北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2021年35号の感想

 こないだのジャンプGIGAについて記事書いたのでよかったら読んで。GIGAというか『忍SS』。

背表紙

 ジャンプ名台詞 in deutsche。ローマ字なのに何語か分からない。びっくり。ドイツらしいです。ジャーマンじゃなかったのか。ジャーマンは「ドイツ語(英語)」ってことなのかしら。
 ちなみに『呪術』釘崎です。文章クソシンプルなので笑った。どうせこれ「I am」だろ、と思ったらその通りだった。

表紙

 『ヒロアカ』。映画です。『ワイスピ』もいいけど『ヒロアカ』もね!! 私はどっちも観るよ。何とかMISSIONだけど、そっちは『ヒロアカ』だから注意が必要。
 ちなみに、堀越絵による吉沢亮はそれなりに貴重だと思う。まぁ、映画館の特典冊子に載ってそうではある。『ヒロアカ』映画のゲストキャラは鉄板ですので、かなり期待してます。

読者プレゼント

 グレートバリアリーフ。そんなテーマあるのか……と驚くやら感心するやら。ぶっちゃけ、グレートバリアリーフ、名前はたまに聞くけど具体的に何なのかよく分かってませんでした。今知った。サンゴ礁らしい。チンアナゴいるとかすごいね。海で出会ったときに可愛いと思える自信はないけど。


 ちなみに、このイラストはチンアナゴではなくニシキアナゴです。ダメじゃんw

巻頭カラー『僕のヒーローアカデミア

 7周年。人気キャラ投票の第7回があるそうです。毎年やってたのか。新キャラだと紹介されてた通りナガンは強そうね。女性トップでも驚かないレベル。あとはタイミング的に吉沢亮も強そうだよね。メリッサとかそこそこ健闘してたイメージあるし。
 投票は応募券システム。ジャンプか単行本についてる。電子版もok。ただし紙の単行本は2票。電子単行本は0票。無情。

 本編。デクの “皆は…ついてこれない” が絶望的というか、めちゃくちゃショックなセリフだったんですが、「ついてくどころか逆に追い抜いちゃいますけどね」というアクションで本話を締めたのが最高だった。めちゃくちゃうまいやんけ。ぶっちゃけ飯田くんよりお茶子に活躍してほしいので「まさかお茶子……サポートで終わるのか……」とか思ってしまったんですが、A組を代表する存在として委員長が出てきて、この「ついてこれない」に対するアンサーをしたのが痛快の極みでした。手を掴む描写自体はよくある奴だし、それこそ『ヒロアカ』では定番なんだけど、追い越しながら手を掴む、迷子の手を引く、というアクションにしたのがマジ芸術的。
 めちゃくちゃ良かったけど、飯田くんのメガネが吹っ飛んじゃってて心配だ。見開きの場面ではメガネがギリギリ顔にへばりついてて「よく頑張った!」とほめてあげたい。

ENDEAVOR'S MISSION』あきやま陽光

 映画に向けた読切。あきやま先生すっかりお馴染みである。「太陽光」から1文字消すのが手っ取り早いです。
 本編。映画に向けたお膳立て。土台作り。前日譚。ぶっちゃけ話として面白いって感じではない。タイトルロールのエンデヴァーに期待しても、そこに特別な何かがあるわけではない。海外に行く理由としてNo.1のエンデヴァーが出てくる。
 エンデヴァーのとこでインターン中ということは、映画でバーニン期待できそうですね。これは嬉しい。ただ、こうなってくると、あきやまバーニン見たかったなぁ、と欲も出てくるw
 海外行きのテストとしてエンデヴァーとの対決。ちょっと内容が『夜桜さんち』っぽい。すごい偶然……というのはさておき、海外ですよ。これ個人的にめちゃくちゃ楽しみなポイントです。「アメコミっぽい!」といいう第一印象で始まった『ヒロアカ』世界におけるアメリカのヒーローはどうなってるのか。長年気になってた疑問がついに解消する。まぁ、『ヴィジランテ』には出てきましたね。あれかなり良かったと思う。てか、CCも映画に出たりして。むしろ出て当然な気もしてきた。やっぱ楽しみやんけ。
 プルスウルトラに対して “欧州の諺を借りた校則があってね…” という説明が入るのも面白い。欧州ってのが今回のワールドヒーローっぽさなんだと思う。海外ヒーローどういう感じになるんだろうな。日本のヒーローがあんま日本的な記号入ってないので、海外にだけ入ってたらちょっとアレな気もする……ってもう手遅れかw(一部明かされてる)
 終わり。プルスウルトラのシーンとか、めちゃくちゃ迫力あってかっこいいんだけど、どこか堀越版とは違う、という良さがありました。まぁ、最近の原作のバトルシーンは暗すぎるからそもそも同じじゃないってのもあるけど。

