北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『8マンVSサイボーグ009』3話の感想

チャンピオンRED 2021年 04 月号 [雑誌]

チャンピオンRED 2021年 04 月号 [雑誌]

  • 発売日: 2021/02/19
  • メディア: 雑誌
 今月は岡崎版『009』と同時掲載ですね。忙しいじゃないか(嬉しい悲鳴)。
gohomeclub.hatenablog.com

第3話「激突」

 両作の悪役による会合。ヒーローだけでなくヴィラン側もコラボ。初回に魔神像とか出たのでかなり『009』に寄った作品になるかと思ったんですが、そこらへんのバランスも気を使っていた模様。ファンの二次創作ならまだしも、公式の仕事としてのコラボ作品なので、ここらへんのバランス取りは慎重になるのでしょうね。大人の事情を想像するのも込みで楽しい。コラボ作品の魅力だと思います。野球のオールスターみたいなもんで、通常の試合(作品)とは違った評価軸が発生すると思います。
 そんな悪役会議。アレオパゴス計画が進行中らしい。ギリシャ神話の軍神アレスの丘。岡崎版だけじゃなく、こっちもギリシャ神話モチーフなのですね。どうしても岡崎版のことが脳裏によぎりながら読んでしまうんですが、まさかギリシャ神話ネタが来るとは。アレスは軍神なので黒い亡霊にピッタリというのはもちろんなんですが、『サイボーグ009』のミュートス編で登場してない神(モチーフのサイボーグ)という事情もあると思います。仮にミュートスにアレスが出ていたら、ここでアレスの名前を冠した計画を出すことはなかったのではないか。無駄にややこしくなるので。逆に言うと、軍神なんていう『サイボーグ009』にピッタリな神様がミュートスに出てこなかったのが意外ですね。岡崎版にも出てないからすごい。直接的すぎるので避けたって感じかしら。
 そして、潜水艦が向かうのが、魔神像。はぁぁ、やっぱ魔神像が出ると途端にテンションが上がってしまう。我ながらチョロいファン心理だ……。『サイボーグ009』ファンとしてはやはり完結編も気になりますが、それと同じもしくはそれ以上に地下帝国ヨミ編ですよねぇ。大好物な話題だと思います。その次くらいにミュートス編。それの思わぬ形での新作が読めてるんだから不思議なもんです。しかも2本w

 8マンと009が再び。今度は003も同席(実は007もいたよという展開がニクい)。
 今回一番面白かったのが、この2人の会話。実際は003と8マンの会話。記憶、思い出についての話題。003が互いに分かり合えるんじゃないかという期待を込めてこの話題を振るんですが、それに対する8マンの返答が最高。 “何十年も昔の記憶も数秒前の記憶と同じに鮮明だ…” 。機械の体同士とはいえ、機械の度合いに違いがあって、その差が如実に現れた名場面だと思います。これは『サイボーグ009』という作品全体に当てはまる特徴だけど、人間と機械の中間にいる存在だからこその葛藤、心の揺れってのが常にありますよね。003はその共感を糸口に相互理解に導こうとするんですが、それを8マンがきっぱり拒絶。両作の設定の違い、その2作を掛け合わせた際のSF的考証という意味でめちゃくちゃ面白い場面でした。 “……私は電子頭脳だがAIじゃない… 心を決めるにはやはり時間がいる……” も良いよなぁ。8マンの方が決意が硬くて、多少の驚きはあっても悩むという段階までは行かない。『サイボーグ009』サイド(特に003)はめちゃくちゃ悩むので、この話し合いにおいては8マンの方に優勢のように見える。009は冷静かとも思ったんですが、 “強化剤までくれた! なぜだ!?” で動揺、葛藤が垣間見える。ここらへんの両ヒーローの機微、マジ絶品でした。

 ギルモア博士と001。特にギルモア博士は岡崎版に登場しないのでかなり嬉しい。癒し効果すら感じるというか、やっぱギルモア博士可愛いよなぁ。不測の事態にあたふたする感じとか超好き。見た目は赤ちゃんんお001の方が冷静で、おじいちゃんが赤ちゃんに意見を仰いでるのとか本当に魅力的ですよね。

 そして、『8マンVSサイボーグ009』が実現。8マン側が新兵器を使うんですが、 “あれは 谷博士が発明で 太陽の百万倍もの高熱を撃ちだす恐るべき兵器だ” 。超スピード対決ってだけでも今月の岡崎版と内容が重なるんですが、まさかの「太陽」ですよ。アポロンじゃないですか。しかも太陽の百万倍。やべぇ、アポロンより強いw
 雑誌は往々にしてこういうミラクルが起きるから好きです。もちろん『8マン』にあったネタをうまいこと使ってるだけのことなんですが、それが奇しくもアポロンというまったく無関係のキャラクターを連想させるからホント面白いです。
 そんな光線銃レーザー。取り付けさせたのはスカール陣営。スカールがデーモン博士のマウントを取るような展開なんですが、それはあくまでも『8マン』世界のアイテムの話。スカールのがすごいけど、兵器としては『8マン』の方がすごい。ここらへんも絶妙なバランスですね。


 終わり。次回は5月発売のチャンピオンREDに掲載予定だそうです。3ヶ月後。岡崎版にもアレスが出てきたら面白いんですが……とか余計な妄想をしてしまいますw