北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2021年29号の感想

 やばい、抜かずに共生していた親知らず周辺が痛い。めっちゃ清潔にしてたつもりなのに……。

背表紙

 ジャンプ名台詞 in ○○。本格的にワケの分からないのが来たんですが、おそらくタイ語。『ブラクロ』のヤミ団長なので、きっと「限界を超えろ」的なことを言ってるのではないでしょうか。分かりやすい人で良かったね(ここは勘なので信用しないでください)。

表紙

 『マッシュル』。人気である。同期の『アンデッド』はweb投票系の賞を何か取ってたと思うんだけど、明らかに『マッシュル』の方がジャンプ的には人気がありそうな予感。ジャンプってガラパゴスなんでしょうね。いや、web投票もガラパゴスなんだけど。……マジレスすると正解は「どっちも人気」です。ジャンプ読者の陥りがちな罠です。
 デザインは格ゲー風になってて非常にかっこいいです。たぶん甲本先生からは出てこないタイプのアイディアだと思うので、表紙(それもアニバーサリーじゃない)やってくれて良かったと思う。

『鬼滅』原画展のおしらせ

 10月からやるらしい。東京だと六本木ヒルズ。『ヒロアカ』原画展が大打撃を受けたことを考えると『鬼滅』は本当にタイミングが良い……と痛感。アニメの爆発的人気もステイホームとサブスク人気による後押しがー、みたいな分析もされがちだし(どこまで真に受けるかは別として)。神に愛されてる作品感がすごい。もしくは未来予知者が裏で糸を引いてるw
 もちろん『鬼滅』にもいろいろ被害は生じてるので、こんな話は世迷い言ですよ。

読者プレゼント

 ネモ船長のアトランティス。「SF」を「すげぇ奮発」としてるのが面白いです。詰め込み具合が病的で良い。
 繰り返しになるけどショートフロンティアは略すとSFで「すこしふしぎ」を意識してると思う。

巻頭カラー『マッシュル-MASHLE-』

 本気モードのダイヤ魔法。ダイヤモンドカッターを4枚。絵面と、追尾機能ってのが完全に気円斬だったと思います。『ロボコ』が似たようなことをやったら受ける印象がかなり違ってくるのでしょうね。まぁ、『ロボコ』だったらクリリンの顔を真似たりしそうですが。
 この手の追尾攻撃って割と定番だから打破の方法も出揃ってる感あると思うんだけど、本作らしい方法になってて良かったと思います。めちゃくちゃ強引なゴリ押しなんだけど、同時に「理にはかなっている……」みたいな納得もある。
 からの皮膚をダイヤモンドにして自分諸共ダイヤモンドカッター。ダイヤモンドカッターだったらダイヤモンドも斬れちゃうと思う。まぁ、細かい作りの違いがあったりしてそこはセーフなのかな。
 からの幻覚で逆転。シュークリームの身代わりはさすがにやりすぎだと思ったんですが、幻覚だったので良かった(本気でこの展開にしたのかと一瞬疑ってしまったw)。シュークリームを詰められる幻覚から現実に繋がる展開とかとても良かったと思います。
 ただ、首をダイヤモンドにしてるのに締め技が効くのか、は非常に疑問。締め技が有効、ダイヤモンドの形状に変化を与えることが可能なら普通に攻撃しても効果あると思うんですよね。あと、スーパー筋力による締め技だったら1秒もかからず落とせるってのも分からん。これは私が無知なだけかもしれないんだけど、締め技って所詮は酸素を途絶えさせるだけに過ぎない、ある意味で消極的な攻撃なわけだから、酸素不足で落ちる時間は変わらないと思うの。違うのかな。くられ来てくれー!!(クリリンの顔)