ONE PIECE

 こないだ『恋する』でネタにされてたブラックマリア回なので名前を見ただけで笑ってしまった。ちなみに名前は覚えてない。
 本編。ヤマトとカイドウ。ヤマトの実が明かされるんだけど、これまたモデルがワケ分からんかった。調べたら『もののけ姫』の美輪明宏、という認識で大体合ってるらしい。「お前にサンが救えるか」ってモノマネ流行ったよねぇ(知らんがな)。
 カイドウもそうだけど、口からビームは標準装備みたいなノリあるよね。あれって悪魔の実由来って認識でいいのかしら。幻獣だからってビームはねぇだろ、とか思わんでもないんですが。
 サブタイの通り、ロビンとブラックマリア。ロビン過去編の懐かしキャラ出てきて驚きました。やってることはおでんの登場と同じなんだけど、ロビンの場合はそもそもロビンの過去を知ってる人が少なすぎるので、別のロジックであることが分かる。ここにロビンを持ってきた人選が見事。
 輪入道はパグ。しょうもないギャグなんだけど笑ってしまった。可愛くなくて困惑してしまうw 妖怪詳しくないので迷ったけど、そもそも輪入道と犬は関係ないらしい。ナンセンス度がめちゃくちゃ高いギャグということか。
 んで、対決。特に因縁はないけど、サンジの件で一応。サンジの良さは外からは分かりにくい。ブラックマリアと同じように笑ったあと、ロビンに丸投げしたブルックもサンジと似た良さがありましたね。ロビンの返事が “ありがとう!” なのがまた良い。
 サンジ上げが続くんだけど、 “彼こそ海賊王の両翼に相応しい男” とゾロとワンセットにされてるので、サンジ本人が聞いたら複雑な感じになりそうだ。

『呪術廻戦』

 連載再開おめ。短かったような、意外と長かったような。
 賭け試合やってるらしいので会いに行く。モブが冨樫モブに見えてきたんだけど、これは私の先入観がいけないのだろうか。
  “ルールその1「賭け試合について口にしてはならない」” 。『ファイトクラブ』だよねぇ。賭け試合をクラブと読ませてるので完全に確信犯。なんだけど、『ファイトクラブ』でここのパロディをするんだったら「ルールその2」までやるのが常識というか一般的。むしろそっちが本体みたいなところがあると思うんだけど、そこがすっぽり抜け落ちてるんだよなぁ。どういうことなんだろうか。目配せに喜びを感じつつ、肩透かしのような感覚もある。
 劇中で虎杖も言ってたけど、喧嘩すればいい、と話が分かりやすくなってきた……と思ったらパンダ再会で二重に楽しい。感動の再会の割にあっさり終わるんだけど、バトルシーンの高揚感に別のアゲ感を足してくるのがうまいよなぁと。あと、駐車場の作りとかめちゃくちゃかっこよかったですね。

『アオのハコ』

  “お前のこと好きだったらどうすんの?” 。これはまったく考えてなかった。劇中と同じように驚いてしまった。いや、メタ的な意味でそういうのは考えても仕方ないと切り捨ててた部分というか、大喜はその発想にたどり着いてはいけないとすら思ってたというか。あくまでも大喜越しの千夏先輩、というのが主眼の作品だと思ってたので。まぁ、向こうも人間なんだからいろいろ考えてるんだよ、というのは本作で繰り返されてる話なので、これもその一環か。それと千夏先輩の何考えてるか分からない感は表裏一体でもありますね。
 雛改めヨシエさん。 “普通の 女子だと思うよ” という思わせぶりなセリフが素晴らしかったですね。 “お前のこと好きだったらどうすんの?” というトークテーマの場面の締めとして収まりが良すぎる。
 ヨシエvs千夏。ヨシエさんが中学時代の思い出を語り出すんだけど、完全に同性相手にマウント取りに行ってるようにしか見えない……と思ったら本人的には “株を上げておいたぞ!” なので笑った。心理の機微が描かれてる……というか、本人が自覚してない点についての話なので心理というレベルを飛び越えちゃってるとも言える。 “…やっぱり結構脈アリじゃん” だったはずが、別れ際では千夏先輩の方から “蝶野さんって” ですよ。この続きが何なのか、2人がどのようにすれ違ってるのか、説明しすぎない、けど分かりやすいバランスになってて面白かった。
 からのラスト。同居バレきた。あそこで “おかえりなさい” というセリフがなかったら別の誤解が生じてて、完全にNTR的な心理に陥ってたと思うの。いや、同居でも同じか。かなり深刻な事態だし、絵としてもエモいんだけど、最後のセリフが妙に間抜けで少しおかしい、という不思議なバランス。彼女の中でもどういうショックを受けたらいいのかまだ整理できてないってことなんですかね。

