゃなくて時計の可能性もあるんじゃないかしら。どんな内容か知らんけど。あと、この予告ページが「ウィッチ」「ウォッチ」について勝手な意味を当てはめて遊んでるから余計にややこしいw とりあえず、来週どこかに英語表記があるといいな。
 あと、プラスの『鴨乃橋』が出張。ミステリー漫画が2つも載るとはな。変人探偵というコンセプトが被っててウケる。いや、『アイテルシー』の方は2話以降でまた雰囲気変わるかもしれないんだけど。

目次

 ジャンプSBS。『マッシュル』のプロトタイプの話。ただの脱力コメディ路線になってたかもしれない、ってのは容易に想像がつく。真面目バトルへの移行が意外なほど早かったのが本作の特徴ですよね。勝因と言い切りたくないのは、もうちょっと脱力コメディに振れた『マッシュル』にも興味あるから。

乙骨のことが気になる人は0巻読んでみてください。うじうじしてます。
(『呪術廻戦』)

 今年入ってからアニメで乙骨フィーチャーが強まったんですが、いよいよ連載に乙骨登場。2021年になって0巻の売り上げが急激に伸びそうだ。

モルカー観てると色んな感情がぐちゃぐちゃになってなんか泣きそうになる。
(『夜桜さんちの大作戦』)

モルモット好きなのでPUIPUIモルカーが気になってます。鳴き声が可愛い。
(『破壊神マグちゃん』)

 モルカーブームに真っ先に言及するのがこの2人。めちゃくちゃ納得できるというか、予想通りすぎてなんか笑えてくる。『ONE PIECE』表紙でチョニキとラパーンを描いただけのことはある。
 ちなみに、モルカーの声は監督の飼いモルモットの声を使ってるらしい。

この前カマキリ描いた後に偶然TVで「カマキリ先生」観た。カマキリすげぇ!!
(『ブラッククローバー』)

 モルカーからのカマキリで笑ってしまった。落差がすごい。

愛読者アンケート

 新連載と読切。読切の方が質問が細かい。
 あと『ONE PIECE』の漫画の無料公開施策について。知ってるが読んでない。『こち亀』が似たようなことやったときにも「そんなに読めるかい」と思ったけど、『ONE PIECE』もすっかりそれと似た域にいますね。
 最後。『ONE PIECE』のアニメを観たことがありますか。「観たことがありますか」という質問文なのに、選択肢には「(方法)で観てる」と「観ていない」しかない。昔は観てたが今は観てない、が存在しない。質問文のミスだと思う。

総括

 新連載もあったし、読切もあって、どっちも感想が盛り上がった方だとは思うんだけど、トータルの文字数としてはそれほど多くない。てかやや減くらい。これは嬉しい。今週は極端に感想が短い作品もなかった印象なんですけどね。バランスが良かったのかもしれない。続くといいな。

 今週のベスト作品。今週は本当に難しい。新連載も読切もすげぇ面白かった上に、乙骨ショックの『呪術』もある。難しいんだけど、まぁ新連載かな。意外とシンプルなミステリー漫画だったんだけど、初回ならではの仕掛けが豊富で楽しかったです。
 ということで読切と『呪術』が次点。

 今週のベストコマ。読切のラストかな。コマとして良かったというか、読切の最後を1枚絵で終えたのが良かった。

 最後に今週のベストキャラ。当然この人。

  • 乙骨憂太 『呪術廻戦』
    • いつか出るとは思ってたけど、まさか今、そしてこんな役割として出てくるとはなぁ。ワクワクと絶望が止まらないぜ。ポストアポカリプス展開にも驚いたんですが、それどころじゃなかったw

gohomeclub.hatenablog.com

ONE PIECE 98 (ジャンプコミックス)

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  • 発売日: 2021/02/04
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