北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2021年32号の感想

 『ワイルドスピード』シリーズおもしれぇぇ~っ!!(一気見中)

背表紙

 ジャンプ名台詞 in 中国語。『アンデッド』の「精彩」。これは笑うわ。選者のドヤ顔が透けて見えるようでもある。
 多言語作品の常ではあるけど、中国語バージョンでの『アンデッド』っってどうなってるんですかね。ややこしいことになってそうだ。こないだ『ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT』を観たんですが、日本が舞台で、日本語がちょくちょく出てくる、基本は英語の、アメリカ映画。それを日本語吹替で観ると非常にややこしい。音量のバランスが悪いという事情もありますが、急にたどたどしい語りになったけどこれは元々日本語で喋ってる、つまり「俺は日本に順応してるぜ」的な場面なのね……とか想像しないといけない。『アンデッド』は中国語の他に英語もとても重要な意味を持つ作品なので、よりややこしいことになってる場面があるかもしれない。

表紙

 『アオのハコ』。もう表紙なっちゃったよ。すごい。そして、全体的にすごく青い。

読者プレゼント

 花火。今週は全体的にダジャレの質が悪い。種類も少ないし、その内容も非常につまらない、そもそも数も少ない。これはいただけないです。
 唯一、本棚に添えられた「片付かないコミックは導火線と」がちょっと面白い。まぁ、「どうにかせんと」だから厳密には言葉がハマってない気もするんですが、導火線からそこにハメるという方向性は意外で良かった。

巻頭カラー『アオのハコ』

 見開き扉がなかなか可愛い。デフォルメキャラは本編にももっと出てきてほしいなぁ。まぁ、本作の場合は作品の温度と相性が悪いから難しいのかもしれないですね。とはいえ、このデフォルメとても好き。
 あと、そもそもタイトルの「ハコ」って何のことなんですかねぇ?? とか扉見て思った。読切のときは体育館のことだと理解しましたけど、連載版だと体育館は特に重要ではないよね。今回の扉でもよく分からない感じでハコ出てきましたし。『ワールドトリガー』かよ(我ながらなつい)。
 本編。 “確実な1点を…” と日和ったら負ける。心理と戦術、試合展開がドラマになってるの本作では初めてなのでは? というレベルで珍しかったと思う。面白かったんだけど、これがラストプレーで、試合終了。あっけない。ただ、この「あっけなく終わってしまった」という感覚そのものが劇中のキャラクターが抱く心理なので、これは意外と面白い。ものすごくドラマチックな意味を持った試合だと認識しつつも、実際に試合をしたらあっけないもんである、みたいな感じはかなりリアルだと思う。
 と思ったらその後の試合も終わってるので笑った。試合にそれほど興味がないのは感じていたことだが、こんな急に終わるとは。ひょっとしたら、せっかく巻頭なのに試合してるのはまずいでしょう、的な判断があったのかも。
 んで、例の水族館の件。事前に知らされるのではなく、先にデートのお誘いをもらうサプライズ。そこであっさりネタバラシするのが良かった。ここらへんの妙に地味というか、わざとらしく劇的にしない感じが良い。
 からの雛。こいつは恋心抱いてない方が本作に合ってると思うし、その方が良いと思ってたんだけど、意外とそうでもないのか。いや、そういう扱いになるのがベタなので意外ではないんだけど。まぁ、あれは2位だったことに怒ってる、という解釈の余地もあるので、保留。無理あるかなぁw
 デート前のソワソワ。私服どんなのかなぁ、みたいな心理は定番だけど、本作の場合は同居してるので「家で会わない」という別のイベントを用意しないといけないのですね。この一手間がとても面白かった。そんな面倒なことしないといけないのかw まぁ、これはこの手の同居ものに馴染みある読者にとっては驚きのない話なのかもしれないですね。
 デート本番。舞台は池袋。サンシャインですね。近いのに意外と行ったことないパターンなんだけど、最近はペンギンが売りなんでしたっけ。あと毒毒展とかそっち系の企画展が有名なイメージ。

