北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『ゴジラVSコング』の感想

 観てきたぜ。ONE WILL FALLについて言及するのでネタバレでござんす。とりあえずネタバレ感想を吐き出したいという気持ちが強いので、いつも以上にとっちらかってます。

 結局のところ両者生存なのでONE WILL FALLは詐欺なんじゃないか、とか思わんでもないです。まぁ一応しっかりと決着ついた感はあったので不満とかそういう感じはないです。第1ラウンドはゴジラ、第2ラウンドでコングが巻き返したぞー! みたいなノリで勝敗を描くのはうまい落とし所だったように思います。
 からの共闘。やっぱり共闘かよ。共闘じゃなくてONE WILL FALLだよ! って意味だと思ってたのにw ちなみに、帰りに売店寄ったらメカゴジラの人形置いてあったので爆笑しました。ネタバレ地雷やないか。危なすぎる。帰りだったから笑えるけど、事前に見てたらキレてたかも。
 完全決着からの真のヴィランが現れて共闘という流れ、『バットマン vsスーパーマン』と似てましたね。それも悪い金持ちが前作の悪役を改造するパターン。さらには、バットマンがスーパーマン打倒のために使ったクリプトナイトの槍でドゥームズデイを倒すってオチもDXコングアックスと同じだったように思います。まぁ、ゴジラによる「新しい顔よ!」展開には激アツで泣きそうになりました。
 てか、『KOM』であった、前作におけるヒーローの活躍の影で市民には大きな被害が、という視点の転換も『バットマンvsスーパーマン』の冒頭でやってましたからね。モンスターバース的に『バットマンvsスーパーマン』めちゃくちゃ重要な作品なのでは……。

 新たなネットミームになりそうな予感ビンビンの小栗旬の白目。あれ、小栗旬のアイディアらしいですね(監督が気に入って採用したとか)。それはそうと、あの役が芹沢である意味が全然なかったとように思います。猪四郎パパと真逆の役割担当するならさすがに説明してくれよ。まぁ、次作以降で小栗旬復活、みたいな可能性に期待しましょう。英語力もたぶん向上してると思うし。
 白目パイロット。1人だとギドラに乗っ取られてしまう、しかし2人ならどうだ……とイドリスエルバと菊地凛子が登場する『パシリム』クロスオーバーを妄想しました。フィクションレベルがそろそろ行けそうな感じになってきた気がする。まぁ、『パシリム』の新作で扉を抜けたらゴジラとこんにちは、みたいなパターンの方が穏当かな。そのままモンスターバースの目玉にするには『パシリム』は格が足りなすぎると思う。
 とはいえ、香港決戦におけるビジュアルは『パシリム』からの影響ですよね。個人的に『パシリム』の最大の不満点である、最終決戦が海中で見づらい、が本作の海中戦は序盤なので安心しました。それも完全にゴジラの領域で勝負にならない、みたいな扱いなのも良かったと思う。第1ラウンドはゴジラの勝ちだけど、ステージがゴジラに有利すぎるよね、みたいな気配り。
 地上で戦っても熱線が強すぎるのでコング苦戦……からのDXコングアックスで逆転、という展開も最高でした。アックスない状態だとガン=カタっぽく熱線をさばいてるのも好き。んで、DXコングアックスを捨てることでゴジラに帰ってもらう、という空母のくだりが伏線、というかコングが学習してるのも面白い。

 そんな空母戦。予告でもあったけど、本作の白眉だと思います。絵面も面白いし、バトルの展開も新しい。『KOM』で印象的だったゴジラの上向き熱線を海中で吐かせる、というアレンジも秀逸だったと思います。1作目の逆流ゲロ熱線も出てきたし、『髑髏島』の木をにぎにぎして武器に変える奴も出たし、モンスターバースの集大成としても見事でした。そして、本作だと『KOM』の真逆で、下向きの熱線を出したのが最高でしたね。そのままモンスターバースでずっと語られてきた地下空洞に通じるのも熱い。

 そんな空洞。空洞説自体はいいんだけど、本作はちょっと陰謀論っぽい描写が強すぎて、今の時代陰謀論に微笑ましい気持ちにはなれないよなぁ、とか少し思いました。陰謀論万歳、みたいな結果になってしまいましたし。『KOM』の娘が陰謀論ポッドキャストにハマってるとか悪夢かと思ったw

 メカゴジラ。ちょっとデザインがいまいちだったように思います。てか、あれは前振りで、ギドラが乗っ取っることで両腕が首へとトランスフォームしてメカギドラの完成……ってなると思ったなぁ。ならないとは。
 エイペックス社がアレな存在ってのは分かるんですが、メカゴジラが強くてゴジラとコングに勝てるんだったらそれはそれで人類的に悪い話ではないのでは? とか頭の片隅で思ってしまう。まぁ、ギドラが暴走しないと弱いってことなんですかね。てか、『エヴァ』でたとえると「ギドラ=碇ユイ」ってことにになるのか……(なってどうする)。

 不満点という意味では、テーマ曲がなかった。ジャンキーXLのスコアはご機嫌で楽しかったものの、『KOM』の次作ということを考えると物足りなく感じてしまうのも事実。まぁ、ゴジラ贔屓になっちゃうから控えたって感じなのかしら。それとも権利的な事情?(よく知らない)
 あとは、熱海城オマージュは欲しかったよなぁとか、小栗旬が太鼓叩いてコングを寝かしつけてほしかったとか、そういう感じの戯言はいろいろ思いました。まぁ、『髑髏島』における巨大タコの踊り食いが『キンゴジ』オマージュだと思うから『キンゴジ』ネタはそれで終わり!ってことなのかな。


 終わり。久しぶりのハリウッド超大作、そういう意味での感動もありました。ハリウッドだとちょうど同じ時期に『ワイスピJET BREAK』の公開が再生の象徴っぽくなってると思うんだけど(『クワイエットプレイス2』という見方もある)、日本だと『ゴジラvsコング』だよなぁ。まぁ、日本の場合はアメリカ映画界の再生に引っ張られて公開してるだけで、日本のコロナ事情が改善してる感じは全然ないんですが。とりあえず来週はMCUが映画館に帰ってくるのでアメリカのワクチン事情には感謝しかないです。