『アンデッドアンラック』

 元カノの話わろた。少年漫画だとどうしても初恋至上主義的な傾向はあるので、単純に元カノがいるってだけで新鮮で面白い。それとなぁ、『アオのハコ』が別のところに掲載されてたら『呪術』から「元カノ話でひんしゅくを買う」が連続したんだよなぁ。惜しい。
 決めゼリフのアレンジというのは分かるんだけど、 “上等だ” の前置きとして “いいね” は違和感がある。漫画的にめちゃくちゃ面白かったのは前提として、本当にキレてるときにあんな言い回しになるのだろうか、とか気になる。キレてるというより「うまいこと言ったった」感の方が強い、みたいな。
 あと、元カノ。本作はこないだの師匠との戦いもそうだけど、おじいちゃんおばあちゃんが強キャラとして続々出てくるのが面白いですね。因縁のある相手としての高齢者。

『NERU-武芸道行-』

 入試。特殊学校の特殊試験。この感じ、ベタすぎて逆に新鮮、みたいな感じあると思う。
 特殊試験の特殊ルール。まずは学科をやってその提出が実技試験を兼ねる……と思ったら同時でもいいらしい。ここらへんの屁理屈的な解釈に対して「やるじゃん」みたいなリアクションが得られるのが良いなぁ。この手の展開の定番というか、この手の展開に求めるものの1つだと思う。決して花形ではないけど、あるといいよね、みたいな。
 最後に鐘をつくらしく、108回鳴ったら試験終了。合格者は108名まで……ってことらしいけど、最初の人が108回鳴らしてもいいよね。説明の穴というか、意図的にそういう穴を用意してるんだと思う。まぁ、鐘が実際にどうなってるのかまだ分からないので、ひょっとしたら1回しか鳴らせないような仕様になってるのかもしれん。どんな仕様か想像もつかないけど。
 開始。学科の内容がめちゃくちゃ普通。逆に意外だよ。それに対する主人公のアプローチが「体で覚える」からの「体で思い出す」なので笑った。急に『ドラゴン桜』みたいな話になったなw
 個人的には回想とはいえ、みきおが出てきたのが嬉しい。それもかなり主人公に頼られる形で。良いキャラしてるというか、良い奴なんだよなぁ。今回もあまりに良い奴なので泣きそうになってしまったよ。今週のジャンプで最も涙腺を刺激したのはたぶんココだと思う。学校が違うと再登場は期待しづらいと思ってたんですが、今回ここまで濃い登場をしたことを思うと、何かしらの形で再会することはあるかもしれない。学校がメインなので日常的にベッタリとはいかないだろうけど。

『SAKAMOTO DAYS』

 結婚記念日のサプライズ。船上レストランという大きな密室というシチュエーションが良い。そんなとこ行くなよ、とか思うけど、「まぁ勝てるし」といいうことなのでしょう。
 店内全員が敵。どうやったらバレずに済むか、という話かと思ったら早々にバレる。ちょっと残念ではあるけど、 “結局こうなるのね…” の呆れ感、落胆はするけど動揺はしない感じが2人の関係性として魅力的。
 「たかいたかい」からのキャッチでお姫様だっこ。高く投げてその間に瞬殺、というのは割とよく見る手だと思うんですが、そこに橋をくぐる船という要素を足したのが鮮やか。船上のアクションは見せず、カメラは嫁の方に同行して、着地したらすべて終わってる、というのも良い。

『レッドフード』

 倒した人狼のお父ちゃんらしい。匂いならまだ分かるけど、「魂の残滓」とか言い出して正直めんどくせぇ……と思ったら劇中でも “ハジマッタ…” と言われてるので笑った。あれがストレートにかっこいいものとして扱われるんだったらちょっと本作のバランスに苦手意識抱くところだったわ。やられたw
 そんな感じで、めんどくささが面白いんだけど、気に入られたので見逃してもらう、というのは正直都合の良さも感じた。あんだけ強かった普通に倒せばよかったじゃん。2人とも殺した方が絶対相手にとって合理的だと思うんだけど、見逃すメリットがよく分からん。
 んで、敵の魔女はシンデレラらしい。魔女なのにシンデレラ。魔女は毒リンゴの方だろ……(それは白雪姫です)。
 今に始まったことじゃないけど、おとぎ話モチーフのバトル漫画ってのが『BTW』と丸被りしてるのでそこらへんはやっぱ気になる。
 んで、村は焼かれる。が、人は逃げたらしい。助かるんかい。まぁ、これで村人も死んでたら今までの数話がマジ無駄だったみたいな印象になるのでこれでよかったのか。

