北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2021年39号の感想

 この2週間いろんなことがありました……って先週のココに書こうと思ってた。

背表紙

 ジャンプ名台詞 in 英語。『ロボコ』よりボンド。英語だと簡単な文なら読めるので……と思ったら今週のはマジで読める。ものすごい文法通りというか、英語の教科書に載っててもおかしくないような文だと思う。

表紙

 『若君』。こないだのバトル回の内容に沿った感じ。やっぱバトル回は勝負の回というか、大事な回だったということですかね。

「大海賊百景」ポスター

 巻頭に漫画はないけど『ONE PIECE』のポスターはある。人気投票のトップ50とオマケらしい。雑多に人気キャラが集まってる感じ、良いですね。テーマというか、まとまりがないので意外とこういうメンツ、この量で集まること少ないと思う。

読者プレゼント

 当てた川流行之介。「流行之介」が相当苦しいと思う。各グッズ紹介を芥川作品のダジャレにしてるんだけど、全体的に強引。 “ゲームと言えばこれでしょうもん” とかもう少し何とかならなかったのか。まぁ、むずいか。個人的なお気に入りは “便利に買い物をじっこうくへん” ですね。買い物を実行という無理のある文章なのが良い。そこで無理した割にそこまでうまくもないという。

巻頭カラー『逃げ上手の若君』

 『若君』より『アオのハコ』のが人気あるんじゃねぇ? 説を唱えてたんですが、それもこれまででしょうか。しばらくの間は根拠に乏しい感じになりそうですね。
 本編。兵法的な話が面白いんだけど、面白いだけにその方法がいかにも漫画チックな変装能力に頼ってるので少し萎えた。これは史実じゃないな……ってあからさますぎるとさすがに。
 コジロー。子供なので一撃離脱に徹する。悔しいが、その一撃離脱を繰り返してたおかげで戦場全体が把握できるようになる。このロジックは良い。もしも子供が戦場で戦ってたら、のアイディアの練り上げとして面白い。まぁ、もちろん子供が一撃離脱を何度も繰り返せるほど甘くない、とかもあるんだろうけど。
 正直顔ギャグは何一つ面白くないし、ぶっちゃけ作品に対する信用を落とすレベルなんだけど、一応 “味方の名前を覚えてない俺が悪い” と副将としての学びに繋がる。ここらへんの隙のなさはいかにも松井先生っぽい感じあるけど、それでもやっぱり顔ギャグはつまらない。

ONE PIECE

 扉で本家ビビちゃんが出てくるので笑った。「これが本物のビビちゃんだよ」とスピンオフ作家に圧をかける尾田っち。佐伯んときはスルーだったのにw
 本編。サンジの燃える足がサイボーグ説出てて笑った。ジェルマより遙か前からやってる技なのでそれほど違和感なかったけど、よく考えたらそういう発想が自然かもしれん。おかしいよな。特に意味なく足が燃えるの。そこで少しだけキングの種族についての続報が入るのは良かった。情報の小出しが物語進行の邪魔になってる、と先週は不満だったけど、今週のはそこそこ良い。
 ゾロがリューマにそっくりでビックリ。それは大人の事情というか、メタ的な事情だろうよ……と思うけど、まぁそこに屁理屈つけてくる感じは好きです。いや、理屈っていうか運命みたいな感じか。
 モモ、28歳に成長。ルフィより年上ですかね……って肉体の年齢だけ比較してもまったく意味ないか。いや、精神にも影響あるんだっけ、あの実。忘れた。肉体だけだったら『HUNTER×HUNTER』の「もうこれで終わってもいい」と同じですね。モモの方は悲壮感がないので面白い。こうも違ってくるか。

Dr.STONE

 1か0かを記憶する磁石。それの集合体がメモリーである。この説明がめちゃくちゃ分かりやすかった。やっぱ絵として出てくると強いよ。飲み込みやすさが段違い。コンピューター作りの話の中で一番理解できた気がする。「縫う」という超アナログな作業がコンピューターというデジタルに化ける魔法のような瞬間が見れてホント面白い。
 面白かったけど、ロードの方は割愛なのね。説明が難しいのかな。説明してほしかったけど、説明したらしたで「分かんねぇよ説明ヘタか!」とかワガママを言ってそうだ。イヤな人ですね。
 コンピューターの腕試し。千空とかSAIの頭の良さ(計算能力)がどこまでデフォルメされてるか分からないので「これくらいなら2人のが早くない?」とか思ったけど、今回重要だったのはマグマがオンライン参加だったことだと思う。コンピューターは現地になくても大丈夫、という何気に大事な話がさらっと説明されてる。