Dr.STONE

 あぁ~っ、ここで『ONE PIECE』が掲載されたら最高だったのになぁw ここで読みたいのは『dr.stone』じゃねぇんだよなぁ(本作は悪くない)。
 インドでゲットするのはズバリ人。あ、完全に想定外だったw そりゃそうか、別に人探してもいいのか。なんか鉱石とかそういう話だと思ってた。
 天才くんは学校の校舎で石化したはず。いくら何でも決めつけが過ぎる気がするし、それだけの情報で簡単に見つかるとは思えないし、そもそも元気に現存してる可能性もないんだけど、そういう部分はまるっとカット。まぁ、本作だとよくあることなんだけど、直前の場面で防御姿勢の重要性について語ってたからちょっと気になる。
 あと、千空とチェルシー“ゴール地点計算 余裕なのさ!!” は何かのパロディなのだろうか。具体的な作品じゃないにしても「○○風」みたいな気がする。まったく分からないです。謎ギャグみたいな可能性もあるにはあるのかな。
 んで、天才くん出土。4人セットで阿修羅像みたいになってるのめちゃくちゃカッケェ。あのままくっついたまま復活させたら阿修羅人間が生まれたりしないかしら……とどうでもいい妄想をしてしまう。
 ただ、あんだけかっこいい絵を用意したのに、何の話もないまま残りの3人を除去してるのが謎。というか、普通に感じ悪いだけだから余計だと思う。てか、屋上で1人になってねぇじゃん、という話でもあるか。まぁ、これは石化後に密集した可能性もある。

『逃げ上手の若君』

 精力増進フードギャグって何となく現代的なイメージあったけど、よく考えたら時代劇でも成立するのか。何か意外だった。まぁ、少年相手にやるのはちょっと無理あったと思うけど。
 それよりも緊縛が変態趣味として当時から確立されていたのか、みたいな方が気になるか。考証よりもギャグを優先した可能性もあるのでよく分からん。巫女服がコスプレ的な意味で人気あったのか気になるところだ。当時の人はありがたいものという認識が強いだろうけど、だからこそ倒錯の余地もある、のか?
 神獣がマジで見えたらしい。というか、「見えた」という証言がマジなものとして残ってる。ここらへんの線引きが面白い。別に神獣が何かしてくる話になってないので「本人がそう言ってるだけです」という認識でも間違いじゃない。
 本編後のコラムでもその最後の時代としての話が書かれていてめちゃくちゃ面白い。マジなものとして語られた最後の時代らしいけど、最後の時代なので当然疑問を持ってる人がチラホラ出てきてるっぽい? みたいなバランス。

センターカラー『NERU-武芸道行-』

 先週のラスト、まさか特殊学園ものとはなぁ! と驚いたんですが、今週から「学園武芸アクション」というコピーが使われてますね。先週のジャンプ見返したけど、おそらくどこにも使われてない。ので、一応あのラストは衝撃の展開という認識だったのでしょう。
 本編。18種ある日本の武芸を学べる学校。十手とか鎖鎌は漫画で扱われるの珍しいと思うので楽しみ。とりあえず主人公はしばらく剣術っぽいけど、ずっと剣術になるのもつまんないというか、設定がもったいないのでいろいろやってほしい。
 いきなり実戦。真剣ならぬ真具。修学旅行でよくやる枕合戦、あれは寝具(ダジャレかよ)。武道と武術の違いを真具の緊張感と共に説明し、そのままバトルシーンに移行するのは手際が良い。
 ただ、「武道はスポーツなんで軟弱なんですぅ」みたいな話が面白かったので、その後の “まずは礼から” で、「礼はするんかい」と思った。礼にこだわるのってめちゃくちゃ武道っぽいイメージある。殺し合いと最もかけ離れてるというか。
 主人公の強みは完コピ。この手のバトル漫画では定番のスキルですが、先週語られた彼の出自からして納得しやすいのが良いですね。序盤に出てきたサンレンコーは動きの表現が省略されてたんだけど、主人公の目にはその動きが詳細に認識されていた、となるのも面白い。まぁ、終盤のアクション見てもサンレンコーの動きがよく分からん、みたいな印象は正直ちょっとあったけど。

『マッシュル-MASHLE-』

 空間魔法と時間魔法の対決、ちょっとスケールが大きすぎるというか、大味になりすぎて「相手は死ぬ」の応酬になってしまう……と思ったらちゃんと理屈が整えられてるので良かった。めちゃくちゃ良かった。このスケールの「相手は死ぬ」技をこれだけでバトル展開を組み立てられることに感動してしまった。『呪術』の領域展開も完全に「相手は死ぬ」なんだけど、あれはより強力な領域展開をぶつけると勝てるって話なので、意外と大味だったりもするからね。本話はその「より強力な魔法でクリアする」ではないロジックなのですごい。
 どうでもいいけど、最近英語圏だとdomain expansion(領域展開)が中二ワードとして人気らしい。中二は国境を越える。いや、中二というよりは「かめはめ波」的なノリに近いのかもしれない。ドメインエクスパンション!!(別に叫ぶものではない気もするが)
 校長最後の大技。ただパワーアップして技を放つのではなく、杖に宿ったチカラを解放するので、本人が死んでも「相手は死ぬ」が継続する。ちゃんと設定に基づいた特殊なバトル展開になってて素晴らしかったです。それで勝負がつかず、さらなる逆転が行われるのもすごい。その逆転がちゃんと納得できるしね。