『僕とロボコ』

 転校生。超能力者らしい。といっても心が読めるだけだと思う。超能力者だから『斉木』ネタ来るかと身構えたんですが、なかった(たぶん)。まぁ、ギャグ漫画のパロディの題材としてめちゃくちゃ厄介な作品なのかもしれませんね。人気とか格の意味では十二分すぎるんですが。
 そのまんますぎて意外性はないんだけど、心が読める状態でのゴリモツとの初対面はやっぱり面白い。この意外と善人ネタ、未だに新鮮さを保ってるからすごい。出オチみたいな話なのに。
 からのロボコ。心あるんかい、というロケットスタートでもう笑った。いや、心あっても何の違和感もない。てか、モツオんちのOMにも心あるだろ、ってなるかも。少なくとも漫画上のモノローグはあった気がする。
 想像で埋める、は『SAKAMOTO』ネタだと思うし、意識してないはずないんだけど、いかんせん新キャラの心の中で完結するネタなので、ジャンプ作品に言及する余地がない。なんだかむず痒い。

センターカラー『DC3』白井カイウ 出水ぽすか

 『約束』5周年ということで特別読切。2人の短編集も発売になるそうです。展覧会限定だったら『約束』の後日譚漫画も収録されるそうです。「そんなの行けないよ!」と嘆いてた人も安心。
 本編。SFで、シリアスで、サスペンスかと思ったら、意外とライトなコメディだったというか、それもかなり下らない方向に振れたギャグが多いので驚きました。このコンビの新作がこんなことになるとは。しかもバトル要素も多い。いや、『約束』にもバトル要素はあったけど、ここまでギャグとバトルが主軸になる作品とは。絵からは見慣れた、馴染みのある、「いつもの」な感じなんですが、話が全然違う。あとキャラの演技。いや、一応ギャグとツッコミは『約束』にもあったか。あったけどさぁ……。
 作品のコメディ的な雰囲気が決定的になるのは、やはり主人公とDC3が出会ってからですよね。完全にボケとツッコミという形が完成する。これは個人的な好みもあるんでしょうが、ツッコミ色前回の女性主人公、良いよなぁ。めっちゃ好き。ただ、ツッコミが楽しいのは主人公だけではなくて、主人公がDC3から逃亡する女子トイレの場面、モブ女子の “ごめん 出てって” もすげぇ良かった。DC3は真面目で、シリアスな雰囲気なのに……という落差が最高。
 DC3は男子中学3年生の意味で、同様の略語ギャグでお茶を濁すんだけど、最終的には本丸とも言えるJKが出てくる、という展開も面白かった。伏線というほど大げさなものではないけど、JKが出てきたときに「ついに……」的な印象になる。本物だから強い、みたいな漠然としたイメージも湧いたし。……かと思ったら途中のギャグがちゃんと伏線として機能するオチがつくのも面白かった。まぁ、これも伏線と言っていいのか少し怪しいけどw
 クライマックスとも言えるJKとのバトル。武装JKという、ある種定番の良さ。片腕マシンガールではあるんだけど、腕の上に銃がくっついてるデザインが個人的にはめちゃくちゃ良かったです。構えとかロマンを感じる。両腕ソードもかっこいいんだけど、それよりも不便さがあるというか、人間とのワンクッションある感じが好みです。
 そんなJKたちを倒すんだけど、倒し方が容赦ないというか、「機械だからグロくないよね」と言わんばかりの破壊に至るのでビビった。顔面粉砕パンチとか普通に絵面がヤバいw
 そんな顔面粉砕パンチの際、保護対象の主人公を守るために大ジャンプして主人公を避難させてから……という展開が今週の『SAKAMOTO』っぽかった。投げるよりも少しはリアルってバランスなのかな。ただ、保護対象の方の視点で進行するので、主人公が急いで対決の様子を見たら、既に決着。この「気づいたら」という飛躍は演出意図が『SAKAMOTO』と同じだと思います。
 ということで終わり。いやはや、驚くばかりだけど面白かった。こんなライトな味わいの楽しい作品になるとは。初連載でこういう作品になるなら分かるけど、初連載が『約束』で、そこで万全の地位を確立した上での新作読切がコレ、というのが面白い。