僕のヒーローアカデミア

 サブタイを「ヒーローアカデミア」ではなく「未成年の主張」にしたのが良い。屋上から告白して、断られたらV6が爆笑する奴な。
 ということでお茶子のスピーチ。未成年の主張なので叫ぶのは仕方ないんだけど、感動的な内容を大声で叫んでそれを聞いてる他のキャラがそのまんま感動、というのは漫画として読んだ際、それほど感動的なものではない。ダメな日本映画あるある、みたいな感じになっちゃってる(偏見)。まぁ、最後の「一歩踏み出す」に関しては良かった。デクが一歩に救われる側になるというのが熱い。ここでデクが次世代の少年に「君はヒーローになれる」と言って『ヒロアカ』完結!! というのがキレイな最終回だと思うけど、それ『ヒーローズライジング』でやっちゃったんだよなぁ。

ブラッククローバー

 急にのほほんとしたラブコメ始まったので笑った。温度差がひどいw 女性陣みんな全裸で、そこからアスタにツッコミが入る(天井に飛んでく)のも最高。牧歌的だ……。てか、ノエルの水ワンピ可愛いですね。水魔法便利だ。
 肝心のノエルのラブコメ。恋心を自覚したのでいよいよ2人の関係が動き出す……と思ったら健全少年漫画らしく何も進展がない。そこは何かあってくれよw とか思ってたらノゼルが同様のギャグぶちかますので笑う。みんなそれぞれ面白いのずるいな。
 んで、本来なら死んでる組。これはさすがに死ぬと思ったけど、まさかの逆転生存。正直何でもアリっぽくも見えるんだけど、 “現実を覆したっていいじゃない……!!” と言われるとぐうの音も出ないですね。いや、ずるいロジックなんだけど。
 死にそうでも死ななくてもクソ深刻なままのガジャ。生存が決まってから告白、というのが良かった。死ぬ間際にはあえて言ってないよね。さすがに告白された直後に相手に死なれたらたまったもんじゃねぇよ、という話なので、ここは素晴らしかったと思う。あと、クールに見えるガジャだけど、生存が決まったので気持ちが高ぶってしまったのかな、とか想像するとなかなか可愛い。そして何より、その告白を聞いたその他の女性陣のお口あんぐりリアクションが可愛い。あれLINEスタンプにしようぜ。売れると思う。

センターカラー『アオのハコ』

 カラー扉。一応水着だけど、水着を強調しない構図になってるのが本作らしい。そして雛ですよ。カラーもそれほどありがたくないのでサブキャラも気軽に出せるかな感。
 本編。足首何ともありませんでした。これは正直冷める。酷いと思うぞ。酷いと思うけど、この肩透かしの結果までセットで先週の『ロボコ』とのシンクロだと思うと「まぁペルの例もあるし……」ってなる。
 猪股カウンセリング。ギャグっぽいけど、今の雛に必要なのは肉体ではなく心のケア、と考えるとものすごく適切な展開というか、優しい話。
 からの雛の悩み相談が良い。めちゃくちゃ良い。この手の展開だと「友達の話なんだけど」と言って自分のこと言ったりするのが定番じゃないですか。こないだ映画『スパイダーマン』でも観ました(知らんがな)。それと同じでかなりベタな話なんだけど、今回、雛はウソは言ってない。勝手に大喜が “珍しいじゃん 雛が体操で勝てないとかいうの” と情報を補足してる。ひょっとしたら雛は全部バラすつもりで話し始めたのかもしれない、みたいな余地。その機微が良い。そっからの “審査員がその人の虜で” も面白かった。体操だったらクソみたいな話だなw とはいえ、ここまで極端というか、ギャグっぽい雰囲気になることで「本当は何の話か分かりますよね?」と読者に目配せするようでもある。直接言葉で説明はしないけど、割と念入りに「分かるでしょ?」と合図を送ってくるのが良い。まぁ、くどいと受け取る人もいるだろうけど、言葉で言っちゃうような展開も容易に想像できるので、それに比べるとやはり本作は強い。
 あとはアレね。大事な話をしてるコマで、雛のアップになってもそれほど斜線を多用してない感じが新時代感あると思います。ちょうど今週、古味先生が『ONE PIECE』をカヴァー(カバーじゃないよ)してますけど、古味先生が本話をカヴァーしたらもっと斜線まみれの伝統芸能になってたと思う。それはそれでいいって話ですよ。一時代を築いた象徴みたいな人だから。