『アンデッドアンラック』

 「君に伝われ」なつい。何となくもう終わったネタだと思うけど、作品は残るから関係ないのか。
 能力の進化。 “自分の思い込みで凝り固まってるものをほぐしてあげれば” と言った直後に “スプリングだって好きになれて” となるのが違和感。能力が進化すれば好きにならなくても不運をぶつけられる話じゃないのか。好きになる条件が変わらないなら能力は進化してないのでは。どういうことなの。
 さすがに風子独りでは無茶すぎる、からのクロちゃん。事前にクロちゃんの名前を出したのは親切設計でうまいと思うけど、事前のクロちゃんのくだりがかなり強引というか、突然相手に伝わらない話を勝手にするヤバい奴、という感じになっちゃってる。これは本作全体に当てはまる特徴だと思います(アンディが全裸になった件もそう)。まぁ、突然勝手な話始めるのはこのブログも同じなんですが。ドメインエクスパンション!!

センターカラー『僕のヒーローアカデミア

 カラー扉ではない。普通に本編。まぁ主要キャラは大体映ってるからいいのかもしれないけど、ちょっと意外。デク以外のA組全員集合図とかやればいいのに。まぁ、映画直前でそんなことしたら死んじゃうのかな。7周年突破記念で3号連続カラーらしいですし。映画があるから次次号は表紙だろうし。そんなことを考えると今号でのカラーが「とりあえずこれでカラーだ!」というやっつけ感に思えてくるので楽しい。無理して3号連続(+表紙+巻頭)にしないであげてw
 本編。かっちゃんがデクの手紙をビリビリに破り捨てるところから始まるのが象徴的。デクの独りよがりな自己犠牲の精神に対してNOを突きつける。
 かっちゃんがデク最大の理解者ヅラしてるのも微笑ましく、実際そうなんだろうけど、その中で何とかお茶子が頑張って前に出てくるのが熱い。「ここが頑張りどころだよー」みたいな謎の親心。まぁ、かっちゃん、轟に比べると因縁とかドラマの蓄積が足りないので、やたら前に出てくる人みたいな印象にもなりかねないんですが、その強引さ込みで「頑張ってるねぇ」感。
 「GPSのやつ」を拾うアクション。ぶっちゃけマジで意味がないというか、エンデヴァーの行動が意味不明すぎるんですが、これも冒頭の手紙のくだりと同じで、象徴的でかっこいいじゃん!! 的なノリが優先したんだと思う。それともエンデヴァーから奪い取ったのか? とか詳細がよく分からない感じも含め、象徴優先で不思議な場面。
 んで、デクvsA組の激アツ見開きでエンド。デクのマスクが良い感じの仕事してましたね。最終章に来てデクのコスチュームが完成した意味は大きい。まぁ、裏ヒーロー活動をするにあたって顔隠す必要があった、という物語的な理屈もあるんだろうけど。
 ちょっと前にも書いたけど、暴力ではなく相手を無力化する意味でお茶子は便利ですよね。なので今回のデク戦でもそれが役立つかもしれない……と思ったんですが、デクには飛行能力あるからほぼ無意味なのか。お茶子……頑張ってくれ……もう最終章だぞ……。

『レッドフード』

 チェーホフの銃わろた。おとぎ話関係ないやん。なんだろ、中二心くすぐるからokってことなのかな。
 あと、元のラッパ銃みたいな奴、可愛くて好きだったから捨てることになるのが寂しい。全部チェーホフが悪い。
 まぁ、そんな銃でいざ決戦!! と思ったら何か寄り道が多いので少し冷める……は言い過ぎだけど、落ち着く。赤ずきんと合流できた時点で正直「死ぬかも」というハラハラはほとんどないですよね。実際の実力差とか知らんけど。
 仲間同士で殺してくれるなら放置するに限る、それを止めるなんてとんだ甘ちゃん、という話は分かるけど、片方が既に瀕死で元気な方を殺すんだったらそれほどおかしな行動ではないと思う。仲間を殺そうとしてる隙を突いた、と言えば合理的だし。実際、放置したらなんか演説ぶちかましてパワーアップしちゃったし。あそこで撃ってた方が良かったのではないか(どうせ殺せないと判断したなら分かるけど)。