ブラッククローバー

 絵画魔法の新作。 “どんなダメージを負おうと死なないようにする…!!!” ってとんでもないこと言ってる気がするんだけど、よく読んだらダメージを遅らせるだけだったでござる。死ぬような攻撃を受けたら、普通に数分後に死ぬ。 “今はどぉでもいいかな” って言い分は分からんではないけど、普通に物騒すぎて怖い。まぁ、目がバキバキで「あっこの人ヤバい」的な描写にはなってるので意図的なのでしょう。「何でもアリ」になったら興醒めしちゃうんだけど、そこらへんは気を使ってるのが分かる。いや、かなりギリギリだと思いますけどね。「死なないようにする」のインパクトがすごい。ゲームかよ。
 そんなこんなで周囲の活躍がメイン。アスタは意外と今週は大人しいというか、厳密に言うとポンコツ。とはいえ、劇中で語られていたように、アスタが時間を稼いだおかげで本話の活躍がある、と連結はしっかり提示されるので良い。そして、最大の連結というのはやはりノエルで、ここでまさかのラブコメ的に最重要とも言える結論が出るので驚きました。ノエルのドラマが詰め込まれすぎて最終章なの? とか思ってしまうレベル。まぁ実際に最終章という可能性もあるんだろうけど、『ブラクロ』ほどの作品だったら事前に最終章の告知はしてほしいよ。
 あと、どうでもいい比較だけど、『ヒロアカ』のお茶子には本作のノエルみたいな活躍を期待してしまうんだよなぁ。お茶子なかなか主役級の活躍がないのでもどかしい。そういう意味では本作のバトルとラブコメのバランスは理想的と言えるのかもしれない。

センターカラー『高校生家族』

 カラー扉、映画ポスターばりにエモエモなので笑った。笑ったと思ったら、本編がその通りなので逆に意外だよ。マジで本編をそのまんま凝縮したような扉であった。裏の裏は表、みたいな二重の意外性だ。
 本編。夏祭り。家族がそれぞれの友達と夏祭りを堪能するはずが、それぞれでトラブルが生じる。弓木さん探しが主軸となり、各所で学校の友達がいろいろと出てくる。この「いろいろ」のレベルがすごくて、カラー回に相応しい集大成のような回だったと思う。あ、てか学校外の友達(知り合い)もいたわ。ほとんど全部出たんじゃないか? というレベルで詰め込まれてるのが圧巻でした。もうこれ最終回と言われたら納得しちゃう。
 各キャラが魅力的なんですが、 “どうしよカナ… 春香ちゃんがいなくなっちゃった” のくだりは笑った。高校生の友達とはぐれただけでは絶対に出ない悲壮感w あれはマジで焦る……。
 マサシ再登場も笑った。弓木さんがエモめな雰囲気で振り返ったら……というフリもそうなんだけど、単純にマサシのレアキャラ具合にやられたw
 ギャグ的に発見……と思ったら最後、普通にめちゃくちゃ良い話やんけ、というのがナレーションであっさり語られるのであった。このバランスすごいよな。未だに慣れないw

『マッシュル-MASHLE-』

 巨大怪獣。モブの “デモンストレーションしてやがる!!” も変なセリフで笑ったんですが、その直後の “さっきのカットインなに?こわっ…” ですよ。たぶん今週一番笑ったギャグこれですわ。ページめくりを最大限に生かしたギャグで素晴らしすぎる。
 んで、とにかく強いらしい怪獣。あんだけ煽ったんだけど、蓋を開けてみたら普通にマッシュが力比べして勝てるレベル。ここらへんズッコケ感もあるんだけど、 “綱引きしとる!!” で完全にギャグに振り切ってから、徐々に意識の更新されていく様子は普通に感動的だったと思います。綱引きというゆっくりで、動きのない戦いだからこそのじっくり見つめながら、手に汗握って応援したくなる感じですね。バトルロジック的には面白くないんだけど、話としては面白いし、見せ方の展開もとても良い。

『破壊神マグちゃん』

 怪談。キョーちゃんが本気すぎるので笑った。話の内容というか、顔の作り込みがガチすぎるw これはギャグなんだけど、確かに怪談の怖さを支える要素として、語り手の顔(雰囲気)というのは大事かもしれませんね。フェイシングという奴だ。
 流々ちゃん唯歌が怖がってマグちゃんに抱きついてるのは微笑ましいけど、ナプタくんも同様に怖がってるのズルすぎでしょ。
 からの肝試し。マグちゃんが乗り気なので暴走するキョーちゃんと、それを追う錬、置いてかれるビビリ組と、チーム分けされて同時並行的に話が進む。それぞれの話が進行し、時に交錯してパズル的に話にオチがついていく。この感じは実に本作らしい理屈っぽさでしたね。それぞれの要素が最終的に一点に集約されていく気持ちよさというか。
 そして、キーとなるのが、さらにはぐれて単独行動となった流々ちゃんが出会うミュスカー。ここに来てミュっさま再登場は意外だった。日常回が再開したと思ったけど、前回からのエピローグみたいな側面もありますね。シリアス(より)長編から日常へのソフトランディングとでも言うべきか。
 メタいこと言うと、新ミュスカーを読者に馴染ませるために早めの再登場は必須だったようにも感じます。ミュスカーの抱えたドラマ的に、例の姿が再び出てくる可能性はあると思いますが、とはいえ、それも先の話だろうからねぇ。
 バラバラになった話を収束させる機能を持つのがミュスカーの権能。弱体化したので運命操作ではあなく空間把握という感じに収まったらしい。運命操作は強すぎるので気軽に出しづらい、という判断なのでは。これでもっと頻繁にミュスカーを出せる。ミュスカーを流々ちゃんと絡ませられる、みたいな。
 そんで、ミュっさまの空間把握。ここでキョーちゃんの暴走を伏線回収的にギャグにするのも面白いんだけど、ここでミュスカーが怖がる側に転がるのがあざといんだよなぁ。やはり弱体化したことでミュスカーの可愛い堕ちがより決定的になったか……。
 からの「ミュスカーが住んでるってことは当然この人もいるよね」という展開も笑った。まったくの新情報なんだけど、しっかり納得できる。
 んで、最後のマグ錬。藤沢先輩かと思った。そもそも錬の当初の目的は、 “待ってろ!!! 俺が連れ戻して来る!!!” というかっこつけなんですよね。その「マグちゃんを連れてくる」という目的は一応完全にクリアしたんだけど……というオチになってるのが良い。