『マッシュル-MASHLE-』

 口頭試験をやったらようやく最終試験。口頭試験は要は面接で、要はマッシュに対する嫌がらせ。
 そんな口頭試験として出てきたのが使役魔物。ドビーだ! いつかお涙要員として死ぬぞ……という冗談はさておき、そんなドビーに対するマッシュの返答がとても良かった。一瞬「なんだ結局バトルするんじゃん」と思ったけど、マッシュは戦わない。ちゃんと彼は口頭試験してるんですよね。その返答によって彼の人柄、資質が窺えるのが良い。常識的に考えてもう合格で決まりでしょう。
 まぁ、面白かったけど、本当に口頭だけで終わったらさすがに地味なので……という感じで結局バトル展開。まぁ、無茶苦茶な嫌がらせ試験してた時点で何でもアリですわな。

『レッドフード』

 扉。バイク。とりあえずバイクの絵が描きたい、という意味では鳥山明感。特に意味のないバイク扉、懐かしいよ。
 本編。最終降車試験。バトルかと思いきや、ケイドロ。意外な展開、という扱いではあるけど、この手の特殊試験ものとしては逆にケイドロの方がベタというか「はいはいこの感じね」とお馴染み感ある。てか、この世界に警察ってあるんだ……とか変なことも考えた。泥棒はいいけど、警察って社会のシステムが前提となるある種の専門用語だから。ベローが警察を知らなかったっぽいんだけど、あれは単にケイドロを知らなかったという見方もできるかな。どっちなんだろ。
 そんな特殊ケイドロ。手錠をかけられると牢屋に入れられてアウト。なんかこの絵面、『ヒロアカ』で見たことあるな。ついこないだアニメでやってた気がする。

