北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『サイボーグ009 BGOOPARTS DELETE』23話の感想

 今号のチャンピオンRED、ドラマCDついてきて「予算どうなってんの」と驚きました。

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神話復活編㉓

 009が体力の限界、と思ったらミュートスたちの様子がおかしい。からの、リカルド捜索チームに場面が移る。これは意外な人選。いや、リカルドがあんなことになっちゃってるので、彼を探そうとするのは当然なんだけど、もはやリカルドをリカルドとして認識してなかったのですっかり忘れていたというか。
 んで、リカルドではなく大神ゼウス。リカルドの「人間捨てちゃった感」として捜索チームの描写がうまく機能してたと思います。まぁ、リカルドとしては人間捨てたのではなく元々アレ、という話なんですが。

 そして、今回のメインイベントと言える、過去におけるガイア博士とヘラ。ミュートス編の終盤における2人の真実。もちろん岡崎版のオリジナルなんですけど、『サイボーグ009』という作品世界におけるサイボーグのあり方として自然な感じになってて面白い。
 原作のミュートスサイボーグにはゼウスがいない、というどうしたって気になる要素を穴埋めしてるのも興味深いんですが、個人的にはミュートスサイボーグで初めてサイボーグ改造手術の様子が描かれたのが印象的。要するにサイボーグになる前の人間の姿。それがヘラで、人間時代の名前まで用意される。さらには、人間時代のキャラデザがなぁ、これが絶妙でめちゃくちゃ面白かった。お馴染みのヘラっぽさも残しつつ、石ノ森キャラっぽさも残しつつ、それでいて人間臭い表情をさせる。ガイア博士に騙される可哀想な女性、みたいな要素が短いページでしっかり描かれてて良かったですね。てか、エスパーのサイボーグ手術する奴は特に人間性に欠落がある、という法則が生まれたかもしれないw
 からの火山噴火。「原作の裏側で実は!」という話になっててファン心理的に嬉しいというか、二次創作の良さが極まってるような印象。原作のときと違って、ヘラがめちゃくちゃ人間臭いキャラに見えるのが最高ですね。葛藤を感じてる様子が既存のヘラにはない魅力。
 ギリギリのところでヘラはガイア博士を裏切るような決断をするんですが、それの助けとなったのがアトラス。ミュートスサイボーグの中でも最も人間の割合が少ないアトラスと、最も人間の割合が多いと思われる(エスパータイプだから)ヘラによる決断というのが熱い。まぁ、もちろん、ミュートス編クライマックス時において自由に動けるキャラにそれほど選択肢がなかった、という事情もあるんだろうけど。
 そもそも原作のミュートス編って、パッと見打ち切りエンドじゃないですか。実際の事情はよく知らないのですが、そういう風に見えるのは仕方ないと思う。要するにあのラストには補完するべき穴があるので、オリジナルの続編へと繋げる物語を盛り込む余地がたくさんあった、ということなのでしょう。そういう意味ではミュートス編に目を付けた企画段階の判断が見事だったように思います。単純に「人気のあるシリーズだから当然だよね」とか思ってた自分が情けないw

 からのミュートスたちが壊滅でエンド。今後のリカルドの動きも気になるんですが、当然ヘレナですよね。ミュートス編といったらやはりアポロンとヘレナですよ。そこに岡崎版のヒロインであるリコが加わる形。
 他のミュートスに比べるとヘレナの消滅がやや遅れてるようにも見えるんですが、それはドルフィン号と一体化してたから影響が少ない、みたいなことなのだろうか。絶体絶命のピンチの中、機械の中に入ることで救われる、という意味ではアトラスの中に逃げ込んだヘラとも重なりそうで面白い……のですが、まぁこれは次回以降の話なのでまだ分かりませんw


 終わり。今月はアクションよりもオリジナルの物語要素が多めでいつもと違って面白さがあったように思います。
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