『アオのハコ』

 ひええぇぇ、掲載位置どうなってんのじゃ。ビビった。何となく人気出てる印象はあったけど、何じゃこれ。いや、今週は『呪術』の関係でイレギュラーなのかもしれない……ってのも無理あるか。来週からの新連載が終わったら表紙来たりするのかしら。『若君』級のスタートダッシュやんけ。1周年でも表紙になれない作品もあるのですよ……(何かの恨み節)。
 本編。 “前から思ってたけど” “違います” “あ そう” という小さな1コマで処理されるのが良かった。まぁ、これが作品としての見解なのかは分かりませんけど、案外そんな気もしてきた。
 高校初試合に向けて緊張。メンタル的に困ったときは体を動かす、という初期から一貫した行動が次の「同居してるから」という展開に繋がるのは良かった。ぶっちゃけ同居と本格スポーツ展開って全然関係ないんだけど、ここはうまく結びついてたと思う。
 からの大貴くんサービスショット。簡素だけど乳首もあったぞ。良かったな。ちゃんと先週の件へのアンサーになってるというか、「脱ぐ側がよければどこでも脱いでいいわけじゃないんですよ?」という反論になってるようで良かった。エロくてラッキー、で終わる話ではない。
 てか、あの顔芸のコマに「びっくり」の文字を入れるセンスよ。正直めちゃくちゃ可愛かったと思う。仮に私に画力があったとしても、あそこに「びっくり」を入れる発想は生まれないと思う。悔しい……!(そもそも画力ないから大丈夫)
 からの2人の高低差を活かした「頭なでなで」の亜種みたいなオチにするのも面白かったです。緊張対策の具体的な方法(気休めだけど)を知ってるという意味で先輩らしさも感じられました。

僕のヒーローアカデミア

 キズチドロ。『モンハン』の新モンスにいそう。
 プロヒーローたちの会議がそこそこアガるんですが、それを置いてきぼりにするレベルで突っ走るデク。そこにオールマイトとの別れという要素をぶっ込んでくるからヤバい。疑似的とはいえ100%の達成にテンション上がったけど、言われてみればオールマイトに到達してしまうと当然こういう話にもなってくるか。師匠越えの話としては定番とも言えるし。
 「頑張るな」「休んでいい」は芥見先生に向けたメッセージ説をぶち上げたい気持ちもあるんですが、堀越先生だと人に言えた立場じゃないので無理がありそうですね。いや正論だから誰が言ってもいいんだけど。
 実力はオールマイトに到達したかもしれないけど、 “とてもヒーローには見えない” 。先週、ナガンとホークスの違いは憧れのヒーローがいたかどうかってあって、それこそがヒーローの本質だと思ったんですが、今のデクはその本質を満たしているのか、という話。もちろんデクは必死で、今できることを全力でやってるからそれが悪いとは言わないけど、これでいいのか感。先週のが良い感じに利いてきますね。

『逃げ上手の若君』

 刃物は引いて斬る。逃げ上手にピッタリじゃないですか。この屁理屈が良い。さすがだなぁ。本格バトル回というだけあって今まで以上に魅力を感じるロジックだ。逃げて斬る、逃げて勝つ、という部分の納得度がすごい。ちゃんと鎧の隙間をつく話としてもバッチリでしたし。これは面白いわ。
 面白いんだけど、敵が “まさかそれまで俺に殺られずに済むつもりか?” と言わせて一旦ハラハラさせる場面あるじゃないですか。ぶっちゃけ「いや普通に逃げれるっしょ」としか思わないので引っかけとして機能してないと思う。まぁすぐ意味なかったと分かる場面だから別にいいんだけど。
 vs薙刀の方。これは吹き矢に毒仕込んでたら戦うまでもなく勝ってた気がするので微妙。何の意味もなく吹き矢が決まる、って結構ダメじゃない? まぁ、時代劇なので子供が容赦なく人を殺す描写があるのはショッキングで良かったです。『暗殺教室』では出来なかった要素ですね。
 若サイド。当たり前っちゃ当たり前なんだけど、止血しようとすると逃げるのをやめて攻撃してくる、という嫌らしい作戦がしっかり描かれてて良かった。止血はさせない、けど攻撃も利かない。時間が経てば出血で勝負アリ。超絶ストレス。友達なくす勝ち方だわw

ブラッククローバー

 母の因縁って話ではあったけど、そこに “何で子供なんか産んじゃったの” “アナタみたいな強い女に必要ない” という話題が出たのが面白い。ちゃんと女たちの戦いというテーマに意識的なのですね。ぶっちゃけここだけ切り取ればヴァニカの言い分もそれほど間違ってないとは思うんですが(アネゴレオンが似たようなこと言ったら全力で賛同してしまいそうw)、ここで母の強さというテーマにフォーカスしたのが感動的だったと思います。ノエルには子供いないけど、誰かを守る強さという意味では母の言い分と大差はなくて……という展開が熱い。いや、というより、あのとき子供であるノエルを守りきって、そのノエルが今ヴァニカを倒すわけだから、広い目で見れば母の勝利と言える、みたいなロジックも成立するのかしら。
 序盤で大迫力で登場した「紅いケダモノ」がたった1コマで返される終盤の見開きとか最高でした。ここらへんコマ割りの芸術ならではの感動があると思う。