『逃げ上手の若君』

 新しい敵である国司貞宗がツッコミのようや役になることで「今まで以上にヤバい」というのを出したいのは分かるが、ぶっちゃけ具体的な悪行は「民を殺す」なので飽和状態のようなものも感じる。変人大喜利みたいな部分が楽しめてるならいいけど。
 今度は救出戦。「逃がす」戦い。この屁理屈みたいな部分は毎度面白い。逃げ上手という人の上に立つ者として相応しくないスキルがいつの間にか「あれっ 天賦の才じゃね?」と思えるようになってる。
 逃がす人との対面。死にたがりで対話不能。これは笑った。正直麻呂より全然面白い。ギャグとして笑えるし、若の「逃げ」の価値観がなかなか通用しない時代の苦悩みたいなものも感じられて良い。『ONE PIECE』のワノ国編でもこういう死にたがり発言みたいなのがちょくちょく出てきて「これはかっこいいと見るべきものなの?」と混乱したことあったなぁ、とか思い出した。

『ウィッチウォッチ』

 そういや、ファンの間では本作何て略されてるんだろう。何とも略しにくいタイトルな気がする。まぁ、略す必要がない長さ(音数)とも言えるが。言い方によっちゃ2音。
 本編。ツルツル魔法で足を引っ張る。敵がツルツルに順応してスイスイ逃げてくくだりとかナンセンスギャグだと思うんだけど、そこから急に「過去にフィギュア選手を挫折した」みたいな話に飛躍するのですごい。正直ちょっとついてけないんだけど、まぁギャグとクソ重エピソードが同居してるのは篠原作品の特徴とも言えるので、「本作でもやってきたな」的な感慨は少しある。あと、友達の役に立ちたいから危険だけど会員登録したくだりは普通の凡人がめちゃくちゃ活躍する説得力があって好きです。
 隠れ家はそもそも魔法で隠されてた。あの猫が走ってたら偶然居合わせたって展開、かなり無茶苦茶だったと思うので、そこにロジックが加わるのは良かった。とはいえ、数週放置してよかったのかアレ、みたいな疑問は残る。こういうの伏線としてありがたがるのは嫌いです。本作じゃなくても『アンデッド』とかよくやるイメージ。
 からのウルフの正体。中二ネームだと思ったらちゃんと意味があったのでよかったw 正体がバレかねない名前を付けるのはどうかと思うけど、まぁこれは漫画的な都合との兼ね合い。
 あと、狼男なのが良かった。人狼じゃない。人狼の方がかっこいい感じは出るけど、狼男の方が本作の雰囲気には合ってると思う。『レッドフード』は人狼派なんだけど、まぁ、おとぎ話の狼と狼男は似て非なる者とも言えるので、一概に比較するのもアレか。

『あやかしトライアングル』

 一通りエロ展開やったら、普通に話す。ストレートすぎて逆に意外でした。今までの話は何だったんだよ感も正直あるけど、変に捻らず素直に、直接言葉で伝える、というのは誠実だと思う。
 弥生に対して伝えるのもそう。「結局言うんかい」だし、「ホントに問題なかったんかい」的なズッコケもあるけど、隠さずに言う、という誠実さが人間関係として重要だと思う。あと、祭里サイドに関しては「言えるようになる」という成長のドラマでしたね。
 からのルーがオチにされてるので笑った。ここまでやったのに “やっぱり信じなかった” で終わっていいのかよw もちろん全部彼女が悪いんだけど、結果的とは言え、彼女を仲間外れにするみたいな感じあるじゃないですか。何か今後のエピソードで「実は本当なのか?」と少しずつ信じるようになる、みたいな感じがある可能性もあるのかしら。