『夜桜さんちの大作戦』

 ピックカメラ。有楽町店ですね。すぐ近くの高架下にアウトレット展があると思う。映画観たついでとかつい寄りたくなる。
 『アオのハコ』は池袋、『夜桜さんち』は有楽町。それなのに『SAKAMOTO』は尾久。酷い格差だ……。
 スパイデー。まさか新キャラとしてこの設定出てくるとはw 皮下の件が早速バレてるのも、編集長から妄想扱いされてる、というのもちょうどいいバランスだったと思う。いくらなんでも特別な根拠もなくその結論に行き着くのは早すぎると思うので。やや思い込みの激しい人がたどり着いた結論、だと納得できる。
 んで、鬼ごっこ。ただし、鬼の方から狩りにくる。まともに攻撃喰らったら一日は気絶。なので実質的に失格。つまり、「被弾→失格」ではない。気絶しない程度に耐えたなら全然ok。若干のややこしさあるけど、まぁ、基本は鬼ごっこだと思えば分かりやすいか。

センターカラー『破壊された原スープ』遥川潤

 読切。プラスで何度か載っててそっち詳しい人にとっては有名らしい。ツイッターで見た。私は初めましてです。
 タイトルはハラスープではない。ハラで変換しちゃったわ……。
 本編。中性的で男女が分からなかったんですが、お嬢さん。……と思ったら男だった。読者に向けた説明も兼ねた「お嬢さん」呼びだと思ったのにw(んで、この無駄に思えた回り道にちゃんと意味があったのが良かった)
 専門用語が当たり前に出てくるタイプの奴。主人公が積極的に知らない単語言い出すので読者的に頼る相手がいない。寄る辺ない感じは独特で楽しいけど、感情移入って感じではないですね。先ほどのお嬢さん呼びの件もそうだけど、読者の立場に立つ人がいない面白さ。
 あと、どうでもいいけど、地獄の王とサタンは別人らしい。ややこしい。地獄の王は誰なんだ。閻魔?
 いや、世間的には「サタン=地獄の王」だけど、主人公が勝手に地獄の王と自称してるだけ、そう考えたらややこしい話ではないか。
 犯人探して殺したらお兄ちゃんが復活。ややこしい話をしておいて、結論というかミッションはめちゃくちゃ普通だ。急にどんな話か把握できるようになるので不思議な感覚。
 と思ったら地獄にいた人が探偵役みたいな感じになるので再び困惑。お前が情報の整理するんかい。まぁ、読者に向けた説明ってのもあるんだろうけど。
 んで、謎解きはアッサリで、その後のツイストがメイン。地獄にいた人は簡単に真相にたどり着けるので最初から楽しむことしか考えていなかった。てか、最初の「お嬢さん」のとこからオチが分かっててふざけていたとも取れますね。んで、いろいろとっちらかってた情報が最終的に一点に集約される快感はある。たしかにあるけど、地獄の王とかサタンの件は関係ないのね。あくまでも背景的な設定なのね。なんかシリーズものっぽくするつもりなのかしらん。まぁ、基本ジャンプしか読まないので知らん。
 主人公が嬉々として語っていた “会った時はいつも俺の髪を褒めてくれたり…” のとこが最も兄貴の闇に直結するというか、最も気持ち悪い、それこそ万死に値する部分だったというのは面白い。誘導されてたし、そもそも自分を自分じゃないものにしようとしてた、という気持ち悪さ。近親相姦的なアレとは別に(別にセックスを求めてたわけではないかも)、単に「俺のことに興味がなかった」という絶望。
 あと、個人的に好きだったのは、ちょくちょく挟まるデフォルメ。別にギャグというほどの場面じゃないのにデフォルメが挟まるのが不思議なバランスでとても良かった。単純に可愛い。『アオのハコ』は作品の温度的にデフォルメ差し込む隙がない、とか書いたけど全然できるのかもしれないな、と考えを改めました。今後の『アオのハコ』のデフォルメにご期待ください。
 終わり。面白かった。割と普通にミステリーやってたのが面白いのと同時に、普通にミステリーやる割に余計なこと言い過ぎというか、 “やっぱ推理小説ってご都合ものだよなあ” とか言う割に本作もそうだったじゃないか、とか思わんでもない。まぁ、これは「お前もじゃないか」というツッコミでもあるけど、視点を変えれば「だから言ったでしょ」的なことなのかもしれない。