センターカラー「ONE PIECE COVER COMIC PROJECT『ビビの冒険』」古味直志

 変態企画が帰ってきたぞ。Boichi先生以外やりたがらないと思うし、『ONE PIECE』の1話を長尺の読切にしたら味が薄くなるだけじゃろ……と企画自体の欠陥を感じていたんですが、今回カヴァー(カバーじゃないよ)するのは第214ー216話。3話あります。3話を48ページなので、うーん……妥当!! 改善されててホント良かったんですが、逆に「前回のは何だったの……」ともなる。いや、企画にok出したBoichi先生にも問題があるのではw
 いきなり結論めいた話になるけど、ページ数の稀釈問題が解決したので前回みたいな「何これ……」感はない。普通に面白くなったと思う。思うけど、クセがなくなったので穏当みたいな印象なのも確か。いや、それでいいんだけどね。古味タッチで『ONE PIECE』読むの面白かったよ。突然地球を俯瞰するショットが出てくるみたいな独自アレンジは楽しめないけど、それでいいんじゃないかな。あれがどうかしてたんだよ。
 本編。どうしても感じてしまうのが、こないだの『食戟』との類似。扱い時期も近いし、当然出てくるキャラも近い。ビビという正統派美少女からのデフォルメ全快のテラコッタさん、というギャップが楽しい。佐伯&古味という二大巨頭が同じ題材をほぼ同時期に挑戦したのは意味深いというか、象徴的な何かを感じる。要するに、本作における正統派美少女ってナミでもロビンでもなくビビなのかもね、とか思ったりした。
 個人的にテラコッタさんよりも面白かったデフォルメデザインがイガラム。渋いオッサン要素がしっかり出てるので「イケるやんこれ」みたいな感動を覚えた。
 からの一味。とにかく対象のエピソードには登場キャラが多い。これは勝因だと思う。良いところを選んだ。んで一味。こっちにはルフィもしっかり描かれます。他の男性キャラも良かった。古味デザイン特有のキラキラおめめのナミさんも素敵。ただ、同じキラキラおめめのチョニキが……なかなかキツい。意外なところで弱点出たなw まぁ、たしかに動物デフォルメキャラってなかなか描く機会ないか。ただの動物ではなく、知性のある動物キャラだと余計に。ただ、電伝虫とかカルーは特に違和感なかった。これ原作をそのままなぞった、という部分が大きいんだと思う。一味だとさすがに多少なりとも古味色を入れなくちゃ……みたいな義務感があったのではないか。そりゃ模写していいならそのまんまのチョニキも描けただろうよ。そういうこと考えるとカヴァー(カバーじゃないよ)企画、難しいですね。読者としては面白い。
 驚くことにバトルまである。古味バトルも見れる。さらには海軍キャラも出てきてマジで贅沢。フルボディはかなり古味感との相性が良かったように思います。まぁ、気のいい不良って『ニセコイ』そのままだから当然なのかもしれない。
 美少女(美女)キャラはどれもキラキラおめめで食傷かな……と思ってたらヒナが他の美女キャラとは一線を画す良さ。大人っぽい印象が強くて良かったですね。まぁ、こうなるとロビンも見たかったところですが、まだオールサンデーの時期か。惜しい。
 いろんなキャラが見れて眼福と思ったらビビスピーチの中に思い出話が出てくるので回想まである。これはすごい。グランドライン以降の冒険がダイジェストで、古味アレンジで見れる。もうエピソード選択が素晴らしすぎて感動してくるレベル。これは担当(企画担当)が案を練って、その上で古味先生にオファーした、とかだといいな。この企画、基本的に無茶すぎるので作家の比重はできるだけ少ない方が個人的に好ましい。
 あと、これは今回の作品とは関係なく、改めて読んで『ONE PIECE』の方に感じた疑問なんだけど、クライマックスで、 “海軍がビビに気付いてる” という理屈でビビの呼びかけに言葉では返事できなかったじゃないですか。返事がなくてもビビがあんだけのこと言ってたら普通にアウトじゃない? なんかその後の場面の感動的な圧にごまかされたというか、そっちに気を取られてあまり考えたことなかったけど。
 終わり。正直この企画に対する不信感がすごかったんですが、思いの外面白かった。3話分にしたことでほとんど原作をなぞってるだけで、演出とか見せ方のアレンジを楽しむ良さはなくなったんだけど、1話を3倍くらいに稀釈して読むの無理があったと思うの。そして、その3話のチョイスがマジでめちゃくちゃ良かった。他作家に描かせることのオモシロが遺憾なく発揮された3話だったと思います。前回の反省(決めつけ)を感じられる素晴らしい第2弾だったと思います。

『高校生家族』

 小学生高校生、部活に憧れるの巻。たしかに無理だ……と納得しかない話なので笑った。かろうじてダンス部ならアリだったかもしれないけど、大会狙うようなタイプだとやっぱキツいですね。これは面白い。
 からの文化部。至極当然ながら春香の抱く幻想が打ち砕かれるのも分かる。主にフィクションのせいだけど、運動部による青春をありがたがりすぎよね。
 ということで才能開花。適材適所とはこのことやで。ただ、元の部員である筧くんが意外と大したことなかった、という可能性も一応は残ってるのかな。もちろん三面指しとかマジすごいんだけど。 “しょせんオレはサリエリ…” は笑った。悲しすぎるw

センターカラー『夜桜さんちの大作戦』

 最終試験は長男。最後は心の試験。黒歴史をささやかれて動揺したら負け、というギャグっぽい話なんだけど、敵の秘密を探るスキルと、冷静さを保つスキルはたしかにスパイっぽい話なので妙な納得もある。糸を使った試験という部分も面白かったと思います。
 まぁ、正直言うとスパイデーの子が意外と何もないまま終わっちゃったっぽいのが残念、とかは思った。可愛いアピールはいいんだけど、もっとちゃんとした出番あるかと期待しちゃった。
 んで、太陽。黒歴史カムアウトがどんなものが来るかと思ったらめっちゃシリアスな話題が飛び出て驚く。読みながら太陽と一緒にドキッとしてしまうような話題だったと思います。「太陽の動揺を誘うネタ」として文句なしの内容。急に話がシリアスに戻るという意味でも面白かったし、この転換はマジ鮮やか。
 からのバトル。まぁ、さすがに心の試験のまま続けるのは無理か。てか、太陽が受けしかないので漫画的に盛り上がりにくいってのもあるし。