『ターゲットサイベリアン』俣野響

 読切。ショートフロンティア復活!! ではない。『dr.stone』が休載なのでその穴埋めでしょう。掲載位置がちゃんと後ろに移動できてて時間的な余裕を感じる。まぁ、休載予告あったパターンだし。
 殺し屋が家庭教師のフリしてターゲットに近づいたら、そのお嬢様がめちゃくちゃ強かった。シンプルな設定なんだけど、メインの2人のキャラクターがとても良い。主人公のツッコミ、それと体を張った受けのギャグとか好みです。「月牙天衝」とかのジャンプ固有名詞出してくるのも良かった。てか、月牙天衝が面白いんだよなぁ。元のかっこいい感じとのギャップが良かったのだろうか。まぁ、最初だから印象が強いってのもあるけど。
  それと、ターゲットであるお嬢様ですよね。こっちもすごく良い。品の良さ、性格の良さ、明るく振る舞ってるけど、彼女の中には彼女なりの闇があるバランスとか絶品だったと思います。言動と表情、そして正体ですよね。「仲良くなってくれ……」と心穏やかな気持ちになりつつ、笑ってました。
 「お嬢様が強い」と分かりやすい話なので、この先意外性はないかな、とか思ったらラストのインフレ具合がまた良かった。誕生秘話のくだり(特に鉄の棒)もそうだけど、強さのアイディアが豊富で、その見せ方もうまいですよね。パッと見ゆるいギャグなんだけど、漫画として結構しっかりしてた印象。
 終わり。良かった。シンプルながら地力が強いというか、尖ったアイディアではなく、キャラクターと展開の面白さが読んでて心地いい。ただ、もんじゃ焼きは逆に生々しすぎて少し気持ち悪いw

『夜桜さんちの大作戦』

 個人では立ち向かわず、その場にいる人と協力する。協力というか、互いに利用するってニュアンスの方が近いか。予想外の一撃としてカメラマンも出しつつ、最後は太陽の「防御」が決め手となる。相変わらずロジックの構築が見事で、それがちゃんと最後のアクション的な見せ場で盛り上がりのピークを迎えるのとか本当に素晴らしかったと思います

 ただ、難を言うと、「結局辛三の同情につけ込んで勝ったんだね」という風に見えなくもない。まぁ、劇中でも “覚悟がなかったのは俺の方だったな” と語られてるのでいいのかもしれないんですけどね。「ガチの殺し合い」にどこまで期待したか、によるのかな。

『アメノフル』

 入江先輩のターン。 “私は別に大丈夫だけど そういうのセクハラじゃない?” で敵がめちゃくちゃ動揺するので笑った。「まったくの無自覚だったけどマジでセクハラだったのか?」と自分でもビックリしてしまって、冷静を保ってるつもりでも徐々に動揺が表に出てきちゃう感じが生々しすぎるw “なんで俺だけそんなふうに言われるの?” のくだりとか「めっちゃ気にしてるぅぅ!!」と噴いた。そこへの入江先輩の返答が段々露骨なディスになってきて、可哀想だけどここで彼がキレたらまたかっこいい雰囲気に戻るのかな……と思ったら、味方の “うわ” ですよ。この状況で精神的に最もつらい一言は味方による “うわ” だった、という意外性かつ説得力。正直いたたまれないというか、同情の念でいっぱいになってしまう。味方の思わぬ漏れ出た言葉未満のリアクションってもう剥き出しの本音ってことじゃないか。やめたげてよお!!
 からのマジバトル。 “泣いたら涙で視界が歪む…” で再び笑わせてくるのかと思ったら、その涙によって圧倒的な力量差を実感する、という展開に繋がるのが鮮やかすぎてな。冷気の影響が目元に現れる、という意味では例のセクハラ発言の直前、 “寒暖差で眼鏡が曇るのだけはネックだわ…” が布石として機能してたとも思います。
 いやマジで今週もめちゃくちゃ良かった。ギャグとバトルが不可分のバランスになってて見事だわ。先週の穴越しのショットとか、今週ラストの金平糖のコマとか、単純にかっこいい絵が適切なタイミングで出てくるのも良い。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 8/4はばれいしょの日。ということで最新ポテチ特集。たしかに知ってるようで知らない世界だ。というか、個人的にポテチあまり食べないんだよなぁ。嫌いではないが、積極的には食べない。特にコンビニとかスーパーでは買わない。子供の頃は友達んち行くと出してくれたりして喜んで食べたりはしたんですが。ゲームのコントローラーがとんでもないことになるよね。だからあまり自分では買わなくなったのかなw
 最近のはどれも進化してるのが分かって面白い。正統進化として高級感あるタイプが出てきたのは「大人にも買わせる」という目的が分かりやすくて良いですね。逆に今の子供はどんなの食べるのだろうか。子供が「ジャンクすぎるのはちょっとね……」とか言ってたらイヤだなぁw
 ポテチあんま食べないんだけど、どれか食べてみるなら黒トリュフだなぁ。常用じゃないからそっち方面のが食べたくなる。黒トリュフのフライドポテトとか超うまいからポテチも間違いないって確信が持てますし。カプリチョーザのフライドポテトうまいよね。