センターカラー『Dr.STONE

 200回突破記念。大人スイカにまだ慣れませんw
 本編。連絡を密に取りたいので全員モールス必須、英語必須。科学文明だけじゃなく個人のスキルアップも必要、みたいな話は意外と新鮮で好き。
  “ローマ字なら14文字覚えれば打てるからね” について細かい説明が欲しいw すごい面白そうだけど、まったく分からない。それっぽいワードでググってみたけど、よく分からなかった。どういうことなの……。
 んで、月からの挑発。英語で来たのに “あらゆる言語で返答を試みてみろフランソワ!!” となるのが分からない。普通に英語でいいんじゃないの? からのメンタリストが小さい情報から大きな情報を読み取るって展開になったのは面白かったんだけど。

『SAKAMOTO DAYS』

 透明人間といっても超能力者ではなく科学力による産物、スーツによる透明化。つまり透明化するのは人体に限定されない。という理屈による投擲攻撃。これは面白かった。透明人間ものって定番だけど、その中でも面白いアイディアを出してると思う。思うけど、鉄パイプにスーツを結ぶだけで透明化できちゃうの? みたいな疑問はあった。パイプ全体を覆わないと無理な気がしてた。
 あと、細かいこと言うと、 “? なんだあいつ丸見えだぜ” の時点では投擲終了、攻撃終了してるので、別にパイプが透明じゃなくても攻撃は成功してた気もする。もちろん飛んでる最中のパイプが見えないので避けにくい、攻撃に気づきにくいってメリットが大きいのは分かるんだけど、本作の戦闘レベルだと投擲してから届くまでってほとんど一瞬だと思うので。
 右腕を吹っ飛ばしたと思ったら透明化してただけに過ぎない。透明化トリックという意味で面白いっちゃ面白いんだけど、スナイパーライフルの攻撃で右腕が吹っ飛ぶって考えにくいし、飛んでった右腕がないから絵としてもピンときにくいし、そもそも肩に被弾してるわけでそれだけで充分じゃない? みたいな疑問はある。
 んで、防火スプリンクラーを撃って水攻め。透明人間の弱点は水、と古来から伝わるアイディアなんだけど、跳弾による引っかけが加わってて本作独自の魅力になってたと思います。スプリンクラーの時点で「やべっ」と気づけよ、とは思うけど、今までここまで善戦する相手がいなかったが故の油断と考えればここはまぁアリかな。あと、2人だからこそ勝てたって話にも繋がるし。2人と1羽。

『夜桜さんちの大作戦』

 やったー四怨回だーうぇーい、となるはずなんですが、正直アイさんが1話で終わってしまったことによるショックの方が大きい。四怨とアイさんって感じでいいのよ。毎回「○○とアイさん」でいいのよ。
 コスプレショーもまぁ楽しいんだけど、個人的にはそういう即物的なものよりもおねショタデートの本番の方が楽しみなので、若干のもどかしさはある。渋々服装について考え出すくだりとかはそういう魅力がちゃんとあったので全部が全部ダメというほどではない。基本嬉しいけど、嬉しいからこその無い物ねだりなんですかね。あとアイさん。
 秋葉なのでメイドは絶対出てくると思ったけど、出てこず意外。まぁよく考えたら本作にはメイドキャラ既にいるのですね。あと厳密には秋葉ではない。
 着物は普通にアリだと思った。多少目立つかもしれないけど、特別変なわけでもないし、別にいいんじゃない? まぁ「気合い入ってますね……」とか軽く引かれる可能性はあるけど、それはそれでおいしい(趣旨がずれてる)。
 からの家庭内コスプレ。最初の二刃が爆笑だったわ。開花の無駄撃ちw(カラコンかもしれない)
 んで、おねショタオチ。こういうのが見たかったんだぜ、とガッツポーズ。このまま次話に繋がってほしい。いや、続かなくていいからアイさん……。