ブラッククローバー

 1話を通じて完全にガジャ。ガジャに全振り。エモ全開なんだけど、エモに特化しすぎてバトル的なロジックはそれほどない。ので、ぶっちゃけこれで勝てるとはあまり思えないというか、実際に思った読者はそれほど多くないと思う。「やったか?」エンドなんだけど、嫌な予感も込みで設計されてる気がする。ただ、アオリが “しかしその一撃は…” とか言っちゃうのは出しゃばりすぎw 読者が勝手に「いやぁこれはダメだろ……」とハラハラするくらいが適切というか。
 そもそもあれで勝負がつくわけではなく、そこからさらにノエルがトドメを刺す必要がある、というのも特徴的だったと思います。これで勝てるとは思ってないけど、ガジャの頑張りを無駄にしないためにも、みたいな感じ。ただ、それすらも成立しないくらいに効果がない可能性が?? みたいな。
 てか、この「やったか?」の場面、まだ具体的に「ダメだったね」と分かる描写はないんですよね。ないのに「まぁこりゃダメだろ」と分かってしまうのは何なのだろうか。メタ的な想像をしすぎなのか。それなら私の方に反省の余地があるかもしれない。

センターカラー『僕とロボコ』

 1周年なんだから表紙にしてやれよ。ついでに『マグちゃん』も……。
 その代わりだと思うのですが、カラーが2ページ。人気投票はないそうです。やると思ったのですが、別の企画があるからまた今後ってことなのかな。
 本編。まさかのボンドのオリジン……だと思ったけど、ボンド自体にはそれほど変化がなく、ボンドと出会うことでガチゴリラとモツオが今のキャラクターへと成長する話。
 3年前ということで、みんながちゃんと幼い。小学生って雑に一括りにしそうなもんだけど、細かく描き分けられてるのでちょっと感動した。
 3年前のジャンプ。それほど3年前感がないというか、何なら漠然と「今のジャンプ」という認識なんですが……と気づいて恐怖した。正直あの頃の方が面白いと思う。何期かは知らんけど、黄金期になるならそっち。個人的には『ゆらぎ荘』あるだけで3年前の圧勝だけど、おまけに『ハイキュー』まであるからなぁ。虚しい。今の連載陣ジェノサイドする代わりに当時の作品が当たり前に続いてるジャンプを読ませてあげる、と悪魔に誘惑されたら乗ってしまうかもしれない。
 それはさておき、ジャンプ読んでたら知らない人が “僕まだ読んでないんだ!!” と近づいてくるの正直めちゃくちゃウザいな。そう言われも何も話すことないだろ。まぁ、小学生だからこのくらい考えが浅い方がリアルなのかもしれないけど……って小学校でジャンプ読めるのがリアルとはかけ離れてるか。ひょっとしたら全国探したらあるのかもしれないけど。
 3年前だとゴリモツが良い人なのか分からないので、久々に2人に対して本気でハラハラできて楽しい……と思ってたら “隠しきれない良い人感!!” と早々にバラしてしまったのは惜しいと思う。というか、ここで良い人確定しちゃうともう面白さがほとんどないというか。
 あと、小二が中学生にケンカで勝つのはちょっとすごすぎると思うの。小二ってマジどうしようもないほど子供じゃないですか。まぁ、ガチゴリラ、かなりボコボコにされてたから不死身という特性を生かしたゾンビ戦法とかだったのかな。全然勝ってないけど無効が諦める「さようならドラえもん」パターン。それだと勝手にボディガードの役割を期待されることの悲哀が増すので面白いかもしれない……(考えても無駄)。

『SAKAMOTO DAYS』

 テレパシーで残された人の数と場所を把握するの良いね。アイディアとして面白い。そして、本当の強キャラはラボの崩壊とか気にせず鎮座しているので、最終的にその人と出会う、という話の連結もうまい。2人いたはずなんですけどー、という違和感も込みで面白かった。二重人格が怪しいのか? まぁ、あんだけずば抜けて強かったら心の声聞いた時点で「なぜ動揺してない?」とか気にならないもんかね、とかそういうことは思った。強さには気づけなくとも心の声が常人とは違うってのは間違いないだろうし。
 地上。ラボのみんなに感謝される。研究データは全部ここに入ってるオジサン、かっこいいんだけど、心の中だと「やべぇどうしよう」とか思っててほしかったかもw 実際、ラボ壊れたら大変だと思うし。