『NERU-武芸道行-』

 アバン2ページで入学試験が終わったのは意外。意外だけどこれ以上盛り上がらないだろうし、ヘタに引っ張らないという意味でも良かったと思います。そして扉では逆に「卒業」を描いたのも見事。異様なほど話がサクサク進んでる気になれる。
 入学。 “この学校の女子は怖いからね〰” 。てっきり強キャラがいるとか、この学校では一般社会と違って男女平等だから隠れた女性実力者が集まる傾向にある、とかそういう話かと思ったらもっと直接的な結論になるので笑った。笑ったと同時にテーマとしてめちゃくちゃ面白い。「たしかにこれは大変だ」という納得。かなり地に足着いたバランスのバトル漫画だからこその女子キャラどうするの問題。このテーマはなかなか見ることがないと思います。ジャンプに限定しても珍しいし、何ならジャンプ以外でもかなりレアなのではないだろうか。ジャンプ以外の漫画ほとんど知らんけど。
 ネルが気まずそうに動揺してるのとかめちゃくちゃ可愛いし、ラッキースケベ的な展開に「おやおやお色気ですか」となるのが普通の漫画だと思うんだけど、本作で、あのラストショットを出されると「マジで大変じゃんこの問題」と印象がガラッと逆転する。学校に通うことで人と交流するようになる、というネルのドラマとして適切なのも良いですね。この手の特殊学園ものだと、最近のジャンプだと『食戟』がかなり近いと思ってたんですが、食戟は料理で戦うからこの男女の要素はゼロだったんだよなぁ。最高やん。正直「入学試験で他の受験生の妨害するのアリなの?」とか気になってたし、引きずりながら読んでたんだけど、最後で一気に逆転というか、「そんなことよりも面白くなってきましたぞ」的な興奮。

『呪術廻戦』

 南十字星は4つじゃないのかよ。マジで意味のない点があるので笑った。どうせ中心にあるんでしょ? とか思ったらマジで十字関係ない。理不尽を感じる。
 ウサちゃん可愛い……とか思ってたら割とグロく死ぬので笑った。からのパンダ先輩の “俺の次にカワイかった!!” も良い。ただ、可愛いだと玉犬も負けてないと思う。
 特殊すぎるルールの術式。保守派じゃないけど、少し「どうなの」的なことは感じる。『HUNTER×HUNTER』の念と違って生まれ持ってのものじゃないですか。それがあんだけ複雑なルールになるってどういうことなの。これは『ヒロアカ』でも感じたけど、自然発生で生じた能力にしては理屈っぽすぎる、人間社会の文化が前提になりすぎてる。そんな違和感。
 正直ルールが複雑すぎると、その謎解きに関しても興味が薄まるというか、「クイズやってんの?」みたいな気持ちになるんだけど、ラストの伏黒、逆転の一撃が玉犬だったのは良かった。「お忘れじゃないですか?」的な痛快さがあるし、絵的にもハデでかっこいい。そして何より犬がボールくわえて飼い主の元に走ってくるみたいな可愛い。グッボーイ。

『SAKAMOTO DAYS』

 ウータンのシン対策。 “それは虫眼鏡で太陽を覗くような” という比喩がめちゃくちゃ分かりやすくて納得しかけたんだけど、普段シンは坂本に殺される映像を読み取ってるので “やはり言語化された思考を読んでるだけか” は大きな誤り。もちろん思考量でオーバーヒートさせる作戦自体は有効なので結論としては納得なんだけど、知の強キャラであるウータンがかっこつけながら誤解したまま(シンとの)話が終わる、ってのに激しい違和感。
 んで、ウータンをどうやって倒すのか……と思ったら仲間割れで有耶無耶になってしまった。いや、ちょっとこれはキツい。普通に勝利の気持ちよさよりストレスの方がでかい。そもそもカジノでの対決もすげぇ雑に終わってババ抜きになったのに、ババ抜きもかよ。これはダメでしょ。好きな子の前でかっこつけるって件も “あとは任せたぞ” で全然かっこよくないし。坂本だったら別に銃を無効化しなくても勝てたでしょ。なんだかなぁ。いや、普通に酷い。久しぶりにジャンプ読んで1話の総合的な感想が「つまんない」になった。