センターカラー『すりーぴんぐ&ギャッグ』川江悠大

 大型読切。最後ですね。
 寝てる幼女と、それを守る最強の引きこもり。借金を滞納してたら取立がやってきて、それを返り討ちにしたらそのままスカウトされる、って流れるような経緯は笑った。裏社会に入る理屈がスムースw
 ただ、タイトルにもなってる幼女の寝てる設定が正直そこまで魅力的じゃないというか、そもそも物語的にそれほど機能してるとは思わなかった。一応家族に守られて安心してるから的なオチはつくけど、そのオチ以外に意味がなかったので、それじゃオチとしての楽しさはないと思う。そもそも家に届けられた時点で寝てたので、そのオチもちゃんと機能してたか? と思う。
 いや、油断しまくってる幼女と、それを守る最強引きこもりってだけで面白いから読切としては充分な満足だとは思うんだけど、タイトルにまでなってるし、幼女に睡眠以外の個性がそれほどないので、単純にキャラクター的にそれほど魅力的かというと……みたいな。可愛いっちゃ可愛いけど。
 そんな届けられた際の場面。幼女が家の前で狙撃されようとしていて、それを助けるためには家の外に出なくてはならない。引きこもりなのでドアを開ける瞬間、心臓がバクバクで……という精細すぎる引きこもりの心理描写は良かった。その後「テンパるとそこそこ弱体化する」という設定が加わるんだけど、終盤の車との追いかけっこで “先刻までひきこもってたんス たぶん相当テンパってますよ” となるのも良かった。てか、あの殺し屋さん、地味に有能で面白かったですね。モブなのえ無個性です、みたいな扱いなのかと思ったら意外とキャラ立ってる。何なら幼女よりもキャラしっかりしてたと思う。本作の魅力に貢献、というか本作の魅力の根幹に関わるのはむしろ彼なのではないか。ただ、そんな殺し屋が好きなので、車から射撃する場面でもヒットした効果音を口で言うルーティンはやってほしかった。かっこよさを優先したのかもしれないけど、あのルーティンの成功例も見たかったし、何なら怖さ演出として普通に機能してた気もする。
 んで、終わり。お金の件はあの殺し屋から「動揺させるためのウソっすよ」とかネタバラシがあると思ってたので、そこは放置したまま終わったので意外。もちろんメリットがなくても家族は大事って話なのでこの方がいいのかもしれないけど、単純に経済面どうすんの、とか心配にはなる。まぁ借金滞納しても大丈夫かw

センターカラー『ウィッチウォッチ』

 カラー扉。モイちゃんハイライトないので笑った。カラーだとより映えるな。
 シュレッダーの修復。いかにも魔法で何とかなりそうなんだけど、地道な手作業。最終的には魔法なんだけど、その土台としての手作業。ギャグ的なオモシロもあるし、物語的な要素もあって良かった。意外と出来ないこともない、って妙にリアルな理屈が好き。
 手紙の内容。連れ子問題。直った際にモイちゃんが “ところどころ足りてないけど十分読めるぞ” って言ってるので、これはこの「足りてない」箇所に重大な秘密が隠されていて、最後に父親がその穴埋めをしてどんでん返しのパターン。篠原のやり方は分かってんだよなぁああ!! と謎のテンションになったので、この「足りてない」に意味はなかったので虚しい。なんかごめん。めちゃくちゃ斜に構えて読んでたので “お父さんの連れ子?” に対しても「はいはい からのぉ??」とか思ってました。ごめん。虚無。
 そして正式にスケット団結成でエンド。篠原先生、プラスでの連載が絶好調で、何なら代表作が『SKET DANCE』から更新されたレベルで、そんな篠原先生が本誌に凱旋したらどうなってしまんだ……と思ってたらめちゃくちゃ『SKET DANCE』やってるので安心感あるw たぶん終わりを設定せずにとりあえずだらだら続けるにタイプの連載としてはこの形式が吉と判断したのでしょうね。
 あと、どうでもいいけど「若月ニコ」という名前を見てワカチコを連想した(ゆってぃ)。

『僕とロボコ』

 最近心が汚れてるので表面的な本誌連載作イジリは、相手が喜ぶことを計算してやってるんじゃないか、とか勘ぐってしまう。『SAKAMOTO』ネタやるならもっとちゃんと扱ってほしかったよ。名前出しゃいいってもんじゃないよ。これ別にパロディとして面白くもないし、名前出されて嬉しくもない、けど「ありがとうございます」って言っとかないと感じが悪いから……と負の連鎖が起きる奴じゃない? まぁ、よく考えたら以前からこの傾向はあったかもしれないな。『マグちゃん』とか。好きなネタだけやっててほしい。
 いや、これは宮崎先生側の問題というよりは、『ロボコ』にいじられて一人前みたいな風潮があると言い出した受け手の方に問題があるのではないか。宮崎先生は「表紙もやったし『SAKAMOTO』ネタも入れなきゃ……」と逆に気を使った可能性。だとすると犯人は田畠先生あたりかな。違ったっけ?
 最後のネタバレのくだりはツイッターでネタバレ踏むことが元になってると思う。あの形でのネタバレって一番ツイッターが近いのではないか。『HUNTER×HUNTER』がトレンドに入っててもそれは『呪術』のネタバレだから気をつけなはれや。