『高校生家族』

 友達んちに遊びに行く。おじさんがよその家に行くことの意味の深さ、という本話最大のボムを最後まで秘密にしたのがうまい。その家の息子に同行する形で家に入るとしても絵面として相当ヤバいんだけど、それが大人単独だったらもう完全に意味不明。これはやられた。序盤から気づくべきだった異常事態に最後の最後で驚かされた。
 友達んちでゲーム。詳しくないけど、『フォートナイト』と何かという感じだろうか。『リーグオブレジェンド』はバトロワじゃないから違うでしょ。たぶん。MOBAっていうんでしょ。最近覚えました。ニューヨーク近代美術館、それはMOMA
 PS4がないから実況動画で我慢する。今の高校生のリアルを感じた。たしかにプレステは高いもんな。高すぎるよな。高校生は持ってて当たり前、というのはもはや無理なレベルの値段だよね。そもそもPS5は値段とは別の理由で買えないし。学生のゲーム描写でものすごく時代を感じた。考えたことなかったよ……。

『破壊神マグちゃん』

 冒頭、あらすじ説明がてら3人娘の夢。2人がギャグっぽい夢で、1人は穏やかでキレイな夢。この展開含めて『無限列車』っぽい。別にこの手の夢描写のオリジナルが『無限列車』とは言いませんけど。
 流々パパ。 “おとーさん 今日は起きてて平気なの?” “ああ… 最近何だか身体の調子がいいんだ” というセリフがあるだけで現実がどうだったのか伝わってきてすごく良い。良いというか悲しい話なんだけど、都合良く理想化された世界を描くことで現実が見えてくる、ってのはうまい。
 ミュッ様の運命操作。その実体は現在の情報収集を完璧なレベルで行うことで実現する未来予測。ここらへんリアルというか、結構よくある奴だと思う。『ゆらぎ荘』も割とこれに近いロジックだったんじゃないかしら。魔法とか術でいいだろ、という話なんだけどねw
 チヌタクシーで藤沢食堂へ。チヌ、意外と出番がなかったでござる。まぁ、バトル的に活躍する余地はないからマグちゃんを食材の元へ運搬するってだけで納得はできるんだけど。前回のあの爆アゲ登場シーンがヤバかったので……というワガママ。まぁ、逆に今回はチヌじゃなくてナプタくんがヤバかったですね。前回のチヌもそうだけど、あの終盤にかけた激アツ展開の構築がうまいすぎるのよ。普段そういうことしない作品なのに、そんな技量もあったんかい。ナプタくんの「恐るべき邪神」シリーズであんだけ熱くなるとか予想できないでしょ。そこに納得しかないロジックを用意するのもさすがだし。まぁ、ナプタくんの咆哮って物理的に大声出してたんかい、とは少し思ったw
 チヌの出番に不満とか言ったけど、可愛いの化身とも言えるナプタくんとのツーショットは非常に眼福でありました。そこにヤドカリとマグ分体まで加わって可愛いの海鮮丼や(逆)。てか、次号はウネさんとの絡みも期待できるのか。ウネさん的にチヌは推せるのだろうか。人間の俗っぽさとは無縁の魅力だと思うんですが。
 ナプタくんがチヌを逃がすのもかっこよくて最高でしたね。てか、チヌの出番(目的)は残されてるのか。エナドリの匂いは私も好きです。チヌとヤドカリの活躍はまだ期待できる。やばい、次号まで生きていける。
 ミュッ様がマグちゃんを欲しがるのはマグちゃんが危険だから。そして人間大好きの裏返し。こうなるとただ単にミュッ様倒してハッピーエンドにはならなそうですね。ミュッ様と友達になる意志があるのは流々ちゃんなので、とりあえず彼女を起こさないことには事態の解決はなさそう。
 流々ちゃんの涙が印象的に描かれてエンド。まぁ、寝てるときって意味なく涙出がちだよね。特に横向いてたりすると……とは思いますが、さすがに意味がある涙なんだと思いますw

『あやかしトライアングル』

 すずが普通に頼れるバトルキャラになってて驚く。妖力がすごいけど、ポテンシャルお化けとか、技が精細ってのなら分かるけど、敵の攻撃を交わしたり防いだりするのは、基礎的な運動能力も必要な奴だと思うの。気づいたら作品の雰囲気が随分と変わりましたね。雰囲気っていうか、できることが。
 2人のコンボ技も見事なものだったと思います。祭里の方が術だけではなく、忍具由来の活躍だったのも良いバランスなんじゃないでしょうか。
 そして、バレる。祭里の性別もそうだけど、猫が喋る件にも説明が必要なので笑った。そこまったく考えてなかったけど、たしかに衝撃だわw
 てか、男である件まで話すとはまだ確定してないのか。全部話した方が分かりやすくて助かるけど、たしかに言うメリットはないかも。

