北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『サイボーグ009 BGOOPARTS DELETE』20話の感想

チャンピオンRED 2021年 06 月号 [雑誌]

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  • 発売日: 2021/04/19
  • メディア: 雑誌
 来月は『8マンvs』あるよー。

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神話復活編⑳

 ヘレナの話に行くと思ったらリカルド。いや、リカルドもといガイア博士。序盤こそ岡崎版のオリジナルキャラクターを軸に物語が展開していたのですが、今となってはみんな原作キャラに乗っ取られてしまいましたね。結局原作のアイツらが最強! という原作リスペクトが眩しい。
 てか、よりによってガイア博士ですよ。原作の中でもかなりデフォルメの強いデザインの人間キャラで、正直岡崎版の世界とは相性が悪そう。なんだけど、とりあえず本話に限ってはリカルドとガイア博士がトゥーフェイス状態で共存。うっすらシルエット的にしかガイア博士は出てこないんですが、水と油が共存しているようで面白かったです。今は影の入った絵が演出として成立してますけど、今後本格的に他のキャラと絡むようになったらどうなるんでしょうか。絵が。『8マンvs』ほど原作完全再現路線のデザインではないだけに、というオモシロポイントですね。こうなると同じロジックでウラノス博士にも出てきてほしい気持ちも湧いてきます(ガイア博士以上に無理w)。

 場面は戦場に戻りまして。ヘレナの動向や如何に。004との絡みがメインに描かれる。ゲストヒロインとの交流は009もしくは004の役割ですよね。ロマンス的にも定番ですし、ゼロゼロナンバーの中でも最も疑いの目を向ける存在として004が目立つことも多いと思います。
 そんな004をヘレナ視点で描く。004が優しく手を差し出す場面が描かれるんですが、その手が右手で、004の右手なんですよね。もちろん手を差し出すというのは友好の印なんですが、004の右手は同時に銃でもある。セリフとしては優しいんですが、絵としては銃口を向けられてるようにも見える……のか!? というバランスで、ヘレナの揺れる心理が感じられました。

 そしてレオーン。まさかの本話の主役となったのがレオーン。ぶっちゃけヘレナの話が気になるし、何ならガイア博士が気になるじゃないですか。失礼な話になるんですが、アポロンを倒した時点でミュートスサイボーグはもうヘラ以外に関心は低いというか……。なんでレオーンこんな温存したんだろうなと不思議だったんですが、ここに本作渾身のサプライズが仕掛けられてるのでした。
 まさかの変身。からのギリシャ神話ネタ、それもギリシャ神話の中でも屈指のスーパースターの登場。これはマジでビビりました。アポロン以上の強敵(本人が言ってるだけで真偽はまだ不明ですが)がまさかのレオーン。オリジナル設定ぶっ込みすぎて面食らうところもあるし、設定を表面だけ見たら「それはやりすぎだよ」と言いたくもなるんですが、面白いのは絵としての説得力ですね。レオーンがあんな形でトランスフォームするとは……。ライオンの頭が変化して、あんな姿になられたらギリシャ神話的にちょっと納得せざるを得ないところがあるじゃないですか。
 ギリシア神話でライオン、からのネメアの獅子。うまいことやったなぁ。以前にもミノタウロスのオリジナル設定としてバトル的な能力が描かれてましたけど、それと同じで「ギリシャ神話ならこうやろ」というネタの掘り下げ。岡崎版のオリジナル設定なんですが、石ノ森「ミュートス」とギリシャ神話から共通項を探してそこを利用してオリジナルを用意する。二次創作のアプローチとしてめちゃくちゃ面白いですね。リコやリカルドが軒並み原作キャラに乗っ取られてる件とも通じますが、オリジナルなんだけど、ゼロから作り出したオリジナルではない。このバランスが良いなぁ。ここらへんはミノタウロスとかアルテミスの件から一貫してますね。
 とりあえず本話だと棍棒が出てきましたけど、ヘラクレスはエピソードが豊富ですので、バトル漫画に利用できそうなモチーフはまだまだ残ってますよね。必殺技が12個あってもおかしくないレベルw
 それと『サイボーグ009』にヘラクレスが登場する意味。ヘラクレスって半神半人の英雄じゃないですか。他のギリシャ神話モチーフのキャラとは一線を画してると思います。この半人ってのはやっぱ本作だとサイボーグのことも連想してしまうので、ここらへんにもオモシロが隠されてるのかな、とワクワクしてます。


 ということで終わり。まさかレオーンが話の中心になるとは、と驚きっぱなしでした。油断ならねぇ……。
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ヘラクレス(2014) (字幕版)

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  • 発売日: 2015/02/21
  • メディア: Prime Video