『あやかしトライアングル』

 文明の進歩によって人類は暑さの恐怖を忘れ、神はそのチカラを失っていく……みたいな悲劇っぽく語ってるけど、暑さ対策の象徴として出てくるエアコンは温暖化の原因でもあるから、若干話がブレるというか、単純に今の方が日照り神強くなってるんですけど……みたいな。
 回想で「お前」と呼んでたのを指摘され、考えを改めて「比良坂命依」と呼び方を直したら “私は命依じゃないよ” ってなるの少し可哀想で笑った。一応 “また来世” 言われてたから日照り神にも非はあるんだけどw

『アマノフル』

 まさかの野球回。クーロンズ・アメノ・パレード。
 ペロキャンあんなに開けっぴろげに使うとは思わなかった。まぁ、通常の試験から逸脱した悪役だからこそ成立する話、みたいな感じか。さすがに連載始まって早々ペロキャンなしで物語を進めるのは無理だった。無理というか無駄が多い。
 ギャグ漫画ばりの問答をしつつ、本格バトル漫画っぽいバトル展開になり、ギャグっぽい会話が実はテーマ的に熱い。本作の良さってこういうとこだよね、と分かりやすい回だったと思う。やはり強敵と戦う回は盛り上がりますね。
 逆に本作の本質的にどうなの? と気になってた「ポップコーンってお菓子なの?」問題について多少は言及があったのも良かった。まぁ、ギャグ的にツッコミが入っただけなので疑問が解決したわけでも、スッキリしたわけでもないんだけど。
 んで、決着。お菓子使いバトルについてまだ読者が把握できないのもあって、それ故のサプライズでもあったと思う。あとは単純に「野球じゃねぇのかよw」とか。ここでズッコケ的な方法で決着がつくのは賛否分かれる可能性あるけど、ギャグとのバランスが個人的に心地よかったので私はアリだな。てか、じわじわと本作のことを好きになってきてる。尖った何かがあるわけじゃないんだけど、細かく良いところが積み重なってる。

『アンデッドアンラック』

 夏消滅。これは『あやかし』の直後に掲載されててほしかったw
 夏がなくなると冬が地球を支配して大変。自由の女神が出てきたのは『デイアフタートゥモロー』オマージュ説ある(こういうときに出すタイトルとしては微妙なライン)。
 ジュイスの腕もがれた件は読者的にお馴染みなのでサマー討伐組のブチギレに「あれっ知らないんだっけ?」とはなった。ただ、事前の場面でジュイスの腕が治療中であることを示してたりして、情報の整理整頓というか、分かりやすさ、読みやすさの工夫は感じる。
 あと、ジュイスの腕が機械化しそうなことにちょっとワクワクを感じてしまったw どんな腕になったらかっこいいかな? とか考えたくなってしまう。

『高校生家族』

 テニス部。奇跡的に家族のことがバレてないが、その奇跡を維持するのも大変。母親と相思相愛だと思われるのとか気持ち悪すぎて笑ったわ。いや、愛し愛されててもおかしくはないんだけど、それは家族愛だ。
 からの弓木さん登場。窓越しの告白は絵面がエモすぎて不覚にもドキドキしてしまったぜ。やはり本作は『アオのハコ』と枠が被ってる……。
 ぶっちゃけ窓越しならバレる心配はないと思うんだけど、だからと言ってあのビジュアルを前にしてカミングアウトするのは心臓への負荷がデカすぎるw
 からの三角関係誤解オチも笑った。言われてみればああいう誤解をするのが自然だわw そして、相関図だけ見たらめちゃくちゃ面白そうなことになってるので笑う。