『タッキュウガイ』後藤逸平

 読切。ジャンプショートフロンティア。後藤先生なつい。元気そうで何より。
 卓球。スポーツを扱ったジャンプ漫画で題材にされる回数が最も多いのって卓球なんじゃないかしら。ここ数年とかそういう範囲で計測したらマジで卓球強そう。なんでこんなに卓球が人気なのか。
 本作の表現の特徴とも通じるんですが、卓球はボールの軌道が他の球技と比べて特殊、直線では全然ないので、その軌道を表現するだけでめちゃくちゃ絵になる。ふざけた場面なのにめちゃくちゃ迫力あって面白かったですね。速いだけじゃない、という良さ。
 ということで、世界チャンピオンが自分探しの旅で訪れた温泉宿に地縛霊が……じゃない。温泉宿にいた坊主がめちゃくちゃ卓球強かったという話。ショート読切ならではの「あっそういう作品なのね」という驚きの部分が作品の本質だったように思います。あそこで作品のジャンルが予期していたものから一気に変貌する、その意外性であり、ギャップによる笑い。そして、何気に普通にかっこいいやんけ、という二次的な良さ。この出オチ的なオモシロで作品を完走できるのがショート読切の強みだよなぁ。
 出オチかと思ったら、最後の最後にまたジャンルがさらに変わるようなオチあるのも良かったです。「卓気」とかいうクソ雑な設定マジで笑ったわ。少年漫画あるある。
 終わり。こんなギャグに全振りするような作品が来るとは驚きでした。そして、その驚きこそが作品の魅力とほぼイコールの関係にある。このサクッと面白い感じ、好きです。

『ウィッチウォッチ』

 あ、やばい。黒飴おいしそう。食べたくなってきた。たまに飴食べたくなって買うと、大体食べきる前に飽きるんだよなぁ。
 予言の奴。すっかり忘れたわ。関係ないしょうもない話(ほめてる)と温度差ありすぎてすごいな。ここまで極端なのは最近の中でも珍しい気がする。
 学園を舞台にしたハードボイルドみたいな話になっていくのもビビりました。ジャンルが一変する感覚は面白くもあるんだけど、我慢できずにギャグ挟む感じが個人的にはイマイチだった気がする……が、よく読み返してみたら、ギャグがあるのは最初だけで、同じキャラなのに話がどんどんシリアスになっていく構成なのですね。そうか、ちょっとこれは良いかもしれない。最初はあまりの変化に面食らっただけか。

『アメノフル』

 メロンパンはお菓子じゃない問題。こないだのポップコーンもそうだけど、本来だったら緩すぎる設定の落ち度みたいな部分を積極的にネタにしてくるから笑うわ。ポップコーンよりメロンパンの方がよっぽどお菓子感、スイーツ感あると思うんだけどね。甘さではなく「食事ではない」感の方がお菓子の本質なのか?
 敵側が金平糖を食べるのでヤバい。面白い展開なんだけど、この掲載位置だと先ほどの黒飴がチラついてしまう。本作は悪くないんや。本作の方が前からやってるし、もっとメインの設定なのに。悲劇。
 校舎にクッキーが刺さって、その上にアイスクリームが添えられてる絵面が面白いし、強キャラ同士のバトルの予感としてワクワクもするんだけど、よく考えたらあのアイスが何の役に立ってるのか、よく分からない。
 入江先輩が苦戦で絶望が広がるなら、ミサキコールを浴びながらミサキ参戦。ちょっとギャグっぽくもありつつ、ここで期待を背負いながら不相応なバトルへと向かう彼の心理を思うとめちゃくちゃ可哀想でもあるw とはいえ、あそこで変なことせず、真正面からぶつかっていくのは彼の良さでもありますね。彼の場合、あの状況で負けるとただ負ける、痛いとかだけの被害じゃないから困りますね。彼にはいつか報われてほしいw

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 7月中旬が海開きということで、見開き特集。各編集がセレクト。
 『キャプテン翼』読んだことないんだけど、名前だけ知ってたスカイラブハリケーンの見開き、擬音がコマ枠の役割も担ってて面白い。パッと見のうるささが今回の8選の中でずば抜けてるのも良いw
 選ばれてないので、今のジャンプで見開きが印象的な作品を考えると、『ブラクロ』になるかなぁ。ただ、『アイシールド21』が選ばれてるの見て思い出したけど、たしかに『dr.stone』も見開きめちゃくちゃ良いんですよね。そうか、稲垣有能説だったのか(当たり前だろ)。
 見開きは良い、漫画の華だと改めて思いました。見開きドーンだけど、コマも割ってるパターンとか個人的にかなり好きです。コマ割りの良さも満たされる欲張りセット。