『ウィッチウォッチ』

 狼男戦を楽しみにしてたら付与の魔女の身の上話聞かされてストレス。わざわざ差し込んだ割には結論として何も得るものなかったし。……いや、これはちょっとイライラしすぎ。悪いバイブス引きずりすぎ。ごめん。
 んで、バトルと思ったら話し合いになったので少しアレ。いや、この話はまぁ分かるか。モイちゃんの言い分は至極全うだし、あのケイゴとの友情が全部「うっそぴょーん」で終わった方が違和感あるのもたしかだわ。モイちゃんはそこまで積極的に戦いたいわけじゃない、という意味でも納得はある。その問いかけに対する返事が “覚えてねえ!” だったのも良いよね。強がってるのがバレバレ……というほどではないが、明らかに含みを感じる返答だったと思う。

『アンデッドアンラック』

 仲間がいるから強い、的な話が連続してますね。まぁ、少年漫画だと定番のテーマなんだけど、かなり直球の回が連続してるので面白い。
 不減さん、チカラ対策が合理的すぎてエグい。閃光からの目潰しとか
「そりゃそうだけどさぁ」的な恐ろしさを感じる。子供が大人に立ち向かう話としてめちゃくちゃ面白い。
 あと関係ないけど、狂気すら感じさせる行為としての目潰しという点に映画『孤狼の血 LEVEL2』を連想した(知らんがな)。鈴木亮平がマジめちゃくちゃ良いんですよ。最高すぎる。ということで勝手にテンション上がってたんですが、それ故に本話のラストには「目くり抜いてなかったんかい」的なガッカリも感じた。あまりに勝手な感想だ。

『破壊神マグちゃん』

 RPG回。ギャグ漫画だと割と定番のイベントな気がする。ちょっとそれるけど個人的には『ゆらぎ荘』が思い出深い。ただ、RPG的な世界に入るまでの理屈が、驚くべきことにあの『ゆらぎ荘』よりもちゃんとしてる。それが夢。夢の共有。要するに「破滅の刃 無限列車編」。平たく言うと映画『インセプション』。ただ、イズマくんを示す言葉としてお馴染みの「世界観の違う男」の表現として夢ってのが見事でした。世界観が「作品設定」みたいな意味ではなく、「世界をどう見てるか」なんですよね。それが夢という形で具現化する。
 んで、イズマくんの見てる世界。当然のように学校はない。あのすっとぼけ顔可愛くて好き。流々ちゃんがかなり全力でバイオレントなツッコミ入れてるのも好き。まぁ、夢だから「頬をつねる」の過激版って感じかな。
 改めてイズマくんの見てる世界。RPG。『ゆらぎ荘』もそうだったけど、要するに『ドラクエ』的な世界。『ゆらぎ荘』ではゲームの中に入る話だから当然っちゃ当然なんだけど、本作の場合は「ウネさんが『ドラクエ』を元に教育(洗脳)したのでは?」みたいな勘ぐりもしてしまう。
 懐かしのミュスカー。これは一部のファンが泣いて喜ぶのではないだろうか。ドヤった顔が可愛い。そして何より、そんなミュスカーに話かける流々ちゃんが目線を低くして話しかけてるのが最高。やはり本作こういう細かい描写がうまい。可愛いものをそれ単体で描くのではなく、何がどうしたら可愛いのか、までがしっかりしてる。つまりは漫画として読んだときが一番可愛い。
 んで、ノスコさんの処遇。藤沢家らしい。錬には既にナプタくんがいるので、これはリンさんが担当ってことになるんじゃないかしら。怠惰キャラとして相性良さそうだし。