J新世界漫画賞大募集中

 宮崎先生の連載デビュー作が『ロボコ』と紹介されていた。短期集中連載は連載ではないらしい。なんでや工藤。

『破壊神マグちゃん』

 オカーサン登場。あまりにあっさり登場するので面食らうんだけど、まぁ、流々ちゃんが精神的に成長した結果母への依存心が軽減した、とも取れるのかもしれない。
 オシャレする流々ちゃん。錬が見て喜ぶような場面も極小だし、ヒラヒラした可愛らしい格好とはいえスカートではない、みたいなバランスがとても本作らしい。別にラブコメ方面に興味はないし、副産物的にその魅力が生まれることを意図的にセーブしてるとすら見える。衣装チェンジという意味では今週の『夜桜さんち』が極端なので比較対照として分かりやすい。まぁ、母親が娘に腹出した服着せてたら別の意味で疑問が生じると思うんですがw
 本題はオトーサン。父の日記念だったのか!!(たぶん偶然)
 藤沢家のオトーサン。ロンではなく、ロクであった。まぁ、ウィーズリー家みたいな名前になるのも変か。
 そんな料理長とナプタくんのやりとりが微笑ましすぎて最高。激シブな料理長がナプタくんの存在を受け入れてるのも萌えるし、ナプタくんはもはや本作において最も美少女ムーブをかますキャラになってると思うw
 オトーサンに嫉妬するマグちゃんも可愛いし、それに振り回されて結構な勢いでキレる流々ちゃんも可愛い。母親がいるせいかいつもより子供っぽい印象も受けました。本気で怒ったときに “もう嫌い!!!” って言うのなんかめっちゃ可愛いわ。まぁ、これも母親がいないときだったらちょっと心配になってたかもしれない。オカーサンがいるから何とかなる、という信頼がある。
 ウネさんが教える父親像が波平なのは笑った。『サザエさん』はもう既に典型的日本人家庭として見ることは不可能、という認識が一般的になりつつあると思うのに……というズレ。そして波平(からの星一徹スタイル)ムーブをかませば当然娘に嫌われるという展開も良い。そこに冒頭の服が絡んでくるから相変わらず本作はうまい。てか、翌日なのに同じ服を着る流々ちゃんの心理を思うとまた微笑ましい。
 からの解決方法(直接の解決ではないが)が、 “流々はずっと私達の前で良い子だったから” “親子喧嘩はできなかった” となるのが良い。納得しかない正論なんだけど、だからこそめちゃくちゃ感動してしまう。喧嘩する相手がいることの幸せ。 “もう嫌い!!!” と言えるのも、それに対して本気で落ち込めるのも、幸せな関係が築けてるからこそ。はぁぁ、泣ける。
 からのマグちゃん肩車でエンド。微笑ましすぎか。そしてオトーサンが写真で登場する……んだけど顔はナシ。ああいう演出って今後登場するかも、という予感を残す意味で定番の方法だと思うけど、本作だと絶対出てこないでしょ。どういう意図なの……。

『アイテルシー』

 自爆しようと交番に立てこもる犯人。パスコードは1文字でいろいろ質問に答えてくれる。質問と回答が大コマで示されるページが圧巻なんですが、そこをよく見ると犯人の発する文章の頭が五十音順になってる。ちゃんと漫画的なハッタリの利いた場面がヒントとして機能してるのが面白いです。
 ということで「あ」から始まる名前の人を呼んだのは五十音のゲームを開始するため。各文章が吹き出しによって区切られるのは漫画らしいギミックで面白いですね。これはアニメとかでやっても大して面白くない奴。
 気取った言い回しが特徴的なのもその五十音のために無理が生じてるから。それと、よくよく読み返すと「あ」から始まって「い」「う」「え」までは誰が来ても成立するような発言になってるのも面白い。極端に頭が良いキャラなのではなく、ある程度事前に決めてるのが分かる。その次は “おっさん誰?” と即興性の高い発言なんだけど、おそらく事前に決めてたのは「お前」から始まる文章かな。
 さらに言うと、その後のルール説明のくだりもテンプレ臭い。そもそもディスコミュニケーションだったのですね。説明の途中で相生が “キーボードでパスコードを入力すれば” “爆弾は止められるパターンですね” と予期せぬ口を挟むと、その回答は言葉ではなく、首を頷くだけ。犯人の即興力にちょっと感動してしまうw
 左近の挑発に答える場面はちょうど「て」なので、「てめぇ」で始められる汎用性の高いターンなんですよね。たぶん難しいターンだったら無視して終わってたと思う。
 最大の難関は「を」なんですが、それをアシストするように相生が三度目となる動物の質問をする。「ウォンバッド」が「を」なのかは少し疑問あるけど、ここでの相生の行動はまさに包容力のあるものだったと言えるのではないか。
 ということで答えは「ん」ですね。……と思ったけど、アシストなしでは「を」を言えなかった可能性があるので、そう考えると答えは「を」なのかもしれない。あれっ、本話の仕掛けは解けたはずなのに解答に自信が持てないw
 ただ、左近の指の位置的に「w」より「n」が自然だと思うので、ファイナルアンサーは「ん」です。稲岡先生ならあの指の位置にもこだわるはず。
 ぶっちゃけ、動機が明らかになったところで「で 何だったの?」となりそうな話ではあるんですが、仕掛けに気づいてから読み返すとマジめちゃくちゃ面白かったです。細かい工夫が散りばめられてて芸術的ですらあったと思います。