次号予告

 次号は火曜発売。イレギュラーだ……。
 合併号なので表紙は集合でしょう。今度こそ。五輪ネタじゃないといいな。
 巻頭は『dr.stone』。ちょうどいい。これで『マグちゃん』巻頭だったらキレてたところですよ。表紙のありがたみがない作品が適切。
 あと、『SAKAMOTO』が2号連続センターカラー。かなり調子いいのが窺えますね。まぁ、最近は『若君』とか『アオのハコ』とか即再表紙みたいな作品もあったからそれに比べるとそりゃ劣るけど。
 そして、目玉は何といっても『BLEACH』でしょうね。73ページで復活するらしい。これは驚きました。そういう話は『BTW』内で扱うと思ってた。てか、『BTW』どうなってるんだよ、的な話ではある。まさか『BTW』以外の漫画準備してたとか予想できるはずがない……。とはいえ、嬉しいですね。てか、完結後の話になるのかどうかとか、興味は尽きない。
 それと、ショートフロンティアのお知らせはありませんでした。まぁ、合併号だから期待はしてない。再開するなら次次号から……なんだけど、今週のアンケートがなぁw

目次

7年も続くとは!読んでくれた皆さんのおかげです!読んでくれてありがとう。
(『僕のヒーローアカデミア』)

 連載お疲れ様でした……とか言いたくなるようなコメントだ。

235ページ一番下「※イメージです」と入れるつもりが抜け見落とす。ギャア <カイウ>
(『DC3』)

 普通に入ってたぞい。修正間に合ったってことかしら。

質問頂きました!(感謝)最近ハマってるお菓子は阿部幸製菓さんのかきたねです!!
(『アオのハコ』)

 新コーナー始まってて笑った。意外とこの文字数でも何とかなるのですね。
 ちなみに、私は『ワイスピ』信者なので柿の種は亀田一択です。と思ったけど、パッケージがかっこいいので笑った。け、けどハンが亀田派だから……。

高校時、通学路の鴨川を歩きながらテスト勉強したり漫画読んだりしてました
(『NERU-武芸道行-』)

 鴨川が通学路とか……何かいろいろ強すぎて勝てる気がしない。無駄に劣等感を刺激されるw 通学路が鴨川で歩きながら勉強とか読書ってもう映画じゃん。MVじゃん。

愛読者アンケート

 今度の『ヒロアカ』映画行くかどうか。行きます。『ワイスピ』の影には隠れてるけど、普通に楽しみ。『鬼滅』とか『約束』より全然楽しみ。『呪術』よりも楽しみ。やっぱオリジナルって大事よ。
 テレビで映画1作目やるけど観るか。これはたぶん観ない。ちょっと前に予習済みなのでもういいかなって。メリッサげろかわなので未見の方は是非。
 ジャンプの読切について。必ず読む。読むきっかけ。特にない。あったら読む。
 そして、ショートフロンティアについて! ここで質問が来たということはやっぱ一旦一区切りなんですかね。ただ、ここで好評だったら第2弾も期待できそうなのでアンケート出す人は是非良い感じの回答してあげてください。
 んで、印象。この選択肢の中で強いて言うなら「気軽に読めて良い」になるのかな。何かこれだと私のショートフロンティア愛が軽く見れそうで嫌なんですが。まぁ、ショートフロンティアの良さの1つは間違いなく短さにありますよね。

総括

 水曜深夜更新になっちゃいました。まぁ、次号が1日遅いのでブログ更新も1日遅れる方がちょうどいいのかな……という言い訳(冗談)を思いついた瞬間、急ぐ気力が失せましたw

 今週のベスト作品。読切はどちらも良かったけど、ベストは『高校生家族』にしようかな。集大成感あったし、ラストの捻りのないラブコメオチも良かった。
 ということで、読切2つが次点。その次くらいにあきやま『ヒロアカ』も入れておきたい。

 今週のベストコマ。これは『ターゲットサイベリアン』の白血球。

 最後に今週のベストキャラ。こちら。

  • みきお 『NERU-武芸道行-』
    • 個人的な「待ってました」感が前提ではあるんだけど、キャラクターの魅力を数値化してそれを登場コマ数で割った場合、その数値が最大なのは、と考えるとこうなる。

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