『僕とロボコ』

 愛読者アンケート回。ジャンプ愛をテーマとする本作としては大ネタ来たな! みたいなワクワク感があるw
 ちなみに、アンケートハガキから読みとれる読者プレゼントページのタイトル。 “膝コ! 膝コ! 膝体操始まるよ!! 明るい膝し!!” 。ちゃんとダジャレが入ってて感動した。ネタの精度が高い……。
 本題。『ONE PIECE』が休みなのはジャンプあるあると同時に「大御所すぎて扱いづらい」という事情もあったと思う。『ONE PIECE』を除外すると途端に話が作りやすくなるというか、スムースに進行するようになる。気がする。
 『SAKAMOTO DAYS』って「サカデイ」って略すんだ……と学びを得た。ちなみに今週のはマジでつまらないです。
 ロボコが『高校生家族』に入れてたのが意外だったんですが、ギャグ枠を用意してるらしいので笑った。逆に言うと、『高校生家族』は『ロボコ』的にネタにしにくい作品だったんだろうな、とも思う。
 白紙投票に勝手な意思表示の意味を込めてもまったくのナンセンス、というのは暗に選挙の話をしてるのでは……とか勝手なこと勘ぐった。好きな党がなかったら嫌いな党以外のとこに入れるのがいいと思います。捨て票としてネタ枠っぽいとこに投票するのもオススメ……と言いたいところだけど、最近は冗談みたいな人が当選することもあるのでネタ枠も良くないか。
 関係ない話になるけど、当ブログで毎回最後に決めてるベスト作品と案読者アンケートの回答が一致するとは限りません。そもそも今はアンケート送ってないけど。今だったら毎週思考停止で『マグちゃん』ぶっぱ、という感じになるだけ。

『好き狂い』江ノ島だいすけ

 読切。ジャンプショートフロンティア。アバンが3ページもあるの良いね。短い読切なのにゆったりとしたアバン、とても雰囲気があって良い。15ページしかないのに、アバンと扉で計4ページも使っちゃって大丈夫?? と思ったらめちゃくちゃシンプルな話なので大丈夫だった。これは見事だわ。ワンアイディア勝負で走り抜ける。ショートフロンティアかくあるべし、みたいな作品。これは良い。好き。
 引きこもりのデフォルメとしてはかなり定番というか、ベタでそれほど面白くない……と思ったら、の転換でマジ魅了されました。個人的に一番好きだったのは主人公が告白を断るシーンをヒロインの視点で描き直した場面。めちゃくちゃ不細工で、キモさ爆発してるので笑った。あの主人公、自己認識めちゃくちゃ美化してたんだな……とあまりにも冷たい現実を思い知らされるw これは視点をひっくり返すならではのオモシロですわ。変に引きこもり主人公を美化しすぎい、という意味でも誠実だったと思う。かと思いきや、キモい主人公が飛ばしたツバがヒロインの頬を伝う涙へと変貌する、という演出があまりにキレイで感動もする。キモさからの “すき……” の転換として完璧な演出だったと思います。
 終わり。めちゃくちゃ面白かったです。やはりショートフロンティア続いてくれて良かった。

『あやかしトライアングル』

 かつての悪役も可愛いショタになってしまえば善人堕ち、という予感がすごい。真面目に描くと「とても悪人には見えない」という絵的な説得力。『マグちゃん』のミュスカーと似たルートと言えるかもしれない。まぁ、あれは元がショタなんだけど。
 んで、神コロ様展開。いや、「完全体になりさえすれば」という意味ではセルに近いかもしれない。あとは『ドラえもん』のかげきりばさみ。