機械仕掛けのアイオライト』瀬川竜

 読切。ジャンプショートフロンティア。大型読切は今週で終わるけど、ショートフロンティアは来週も続くそうです。やったぜ。
 自我を持ったアンドロイドが人類に殺意を抱くが、人類は滅亡。殺すために生き残りを探すが、出会ったのは殺して喜ぶような状態の死にかけ。そして……。ここで全部説明しちゃいそうなくらいシンプルな話で、そこがショートフロンティアならではの魅力だったと思う。こういうワンアイディア勝負が成立するのが良さですよね。物語がソリッドというか。
 んで、大きな仕掛けとなるのが「ぎゅう…」。絞め殺す音にもなるし、同時に真逆に意味も持つ疑問。これよ。文字メディアならではのトリックで最高。『アイテルシー』の直後に載ったのも良かったと思う。言葉に対するアンテナがフル勃起状態で読んだのでw
 そこに主観ショットで謎を残したまま進行し、序盤の “私の活動限界はあと10年” というが利いてくる。手を握る場面が出てくるんですが、これは単なる愛情表現であると同時に、読者に対する「活動限界の件覚えてました?」という目配せでもありますね。芸が細かいじゃないか……。少女は約10歳ということなのですね。大体10歳っぽいビジュアル、という意味でもバッチリだったと思います。

『灼熱のニライカナイ

 最終回。残念……と思ったら急に成長した姿で現れる少女というのが直前の読切のラストと被るのであった。時間の飛躍が謎を残す、という意味でも同じ。10年までキレイに一致。10年経ったらとりあえず娘の成長として一区切り、という話でこの数値の一致だからなぁw
 扉。最終回らしく全員集合なんだけど、メンツ的に本編では絶対にあり得ない集合写真ですね。なので当然神室も参加していて、そこがエモい。
 新人の鰯水。岩清水じゃないのが良い。本作らしい。そしてサメからのイワシというのも対照的。
 10年後七瀬さんがメガネ。メガネ。ありがとうございます。こういうところが田村先生好きだぜ(愛が浅い)。
 んで、10年後の姉ヶ島。 “日本で唯一イルカの刑事がおる所や” とあるので、今もイルカがいる? サメがイルカになったのか? とか謎で引っ張ってくるのがうまい。イルカになってても納得しちゃうからなぁw
 10年後の深作さんが眼帯の似合う激シブおじさんになってるので笑った。メガネ七瀬もそうだけど、10年後のメンツが魅力的すぎる。もっと人気があればこの続きが読めたのか……(人気があっても10年後の話は読めない)。
 んで、10年後のサメ。 “どっからでもかかってこいシャークッ” でもおかしくないから笑うんだよなぁ。律儀に手袋までさせてるのがウケる。こうなっててもおかしくないのよ。これでも全然ありそうと思えてしまうのよ、本作は。
 からの本物のサメ登場。じゃあ「イルカの刑事」は?? とさらなるサプライズ。うまいよなぁ。単純に10年後のサメ登場を盛り上げる演出としても面白くて、面白いからこそそれ以外の要素があることに驚かされる。
 見事な最終回だったと思います。たぶんめちゃくちゃ長期連載になってもこの形式の最終回にするつもりだったんじゃないですかね。そう思ってしまうほど良く出来てる。
 終わると先週あったサメの出自の件も気になってくる。よくあるもっと連載が続いてたらやる予定だったネタにも思えるんですが、あれは普通にそれっぽい設定を一蹴するギャグでもおかしくないんだよなぁ。さすがに岬先輩とかチャコママの件はあったと思うけど。まぁ、何はともあれ終わってしまって寂しい作品です。これでまたジャンプがつまらなくなる。『呪術』もないし、結構マジで損失がデカい。好きな作品の上位3つ(か5つ)から2本抜けた形になる。つらいわぁ。