次号予告

 合併号です。土曜だよ。変なオリンピック企画とかなくて良かったわ。今回のオリンピックは下手に絡むだけ冷めるというか、絡んだ方に損しかないと思うので。
 ただ、久々の『こち亀』なので、当然ここは日暮どうするんだ問題でしょうね。ただ1年延期しただけじゃない厄介で、秋本御大も困っただろうなぁw 逆に言うと、それをどうさばくのか楽しみです。
 そして、『食戟のサンジ』。またか。『ONE PIECE』24周年記念のお祝い企画なんだけど、お祝いスピンオフにしては豪華すぎるのよ。それが1回限りの特別企画じゃないのがおかしい。まぁ、こんだけちゃんとした奴だと、単行本化も目指して数本やりましょうか、みたいな感じなのかな。
 注目ポイントというか、見ることができないポイントとしては、ショートフロティアの予告がない。次号は載ってない可能性が濃厚。ただ、合併号の特別編成なだけで、今週のが最終回ということではない……と思いたい。
 あと『呪術』もないですね。28号(6/14発売)の時点で、大体1ヶ月休むと書いてあったので、この合併号で再開すると思ってたんですが、どうやら予想はハズレ。一度休んでやる気がなくなってしまった、とかではないでしょうね。特別読切2本がどう見ても計画的なので。とにかく、次号あたりから「そろそろ復活?」とファンはそわそわしていいタイミングだと思います。まぁ、誌面より先にネットで発表される可能性もあるんだよなぁ。つまらん。

目次

2度目の表紙、巻頭光栄です…!今後も読者の方に楽しんで頂けるように頑張ります!
(『アオのハコ』)

 目次コメント考えるの大変、というコメントを一度してしまうとこういう真面目な挨拶みたいな内容に対して「話すネタあって今週は楽だな」とか意地悪なこと考えてしまう。まぁ、大体の作家に当てはまることなんですが。

執筆中こち亀好きな父が一筆入魂させろ!とずっと言ってきてしつこかったです!
(『破壊された原スープ』)

 執筆中の光景として斬新すぎるw そして、次号だったら『こち亀』と並べたんだよなぁ。残念。まぁ、一般読切の枠ないか。

初めて買い揃えた漫画がネウロでした。その松井先生と同じ誌面に…!感動です
(『レッドフード』)

 稲岡先生も似たようなコメントしてた気がする。世代的な偏りなのかな。

マスコット、分体サイズでなかなか弾力あって良いです。7/19発売だそうです。
(『破壊神マグちゃん』)

 何分の1サイズではなく、分体サイズ!! 分体だと思うと突然欲しくなってくるから不思議だ。グッズではなく劇中に出てくるそのものが欲しくなるタイプ。

愛読者アンケート

 大型読切の方についてと、ジャンプのデジタル版定期購読について。定期購読、してないです。
 してない理由。紙で読みたいから。画面が小さいから。の2つかな。この選択肢だと。
 してない人に質問、定期購読サービスの中で魅力的に感じるもの。月額が安い。GIGAが読める。発売日に最速で読める。あたりかな。選択肢外だと、スクショが撮りやすくて便利、という人も多そう。それと、場所を取らないですね。これがどう考えても最強の理由だと思う。捨てなくていいのに過去の分読めるとか超良いよね。紙のままだけど。
 あとは何だろ。読んでて手が汚れない、もデジタル強いか。結構ストレスなんだよなぁ、あれ。

総括

 今週も終わってよかった。よかったけど、次号が土曜発売だからすぐなんだよなぁ。気が重い。
(追記:何を勘違いしたのか次号が土曜だと勘違いしてました。申し訳ない)

 今週のベスト作品。『マッシュル』かな。大味に見えて実はすげぇちゃんとしてる、というのが個人的に好み。
 次点は読切2つということで。

 今週のベストコマ。これは『マグちゃん』。 “運命を狂わせる恐るべき邪神” で決まりですわ。かっこよすぎるし、「ついに」という感動もあってヤバい。

 最後に今週のベストキャラ。こちらです。

  • お茶子 『僕のヒーローアカデミア
    • ぶっちゃけ、これといって出番はないし、前に出てくる理由も希薄なんだけど、だからこそ「最終章なんだから頑張ってくれ……」という謎の親心が湧きました。出番ありそうで意外とない、そんなイメージを払拭してくれ。

gohomeclub.hatenablog.com