『アメノフル』

 スプーンを持つもの同士の対峙。本作こういう決め絵が頻繁に出てくるというか、決め絵のキメキメっぷりが最高だと思います。 “ちょっと待ってくださいでした すみません!!” みたいな話の腰を折りかねないギャグを入れてくるのも魅力なんだけど、そこから再びシリアスな話に戻った際の決め絵の説得力。単に漫画としてめちゃくちゃ面白い、という話なんだと思う。
 モンブランのお菓子使いがめちゃくちゃ強そう……というか『あやかし』で「追いモンブラン」が出てきた直後なので笑ってしまう。言われてみればたしかに今のジャンプにおける二大スイーツ漫画なのかもしれないw
 からの飛んでくるツムギ、の1ページ丸々使った決め絵も最高。とにかく最高。シンプルにめちゃくちゃかっこいい。one perfect shotの連続ですわ。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 ネタハガキ東西戦。8/31は夏休み最終日ということで、「残り1日でゼロからできる自由研究・自由工作はコレだ!!!」。
 東。井の線亭ぽんぽこさんの「二日目のカレー」。お題の「残り1日でゼロからできる」という点を拾い上げててめちゃくちゃ面白い。あと、ちゃんとしたレポートになったら普通に興味深そうでもあるw
 透明タブレットさんの「一夜干し作り」も同様。残り時間を踏まえたネタ。9/1に突入してから完成するというハラハラ感というか、タイムリミット感も強く感じる。
 ゆで卵大好きさんの「塩作り」。気持ち悪いんだけど、夏ならではの叙情を感じるw たしかに「どんだけ汗かくんだよ」とか思ったことあるわ……。
 西。未完の貴公子さんの「秒針の観察」。こちらも残り時間、タイムリミット感が強く出た作品だったように思います。ただ残り時間の経過を眺める、という研究。
 とんちを使った手抜きみたいなネタが西には多くて、ゲームセンターAさんの「彫りかけの仏像」、白髪ネギ華道さんの「私そのものが作品」、むふうさんの「愚か者には見えない絵」。どれも夏休み終了間際のみっともない悪足掻き感あって好き。逆にこれが良いんじゃね? みたいな開き直りというか、この感じのマインドちょっと分かるわ。
 パープルアップルさんの「眼鏡からコンタクトに変える」。個人的には最優秀賞。夏休み明けあるあるとしてのイメチェンを自由研究というお題に当てはめる発想が秀逸。リアクションコメントも良かった。

次号予告

 『ONE PIECE』です。100巻記念です。特別企画どうなるのかと思ったら『食戟』がまた載るらしいので笑った。どんだけ描いてんだよw 予告通りならカマバッカの話になりそうなんだけど、マジか。そこ攻めるのか。すげぇ。
 あとは『マグちゃん』がセンターカラーなので私としてはもうニッコニコです。しかもチヌ回らしいです。本編ラストの予告文と一致するのでこれはマジだと思う。センターカラーにチヌぶつけてくるとか、やっぱチヌ愛されてますね。人気投票の結果が楽しみです。

目次

僕の昔の短編「モンスターズ」がYouTubeでボイスコミックになったよ。ぜひ観て!!
(『ONE PIECE』)

 古味先生に労いのコメントしてあげてよお!!

ワクチン接種は無事終わったけど帰りに足くじいて左肩と左足と肛門が痛い。
(『ウィッチウォッチ』)

 肛門の押しが強い。マジでつらいのか。

コップの中に小グモがいたので今年の血の気が引いたランキング1位ほぼ決定
(『夜桜さんちの大作戦』)

先日台所ににょろっとしたものがいて震え上がったんですが、鷹の爪でした <一本>
(『アメノフル』)

 突然のエンカウントにビクビクするのが夏の風物詩のような気がしてきた。

愛読者アンケート

 カヴァー(カバーじゃないよ)企画について。絵柄は原作の雰囲気にマッチしてたと思う。古味先生の非ラブコメ漫画が読める、という意味でも今回のは良かった。
 『ONE PIECE』のスピンオフで読んだことあるもの、知ってるが読んでないもの、知らないもの。読んだは『恋する』、『食戟』、Boichi先生のカヴァー(カバーではない)。知ってるは全部。知らないものはない。全知全能感ある文章になってしまった。
 ジャンプビクトリーカーニバルについて。観てない。

総括

 終わり。すっかり遅くなってしまった。いそげいそげ。

 ベスト作品。『dr.stone』。
 次点は読切2つ。

 ベストコマは『NERU』のラストショット。よくあるセクシーショットのように見えて、「面白いことになってきましたぞーw」という興奮があって最高。

 最後に今週のベストキャラ決めて終わります。こちら。

  • クリード 『アンデッドアンラック』
    • 合理的すぎて怖い、という迫力が素晴らしかったです。アンディの天敵、という最初の紹介もかっこよかった。「そこまでの人だったのか」みたいな驚きを感じたけど、納得も強い。

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