『クーロンズ・ボール・パレード』

 試合開始。ちゃんとした、現実的かつ、野球素人の読者でも分かりやすいロジックで作戦が組み立てられてて気持ちいいし、それを1人の天才が上回っていく様も痛快。ちゃんと納得できるロジックですべてが形成されてるから最高。逆に向こう側も弱点を見抜いてくる、とか良いですよね。相手も考えてるって当たり前のことなんだけど、つい忘れがち。
 ということで、最初は盗塁で完敗。お次はランナーありのピンチ。敬遠したらまた盗塁が怖いって言ってたけど、例の天才は一塁で、二塁に別の人が使えてるので盗塁で暴れられないと思うの。普通に敬遠した方が良かったのでは。……まぁ、発想が後ろ向きすぎるのかもしれないけどw
 んで、絶体絶命のピンチでどうすることも出来ない……と思ったタイミングで出てくるのが読者的にそれほどお馴染みでない新参たち、というのが良い。もちろん作中の世界であの2人が新参だからと別枠扱いされてるわけはないんだけど、読者の印象的には「まだ知らないカード残ってた!」になっても違和感はない。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 6/21はスナックの日ということで、作中スナック特集。『アメノフル』一強だろ! と思ったけど、そうではなく、リアルでの商品名をもじった作中スナックの特集。なので『アメノフル』は逆にゼロ。
 とにかくポッキー風が強い。こんなにも偏るとは意外でした。棒状のものが絵的に分かりやすいってのが漫画の都合にフィットしてるんですかね。煙草の代替品と考えることも可能かもしれない。
 あとは、『アオのハコ』がキットカット風を持ち出してきて、それっぽいチョイスをしてくるなぁ、としみじみ。セルフプロデュースが完璧である。そのままCMになりそうな雰囲気だからな。逆にキットカットを出すことによってCMっぽい雰囲気を作品にもたらしてる、という計算はあると思う。

次号予告

 新連載始まるよ。今後は2本。来週のは同名読切でお馴染みの奴。金未来杯とった奴ですね。川口先生は美少女ものに走ると思ってたら、の優勝なので驚きました。
 『マグちゃん』がセンターカラー。『マグちゃん』はもうカラーになっても特別ありがたさを感じないくらいの雰囲気ありますねぇ……と思ったら1周年。なんで表紙じゃないの? はぁ?

目次

笑ったり泣いたり毎週楽しみに読んでました。田村先生連載お疲れ様でした。
(『ウィッチウォッチ』)

山場激エモ激アツでした…田村さんニライカナイお疲れ様でした!!海に行きたい
(『ブラッククローバー』)

 田村先生は人望がある。と思ったら田畠先生のラスト、ただのコロナの愚痴みたいにも思えるので笑った。

マグちゃんアイシングクッキー作成の動画が凄まじい技術です。有難うございます。
(『破壊神マグちゃん』)

 ファンの作った微笑ましい奴を期待してググったらプロの(公式の仕事)超がっつりした奴が出てきてビビった。マグちゃん作ると思ったら表紙かよ。

愛読者アンケート

 大型読切についてと、家での娯楽について。頻度とこの1年間で時間が増えたもの。「動画(YouTube等)」に動画サブスクは入るのだろうか。映画とかそういうの。かなりニュアンスが違ってくると思うのだけど。
 小説全然読んでないなぁ……と痛感した。ゼロじゃないかな。本読んでも小説じゃないなぁ。あと音楽もあまり積極的に聴かなくなった。ラジオで流れてるのは聴くから音楽のない生活とは言わないけど、積極的に聴こうとすることはかなり減った。まぁ、コロナ以前からだけど。ラジオ聴く番組増えたのが全部悪いw

総括

 終わり。『灼熱』終わってマジどうしよう級にショック。ショートフロンティアは継続っぽいので良かったわ。けど『マグちゃん』表紙じゃないのは許さん。

 今週のベスト作品。『灼熱』だなぁ。最終回として、最終回らしい仕掛けがキレイに決まってて素晴らしかった。直前の読切と被ってたのはご愛敬だ。正直ちょっとキレそうになった。
 そんな読切、ショートフロンティアの方が次点。まぁ大型の方も入れていいか。あと連載の中からだと『アイテルシー』『若君』あたりかな。

 今週のベストコマ。『高校生家族』の窓越しの告白。エモエモの極み。

 最後に今週のベストキャラ決めて終わります。こちら。

  • サメの海人 『灼熱のニライカナイ
    • ごめん、普通に疑ってしまった……。

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